2004.06.13放送

ピッキオで野鳥の森ネイチャー・ウォーク
withインタープリター・桑田慎也さん


 今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストはピッキオの桑田慎也さんです。

ピッキオのインタープリター、桑田慎也さん。
ピッキオのインタープリター、桑田慎也さん。
 長野県・軽井沢にある「ピッキオ」では本格的なエコツアーや環境教育を行なっています。今回番組では「ピッキオ」が毎朝行なっているネイチャー・イベント「野鳥の森ネイチャー・ウォッチング」を体験、その模様をお送りします。案内してくださったのはピッキオのインタープリター、桑田慎也さんです。新緑輝く命溢れる森から、桑田さんのいろいろな生き物の解説をお届けします。

ピッキオ・ビジターセンター。野鳥の森の手前にある。
◎鳥はオスの方がオシャレ
●今、私達は軽井沢の野鳥の森に足を踏み入れたんですが、川のせせらぎが聞こえてきました。この後、桑田さんに案内をしていただきながら進んでいきたいと思います。この季節はどんなものに出会えるんですか?
「軽井沢は5月が新緑の時季といえるのですが、葉っぱが森の下の方から順々に上がっていきまして、ようやく上の方まで葉っぱや木々が出て来たという状態ですね。軽井沢は昔から探鳥地として有名な場所なんですね。ですから、この時季は鳥を観察するには一番いい季節なんですね」

ビジターセンター入り口。地下(1階)は展示スペース。野鳥の観察に もうってつけ。
●じゃあ、このあとは奥に進んでいこうと思います。(歩いてすぐ)桑田さんが立ち止まりました。
「軽井沢はたくさんの人が訪れる場所なんですが、豊かな自然がたくさん残っている場所でもあるんですね。こうして森の中を歩いていくと何もいないようなんですが、実はこの森にもいろいろな生き物が生息をしています。その証拠となるのが斜面についた足跡なんですね」

●一見、人の足跡っぽいですね。
「軽井沢というのは軽石がたくさん落ちているところなんです。例えば、人が上がっていきますともっとズボズボと大きな足跡がつくんですね。ところが四つ足の動物が歩くと、このようにあまり大きな足跡ではないのですが、斜面を上に向かって続いていく足跡がこの森の中ではたくさん見られます。この足跡の主は何だと思いますか?」

カモシカの足跡。小さな穴のように黒っぽく写っているけど、分かる か な~?
●指がハッキリとした形になっていて・・・。
「はい。斜面が緩いのでなかなか足跡の形まで観察するのは難しいのですが・・・」

●シカ?
「そうですね。シカに近いといえば近い仲間なんですが、カモシカという生き物なんです。これ正確にはシカとは違う仲間でして、どちらかというと牛に近い仲間なんですね。この生き物は日本で天然記念物に指定されていまして、国の法律によって守られている生き物なんですね。軽井沢では国道18号という大きな道路が走っていますが、そのすぐそばまでカモシカは生息していまして、私達が森をご案内しているときもバッタリ会うことは年に何度もあります」

●トレイルになっていて人の匂いもついていると思うのに、すぐのところにまで来ているんですね。
「そうですね。このカモシカは非常におっとりとしていまして、牛の仲間ということから想像できると思うのですが、出会った瞬間というのはほとんど動かないんですね。こっちをジーッと見るんですね。で、むこうも『どうしようかなぁ』と考え込むような感じで、しばらく1分くらい見つめあったあとに『じゃあ、行こうかなぁ』というような感じで(笑)、森の中へタッタッタッと逃げていく非常にゆったりとした生き物なんですね」

●私達人間にとって運が良ければ、出会えるかもしれないということですね。
「そうですね」

★    ★    ★
小さな池を前にオタマジャクシなどの説明をする桑田さん。ここでオ オ ルリを目撃。
●今、ピーピーピーピーと鳴いているこの鳥は何ですか?
「これは青い鳥で、軽井沢を代表する鳥といってもいいと思うのですが、この美しい鳥はオオルリという鳥なんです」

●今、結構近くにいますね。ちょうど向かいの木くらいですか?
「双眼鏡で探してみましょうか。あっ! いますねぇ。あそこの曲がった枝の一番高いところあたりを覗いてみて下さい。ちょこんと座っているのが見えますか?」

●あっ! いますねー。
「下の方から見ると青さが分かりづらいかもしれないですね。これが先程言ったオオルリですね。4月の終わりくらいにこの軽井沢にやって来ました。本当は東南アジアの方からやって来まして、軽井沢で子育てをしてまた秋には東南アジアの方へ帰っていく渡り鳥、夏鳥なんですね」

●オオルリはオスとメスのさえずり方は一緒なんですか?
「さえずりというのはオスしかしないんですね」

●あ、そうなんですか。じゃあ、あそこにいるのは男の子なんですね。
「はい。まさにオスです。しかもオオルリはオスとメスでは色がまるっきり違うんです。オスは非常に鮮明な青なんですね。で、メスは非常に地味でスズメのような茶色をしています。全てではないのですが多くの鳥のオスは非常に美しい色をしています。これは進化の歴史の中にその秘密が隠されているのですが、より美しい声を持った鳥、よりキレイな姿を持ったオスをメスが選んできた結果、オス達はこの様な進化をして美しい色になってきたと考えられます」

●人間と逆の進化をしてきたのかなという気はします(笑)。最近は人間でもオシャレな男性は増えていますから案外近づいているのかなという気はしますね。

◎クマがいるのは森が豊かな証拠
 さて、私達が「オオルリ」を見たところは、人工的に作られたちょっとした池だったんですが、そこで「オタマジャクシ」を発見しました。

「ヤマアカガエルというカエルが3月の終わりの温かい夜、雨が降った日の翌日あたりに集まってきまして、一斉にオスが来て鳴いてメスを呼ぶんですね。そのあとメスが山から下りてきまして、交接というカエルの結婚をしましてメスは再び森へ帰っていくんです。カエルというのは面白いもので卵を産むときは水辺が必要なんですが、普段の生活は山の中で生活をしていまして、水辺の環境と山の環境と両方必要な生き物なんですね。そんな生き物にもこの池は利用されています。」

●生き物達が水を飲みにきている姿に出会ったりもするんですか?
「はい。ここは野鳥の森という森ですけど、多くの鳥達にとっても水というのは非常に重要でして、彼らは非常に清潔好きで必ず食事の後には水で体を洗ったりする。そうすることによって様々な病気を抑えたりするんですね。ですからそーっと1人でやって来ますと、池の反対側で水浴びをしている鳥達を観察するというのはよくある光景ですね」

●今もセミらしきものもかなり鳴いているんですけど・・・。
「そうですね。関東域だと真夏というイメージでしょうけど、軽井沢だと5月の下旬くらいからセミが鳴き始めまして、このようににぎやかに鳴いています。このセミはエゾハルゼミというセミなんです」

●エゾハルゼミ?
「はい。アブラゼミなどと比べると小さいセミです。4cmくらいの大きさで、透明の羽根を持っていて、初夏を思わせる鳴き声で鳴いていますね」

●爽やかですね。
「そうですね」

●森林にに合う声っていいますか・・・。
「アブラゼミですとかね・・・」

●あれは暑苦しくってよくないです(笑)。エゾっていうことは北海道とか北の方にも生息しているんですか?
「そうですね。やや高地の高いところや東北地方にも生息しています」

●他の鳥達もセミに混じってさえずっているので、またこの後案内して下さいね。

★    ★    ★
ツキノワグマが食べるシシウド。
「この植物なんですがシシウドという植物でして、高さは1mくらいあります。木が非常に太くて2cmくらいの茎があります。このあたりにこのシシウドを食べる生き物がいるんですよ。やや大きい生き物なんですけど、想像つきますか? 特に根っこの肉厚の部分をギュッと広げて根本の部分だけを食べていたりします」

●そんなことが出来るということは、四つ足動物で前脚を起用に動かせる動物だということですよね?
「そうですね。しかも植物を食べる生き物なんです」

●クマさん?
「そうですね。軽井沢にはツキノワグマが生息していまして、瑞々しい茎の部分だけを食べて、葉っぱの部分をほうり投げるようにしている痕跡を見ることがあります。軽井沢といいますと観光客が多いところなんですが、その反面自然が豊かということもあって、ツキノワグマが生息していることはあまり知られていないんですね。ですから、観光客の方に『クマに遭うの?』って訊かれることもあります。そんなことのために・・・」

桑田さんの手にはクマよけ用のカウベル。
●なんかさっきからチリンチリン鳴っているなと思ったら、そのためのカウベルなんですね?
「そうです。これはカナダ製のクマ除け鈴なんですが、実はクマという動物はおとなしい生き物なんですね。人に対して非常に強い警戒心を持っている動物ですので、こういった(鈴の)人工的な音を鳴らせばクマの方から逃げてくれるということもあって、クマに出会わないための道具として非常に役割を果たしてくれます」

★    ★    ★
 さて、トレイルを進んでいると桑田さんが“クマの痕跡を見に行きましょう”と言って、カウベルを鳴らしながら、森の奥深くに入っていったんですが、そこで私達は、木の上の方に小枝を束ねて、まるでベッドのようにしたものを見つけました。

ツキノワグマが木に登った証拠!? ツメのあとがくっきり。
「実はこれ、ツキノワグマが上まで登った痕跡なんですね」

●クマの腰かけってやつですか?
「はい。我々はクマ棚という言い方をしています。ちょっと近づいてみましょうか。これをよく見ると爪の跡がついています」

●あ、本当だ! これはよじ登ったり下りたりするときにグッと跡がつくわけですか?
「そうですね。クマというのは非常に木登りが上手なんですね。このくらいの木であれば簡単に登ることが出来ます」

●上のクマ棚を見ると面積的にさほど大きい感じもしないんですけど、器用にバランスをとって、あそこで座っているということですか?
「ええ、そうですね。クマは森の生き物という風にいわれていますが、森林の中で生活をしていく上でこういう木登りも上手くなければ生活できません。先程も言いましたように植物食なんですね。80%くらいは植物を食べています。クマっていうとシャケを食べているんじゃないかってイメージを持つ方もいらっしゃいますが、ほとんど植物を食べていますので、これは例えばウワミズザクラという木なんですが、この非常に小さな実をたくさんかき集めて食べているわけなんです。ですから、1頭のクマを支えるのにはたくさんの木の実や山菜などがなければ支えることはなかなか出来ないんです。なので、クマがいるというのは森の豊かさを示す度合いという風に私達は考えています」

ツメのあとがあった木を見上げるとクマ棚のあと。
●ということは、この野鳥の森はとっても豊かな森ということなんですね。
「そうですね」

◎ヒガラには寝癖がついている!?
●チビチーチビチーって鳴いている鳥がいますね。
「はい。これはヒガラという鳥です。我々は『ツメテツメテー』なんて言っています(笑)」

●ツメテツメテーですか(笑)。はいはいはい。
「聞こえますか?(笑)」

ヒガラの人形を手に持ち、桑田さんの説明を聞くエイミー。
●はい(笑)。
「色々な鳴き方をするんですよね。『チョキンチョキン』とかね(笑)」

●(貯金)貯まって欲しいー(笑)。
「(笑)。とっても小さな鳥で、今日は人形を持ってきました。これは実物と同じ重さなんですよ」

●重さも一緒なんですか?
「はい。ちょっと持っていただけますか?」

●すごく軽いですね。
「どのくらいだと思います? 大体1円玉が1枚1gなんですね」

●じゃあ、20~30gくらいですか。
「なるほど。10gをきるような重さになります。8~9gの重さなんですね。鳥というのは軽く出来ていまして、羽根を開いてしまうと体自体は本当に細くて、飛ぶためにはここまで軽くしなければならないのかと思うくらい軽いです」

散策路。木々は生い茂ると日陰を作ってくれる。夏の避暑地。
●私は手が小さいのですが、私の手のひらにも入っちゃうくらいの大きさなんですね。
「そうですね。このヒガラの特徴は頭の毛が頭から少し飛び出るような形で付いています。我々は寝癖と呼んでいます。全体にグレーではあるのですが、白と黒なんですね。私達はよだれかけと呼んでいますけども、(首のところに)よだれかけのような黒い模様が付いているのが特徴なんです」

●お腹を前にして見ると色合いがパンダの逆という感じがしますね。目の下が白くて頭とくちばしの下が黒くてお腹が白くてっていう感じですね。
「ここにはみなさんにとってお馴染みかもしれないコガラ、シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラというカラの鳥達の仲間が生息をしていまして、このヒガラは比較的木の高いところで、高い声でさえずりをして『ここは私の縄張りですよ』と宣言しているんですね。また同時に、今は結婚、繁殖のシーズンですから『お嫁さんに誰か来ませんか?』と一生懸命に宣言をしているわけなんです」

●頑張れよ! いい嫁さんをもらうんだぞ!(笑)

★    ★    ★
 長野県・北佐久郡(きたさくぐん)・軽井沢町にある「ピッキオ」は1992年に本格的なエコ・リゾートを目指す「星野リゾート」の中に誕生しました。
 星野リゾートは1904年の創業以来、自然との共生を理念に発展、環境経営の3要素として、ゴミゼロを目指す「ゼロエミッション」、使うエネルギーをできる限り自給する「EIMY(エイミー)」という考え方、「EIMY」とは「ENERGY IN MY YARD」の頭文字をとった言葉で「自分の庭のエネルギー」という意味。そして「エコツーリズム」。この3つの要素をベースに運営されています。
 「星野リゾート」はそんなエコ・リゾートへの先進性と取り組みを評価され、グリーン購入ネットワークが毎年行なっている「グリーン購入大賞」で去年、見事「環境大臣賞」を受賞しました。
 そんな「星野リゾート」の「エコツーリズム」部門だったのが、イタリア語で「キツツキ」を表わす「ピッキオ」なんです。
 「ピッキオ」は去年、星野リゾートから独立、株式会社としてエコ・ツアーや環境教育プログラムを行なう一方、NP0法人として地域の生態系の保全のために動植物の調査や研究、保護なども行なっています。特に保護管理では軽井沢町のツキノワグマ調査で知られています。
 そんな「ピッキオ」の情報発信基地といえるのが「軽井沢野鳥の森」の手前にある「ビジター・センター」。ここはネイチャー・イベントの受け付けや案内を行なうほか、室内からのバード・ウォッチング、いろいろな生きものの展示、研究発表ほか、各種図鑑や帽子、バンダナなどのグッズも販売しています。
 現在の見どころはシジュウカラの子育てライヴ映像、館内の大型モニターでその様子をじっくり見ることができます。

★    ★    ★
◎山の面白さは頂上だけではない
●インタープリターって最近よく耳にするようになったんですけど、いわゆる自然の通訳さんなんですよね。インタープリターっていうのが通訳という意味なんですが、桑田さんがインタープリターになろうと思ったキッカケを教えて下さい。
「ええ。私は大学時代に演劇をやっていたんですよ。舞台を踏むのが非常に好きで、例えば東京の下北沢というところで、小さな劇団を作ってよく講演をしておりまして、人前に立つのが大好きだったんですね。それと同時に登山にのめり込んでいる時期がありまして、自分の好きな自然を伝えていきたいと思っていました。特に初めは山岳ガイドというものをやっていましたから、多くのお客様を自分の好きな山に連れていくということには、非常に大きなモチベーションを持っていたんです。
 山へ行くお客さんというのはどういうわけか頂上ばかりを見ていまして、周りの自然に全く目を向けないという方がたくさんいらっしゃるんです。お花の名前にしても『○○ですよ』と言ってしまうと、『分かった』というんですけど、5分後には忘れていたりして何も残らない。そんな人達に対して『もっと周りに目を向けたほうが面白い』という風に自分自身もどんどん変化していきまして、『これは早く多くの人に、自然の面白さを伝えていく必要があるんじゃないか』と思うようになりました。そんなところにエコツアーという、ただ山に連れていくだけではなくて、様々な自然の生態系や繋がり、自然の面白さや不思議さを伝えていくという仕事があるということを知りまして、そういった仕事をしようということで、各地にそういった仕事はないかと随分探したんですね。ところがなかなかそういう仕事がなくて、唯一あったのがこのピッキオだったんですね。やっと募集があるということで駆けつけていったところ、幸いにピッキオに入れたということなんですね」

●もともとは頂上に向かうピーク・ハンティングから始まって、それが行く過程の周りの自然に目を向けるようになったキッカケってなんだったんですか?
「富士の樹海の中にあまり高くない山があるんです。そこには非常に大きなブナの木が残っていまして、様々な動物の痕跡があったりとか、普段では出会えないような植物がたくさんあるんです。そういったものに出会ったときに『あ、山の面白さは頂上だけじゃないな』という風に思いまして、1つ1つの葉っぱや植物をどんどん調べていったんですね。その中で実に豊富な植物が日本にあるということに気が付き、また同時に植物は非常に巧みな戦略を使いながら、多くの生き物同士の関係を保ちながら今まで進化してきたんだということを知りまして、植物の世界が面白いという風になっていくと、どんどん植物だけではなくて多くの生き物達、哺乳類達も関わっているということを気付かされたんですね。高い山ではないところで大きな出会いがあって、そこに僕を大きく変えた要因があると思いますね」

●こうやってピッキオでインタープリターの仕事をしていくうえで、お客さんから突飛な質問が出てくることってあると思うんですけど、プロの桑田さんでもお客さんに初めて気付かされたことってあるんですか?
「ピッキオの目指していることっていうのが、野生動植物との共存なんですね。どうしたら生き物を保全しながら生きていけるのかという話を伝えていきたいと思っているんです。でも、いきなり『生き物を保全しましょう、大事にしましょう』といってもなかなか通じるものではないんですね。ですから、一般の人達の興味をいかに惹くかというところが非常に重要で、そこでエンターテイメント性というものが大事になってくるんですね。そうでもしなければなかなか伝わっていかないんですね。そういった意味では学生時代の演劇というものが生きてきまして、腹式呼吸でお話をするんですよ。そうすると多くの鳥が逃げてしまうなんてこともあって(笑)、本当にそんなガイドでいいのかなんて思ったこともあるんですが、それでお客様が楽しんでいただけるのであれば、心のどこかに軽井沢の自然を残して帰っていただければいいなと思います」

●確かに今、野鳥の声が一切聞こえなくなってきました(笑)。

◎夏は避暑地・軽井沢で森を散策しよう!
●今回私達を案内していただいた時間が遅くてかんかん照りだったので、鳥さん達のさえずりもあまりなかったのですが、野鳥観察はもう少し早い時間の方がいいんですか?
「そうですね。朝4時くらいから彼らは鳴き始めますので、出来るだけ早いほうがいいということになりますね」

●これから夏休みに向けて多くの方がこの軽井沢を訪れると思います。この軽井沢の夏の見所、またピッキオのツアーの見所を教えていただけますか?
「はい。先程もお話しましたように、軽井沢という場所は交通の便がよくなって、関東域から1時間程度のところなんです。そんなところにクマやカモシカも生息している様な自然豊かな森が残されている。しかも車で来てもバスで来ても非常にアプローチがいい。そういう意味では気軽に、お手軽に森を散策できる。しかも、豊かな自然を体験出来る、そんな場所だと思うんですね。ですから夏に是非、東京が暑いときでも軽井沢というのは避暑地としては有名ですが、さほど熱くなく適度な、快適な森を体験出来ると思います。ピッキオは、夏は小さなお子様からご家族の方まで多くの方に、生き物のことを知っていただきたいというプログラムをたくさん展開する予定です。特に夏休みは多くの方に森で楽しい思い出を作っていただきたいなと思っておりますので、是非、軽井沢に来ていただいて、涼しい軽井沢の中で楽しい時間を過ごしていただければと思います」

●私、雨や梅雨って嫌いじゃないんですけど、梅雨って必ず訪れるじゃないですか。その時季に森に入るっていうのもOKなんですか?
「はい。OKではあるんですが、雨というのは動物達の音や匂い、我々の音を消してしまう可能性があります。ですから、クマとバッタリ遭遇してしまうなんていうことも有り得るんですね。でも、我々と一緒であればそういった心配もありませんし、どういったことに注意すればいいのかということも分かりますので、ピッキオに立ち寄っていただければそんなお話も出来るかと思います」

●じゃあ、逆にスリルとサスペンスを味わいたければ(笑)、梅雨のピッキオでのガイドツアーを体験すると、普通では味わえないような体験も出来るんですね。
「(笑)。クマもおとなしい生き物ですので、大して危険というわけではないのですが、遭遇を少なくするという意味では大事なことだと思いますね」

●今度は秋や冬にピッキオに訪れてみたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

■ I N F O R M A T I O N ■
■ピッキオ情報
 1992年に本格的なエコリゾートを目指す「星野リゾート」の中に誕生した「ピッキオ」は去年「星野リゾート」から独立し、株式会社としてエコツアーや環境教育プログラムを行なう一方、NP0法人として地域の生態系の保全のために動植物の調査や研究、保護なども行なっている。
 そんな「ピッキオ」では毎月様々なネイチャー・イベントを開催。今回は6月のイベントをご紹介しましょう。
・「野鳥の森ネイチャー・ウォッチング」
 「軽井沢野鳥の森」をフィールドにインタープリターの話を聞きながら、自然と親しむツアー。
開催日時:毎朝9時から11時15分まで(予約不要)
参加費:大人1,500円、子供1,000円。
受け付け:ピッキオビジターセンター
・「高峰高原フラワー・ウォッチング・ツアー」
 標高2,000メートル、雲上の湿原で日々このフィールドを調査するスタッフが、このシーズンにしか出会えない花たちの営みを紹介。
開催日程:6月26日(土)~27日(日)までの1泊2日
参加費:2万8,350円(1泊3食、現地交通費などを含む)
定員:15名(要予約)
・「エコツアーガイド養成セミナー(初級編)」
 エコツーリズムの定義からガイドの技術やエコツアーの企画など、魅力を引き出す商品作りの基礎を、実践を交えて学べるセミナー。
開催日時:6月28日(月)~30日(水)までの2泊3日
開催場所:星野リゾート(長野県北佐久郡軽井沢町)が運営する宿泊施設
参加費:5万円(2泊5食、資料テキスト代などを含む)
定員:30名
問い合わせ:ピッキオ
   TEL:0267-45-7777
ピッキオのWEBSITE:http://www.picchio.co.jp/index.html

最初に戻る ON AIR曲目へ
ゲストトークのリストへ
ザ・フリントストーンのホームへ

photos Copyright (C) 1992-2004 Kenji Kurihara All Rights Reserved.