2004.11.07放送 「鳥が教えてくれた空」エッセイスト・三宮麻由子さんを迎えて 今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは三宮麻由子さんです。 ◎スズメが知らせてくれた朝 ●今年、集英社文庫から発売された『鳥が教えてくれた空』という本を読ませていただくと、三宮さんにとって鳥達って色々な事を教えてくれる存在なんですね。 「そうですね」 ●本の最初のところに出てくるのが、私も大好きなスズメちゃん達。 「私は4歳の時に目が見えなくなりまして、それからもう光も見えないっていう全盲なんですけど、それで音を聴いて育つということになったわけです。でも、突然見えなくなったので、訓練が全く出来ていないわけですね。音を聞くっていうこともやはり訓練が必要で、最初は見えないから耳がいいというふうには全然いかなくて、家の中にいるのか外にいるのかも分からないっていうところから始まって、最初に耳に入ってきたのがスズメの声だったんですね。 で、朝、布団の中にいるときもチュンチュン鳴くんですけど、最初に思ったのが『あ、私のところにも朝が来た!』ってことだったんですよ。最初は、私のところには永遠に朝が来ないんじゃないかって、4歳の時でしたのでそんな難しい言葉では思いませんでしたけど、そういう気持ちだったんだと思います。ところが、スズメが朝来て『あ、今まで通りにちゃんと朝が来てる!』って思ったときにものすごく感心して、それからスズメの声を聞くようになったんです。スズメって朝、一番スズメっていうのがいるんですね。スズメが夜、ねぐらというか屋根の下に皆で留まって寝ていて、起きますよね。そうすると、やみくもに起きていかないんですね」 ●あ、そうなんだ(笑)。 「最初に見張りスズメって役割のスズメが、これはどうやって決まるのか謎で私も知らないんですけど、それが朝起きると『チュッ』って鳴くんですね」 ●第一声を? 「はい。それはつまり『起きていいぞ。大丈夫だぞ』っていう合図らしいんです。そうすると皆チュンチュン起きてきて、さらにチュンチュン始まるんですけど(笑)、その鳴き方が色々で、私はその鳴き方の違いで時間が大体5時から6時頃かなって分かったのが最初で、大人になると日の出、日の入りの時間とスズメの声と合わせて、『日が短くなった』とか『夏だから日の出が早くなった』とかを感じたりできるようにはなったんですけどね」 ●お天気もスズメちゃん達から? 「はい。スズメちゃん達からです。これは子供の頃に発見したんですけど、鳴き方が違うんですね。例えば、スズメの声の変わり方でいくと『チュッ』から始まって、朝、ご飯を食べてませんからまず喧嘩が始まるんですね。『ジジジジジジュ』という声が始まって、だんだんお腹がいっぱいになってくるのが大体、5時台から6時台くらいで、6時20分とか30分になっていくと、うかれ歌っていうのが入ってきて、春になるとよく聞こえるんですけど、リズムでいくと『チュッチュ、チユッチュ、チユッチュ』っていう声が聞こえてきます。『お腹いっぱい。幸せ。安全。嬉しい』みたいな(笑)。で、その鳴き方が天気によっても、もちろん鳴き出しの時間も明るさによって鳴いていきますから、日の出があっても天気が悪い日は鳴き出しが遅いとか、鳴いていても声が適当だったりするんですよ(笑)。『チュッ、チュッ』って(笑)。分からないですけど(笑)」 ●(笑)。本の中に書いてあったので、気を付けて聴いてみたら確かにやっていたのが、ネコやヘビなど敵が下の方を通ると鳴き方が変わるっていう「スズメのいや鳴き」。 「これは中西悟堂さんという日本野鳥の会を起ち上げた方が、『いや鳴き』ということを本で取り上げていたのを読んで始めて私も知ったんですが、『チーエ、チーエ』(と、いや鳴きを真似る)という鳴き方なんです」 ●人間でいうと舌打ちみたいな感じですね。 「人間が下を通ってもいや鳴きすることはあります。真上でいや鳴きをされると『あれ?私!?』みたいな(笑)」 ●(笑)。私も木の下を歩いていたときにスズメがいや鳴きをしたので、下を見たらネコがいたんですよ。 「それはネコだと思いますよ(笑)。直接の天敵ですもんね」 ●実際に聴いて、「こんなに声が変わるんだ!」って驚きました。 「スズメは色々な声を出しますね。スズメはさえずりを持たない鳥といわれるんですけど、春になると求愛行動っていう鳴き方をします。『チュンチュン』じゃなくてですね、『チウチウチウチウ』(このあと口笛でも鳴き方を真似る)っていう鳴き方をするんです。これは、カワラヒワに似ている感じで、でもエンマコオロギとも違うしっていう感じの鳴き方です」 ●そうなってくると私には分かりません(笑)。 「(笑)。春に屋根の上とかで鳴いていると必ず、近くにメスがいたりして求愛行動らしいんですね。これがカワイイんです。求愛だからいい声を出しちゃって、最高の声で(笑)」◎ウグイスは音程に弱い!? ●三宮さんの本に「鳥達が景色や自然の色彩までも伝えてくれる」と書いてあったように、様々な鳥達に触れていったわけですが、今、何種類くらい聞き分けられるんですか? 「200~250種類くらいは覚えていると思うんですけど、実際に聞いたことがある鳥は130種類くらいですね」 ●それだけ聞き分けられたら楽しいですよね。 「楽しいですね。このくらい聞けると、日本って渡り鳥や迷い鳥(迷鳥)とか旅鳥、それから亜種といって、本州ではシジュウカラなんだけど北海道にいくとハシブトガラと か、微妙に同じカラでもカラ違いみたいな(笑)、そういうのも含めて500~600種類いるということらしいんです。200~250種類っていうことは大体半数弱なので、そのくらい分かっていると、どこに行っても大体『これはこの仲間だ』とか『この鳥が鳴いているからこの森はこういう木なんだ』って見当がついてくるんです。100種類聞けると大体音で山の景色が分かります。見てしまえば答えは分かるんですけど、見えていない森もあるじゃないですか。『向こうの方の森にはシジュウカラが多いから、もしかするとカラマツがあるのかな』とか。向こうの方でオオルリが鳴いていて水の音がしていたりすると、木の陰とかで水が見えていなくても『あの辺に川があるのかな』って見当がつけられるということもあって、聞き分けられるとすごく面白いんですよ。 冬に夏鳥の話っていうのも何なんですが(笑)、夏によく『ピーピーピージッジッ』(口笛で真似る)という声が聞こえたりして、これはオオルリのオーソドックスな鳴き方なんですけど、こういうのが聞こえたりすると『渓谷が近いのかなぁ』とかね。もちろん、電線に留まって鳴いている時もあるかもしれませんけどね(笑)。でも、なかなか森って見晴らしも利かないですから、そういうので見当がつけられるのは楽しいんじゃないかと思います」 ●色彩も鳥達が教えてくれるんですね。 「そうですね。色彩っていっても見えている方が見ているような色彩ではないと思うんですけど、例えば鳥達がさえずりを始めたら山にはもう緑が入っているのかなっていうふうに感じます。時々、景色が音から感じられると言うと『じゃあ、どのくらい分かっているのかテストします!』とかって、何%分かっているのかって試そうとする方がいらっしゃるんですけど(笑)、感じるのと分かるのと違いますからね。分かるのは50%か、あるいは10%くらいかもしれないけど、感じているのは100%といってもいいかなと思います」 ●私達も普段、目で見ているものに頼りすぎている気がするんですが、気がつかないところで音で自然を感じている部分ってすごくあるんですよ。例えば、すごく分かりやすい例で言うと「ホーホケキョ」って鳴き出すと、「あぁ、もうこんな季節か」ってそれだけで分かっちゃうじゃないですか。 「そうなんですよね。春告げ鳥っていう名前がつくくらいで、でもそのウグイスも例えば『ホーホケキョ』も3つくらい鳴き声があって、高音(たかね)、中音(なかね)、下音(さげね)という3つの高さがあって、高音っていうのは『ヒーホケキョ』、中音っていうのは真ん中の『ホーホケキョ』、下が下音っていって難しいんですけど、『ホホホホホケキョ』って鳴くんですね」(鳴き声を全て口笛で真似る) ●なぜ、鳴き分けをするんですか? 「これは鳴き分けで、バリエーションなんだと思うんですよ。ウグイスもきっと『ホーホーケキョ』だけじゃ飽きちゃうのかもしれないですけど(笑)」 ●(笑)。天気や気分によって使い分けているのかもしれないですね。 「そうですね。この3つ音を聞き分けて返事をすると、鳥もちゃんと返事をしてくれるんですよ。鳥より下手に鳴かないとダメなんですけどね。ウグイスなんか特に陽気な鳥で、薮に隠れているんですけど気がいいんですね。返事をする時に鳥が『ヒーホケキョ』で鳴いたら、こちらも『ヒーホケキョ』で鳴いてあげる」 ●ちょっと下手に鳴いてあげるのがコツですね?(笑) 「そうです(笑)。向こうが『ヒーホケキョ』って鳴いたら、こちらは『ヒー』まで同じ音で拾っておいて、『ホケキョ』を下手に(笑)』(これも全て口笛で表現) ●わざと音を外してあげる(笑)。 「ウグイスは嬉しくてですね、『下手だなぁ、もう。本当の鳴き方っていうのはね・・・』っていう感じで鳴いてくるんです。と、私は勝手に思っているのですが(笑)」 ●音程に弱い?(笑) 「はい(笑)。下手に出るとどんどん鳴き声を変えていって、ついに薮から出て見に来てくれちゃうときもあるんですね。今のはさえずりっていいますけど、ウグイスは地鳴きっていってさえずりとは違う声も持っていて、それは『チャッチャッ』と舌打ちをするような声なんですね。それを真似て私達が薮の外でじっと立って、動いたり歩いたりするとダメなんですけど、じっと立って『チャッチャッ』っとやっていると、『カサッ!』て音がして薮からウグイスがフッと来るんですね。で、こちらをフッと見て『なんだ。人間か』って、また『カサッ!』て薮の中に入っていってしまったりするんですけど(笑)、この『カサッ!』がかわいいんですよね(笑)。それだけで浮世の義理も全て忘れたみたいな(笑)」 ●(笑)。鳥達のさえずりや声だけですごく自然が楽しめるんですね。 「そうですね」 ◎五感の劇的な合体!? 4歳の時に、一瞬にして視力を失ってしまった三宮さん曰く、“自然を目で見ること、すなわち視覚で捉えようとすると、その自然と自分の距離感がなくても大丈夫”。つまり、現地に行かなくても、映像や写真を通して自然の風景を見るだけで、キレイだということは感じられる。でも、“視覚以外のもので感じようとすると、距離があっては駄目なんだ”とおっしゃっています。 「視覚以外のもので感じようと思ったときは、距離を置いているとダメなんですね。音を聞くっていうことで、山の中に身を置いて、あるいは鼓膜で直接音波を通して鳥や波といった音源と音波を通じて接点を持たないと聞こえてこないわけで、光を媒介にして見ているのと全然距離感が違うっていうか、鼓膜で触っているような感じはありますね。そうすると包まれているっていう感じがすると思うんです。 私は、山の中に入って鳥の声の中に身を置いて、30種類くらいの鳥のコーラスがバーッと鳴いていると、360°なんですね。私達は前とか後ろっていう方向を持ってますけど、実際には自然って前も後ろもなくて、360°全部同じ方向なわけですよね。そこから同じ鳥の声が聞こえてきて、しかも上も下もだから球体っていうか(笑)。だからもう、自然の玉の中に体が入っていったような感じですね。それを味わえるっていうのは、音と香りと空気の感じとかであって、景色が目に入ってきたからって、その感じは必ずしも味わえないんじゃないかなと思いますね」 ●三宮さんは長野県の野尻湖で、五感が劇的な合体を遂げるっていう経験をしたそうですが、詳しく説明していただけますか? 「合体というのは、アンテナが一度に全開になったというんでしょうかね。五感というのは見る、聞く、触る、味わう、嗅ぐってありますけど、私の場合は見る感覚がないんですが、ちゃんと五感があって、それは自然感という第六感目が目覚めて、私はやっぱり5つあって、数だけは合っているなっていうか(笑)。それを最初に覚醒させてくれたっていうのが野尻湖での体験だったんですね。 何があったかというと、日の出ちょっと前の朝5時くらいに山に入ったわけですね。まだ雪も残っていて、空気はまだ5月なんですけど冷たくて、とても澄んでいたんです。でも、山には緑の香りが始まっていて、だんだん鳥が鳴いてくるんですね。ヒヨドリから始まって、セキレイ。ハクセキレイ、キセキレイ、セグロセキレイって3ついて、メジロが来て、ハシボソガラスとハシブトガラスが来て、カケスが来てっていう風にどんどん鳥が増えていって、夏ですからオオルリとか、ホトトギスとか、カッコウ、ツツドリというような夏鳥も来ますし、ミソサザイも鳴くし、鳥の名前を言っているとキリが無いんですけど(笑)、とにかく30種類くらいの鳥がコーラスでワーッと鳴き出したんですね。そしたら、香りが変わるんですね。少し日が出てきたので木が夜に込めていた香りをワーッと放出するのだと思うんですけど、新緑というか万緑というか、そういう香りがフワーッときて、夜明けがそこら中で始まっているっていうんですかね(笑)。こういう風にして夜というのは朝に時間の色をバトン・タッチしていくんだなっていうのを肌で感じました。 『今、明るくなってきたよ』って人に説明してもらって感じることが多い私なんですけど、鳥とか自然というものに目覚めるとその説明が要らなくなるんですね。もちろんあったほうがいいですよ(笑)。補充という意味ではね。『あ、今、日が昇った』とかそういうことは実際に教えていただければ分かりますけれども、でもそれを聞く前に『もう日が出てきているんじゃないかな』ということが、リアルタイムで分かって感動できるというのがすごく嬉しかったんです。感動って時差があると半減するっていうこともありますでしょ。それがリアルタイムで感じることが出来るようになったのは、野尻湖で自然感が開いたっていうのがすごく大きかったかなと思います」 ●その経験を境に自然の感じ方がどんどん変わっていったそうですね? 「そうですね。1回自然感に目覚めると、それが進化していくことはあっても退化することはなくて、例えば町にいても季節の変わり目、植物が変わっていく季節っていうのは山の匂いが下りてくるだけで『あ、山がもう紅葉に入ったな』とか『新芽モードに入ったな』って感じられたりするんですね」 ●特に明け方とか朝一番は香るかもしれないですね。 「そうですね。それと夕方に一日の仕事が終わって、風が変わりますよね。そのときにフッと山の香りが下りてきたりすると、街からは山の景色なんかは見えていなくても、『どこどこの山は紅葉だな』って感じますね。そうすると週末の予定とかに『紅葉見物』とか入ってきたりするわけですよね」 ◎自然は無限の可能性を持っている ●今回、集英社文庫から発売された『鳥が教えてくれた空』という本の最後の方に、『自然との出会いで発見に終わりが無いのが分かった』という表現があったんですが、これを説明していただけますか? 「つい、学校が終わって仕事に入ってしまったりとか、いい大人になってしまったりすると、私もいい大人になってしまって残念なんですが(笑)、いい大人か悪い大人か分からないんですけどね(笑)。そういう風になってしまうと、今まででひと通り分かっちゃったような気持ちになったりとか、『大体こんなもんかな』って感じになってしまったりして、経験が多くなると経験値で大体推測できることも多くなるじゃないですか。そうすると、どうも分かったような気になる。 でも、実際に自然の中に入っていくと『こんなこともある、あんなこともある』『こんな音もする』『こんな匂いもする』という感じでどんどん色々なことが入ってくるので、『私って何も分かってないし、感じきっていないじゃない』ってことが分かったんです。自然の中では感じきるっていうことが永遠に無いんですね。自然というのは無限の可能性を持っているので、それを全て分かることも出来ないし、感じきることも出来ないし。それを言い換えれば永遠に発見の可能性が残されているということですよね。発見しようという気さえあれば、アンテナを伸ばしさえすればいつでも発見できる。で、その発見は例え150歳まで生きようと一生終わりが無いということが自然の中ですごく実感できて、私にとっては物凄い希望になったんですね。これで終わりっていうことは永遠に無いんだっていうことが分かって」 ●三宮さんの本を読ませていただいてすごく感じたのが、三宮さんって小さい頃からおてんばさんだったんだなっていうことだったんです(笑)。 「はい(笑)。現在進行形で、まだおてんばなんです(笑)」 ●おてんばingなんですね(笑)。それととても好奇心旺盛な方なんだなって思いました。 「それはよくみんなから言われますね」 ●ピアノ、英語(留学)、フランス語、お習字に使う墨、ハーブティーなどのお茶類、俳句、お菓子作りと、とてもたくさんのことをやっていらっしゃるんですね。私、墨にも色々な匂いがあるんだっていうのを初めて知りました。 「いいですよー! もう是非!」 ●その辺の詳しくは本のほうを読んでいただきたいと思うんですけど、三宮さんが今後やってみたいことってありますか? 「いっぱいあってどうしようかなって感じなんですが(笑)、でも自然の番組ですから自然のことに特化して言うと、海でシーカヤックもやってみたいし、カヌーもやってみたいし、イルカとも泳いでみたいんですよ。私、イルカとショーで1回会ったときに意志が通じちゃってすごく嬉しかったんですよ。涙が出てくるくらい感動しちゃったので、もっと近くでイルカと会いたいと思ったんですね。あと、聞いてみたいものがいっぱいあって、オーストラリアとかニュージーランドに行って、極楽鳥とかニワシドリとかア・オ・ア・ズ・マ・ヤ・ド・リ、言えた! とか(笑)」 ●私は繰り返しません(笑)。ごめんなさい。 「小枝を道具にして楽器を作ったりする鳥なんですけどね。あと、コトドリっていうウソの仲間でオーストラリアの鳥なんですけど、これのディスプレイを是非生で聞いてみたいですね」 ●今、挙げられた中でいうと、ザ・フリントストーン、シーカヤックは何度かやっているので、これは私たちが・・・。 「えーっ! じゃあ、本当に是非叶えて下さい。中継をしましょう」 ●チャンスがあれば是非。その代わりといっては何なのですが(笑)、交換条件で今度、私達を森の中のバード・リスニングに連れていってくれますか? 「はい。行きましょう。もちろんですよ」 ●私達が、聞き分けられなくてもギブアップしないで下さいね(笑)。 「それはもう(笑)」 ●色々教えて下さい。 「一緒に行きましょうね」 ●楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。 「ありがとうございました」
■エッセイスト「三宮麻由子」さん最新の文庫本『鳥が教えてくれた空』(集英社/定価500円) |