2005年4月17日
さかなクン、魚を語る!今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストはさかなクンです。テレビで大人気の「さかなクン」が番組に初登場! 魚のことなら何でも知っている「さかなクン」に魚を好きになったキッカケや、JF全漁連魚食普及委員の活動、そして「さかなクン」がイメージキャラクター&研究員を務める、よしもとおもしろ水族館のことなどうかがいます。 よしもとおもしろ水族館の見所は?●テレビで見る姿と一緒ですね(笑)。まず、よしもとおもしろ水族館について教えていただけますか? 「これは名前の通りおもしろい水族館です(笑)」 ●(笑)。おもしろいと言っても色々あると思うので、もう少し詳しく教えていただけますか? 「例えば、水槽の中に作り物のライス(ご飯)が盛ってあるんですけど、そこにうまくカレイが乗っかると・・・?」 ●カレー(カレイ)ライスってか?(笑)
「そういうことですね! あとはアナゴ。アナゴという魚は穴にこもる習性、穴ごもりからアナゴっていう名前になったそうなんですけど、普通、アナゴをとる漁師さんは丸い筒の中に餌を入れたりしてアナゴをとるんですね。そこで果たして、アナゴは丸以外の穴にも入るかどうかを実験している水槽もあります。丸、三角、四角、星形という感じでアナゴがどれに入るかを見るアナゴ・タウンという水槽もあります。
●お魚さんたちにとっては、さかなクンのラップが流れるというのはあまり嬉しくないんですね(笑)。 「あららら(笑)」 ●お魚さんたちがどういう反応をするかというのは実際に行って見てのお楽しみですね。 「そうですね。あとは、擬態をするとても地味な魚でオニダルマオコゼっていうオコゼの仲間がいるんですけど、そのオコゼはよく目を凝らさないと岩かサンゴの固まりにしか見えないんですね。そのオコゼ、普段水族館では擬態する魚っていう展示方法で飼育されていることが多いんですけど、よしもとおもしろ水族館では逆に、オコゼそっくりの作り物、これは本物のオニダルマオコゼから型をとって作ったそっくりの作り物なんですけど、それをたくさん水槽に入れて本物のオニダルマオコゼも入れて、果たしてどれが本物のオニダルマオコゼかっていうのを、みなさんに当てていただくっていう水槽もあるんです。そこはショー・タイムがあって、普通、水族館でショーっていうとイルカのショーとか、魚のショーだとイシダイが輪くぐりをしたりという感じだと思うんですけど、そこのオニダルマオコゼのショーは、ただ単にオニダルマオコゼに餌をあげるだけなんですね」 ●そうすると1匹だけ動くということなんですね! 「そうなんです。1匹だけじゃなくて何匹かいるんですけど、それで初めて作り物か本物か分かるっていうショーをやっています」 ●ということは、水族館に訪れる人が楽しみながら魚の生態の勉強も出来ちゃうわけなんですね。 「まさにその通りです。お魚の生態をおもしろくみなさん見ていただこうというコンセプトになっております。そして、73本の水槽があるんですが、この全部の水槽にクイズがありまして、それに答えていくと次の水槽に行けるというふうになっているので、じっくり水槽を見て考えていただいて、どんどん見ていただくという感じです」 ●さかなクンのオススメのコーナーってありますか? 「どの水槽もとてもオススメなんですけど、特にオススメは『さかなクン・フェイバリット水槽ゾーン』というのがあるんです。これは僕が特に大好きな魚、しかも僕自身も魚と一緒に暮らすアクアリストなんですけど、自分がすごく飼いたくても物凄く高価で飼えなかった魚達を集めていただいて、8本の水槽があるのですが、そこはオーストラリアの魚が多いんですけど、オーストラリアの魚というのは、オーストラリアってコアラとかカンガルーとかウォンバットとか、オーストラリアにしかいない生き物がいますよね。海の中も同じでオーストラリアの海ってとても変わった、とてもおもしろい習性の魚達が暮らしているんです。その魚達をたくさん集めたゾーンがあるんです」 ●そこは是非見ていただきたいですね。 「はい、是非。とてもかわいくて愛嬌があって不思議な生態の魚達です」 カブトガニの人工孵化に成功!?●そもそもさかなクンって呼ばれているくらいですから、魚好きだというのは分かるんですが、もともとのキッカケってなんだったんですか? 「もともとのキッカケは、友達が僕のノートに描いたタコの落書きです。ウルトラマンとタコが戦っている絵だったんです。ウルトラマンがビームを出して、タコがブワーッと墨を吐いている絵だったんですけど、それを見て『なんだこれは! この黒いものを吐き出している足が8本のものはなんだろう』と思って・・・」 ●それまではタコのことを知らなかったんだ! 「知らなかったんです。それまでは水木しげる先生が描く妖怪が好きだったんです。それから友達が描いたタコの落書きを見て、『この妖怪的かわいさはなんだこれは!?』って思ったんです」 ●しかも本当に存在する生き物だなんて! 「そうなんです!」 ●タコの次にハマった生き物はなんだったんですか? 「初恋の魚です。ウマヅラハギ」 ●どんな魚なんですか? 今、さかなクンが描いてくれています。 「とにかくこのウマヅラハギを初めて見たときに『なんだこの顔の長いお魚は!?』と思ったんです。優しげな目と長い顔と、背びれと胸びれをなびかせて泳ぐ姿を見て『こんなにキレイにひれを動かせて泳ぐ魚がいるんだぁ』と思って、もう一目惚れですね」 ●さかなクンはカブトガニの人工孵化にも成功されたそうですね?
「そうなんです。これは、僕が中学3年になったころに、中学1年の岩崎君という後輩のおじいちゃんが九州で漁師さんだったんです。そのおじいちゃんの網に時々カブトガニが入るっていうことで、『もし使えたら理科の授業で使いな』って言って送ってくれたんですね。そしてそのカブトガニが学校に着いたころにはまだ元気だったんですね。で、理科室の一番大きいシャーレーみたいなところに人工海水があって、それを水に溶かすと海の水に近いものになるので、それにカブトガニを入れていたんです。
●カブトガニの散歩ですか?
「散歩をするんですね。そのカブトガニはメスだったんです。なので、みんなの中から『オスも欲しいなぁ』という意見が出てきたので、岩崎君にまた頼んだらしばらくして本当にオスを送ってくれたんですよ。オスはメスよりも一回り小さいんですね。で、この2匹を仲良く飼育していたら、オスがメスの下にしがみついていたんですね。『あ!これはひょっとして!』と思って海の図鑑を見たら、交尾をする時の体勢だというのが分かったんですよ。
●大きさは小指の先くらいですよね? 「もっと小さいです。小指の先の爪の3分の1くらいです」 ●それが脱皮していっちゃうんですか? 「はい。最初はキレイで鮮やかな黄色なんですけど、それが一皮むけるとクリーム色、それが一皮むけると透明感がでてきて、死んじゃうと真っ白になっちゃうんですけど、生きていればキレイな色なんです。最終的に透明になるんですね。その透明の中にカブトガニの赤ちゃんが見えるんです。その中でクルクル廻ったり泳いだりしているんです。19個孵化しました」 ●それってすごいですね! 「カブトガニって水族館の水槽の中でも、卵を産むっていうこと自体が難しいみたいで、ましてや孵化っていうとなかなか例がないみたいなんですね。だから、すごく貴重なことだったんだなって感じました。新聞とかでもたくさん取り上げていただきました。多分、今僕が思うにはそのまま水槽で飼っていたら、卵を産まなかったんじゃないかなって思うんです。部活の練習で朝行って、『カブちゃんおはよう!』って言って散歩をさせてあげてまた戻して、午後の練習でまた散歩させてあげてっていうのがよかったんじゃないかなって思うんです。カブトガニが潮の満ち引きと勘違いをしたのかなって」 ●水の中と外を散歩している時間をね。 「カブトガニも産卵時期になると、背中も出るようなかなり浅いところまで上がってくるんです。だから、それと潮の満ち引きを勘違いしたんでしょうね」 人間が食べている魚はエリート中のエリ-ト!?●今、さかなクンは千葉県の館山に住んでいるそうですが、館山の海の特長があったら教えていただけますか? 「まずは、千葉県の突端に位置する場所なので、外の海に面していますよね。なので、暖かい海流(暖流、または黒潮)と寒流の影響、どちらも受ける海なので、北の海の幸と南の海の幸の恵みがたくさんあります」 ●じゃあ、さかなクンにとっては本当に楽しい場所ですね。 「そうですね。海の中を泳ぐと『おぉー! なんて美しい世界!』。サンゴ礁を作るタイプの海と造礁サンゴと呼ばれるミドリイシの仲間とか、キクメイシの仲間とかが活き活きと暮らしているんですね。そこにチョウチョウウオとかスズメダイとか暖流系の魚が泳いでいたりします。冬から春になると、シャケとか時にはタラの仲間とかホッケまで来ることがあります」 ●ホッケまで来ちゃうの!? 「はい、ホッケまで来ます。『ここはホッケードウ(北海道)か?』とか思っちゃって(笑)」 ●もしかしたら来るかと思っていたら、やはり来ましたね(笑)。 「来ただけに(笑)。北のお魚ですねー」 ●(笑)。そうやって魚を見たあとに、イラスト描いたりするんですか? 「そうですね。千葉の館山にいるときは、漁師さんの船に乗せてもらいます」 ●一緒に乗せてもらうんだ? 「はい。漁師さんの船って今の時期だと4時とか4時半に出ます。夏だと早くて3時半とかです。そして沖に行くんですね。沖に行って漁場に着くと船のオレンジ色のランプに灯されて海がキラキラ輝いて、その薄暗い中、漁師さんがみんなで網を引くと、赤いタイや緑のサバ、ブルーに輝くイワシたち、そしてジャンプをするボラ、キラキラと色を変えるヤリイカやコウイカ。もうそれは最高です。『今日もイワシが大漁だぁ! スズキが飛んでるぞぉ! タチウオキラキラ!』これで目が覚めます。朝なんかお腹が減っていると、ピチピチした小さなイワシやイカなんかを氷水で洗って食べちゃうんです。『朝からおいしい海の恵みをいただきますっ!』って感じで」 ●さかなクンは子供達向けに分かりやすく解説した図鑑も作ってらっしゃるんですよね? 「そうなんですよ。お魚で作った絵本とかお魚のコラムとかがあります」 ●それは、みんなに魚のことをもっと知ってもらいたい、そして好きになってもらいたいという気持ちからですか? 「それが一番ですね。僕はとにかく日々毎日お魚様からおいしさと栄養と感動をたくさん頂いているので、とにかく多くのみなさんにお魚の素晴らしさ、おいしさ、すべての魅力をみなさんに知っていただきたいと思っています」 ●JF全漁連魚食普及委員というのは、もっとみんなに魚を食べてもらいたいという委員会なんですか? 「そうですね。ただやみくもに魚を食べろっていうわけではなくて、お魚も日々一生懸命暮らしています。卵から生まれたらそこからは自力で生きていかないと、卵の時点で食べられちゃうこともあるし、卵から生まれた時点でも周りは敵だらけです。そこからどんどん弱肉強食の世界で仲間が食べられていく中、大きく成長していくんですけど、ようするに魚屋さんに並んでいる魚は何千、何万粒の中から大きくなれたエリートなんですね」 ●私たちがテーブルの上に並べられた魚たちはエリートなんですね。 「生き残ったエリート中のエリートですね」 ●それを、私たち人間はいただいているわけなんですね。 「これはおいしくいただかないとお魚に申し訳ないですよね」 ●今、特に日本人はお魚中心の和食から、どんどんお肉中心のメニューに変わっていっているじゃないですか。 「よく、味が欧米化してきたといわれますよね」 ●でも、日本人の内臓の作りを考えると、お魚を食べるのが一番いいような気がするんですけどね。 「そうですね。お魚は本当に体にいいですし、栄養もたっぷりです」 ●さかなクンはどの魚が好きですか? 「僕はすべてのお魚が大好きです。市場で扱っていないような転がっているお魚でも、ひと通りお魚はおいしくいただきます。去年、リュウグウノツカイもいただきました」 ●どんなお味でしたか? 「トロトロに口の中でとろけました。昔、リュウグウノツカイは人魚の伝説になるような魚だったんですね。とにかくタチウオを伸ばしたような魚で、大きさは5mとか6mとかあるんです。なので普通、そのリュウグウノツカイは港に上がっただけでニュースになるような魚なんですけど、漁師さんがぶつ切りにされていたので、おいしくいただきました」 ●じゃあもう、見るのも楽しい、一緒に泳ぐのも楽しい、イラストを描くのも楽しい、食べるのもおいしいしっていう感じなんですね。 魚を好きになろう!●さかなクンがまだ出会えていない幻の魚っているんですか? 「憧れの魚はいっぱいいるんですけど、海の中でマンボウにも出会ってみたいですね。あと、深海の魚たち。深海の世界は謎が多いし、この目で深海で活き活きと暮らしている深海魚を見てみたいですね。ピカピカ光ったり、自分の口で自分よりも大きな獲物を丸飲みにして食べちゃったりという世界を見てみたいですね」 ●まだまだ見たいものや、知りたいことがたくさんありそうですね。 「とにかく日本中の海や川に行ってみたいですね。それから世界にも目を向けてどんどん色々な発見をしてきたいですね」 ●魚の普及という意味では、これからどういうことをしていきたいとか、こういうことをしているっていうのはありますか? 「子供達をはじめ、お父さんお母さんにももっともっと魚の魅力に気付いていただきたいですね。そうすると、御飯の献立にもお魚がだんだん増えてくると思いますし、子供達と一緒に海や川や水族館に行く機会も増えると思います」 ●なによりも、よしもとおもしろ水族館に行って、楽しくおもしろく魚を見てもらってからですね。 「はい。まず、魚を好きになってもらいたいですね」 ●私も行ったことがないので、是非行ってみたいと思います。 「時間を合わせていただければ、私がご案内させていただきます」 ●そのときはよろしくお願いします。 「はい。エイミーさん! この番組のタイトルって何でしたっけ?」 ●ザ・フリントストーンです。 「このフリントストーンの意味は?」 ●火打ち石です。 「火打ち石ですよね。今回はそれにかけてヒウチダイを描いてきました」 ●フリントフィッシュですね! 「はい!」 ●かわいいー! 「ヒウチダイという名前で、キンメダイに近い仲間です」 ●こんなに目が大きいんですか? 「はい。目がとても大きいんです。というのは、深い海の底に暮らしているので、わずかな光りも逃さないように大きな目をしているんです」 ●さかなクンにちょっと似ていますね! 「あら! 似てますか!」 ●これは、ホームページにもバッチリ掲載して、これからは、フリントストーンのマスコットにしたいと思います。 「嬉しいですね。ありがとうございます」 ●今日はどうもありがとうございました。 |
■魚がだ~い好きな「さかなクン」情報イラストレーターであり、「よしもとおもしろ水族館」の研究員&イメージ・キャラクター、更に、JF全魚連魚食普及委員でもある、さかなクン。そんな、さかなクンの公式ホームページは最新情報や過去のイベント記録、イラスト作品などが掲載されていて見ごたえ充分! ぜひチェックして下さい。
さかなクンのCD『さかな de ラップ』
「よしもとおもしろ水族館」
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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」
M1. YOU'RE AN OCEAN / FASTBALL
M2. DOWN UNDER / MEN AT WORK
M3. LIFE / DES'REE
油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」
ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」
M4. 踊ろよ、フィッシュ / 山下達郎
M5. STUCK WITH YOU / HUEY LEWIS & THE NEWS
M6. OCEAN BLUE / ABC
エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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