2003.1.12放送 快適生活研究家・田中ケンさん登場 今週は「ポパイ」「メンズクラブ」など主に男性雑誌でモデルとして活躍され、現在は"快適生活研究家"としてテレビ・ラジオ・雑誌など様々なメディアで幅広い活動されている、田中ケンさんをゲストにお迎えし、" 快適"なアウトドアでの楽しみ方や、ちょっとした"快適"になるコツ、また田中さん御自身の活動などをうかがいました。 ●早速なんですが、田中さんの肩書きである"快適生活研究家"。あまり名乗っていらっしゃる方がいないような・・・(笑)。 「そうですねえ(笑)。実はねえ、僕は2代目になるんですよ。僕の兄貴分というか師匠がいて、その方が名乗っていたんですが「そろそろ、お前にやるよ」と。本来は"2代目・生活快適研究家"と名乗らなければいけなくて、1年間くらいはそう言っていたのですが、必ず「初代は誰?」って聞かれるのが面倒なので(笑)」 ●その師匠って、なんとなく想像するに、木村東吉さん・・・? 「ええ、これでも昔モデルをやっていまして、その時の兄貴分なんですよ。で、名乗り始めて、もう10年近くになりますね」 ●じゃあ、もう2代目はいらないですね。でも、"快適生活研究家"って、どういうことなんですか? 「まあ、読んで字の通りで、快適に生活することを研究するぞと。それをどっかで発表出来たらいいなと、そんな考えで、自分が楽しいことをやっていきたいなという」 ●(笑)。でも、快適に生活すると言っても色々な生活の仕方があるじゃないですか。 「そうですね、どうしてもアウトドアな人のように言われるのですけど、全然そんなことはないんです。例えば、家での家族との食事が快適なら、その食事が美味しければもっと快適になるので、それじゃあ料理を研究しようと。そこに犬がいればもっと楽しいから、犬を飼い始めたり、この犬を連れて散歩に行ったら、どうしたらその散歩が快適になるのかと考えたり、日頃の生活を研究していくということですね」 ●じゃあ、色々な意味での快適を研究する・・・。 「ええ、その中でもアウトドアは僕の中でも快適なものなので、大きくなっているんですが」 ●元々アウトドアは子供の頃からやっていらしたんですか。 「父親がドイツ系の人間で、週末はいつも父親が料理を作ってくれて、季節の良いときは庭でバーベキューをやってくれたりして、それがアウトドアだったんですね。なのでアウトドアをするという括りではなく、快適に楽しめるということでしたけどね。でも、だんだん大きくなるとすっかりアウトドアの生活から離れて、夜の街をフラフラと、ネオン街が大好きで遊んでいたんですけど(笑)、そんな時、初代・快適生活研究家から誘われてキャンプに行ったときに「これが究極の遊びだ!」と思ったんですね。山中湖の1周レースに出るということで、そこのキャンプ場でテントを張ったのですが、その木村さんはバッとテントを張り、いきなりメキシコ料理なんかを作ってくれて、そこでパーティーが始まるわけですよ。それもビールや焼酎ではなくてワインが並んでいてオシャレだったんですね。そして食事が終わると焚き火を囲んでカクテルなんか飲んで・・・」 ●わーっ、なんか惚れちゃいますね(笑)。 「惚れちゃいますよね。女だったらイチコロだなーって。で、男もイチコロになっちゃったんですが(笑)。それからのめり込んでしまって」 ●それからアウトドアにはまっていったんですね。 「そうですね、当時あるトライアスロンみたいなレースに出ようとしてて、東京ではなかなかトレーニングができないので、山の中とか高原、湖なんかに行ったのですが、その時の手段がキャンプだったんですね。それでテントを張って食事をすれば家族も楽しめるし、家族も連れていける、そして自分はトレーニングが出来ると。そんな感じで1992年にはサバイバルレースに出たんですよ。それらもキッカケでどんどんはまっていったんですね。僕は何でも、初めてとか、日本初、今までやったヤツがいないとか、そういう言葉に弱いんですよ。なので無理をしてでも行っちゃうんですね。それで痛いおもいをするんですが、その痛さ以上に、その時見たキレイな景色とかの感動の方がそれを追い抜いちゃうんですね」 ●そして田中さんは「アウトドア達人パパの快適家族術」というご本も出されていて、その中では臆病なくらい慎重じゃなきゃアウトドアはやってはいけない、冒険家はみんな臆病だ、というお話を書かれていますけど・・・。 「冒険家の方はみんなそうだと思います。僕はそれ以上に臆病なんで、大きな冒険はしないんですね」 ●うーん・・・?。 「(笑)。どっかで楽しさを追究している、快適生活研究家なんで。冒険家ではないんで」 ●そっか、そっか。 「冒険家の人とか、アドベンチャーレースに出る人とかは出来るだけ荷物を少なくしたほうが楽だから、彼らは水を1リットルしか持っていかないのに、僕はそんなとき2リットル持っていくんですね。我慢するよりも、山を快適に楽しむ。グビグビっておいしく水を飲んだほうがいいじゃないですか。そこが快適生活研究家なんですね」 ●私も、そっちの方がいいなー。 「ですよねー!いいですよね。そして山でもクッキー食べたりコーヒーを飲んだり、子供がいたらココアを持っていったり・・・」 ●そうするとケンさん自身だけでなく、御家族も楽しいんじゃないですか。 「僕は勝手にそう思っていますけどね。ウチは、娘は2歳の時から、息子は半年くらいからキャンプをやっているんです。息子は少しアトピーを持っていたんですが、生まれて半年で富士五湖にキャンプに連れていって朝起きたらアトピーが無くなっていて、それから見たことはないですね」 ●そこに連れていっただけで?何かしたわけでなく? 「そこに行っただけです。何かあったんでしょうね。生まれて半年の子供が都会を出て自然の中に入ったときに、何かが反応したんでしょうね。そういう意味でも、みんながそうだとは思わないですけど、ウチの家族はアウトドアが合っていたのかなと。でも、ウチの女房は昔付き合っていたときボディコンでしたからね。僕、その時ネオン街が好きで・・・」 ●(笑)。あっ、その時にお知り合いになって・・・。 「そうそう、今はもう一切無いですね、アウトドアの格好をしますね」 ●人って変わるんですね・・・。 「変わる人は変わりますよね。運動も何もしない女性だったんですが、今は一緒に山も登りますし」 ●快適な生活をいろいろ研究し、御自身もエンジョイしながら、息子さんとは男同士で男2人旅なんかもたまにするそうですね。 「はい、たまにしますね。一番最初に行ったのが、息子が幼稚園から小学校に入る前の春休みで、電車で旅を1週間くらいしたんですが、これが面白かったんですね。思ったよりしっかりしていて、逆にこっちが手を抜けないぞっていうのがありましたね。今は小学校5年になるんですが、今でもその時の話なんかをしますね。その時は九州の大分で僕の先輩の牧場へも行ったのですが、その時に裸馬の背中にいきなり乗せて走らされて、僕は「お前はどっかに行ってろ」って言われて離されて。でも翌日には速足くらいまで乗れるようになっていましたね。彼にとってもいい経験で感動で自信がついたんでしょうね。非日常を感じれば子供は感動してくれると思うので、それこそ「キャンプに行くぞ!」とかじゃなくて、のんびり自転車で遠くまで走ってみようかとか、そういうことでもいいんじゃないかと思いますけど」 ●そうやって息子さんと旅とかされていらっしゃいますけど、都会に暮らす子供達って、外に出て遊ぶ事がすごく減っているんじゃないかと思うんですね。 「ええ、何もない場所にキャンプに行くことで、テレビもゲームも便利な物が無い中で、自分達で工夫をして楽しんだり生活をしていくわけですよね、そのやり方を自然に身に付けていったんじゃないかなと思いますね」 ●自然の中に出掛けて快適に過ごすということは、自然を傷めてしまうというシビアな一面もあるじゃないですか。その辺はどういう風に考えているんですか? 「2年くらい前から、僕は自然に遊ばせてもらっているので自然に何か返してあげなければと思っていて、東海自然歩道をですね、東京から大阪まで1000キロくらいあるんですけど、それをゴミ拾いしながらつなげたら面白いなと思って。多分、僕が生きているうちには大阪まで行けないと思うんですが、僕の息子だったり、そこ来てくれた子供だったりが、いつか大阪までつなげてくれれば夢があるじゃないですが。そのために2年前に始めて、それも大々的に始めないで自分のホームページだけで呼びかけてやっているんですよ。最初は5~6人だったんですが、だんだん増えてきて今は15~6人くらいで、今ではやっと丹沢に入ったんです。この前の12月に「1年の最後だから行きましょう!」って言ってたらその1週間前に雪が降ったので、役場に電話したんですよ。「清掃登山やっている人間だけど、トレイルは大丈夫ですかね、こういうルートなんですが」「あー、全然大丈夫だよ、雪解け早いから、オッケーですよ」「そうですか。じゃあ、ゴミを拾うのでその処理をお願いしたいんですが」「じゃあ、どこどこに捨てておいて下さい」「わかりました」って確認して行ったんですよ。そしたら、バカヤローでしたね、大雪で」 ●(笑)。 「みんな来ている人は僕よりプロで、ちゃんとゴアテックスの靴を履いてきてたんですね。僕は雪が無いって聞いていたから、ジョギングシューズで行ったんですよ。その時は息子も連れていって息子はサッカーシューズだったんですよ「もう大丈夫だ、サッカーシューズで行け!」って。そしたらそれで積雪20センチくらいの中を歩いて(笑)。しかもゴミなんて拾えないんですよね、見えないですから。もう、スノートレッキングだ、行けるところまで行きましょうって、そんなことやって楽しんでますけど」 ●清掃って、高尾山から始めて丹沢まで来た、でも何日後かに高尾山に行ったらまたゴミがある・・・。 「間違いなくそうだと思うんですよ。そこで僕らが拾ったゴミでキレイになっているとは思っていないですよね。でも一緒に来ている人達へのメッセージだけでなくて、出来るだけ子供を連れてきて下さいって言っているんですね。なぜなら僕らの世代だけでは絶対キレイにならないんですね。その子達が大きくなったときに「そういえば親父達はゴミを拾っていたな」と思えば、例えば近所でもゴミを捨てなくなったりだとかゴミを拾ったりとかするようになるじゃないですか。それがだんだん広がっていけばいいなと。現に僕らがゴミ拾いをしていると他にもトレッカーがいて、「ご苦労様」って言ってくれる人もいれば、目の前でポンって捨てていくヤツもいるんです、それが現状なんですよ。でも、どっかで僕らがやっていることを見てくれれば、少しずつ変わってくるんじゃないかな、それでいいと思うんですよ。 ●今年2003年中にはどの辺まで行けそうですか? 「どうにか、河口湖くらいまで行きたいなと思っているんですがね。でもキツイことは絶対にやりたくないんで、朝8時頃集合して、登り始めて、午後1時くらいには下りてくるようなスケジュールですね。せっかくのお休みなのに、ボランティアメンバーが1日かけてやったら嫌になっちゃうじゃないですか。なので朝気持ち良く登り始めて、山の頂上でやっぱりコーヒーを飲むんです。コーヒーとクッキー(笑)。それがすごい楽しいんですよ、ワイワイしゃべって。利害関係が無いメンバーだから盛り上がるわけです。本当は20分くらい休めばいいのに、1時間くらい休憩して、そんで午後イチくらいに下りてきて「お疲れ様でした、午後はまた自由に使って下さい」くらいの感じですね」 ●田中さんの清掃登山は、"快適"清掃登山なんですね。 「そう!、楽しもうよ、と。でもみんなゴミ拾うのが楽しいみたいですね」 ●これって、どのくらいのペースでやっているんですか? 「月に1回ですね。今は雪でダメなので、今年は3月くらいからですね。雪が解けたのを見計らって。今度は役場に電話しないで、雪が無いのを自分で見に行って(笑)」 ●そしたら、ちゃんとゴアテックスを履いていきますもんね(笑)。今年はフリントストーンもぜひ清掃登山に参加して、楽しみながらゴミ拾いをしてみたいですね。 「会費100円ですからね」 ●えっ、会費100円なんですか? 「100円です。僕コーヒーを用意しますから。コーヒー代100円もらうんですよ」 ●それでいいんですか?なら、フリントストーンはクッキーくらい差し入れして・・・。 「差し入れしていただけます?結構、うるさいですよ、みんな。ナニナニのチョコがいいとか・・・」 ●そんなの、知ったこっちゃないですよ。こっちが用意するんですから(笑)。 「(笑)。そうですよね、差し入れですもんね。でもぜひ参加して下さい」 ●"快適生活研究家"としては、今は寒いですけど、この時期、快適に生活するアウトドアの楽しみ方とかありますか? 「僕、冬はスノーボードが大好きでよく行くんですが、最近は自分で背中にスノーボードを背負って、スノーシューで歩いて、危なくないところをですね、危なくないところですよ、冒険家ではなくて快適生活研究家ですから、そこを滑って遊んでますよ。その中でやっぱりコーヒーとか飲むんですね、全然温かくなくておいしくないんだけど、どっかでこういうことをやってる自分が好きなんですね。そういうおかしいヤツの仲間も増えてきたんで、一緒に行って楽しんでいるっていう感じですね」 ●それ以外にも、私が個人的にも参加したいのが、"ドック・アンド・キャンプ"。 「"オープンエアー・フェスタ・ドック・アンド・キャンプ"、長ったらしい名前ですよね」 ●なので、省略して"ドック・アンド・キャンプ"と呼ばさせていただいていますけど。 「僕たちも省略して、"犬キャン"って呼んでいますよ(笑)。これは犬と一緒にアウトドアを楽しもうよという感じで始めて、快適生活研究家とはいえ、アウトドアを仕事にしていますが、最近そのアウトドアが元気がなくなってきているというのがあるので、少しでもその底辺が広がってくれればいいなというところで始めたんですけど、いきなり"オープンエアー・フェスタ"では人が来ないので、キーワードで、僕も杉並の神田川の近くの家で犬を飼い始めたし、犬だなと。朝、ジョギングをしている時に、井戸端会議で犬は散歩もしないでお座りをさせられているのを見て、これは違うんじゃないかと。犬は井戸端会議の道具ではなく、犬ともっとアウトドアを楽しもう、ということを少しでも広げられたらいいなということで始めて、かれこれ2年になるんですけど」 ●そして今年もまた・・・? 「そうですね、10回やりますね。デイ・キャンプを4回くらい、泊まりのキャンプを3回ですね」 ●じゃ、ぜひ泊まりの方に参加したいなと。あと、今年はそのほかは? 「ゴールデンウイーク前後に"オープンエアー・フィールド"と題してキャンプ場をオープンすることになりまして」 ●田中さんがオープンするんですか? 「そうですね、プロデュースと運営もやらせていただくというこということで、北軽井沢なんですけど」 ●これは行かなきゃマズイですね、フリントストーンは。 「これはもうすごいですよ。この話になると話が止まらないんですけど(笑)、東京ドーム3倍の大きさで、裏には僕はフェスタ山と呼んでいるんですが、本当は鷹繋山という山のトレイルもあるし、俺のもう1個の山、浅間山もあるし(笑)、そばにはフェスタ滝という、本当は浅間滝という滝もあるし、俺のものがたくさん・・・」 ●じゃあ、ぜひ田中さんの所へ・・・。 「(笑)。俺のものを全部見せてあげますので、ぜひ来て下さい」 ●ぜひ、遊びに行かさせていただいて、みんなにもね、ぜひそこをオープンしたら紹介したいですね。 「僕も仕事ないときはそこにいますので」 ●今年は田中さんには何度となくお会いする機会があるかと・・・。 「遊びに僕も来ますし、来て欲しいですし・・・」 ●これからもどうぞ、ぜひフリントストーンのお友達になって下さい(笑)。 「お友達に!?ええ、お友達で(笑)よろしくおねがいします」 ●よろしくおねがいします(笑)。 ・田中ケンさんの著作ご紹介 『アウトドア達人パパの快適家族術』 モダン出版 価格1300円 家族とともにアウトドアで過ごした数々のエピソード、アドヴェンチャー・レースに出場したときの模様、さらに田中家のもてなしレシピ集なども載っている、楽しく読める本。お勧めです。 ・また、お話の中にも出てきました、定期的に行なっている東海自然歩道の清掃登山は雪のため、3月まではお休みとのこと。その代わりに、2月1日(土)~2日(日)に北軽井沢のオープンエア・フィールドで1泊2日のスノーシュー・ツアーを開催するそうです。 詳しくは、 旅・遊び・料理などを通した "田中流快適・生活術"満載 の公式ホームページ『田中ケンのIT'S MY LIFE』をご覧下さい。 http://www.daddyopi.com/ 最初に戻る ON AIR曲目へ ゲストトークのリストへ ザ・フリントストーンのホームへ photos Copyright (C) 1992-2003 Kenji Kurihara All Rights Reserved. |