2004年8月1日
シェルパ斉藤さんのMY LIFE WITH DOGS今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストはシェルパ斉藤さんです。バックパッカー/紀行家として雑誌「BE-PAL」などで大人気の「シェルパ斉藤」さんこと「斉藤政喜」さんをゲストに楽しいトークをお届けします。今回のテーマは“愛犬と暮らす”!? ゴールデン・レトリバー「ニホ」を伴った旅で“犬連れバックパッカー”としての名声を得た(?)「斉藤」さんの新刊「シェルパ斉藤 ライフ・ウイズ・ドッグス」をメインにお話をうかがいます。 史上最長の散歩●斉藤さんとはついこの間、(石川県)羽咋市のモンベルのイベントでお会いしたばかりですね。 「ワンバーナー・クッキング(教室)をやっていましたね」 ●あれからウチのADの高橋は、結構色々作っているみたいですよ。 「そうですか! あの本(「シェルパ斉藤のワンバーナー簡単クッキング」)はアウトドアの方にも好評なんですけど、割と独身の方が家で作れるから、そういう意味では『もっと続編を作って欲しい!』と言われます」 ●なので、最近は「バックパッカー/紀行家」に加えて、「ワンバーナー・クッキングの料理家」という肩書きも必要ですね?(笑) 「ハハハッ(笑)。料理といっていいかどうか分からないですけどね(笑)」 ●立派なお料理だと思います(笑)。今回は、犬連れバックパッカーの愛犬談義でいこうと思います。5月にお会いしてから3カ月しか経っていないんですが、斉藤さんは本を2冊出されました。1冊が新潮社から出した「犬連れバックパッカー」。これは「BE-PAL」に連載していたものを文庫本にしたもので、1章だけ加えられているんですが、この本の表紙を見ると懐かしい「シェルパ斉藤と愛犬ニホの物語」と書いてあります。この時はニホちゃんは乳母車に乗っていたんですね。 「そうなんですよね。考えたら、かれこれ9年くらい前の写真なんですよね」 ●ニホちゃんとの出会いは、八ケ岳にシェルパさんが家を建てて、息子さんに犬が欲しいって言われて、大阪からプレゼントに犬を連れて帰ろうっていうところから始まって、(この本には)ニホちゃんとの旅の内容が綴られているんですね。
「それがもう9年前ですもんね。僕の場合は都会で飼うのではなくて、田舎で飼いたいと思っていたんです。ま、色々な飼い方がありますけどね。都会でキレイに飼っている方もいらっしゃいますし、都会の犬として上手くやっていらっしゃる方もいますからね。僕はそれよりも田舎でのびのびと、泥んこになりながら育てたいという思いがあったんです。田舎に行ったことによって、犬を飼って子供と一緒に生活が出来るようにしたかったんです。
●(笑)。と、いうことで「犬連れバックパッカー」は全10章という形で、この本を読んでいただければお分かりになると思うんですけど、ニホとの史上最長の散歩というのが綴られていて、その続きを今年9歳を前に5月にニホちゃんと旅したというのが、一番最後に書いてあるんですね。 「史上最長の散歩といっても何のことか分からないですよね(笑)。この史上最長の散歩というのは、散歩って家から歩いてどんどん行くじゃないですか。そういう旅をしてみようと思って、あくまでもニホには『散歩だよー』って言っておいて、1週間くらいずっと帰ってこなかったっていう旅があるんです(笑)。それを8年くらい前にやったんですけど、八ケ岳の家を出て八ケ岳を越えて、さらに蓼科とか美ケ原を越えて松本くらいまで歩いていったということがあるんですよ。その続編として、いずれは日本海まで行ってみたいなという思いがあったんですね。だけどなかなか実現しなかったんです。5月に旅をしたんですが、この時期は旅をするのにベスト・シーズンじゃないかな」 ●ニホちゃんとの旅は2人旅ですか? 「そうですね。ニホと旅をしているときはなんとなく、お互いに以前よりも分かち合えるというか、親バカな勝手な思い込みなんですけど(笑)、何を考えているのかとか分かりあえて、その3日間は以前よりもグッと距離が近くなった感じがしましたね」
ここで、斉藤家の家族構成をおさらいしておきましょう。斉藤さんご夫妻の間には二人の息子さんがいて、長男が一歩(いっぽ)くん、次男が南歩(なんぽ)くんです。
それぞれのマイ「ライフ・ウイズ・ドッグス」●1冊が新潮社から出た「犬連れバックパッカー」。そしてもう1冊がエイ出版社から出た「シェルパ斉藤 ライフ・ウイズ・ドッグス」という本なんですが、表紙が素晴らしい! 「でしょ? これはとっておきの写真なんですよ(笑)」 ●(笑)。ニホちゃんの次に斉藤家に来た黒のラブラドールのサンポちゃんと、同じく斉藤家の一員のジッポちゃんというニャンコが、寝そべるサンポの肩の上に乗って昼寝をしているような感じで目を閉じてうっとりっていう、たまらない写真です! 「僕はプロのカメラマンではないんだけど、逆に言えばプロのカメラマンが撮る写真ではなくて、親だから撮れる写真だと思っていますけどね。距離感とかね」 ●本当にそうですよ。こちらの本の主役はサンポちゃんですか? 「そうですね。サンポが我が家に来たというところから始まって、結局、普段の暮らしぶりというのが『2頭飼っているとこういう感じ』というのがあって、さらにそこに猫が加わったら猫がやたらとサンポと仲良くなってしまって、ジッポが犬みたいな猫になってしまって。で、やがてサンポが出産して子供を産んでというところで区切っているんです。だから、サンポが主役ですよね」 ●この「ライフ・ウイズ・ドッグス」は犬との人生というか、犬がいる生活の中で、一番印象に残っているのってサンポの出産ですか? 「出産ですね。それはトッポにも繋がるんですけど、僕みたいな犬が好きな人間にとっては、自分のところで生まれた命と最後までずっと一緒にいられるっていうのは、すごく幸せだと思いますね。向こう(犬)にしてみれば、一番初めに目が開くようになって見たものって僕ら家族で、これから10何年間生きて、最後に目を閉じるまでずっと僕らだけを見て一生を送るって思うことによって、僕らみたいな犬好きは『あぁ、最高!』って思ってしまうし、この子は本当に僕だけを見て人生を送るわけだから、それは幸せですよね。ウチの子供達もトッポに対して特別な愛情があるみたいで、なんせ生まれてモグラみたいな頃からずっと見てきているし、でも本当に、自分の手のひらに乗るような頃からずっと面倒を見てきたっていうのは、やっぱり違う愛情みたいなものを感じていますよね」 ●この「ライフ・ウイズ・ドッグス」の最後に、いい話が載っているんです! 「これは、言わないで欲しいですね(笑)」 ●言わない!(笑) 是非、読んでいただきたい! 「これは、僕がこの本を書いていて、あとがきをどうしようかっていう時に、たまたまその奇跡のような出来事が起きて、その時の『これでこの本は締めよう』っていう思いもあって、ほとんど本は出来上がっていたんですけど、どうしてもこれを加えたいと編集者に言って、この話だけを加えて最後を締めたという感じなんです。だから、このエピソードのおかげでこの本がグッと締まったなって思いますね」 ●まさに「ライフ・ウイズ・ドッグス」! ほら、みんな読みたくなってきたでしょ?(笑) 「上手いなぁ、嬉しいなぁ(笑)」 ●ウチのスタッフもちょっと目頭が熱くなったって言っていました。私も小さい頃から犬と生活をしてきたので、犬のいる暮らしっていうのが、子供にとっていいなって思うんですね。 「そうですよね。ウチの子供達も、犬は人間とは違ったつきあい方をしてくれるし、かといってただの動物という感じでもない。自分が飼っているっていう感じではなくて、お互いに生活している、暮らしているっていう感覚が持てる動物だと思いますね」 ●ズバリ斉藤さんにとって犬との人生(ライフ・ウイズ・ドッグス)とは? 「うーん、いきなり直球を投げられても、どう答えていいか(笑)。今は当たり前の生活になってきているから、本当に幸せですよね。幸せな生活とか幸せな日々という意味も含めて「ライフ・ウイズ・ドッグス」というタイトルにしたんですね。自分で臆面もなく言うのもなんですけど、本当に幸せだなって感じられるのは、今、犬がいるからだと思いますね。彼等、彼女達は僕に対してストレートに愛情を出してきてくれているので、一番の幸せは何かっていったら愛情をいつも感じて生活できることだと思っているから、それは人間でもそうなんですけど、犬の愛情も感じて生活できるって幸せだなぁって思っています」 ●この本を読んで「やっぱり、ウチも犬を飼おう」って思われる方も多いと思うんですよ。 「是非とも飼ってもらいたいですね。ウチにはウチのスタイルがあって、これはウチの『ライフ・ウイズ・ドッグス』であって、色々な方が飼えばその方のマイ『ライフ・ウイズ・ドッグス』になるわけですし、これはあくまでも僕の『ライフ・ウイズ・ドッグス』なので、ちゃんとそれぞれのドラマが生まれてくるし、一生付き合えるいいパートナーになってくれるはずですから、是非とも犬を飼う方が増えてくれるといいなと思いますね」 人生そのものが行き当たりばったり●以前、斉藤さんに世界7大トレイルを歩く旅のお話をうかがったんですが、犬連れじゃない旅というのはどうですか? 「それはそれで自由を感じますよね。犬との旅も、いいパートナーとして恵まれて嬉しいんですけど、全くフリーになりたいというのもあって、そういう意味では日本を離れて海外(世界)へ行くと、全くフリーになれる。何のしがらみもなく一旅人になれるという意味で、それはそれですごく楽しんでいます」 ●世界7大トレイルはどの辺まで進んでいるんですか? 「そもそも、世界7大トレイルっていうのは、アメリカの雑誌が勝手につけたんですけど、ネパールのアンナプルナ・サーキット、フランスからスイス、イタリアのオートルート、マチュピチュなどの古代の道を行く南米ペルーのインカ・トレイル、あとはパタゴニアの方のトレス・デル・パイネ・サーキット、ニュージーランドの非常に美しいミルフォード・トラック、あとはアメリカのアパラチアン・トレイル、エチオピアのシーミェン・トラヴァースがあって、今はアンナプルナ・サーキットから始めています。去年の夏にはヨーロッパのオートルートを歩いて。つい最近の7月に帰ってきたんですけど、ペルーのインカ・トレイルを歩いてきたんですよね。よかったですよ」 ●この時の旅の模様は、8月10日に発売される雑誌「BE-PAL」9月号に掲載されるということです。「よかったですよ」の続きはないんですか?(笑) 「これがもう『はぁーっ』って感じでよかったですよ(笑)。色々な意味も含めてね。これはおいおい書いていきます」 ●雑誌の方には写真も載っているんですよね? 「ええ、もう。今、7大トレイルを始めて3つ目なんですけど、それぞれに特徴があっていいなぁという感じですね。ヒマラヤは生活の道ですし、オートルートの場合はヨーロッパの山を進むために作ったような歩道ですし、インカ・トレイルというのはインカ帝国の頃からの古代の道ですから。『それぞれに特徴があるなぁ』『7大トレイルって上手く出来ているなぁ』って思いました」 ●斉藤さんは耕うん機「テラ」で旅をされたりして、色々な形の旅をされていますよね。それらに共通して言えるのは「のんびりと」という点なのかなぁと思いました。 「そうですね。のんびりと、前の『BE-PAL』に連載していた話のタイトルではないですけど、行き当たりばっ旅ですよね。本当に計画性がないですもんね(笑)」 ●(笑)。人生そのものが行き当たりばったり(笑)。 「本当にその場の思い付きとか、その場の出会いを勝手に運命だと思い込んでしまうんですよ(笑)」 ●(笑)。サンポちゃんは子供を産みました。娘のトッポちゃんが斉藤家にはいます。斉藤トッポちゃんに子供は産ませるんですか? 「いずれと思ってはいるんですよ。だから、敢えて避妊はしていませんし。一度味わってしまうとねぇ・・・(笑)」 ●もう、顔がにやけちゃって(笑)。 「あれをもう一度味わえるのかと思うと、その権利を放棄することはないな、取っておこうということで避妊せずにいるんです。またチャンスが来て、こちらの時間も合って、許されるならもう一度産みたいなぁ。って、別に僕が産むわけじゃないですけどね(笑)」 ●(笑)。じゃあ、斉藤家の「ライフ・ウイズ・ドッグス」はまだまだ続くんですね? 「ええ。色々なスタイルで続くと思います」 ●本の中にサンポちゃんの「もとの名はピンキーだった」っていう話をはじめ(笑)、「へぇ~」って思うようなエピソードもたくさん書いてあるので、是非みなさん「シェルパ斉藤 ライフ・ウイズ・ドッグス」と、ちょっと懐かしいニホちゃんとの旅の物語「犬連れバックパッカー」を読んで、あなたも素敵な犬との出会いを味わってみて下さい。 「よろしくお願いします。これ、両方読むと両方のそれぞれに深みが増す構成になっていますので、両方読んだほうがいいですよ(笑)」 ●と、作家自身もおっしゃっていますので(笑)、是非みなさんも読んでみて下さいね。そして、世界の7大トレイルもまだまだ続きますし、雑誌「BE-PAL」にも連載されると思うので、私達も中間報告をしていただいて「雑誌には語られなかった話」もうかがいたいと思います。 「この際だから宣伝しちゃいますと、また9月に新しい旅の本を出しますので、その時にはまた押しかけてきます(笑)」 ●おっと(笑)。それはどんな本なんですか? 「これが、意外にもバックパッキングの本とかではなくて『ちょっとぜいたくな旅』なんです」 ●それは9月に出るんですね? 「はい。『シェルパ斉藤はこういう旅もしていたのか』っていう旅のガイドブックであり、エッセイを出します」 ●じゃあ、斉藤さんとはまた秋にお会いしたいと思います。今日はどうもありがとうございました。また秋に。 「押しかけてきます。よろしくお願いします」 ちなみに、斉藤さんは奥さんの次に愛する女性として、ニホちゃんを吉永小百合さん、サンポちゃんを黒木瞳さん、トッポちゃんを加護亜依さんに例えていました(笑)。猫のジッポちゃんは外タレで、ブリトニー・スピアーズかな!?とおっしゃっていました(笑)。 ■このほかのシェルパ斉藤さんのインタビューもご覧ください。
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■バックパッカー/紀行家「シェルパ斉藤」さん情報
『犬連れバックパッカー』
『シェルパ斉藤 ライフ・ウイズ・ドッグス』
シェルパ斉藤さんの公式ホームページ
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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」
M1. THE WAY IT IS / BRUCE HORNSBY & THE RANGE
M2. BEING WITH YOU / SMOKEY ROBINSON
M3. MY LIFE / BILLY JOEL
M4. 水の妖精 / 神山純一
油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」
M5. FREEFLOATING / GARY CLARK
M6. WALK THROUGH THE WORLD / MARC COHN
エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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