2004年4月4日

13年目に突入。4月第1週、恒例のゲストは風間深志さん

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは風間深志さんです。
風間深志さん

 92年4月にスタートしたネイチャー・プログラム「ザ・フリントストーン」が今回の放送分から13年目に入ります。ゲストは第1回目にご出演いただき、それから毎年4月の第1週に出てもらっている冒険ライダー/NPO法人「地球元気村」の大村長「風間深志」さんです。「風間」さんは22年ぶりに出場したパリダカで事故に遭い、現在都内の病院で入院・治療中です。そんな「風間」さんを病院に訪ね、これからの地球元気村の活動のことや、去年立ち上げたライダーのための団体についてうかがいました。「風間」さんは入院中にも関わらず、すでに活動を再開! 復活ののろしをあげています。

冒険家は痛さに弱い!?

●13年も経つと、風間さんとも外堀で桜の花を愛でたり、色々なところで収録をしましたね。

「こんないい加減な男に付きあっていただいてありがとうございます。今、僕はこういう(怪我をした)身分なので謙虚なんですよ」

●まさか、病室でお話をうかがうことになろうとは思いませんでした。

「想像もしなかったし、俺は入院も骨折も今回が初めてなのね。だからもうダメージが大きくて、春になるっていうのに。去年パリダカに行ったんですよね。もう春じゃない。4月じゃない。なのに、まだベッドにいながら毎日屋上に昇って自分の家の方を眺めながらいつも泣いているんだよ(笑)」

●(笑)。すでにお気づきかもしれませんが、いつもの風間さんと全然違います。

「感情の揺さぶりがいつも激しい。どっちかというとブルーでウェットで沈滞低迷(笑)」

●究極の四文字熟語ですね(笑)。

「俺は極端な人だから寂しいと思ったら思いっきり裏側へ行っちゃうから、毎日が半べそ状態だし、1日に2、3回は泣かないと治まらないね。ガハハハ(笑)」

●風間さんの冒険家人生において初めての大きな入院なんですね?

「そうだよ。今、整形外科の先生にお世話になっているんですけど、人づてに『冒険家の人ってあんなに痛さに弱いの?』って先生が言ってたって聞いたんですよ。俺、注射嫌だし、痛がるし、すごくイヤなんだよね。でも、返す言葉があって、みなさんにも参考になるかもしれませんが、『だからこそ危ない橋も渡ってこれたんだ』と言っているんです。『注意一秒、事故一生』じゃないけど、注意深くやればいいんですよ。まさに今やっちゃったんだけどね(笑)。今までだって『大丈夫かなぁ?』という気分はすごく大きかったよ」

●世間一般のイメージでは冒険家って「向こう見ずで、常識では考えられないようなことを平気でやっちゃう」って思うけど逆なんですね。

「そういう向こう見ずの人は頭の上にエンジェル・マークになっちゃうね。そうやって尊い命を落としてしまう場合があるから、冒険家は用心深くあるべし。これ今日の教訓。ガハハハ(笑)」

●最後に風間さんと(電話で)お話ししたのが、去年の12月に南フランスで「まだバイク来ないんだよ。ガハハ(笑)」って言っていた時なんですよ。

「あぁ、覚えてますねぇ(と感慨深げな風間さん)。この間だよね。マリリン・モンローが乗った船の本物が浮かんでいるマルセイユのラシオタっていう小さな港町にヨット・クラブがあって、そこを僕のパリダカのマシーンのガレージにしたのね。海沿いにあるでしょ。板の廊下で白い屋根があって、あちこちにカフェや小さなレストランがあるところで、真っ青の空で『これからパリダカに行くんだ!』って有頂天になっていたんですよ。だから俺すごく元気に話していたんじゃない? それがこの間だったのにさぁ・・・」

●元気に話していました。それがこの声だもんね(笑)。

「今は腹から声が出なくて喉からしか出ないよ。前はもっと酷かった。声っていうのは本当に健康のバロメーターだね。健康な人っていうのは腹から声を出すから。だけど今の俺はか細いでしょう。誰と電話をしていても『元気ないね』って言われちゃうんだよね。普通に話しているつもりなのに、どうして分かるのかなぁと思ってさ。
 でも、反省してこれからどんどん良くなります。健康あってこその全てだね。思いっきり『元気、元気』と唱えてきて、元気村の村長なんて言ったくせに、思いっきり元気じゃなくなってきてさ。病気になると元気ということがどれだけ大切なことか思い知りましたね」

松葉づえでキリマンジャロ

●私達から見て「53歳改めてパリダカに挑戦!」というのが風間さんにとっての新たなるステップだと思ったんですけど、この事故も含めて2004年これから心身ともに「風間深志新たなステージに突入!」という段階にいるという感じがしました。

「みなさんが『休めっていう事だよ』って慰めてくれるんですけど、自分ではもっと大きい運命的なものを感じながら、心の底から『節目なんだなぁ』と噛みしめています。まさか50歳を過ぎてこんな事故になるとは思わなかったけど、これは本当の意味で折り返しなんだなって思いましたね。多分、今までの自分とは違う自分になるんだろうなって予感もするしね。
 俺は今までどれだけ駆け足で来すぎたか。それからどれだけの人間達に『おっ、元気か?オッス!』とか言いながら適当に触れ合って、ひとつも親身になって立ち止まって話したことなんかないのに、みんなの好意を『ヘヘヘッ』とか言いながらここまで来ちゃったか。これからはもっと一人一人に立ち止まって、真剣に向き合っていくんだっていう違う考えもここにあるし、元気村も今までいい加減にやってきたなって思うんです。いい加減な村長のおかげでみなさんどれだけ迷惑しただろうって思ったので、『これからの元気村は真剣だぞ!』って思っています。冒険家、ライダーよりも一番前に来るのが地球元気村の村長。これで元気村を世界一のNPOにしていこうと思っているし、今、中国やベトナムやタイとかが工業化になっているじゃない。そういった行き過ぎた進歩、前進について振り返るものがあったからこそ元気村みたいなことをやっているんだよね。まさにそういう渦中にあるわけだから、早くアジアにも進出して『フリントストーンの意味って火打ち石なんだよ!元気なんだよ!』っていうことを、アジアの人にも言っていきたいと思っています。乞うご期待という感じですね。
 でも、そんなことを言いながら一番やりたいことが実はバイクに乗ることなんだ。ガハハハ(笑)。だって、モロッコからフランスに行って入院してベッドに横たわったときに、一番最初に思ったことが『バイクに乗りたい』っていうことだったね。乗りたいバイクの写真も病室に飾ってあって、具体的に決まってるんだよね」

●このシルバーのバイクですか?

「うん。ちょっと古いドイツの1100RTってバイクなんだ。ヘッヘッヘッ(笑)」

●カッコイイですねー!

「カッコイイでしょ。それと、青梅に警察官をやっているおじさんがいて、その人がガレージ見てくれって言うからパリダカに行く前の12月に見たんですよ。そしたら、カワサキのW-1とかヤマハのXS1とか、古いバイクや車のクラシックなんかがたくさんあって、俺が『このW-1売ってもらえませんか?』って言ったら、『僕は売らないんだ。交換ならいいよ。何持ってる?』って言うから、『こんなの持ってるよ』って言ったら『それでいいよ!』ってなって、1965年のW-1SAっていうバイクが口約束では手に入っていることになってんの(笑)。そのバイクに早く右チェンジだけで乗りたいなって思ってさ。それが今の夢なんだよね。でも乗るのはずっと後になりそうだよ」

●去年、風間さんと野点をやったじゃないですか。でも、1回きりで終わっちゃってるんですよね。

「それも、もちろんやりますよ。あと、秋には松葉づえでもついてキリマンジャロに25年ぶりに登ってやろうかなと思っています。言っていることが無茶苦茶だと思うんだけどね。元気村やりたい、バイクに乗りたい、山登りも歩いていくんだとかデタラメを言っているようだけど、風間のホラ吹きも死んでないなと自覚しつつありますね(笑)」

村長、元気の値打ちを再認識

風間深志さん

●病室のカレンダーにも予定がびっしりと書いてあるように、風間さん忙しいじゃないですか。4月10日、11日に静岡県の清水で開催される、今年初の地球元気村にも行く予定なんですね?

「これは行くって決めていて、3月20日には退院するって決めていたんです。でも、とんでもないよね(笑)。4月10日、11日の元気村だけは這ってでも行って、みんなに『よっ!』って言って開村式だけでもやって、それで足が痛かったら夜に帰ってきちゃおうかなって思っているけど、できれば2日間行ってみたいですね」

●確か、今担当の先生がアウトドア大好きなんですよね?

「なんで知ってるの?」

●ちゃんとホームページ読んでますから! なので、この時は先生付きで行ってください(笑)。

「そうなんですよ。先生もキャンピング・カーの大きいのを持っているんですよ」

●じゃあ、全然安心じゃないですか。

「ところが、『俺、飲んだくれちゃうから知らないよ』って先生に先に言われちゃったよ。お酒を飲んじゃうから傷なんて診ないって。ガハハハ(笑)」

●お酒を飲んだ人をあてにしては危険です!(笑)

「そうらしいんだよ。それが楽しみで行くんだからとか言ってね(笑)。でもいてくれると安心できるよね」

●そうですね。地球元気村はNPO法人になって2年目なんですけど、特別講師の方も増えているんですよね?

「増えています。いなくなる人はいなくて増えるばかりなので毎年増えています。100人近くいるんじゃないかな。俺と知りあいになると講師にされちゃって、いつの間にか元気村のパンフレットに載ってニコッと笑ってるってことになっちゃってるんだけどさ。ガハハハ(笑)。今年も新しい講師が何カ所かに行ってくれるはずなんだけど、どんどん人を巻き込んでいきたいね。今まで元気村は活動費が0円だったんだけど、少し円もかき集めてパワフルにしなきゃいけないなっていうのが大きな反省だね」

●それから、去年お台場で都内初の元気村をやって、オホーツクDOいなか博も5月から始まるんですよね。

「俺よりも詳しく知っていてもらってすみませんね」

●もう寝ている場合じゃないですよ、風間さん!(笑)

「(笑)。この事故が無かったら俺にも本当の元気の値打ちが分からなかったんだろうね。だから今回はいい経験をさせて頂いたと思って神様に感謝しています」

●そして、風間さんは日本ライダーズ・フォーラムも立ち上げているんですよね。これはどういうものなんですか?

「そういうものもやるんだよね(笑)。4輪車の鈴木阿久里さんとか片山右京君もいるし、例によって宇崎竜童や根津甚八といった仲間は当然のこと、2輪業界のオーソリティの方の賀曽利隆さんとかにも入ってもらっています。日本にはいくつかバイクに関する団体があるんだけど、全て業界が作ったものなんですよ。それをライダーの手によって、ライダーのために、環境改善を図っていく民間の団体を作っていこうというのが、ライダーズ・フォーラムなんです。これをやっていって、高速道路は2人乗りOKだけど、その他色々、日本のライダーを囲む環境は必ずしも良いとは言えないわけだから、安全の普及の気持ちも込めてライダーに啓蒙していこうかなと思って、ライダーズ・フォーラムを設立させていただいたんです。パリダカと同時に発表させてもらったんだけど、今年もやりますよ。具体的に何をやるかっていうと、いいライディングや旅をしている人に『2、3万円あげるから旅に行ってこいよ。これが気持ちだ』って奨学金をあげるとか(笑)、国内外に冒険大賞というのがあるんだよね。それと同じようなことをやって、そういう人達を助成してあげたいなって思いますね。要するに全ては愛だね。そういうのがライダーズ・フォーラムかもしれないね」

●今年も何度となく風間さんにお会いすると思うんですが、その第1弾がモンベルの一大カヌー・イベント「トライ&キャリー」。これに風間さんは参加する予定なんですよね?

「一応、予定でいるんですよ。でも前の日が北海道だから怪我人が行けるのかな、物理的に大変だなっていうのもあるんだけどね。でも『トライ&キャリー』には行きたいんです」

●私達も向こうで待っています。

「マジで? あそこはすごくいい海岸だし、それから御陣乗太鼓というすごくカッコイイのがあるんですよ。能登の鬼みたいなやつが太鼓を叩くんだけど、カッコイイんだよ。これぞ日本の文化という感じがしますね。それとカヌーとキャンプもありますしね」

●そこで、今回のパリダカでメカニックを担当してくれた、チーム浅井の浅井明さんから頂いたというこの車椅子を現地では私が押したいと思います。

「ありがとう。僕は車椅子に対しても本当の車椅子乗りになったわけですね。車椅子に関しても僕はオーソリティになって、世の中の車椅子の人達のために頑張ろうと思っています!」

●では、アウトドアでの車椅子乗りとして頑張っていただきたいと思います。

「『トライ&キャリー』ではカヌーあり車椅子あり、色々あっていいね(笑)」

●一緒に向こうでカヌーに乗りましょうね。楽しみにしています。早く元気になって1日も早く、腹から声の出るガハハ・トークを聴かせてください。

「5月には多分、腹から声を出します」

●じゃあ、指切り(笑)。

「ガハハハ(笑)」

●指切りしましたので5月にはマイクを向けたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

「ありがとう。やさしいエイミーでした」

■このほかの風間深志さんのインタビューもご覧ください。

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■大村長「風間深志」さん率いる「NPO法人・地球元気村」情報

 冒険ライダー「風間深志」さんが大村長を務める「地球元気村」では、随時村民を募集しています。登録料は2年間有効で個人村民で3000円、家族村民で5000円。村民になると参加料が割り引きになったり、様々な特典があります。この機会にぜひ村民にご登録ください。

■日本ライダーズ・フォーラム

 「風間」さんほかが立ち上げた「日本ライダーズ・フォーラム」のホームページ:
 http://www.kazama-world.com/jrf/index.html

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. 地球は元気 / 地球元気村の仲間たち

M2. 元気を出して / 竹内まりや

M3. THE BOYS WILL BE BOYS / HOOTERS

油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

M4. DAYS LIKE THESE / ASIA

M5. DON'T STOP ME NOW / QUEEN

M6. IT AIN'T OVER 'TIL IT'S OVER / LENNY KRAVITZ

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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