2001年10月21日

龍村仁監督を迎えて「地球交響曲ガイアシンフォニーは心の映画だ」

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは龍村仁さんです。
龍村仁監督とエイミー

●やっと完成した「地球交響曲ガイアシンフォニー第四番」今の心境は?

「今回は“共に感じるシンフォニーから共に奏でるシンフォニーへ”ということで、一コマスポンサー・プロジェクトを展開したから、観客がスポンサーというちょっと他にはないスタイルでやったわけだけど、確かにこの2年いろいろ大変だったけれど、深いところで観客とつながっているという共感もあって、それを頼りに作っていったところもあったから、今は、本当にありがとうございますという感じです」

●撮影中は熱を出されたり、移動が多かったりと、大変だったと聞きますが。

「忘れましたね。その一瞬一瞬はしんどいこともあったけれど、魂というか、見えないものが深く強くあって、そういうものに向かっているときには、プロセスの中での苦しみはいろいろなものがわかってくるとすぐ忘れちゃう。俺の性格なのかもしれないけど(笑い)。でもね、人間が生き続けるひとつの大きな力の中に記憶喪失というのがあると思うんです。苦しみも悲しみもすべてを背負ってたら、前に進めないでしょ。無くなるわけではないと思うけど、忘れていくことで、一つ一つのことにベストを尽くせると思うんです。記憶をためるのではなく、それを体験したことで心の中にヒダのようなものを刻むというかな、たくさんのヒダをもちながら、何事にも捕らわれていないというふうにありたいと思っているんだけど、そうあれば、何か新しいことに直面したときにも一瞬のうちにセンサーのようなものが働いて、判断ができるようになる。だから、捨てていっても大丈夫、捨ててもなくならないものは、そこで感じた、開いたセンサーであって、具体的な内容とかはなくてもいい、そんな感じかな」

●“21世紀に生まれ育つ子供達のために”というテーマで4人の方々が出演している「地球交響曲第四番」。ガイア理論の提唱者である生物物理学者のジェームズ・ラブロックさん、チンパンジー研究家のジェーン・グドールさん、伝説的サーファーのジェリー・ロペスさん、そして版画家の名嘉睦稔さんが出演されています。そして、それぞれの方のパートの最後には子供たちに向けたメッセージもあります。

「例えばジェームズ・ラブロックさんが“THINK FOR YOURSELF, BE AN INDIVIDUAL”つまり、自分自身で考えて、自立して生きなさい、ってことだけど、考えたら当たり前だという感じだけど、実は、その後ろに深い意味合いがあるでしょ? 今、不幸な悲しい事件がどんどん起きるけど、何故起こるんだろうということを考えていくと、ラブロックさんが言っている、自分の奥底にあるものに立ち返るということ、何かに帰依して判断しようとするのは危ないことだよって。自分自身の奥底にある本当の何かを見つけたときに、実は本当の意味で“共にあれる”ということがわかるんだよね。何か、今のこの時期にまだまだ苦しいことは起こるだろうけど、それにどういうふうに立ち向かっていくかということを示唆してくれてるような気がしますよね」

龍村仁監督

「先日、名嘉睦稔から1枚のTシャツをもらったんだけど、そのシャツに真っ赤な炎が描かれていて、そこに“ヒヨリシディル”と書いてあったの。火から孵化するって意味なんだけど、象徴的でしたね。要するに、何か生まれ変わるためには苦しみはまだまだあるなと思いました。混とんとしたこの時代に深い苦しみや悲しみがあるのは、生まれ変わるための何かなんだと思う。大人たちの立ち居振る舞いが、成長期の子供に影響するんです。だから、一瞬一瞬を大人たちがどう立ち居振る舞うかということが、実は21世紀に生まれ育つ子供たちにとってはものすごく大事なことなんですよ。僕は、この映画を具体的に子供たちが見てくれて感じてくれることもあるだろうけど、むしろ、大人たちに見てもらって、考えて欲しいと思ってるんです。別に映画を通して説教するつもりなんかまったくないし、できないけど、映画って言うのは上映しているときに既に見ている人の間で何かが起こっているというような、双方向の営みだと思うんですよ」

 心の映画“ガイアシンフォニー地球交響曲第四番”。今後、全国各地で自主上映会も開かれることになっています。是非一度、ごらんになってください。

「地球(ガイア)をつつむ風のように」

龍村仁さんの著書
「地球(ガイア)をつつむ風のように」
サンマーク出版/1,700円(本体価格)

■このほかの龍村仁さんのインタビューもご覧ください。

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. BOOK OF DAYS / ENYA

M2. AT THE SHORE / SUSAN OSBORN

M3. THERE IS A SHIP / 白鳥英美子

M4. BLUE BIRD / BOYS AIR CHOIR

M5. KAILUA RAIN / BILL KEALE

M6. 星ぬ子守歌 / TINGARA

油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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