2004.06.27放送 ウクレレ奏者・ジェイク・シマブクロさんの“ハワイは最高!” 今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストはジェイク・シマブクロさんです。 ◎ハワイの島は1つ1つが個性的で特別 ●ジェイクさんがウクレレをプレイするようになったきっかけはなんだったんですか? 「きっかけは僕のお母さんがウクレレ・プレイヤーだったから。それで4才くらいから習い始めたんだけど、ずっと興味はあったんだよ。ほら、子供って何でも触りたがるでしょう? お母さんは若い頃に使っていたすごく高価なウクレレを持っていて、僕が届かないような高い棚の上に置いていたんだよ。それでいつも僕は『弾きたい、弾きたい』ってせがんでいた。それでお母さんは棚から下ろして弾いてくれたり、コードを教えてくれたり。そうしているうちにウクレレという楽器の魅力に取りつかれてしまったんだよ」 ●ウクレレといえば、やはりハワイのイメージたっぷりの楽器ですが、そんなウクレレを奏でるジェイクさんは自分のバック・グラウンドであるハワイを意識しているんでしょうか? 「自分の出身地や受け継いだものをとても誇りに思っているよ。僕は音楽に限らず、芸術はその人の人生を通して経験してきた様々なものから成る、魂の鏡だと信じている。 ずっと思っていたことなんだけど、ハワイのミュージシャンが演奏する音楽って、独特の個性みたいなものがあると思うんだよね。言葉にするのは難しいんだけど、それがジャズであろうとロックであろうと、ジャンルを問わずどんな音楽でもハワイのミュージシャンが奏でる音楽を聴いているだけで、海とか貿易風を感じたり、南の島ハワイ独特の雰囲気みたいなものが感じられる。それらはすべて演奏している人たちの生きてきた経験からくるものだと思うんだよね」 ●ジェイクさんは2004年度のハワイ州観光局のイメージ・キャラクターを務めているわけですが、一口にハワイと言っても島によって全く違った顔を持っていますよね? 「今年のハワイ州観光局が打ち出している「6 islands, 6 surprises(6つの島、6つの驚き」っていうキャンペーン・コンセプトは素晴らしいと思うんだよね。まさにその通りで、一つ一つの島が個性的で特別。多くの人はホノルルを訪れて、ワイキキに行って満足していて、確かにそれもいいけど、それだけじゃないんだよね。ビッグ・アイランド(ハワイ島)のコナ側が僕の一番気に入っている場所で、ビーチがすごく奇麗なんだよね。でもそれだけじゃなくて、飛行機から降りた瞬間、空気が違う、風が違う、匂いも違う・・・ とにかくすべて違った感覚なんだよね。コナはなぜか僕を元気な気分にしてくれるんだよね。それに対して、例えばモロカイ島。僕の祖父母の出身地だから子供の頃はよくモロカイでも過ごしたんだけど、モロカイに行くとすごくリラックスした気分になるんだよね。ボケ~と何もしたくないような、そんな感じになるんだ。とにかくそれぞれの島が全く違うんだよね。だからハワイを訪れる人は違う島々を探検して、自分が一番好きな島を見つけて欲しいと思っているよ」 ●ジェイク・シマブクロさんのニュー・アルバムのタイトルは、『ウォーキング・ダウン・レインヒル』。これはどこか特定の場所のことなんですか? 「特定の場所ではなく架空の場所なんだけど、『ウォーキング・ダウン・レインヒル』っていうタイトルは、僕たちがコンセプトとして打ち出したいと思っていたイメージを作り出していると思うんだよね。ちょっとメランコリックでありながらも、なんていうのかな・・・、僕が持っている雨のイメージってすごくポジティヴなもの。すべてを浄化して新しい自分になれるような、そんな感じがするんだよね。だからウォーキング・ダウン・レインヒルっていうのは、どしゃぶりの雨の中をずぶぬれになりながら、新たなスタートに向けて歩いているようなイメージなんだよね」 ◎ハワイの環境も確実に悪化 ●よく21世紀最大の問題は水問題になるという人も少なくないんですが、美しい自然を誇るハワイにもそんな水問題はあるんですか? 「何年か前に雨不足に伴って、水がめがそこをつき始めるという危機に直面したことがあったんだよね。それって『ハワイの水はすごく奇麗でおいしくて、美しいビーチもあるしハワイは本当に最高だ!』って思いながら育って来た僕にとっては、ちょっと悲しい現実だったんだよね。あと最近では、網で一度に大量の魚を捕っているせいで、魚もいなくなってきている。僕の家族は魚釣りが大好きで、いつもモリとかを持って食べられるだけの魚を捕っていたんだけど、今ではそれさえ出来ないくらい全く魚がいないんだよね。それに水も汚染されて前ほど奇麗じゃなくなっている。例えば下水管が破裂したとか色んな理由で海の水が汚染されてしまい、サーフ・スポットが1週間ほど遊泳禁止になることも珍しくない。でも1週間経って禁止令が解けても水に入る気はしないよね。でもコナとかのビーチに行って奇麗な海を見ていると、同じくらい奇麗だったオアフ島の海を思い出すんだよね。でも今はゆっくりとではあるけど、確実に悪化していっている。僕たちの世代には大した影響はないかもしれないけど、僕たちが環境保護に関してあまりにも無知で不注意だった為に、未来の子供たちが大きなツケを払わなければならないんだよね。そう考えると恐ろしくなるよ」 ◎先祖から受け継いだものを知るべき ●ユニークなウクレレ・プレイでここ日本でも大人気のジェイクさんですが、ウクレレを教えてくれたお母さんはどんな方なんですか? 「僕のお母さんは最高。これまで僕がやってきたすべてのことに対していつも応援してくれていたんだよ。実は僕が子供の頃、お母さんが言ったことで今でも忘れられないのが、『どんな職業についてもいいから、常に120%ベストを尽くし心から打ち込みなさい。そうすれば必ず成功する。なぜなら自分自身がハッピーでいられるから』っていう言葉なんだよね」 ●そんなお母さんの言葉を守って、今では名ウクレレ・プレイヤーとしてだけではなく、2004年度のハワイ州観光局のイメージ・キャラクター、つまり“ハワイの顔”としても活躍されているジェイクさんですが、イメージ・キャラクターになっていかがですか? 「すごくいい経験になっているよ。実は1ヶ月半くらい前にイオラニ・パレス(観光名所の一つ)の見学ツアーに行ったんだ。小学校の頃行ったことがあるんだけど、その時は友だちとしゃべってばかりいたんだよね。でも大人になって人生経験が増えるにつれ、色んなことがわかるようになってくるんだよね。今回改めて行って先人たちの生活をかいま見ることによって、自分のルーツに対する理解が深まった感じで、すごく感動したし、本当にいい経験だったよ。だからハワイに戻ったら観光名所を回ってみようって思っている。ロコたちはバカにするけどね。でも地元の人間だからこそ、そういった所を訪れるべきだと思うんだよね。だってハワイで生まれ育った人間が先祖たちから受け継いだものを、ちゃんと知らないって恥ずかしいことじゃない?」 ●ジェイクさんの名字「シマブクロ」は沖縄に多い名前ですが、沖縄に行ったことはあるんですか? 「初めて沖縄に行った時はすごく忙しくて、あまり沖縄を感じることができなかったんだけど、2回目に行った時にはあちこち歩き回ったりビーチにも行ったし、最高だったよ。そうやって沖縄の人たちの生活を少しでも体験することによって、初めて彼らの音楽に込めれた感情や想いを感じられるようになる。沖縄ではすごく落ち着いた気分になれたよ。もしかしたらそれは沖縄の人たちがハワイの人々と同じようなアイランド・フィーリングを持っているからかもしれないね。そういう意味では深いつながりを感じたよ。しかも僕自身沖縄の血を受け継いでいるわけだからね。特に音楽や踊りに共通点を感じた。実はエイサーも踊ったんだよ(笑)。あと三線も弾いてみたんだけど、あまりうまくいかなかったね。だからやっぱり僕はウクレレにしておくよ(笑)」 ◎夜の虹“ムーンボウ” ●ハワイといえば以前、写真家の高砂淳二さんが幸せを呼ぶという夜の虹、ナイト・レインボウの写真集を出していましたが、ジェイクさんはナイト・レインボウを見たことはあるんでしょうか? 「ムーンボウは見たことないんだよね」 ●ムーンボウって言うんですか? 「そう、僕たちはムーンボウって呼んでいるよ」 ●月のムーンにレインボウのボウでムーンボウ。 「そう、ムーンボウ。実は僕が死ぬ前に見たいと思っているものの一つがムーンボウと、あとは太陽が沈む時に見える緑の光なんだよね(笑)。ほら、よくいうでしょう? よく晴れた日に太陽が地平線に沈む直前に緑の光が見えるって。何人か見たことがあるっていう人を知っているし、インターネットとかにも写真が載っているけど。この2つは絶対に見てみたいと思っているよ。コナにいた時に見られるかなって思ったんだけど、ダメだったよ(笑)」 ●そんなジェイクさんは来月からジャパン・ツアーをスタートさせます。どんなライヴになるんでしょうか? 「今からすごく楽しみにしているんだけど、今年は全く新しい5人編成のバンドを連れて来る。ステージも今までとは違ったものにするつもりだよ。もうちょっと繊細で、少し大人になった僕を観てもらえるんじゃないかな。それが僕の願いなんだけどね(笑)。もちろん僕という人間は変わらないけど、もうちょっと真面目な一面を観てもらいたいと思っているんだよね! だからぜひみんなに来てもらって、みんなで楽しみたいと思っているよ」 ●楽しみにしています。今日はありがとうございました。 「こちらこそありがとう。」
・ジャパン・ツアー 5人編成の新しいバンドとともに行なわれる「レインボウ・ツアー04」と題された「ジェイク」さんのジャパン・ツアー。ちょっぴり大人になって、いままでとはちょっと違った一面を見ることができるだろうと本人も語る今回のツアーは、7月19日(月)の名古屋を皮切りに、広島、徳島、大阪、東京、沖縄、福岡、札幌、そして再び東京にて開催!東京公演は下記の通り。
・ジェイク・シマブクロさんのHP:http://www.jakeshimabukuro.net/ 最初に戻る ON AIR曲目へ ゲストトークのリストへ ザ・フリントストーンのホームへ photos Copyright (C) 1992-2004 Kenji Kurihara All Rights Reserved. |