2005年7月10日
清水國明さんのSAVE KIDS ! キャンペーン2005今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンはSAVE KIDS ! キャンペーン2005の取材レポートです。6月24日~26日に池袋サンシャインシティで開催された「SAVE KIDS!キャンペーン2005」。このイベントは自然体験を通して、子どもたちに生きる力を養って欲しいという趣旨で開催。そんなイベントの実行委員長、「自然暮らしの会」の代表「清水國明」さんに会場でお話をうかがうほか、日本環境教育フォーラムの理事「岡島成行」さんにも子供の自然体験の重要さなどについてうかがいます。 都会にないものが自然の中にはある
「SAVE KIDSキャンペーン2005」は「清水國明」さんが代表を務める「自然暮らしの会」の設立10周年を記念し、「子どもNPO・子ども劇場全国センター」や「自然体験活動推進協議会」と共に、実行委員会を結成して開催されたイベントです。
最終日の公開フォーラムは「清水國明」さんの司会進行のもと、「服部栄養料理研究会」会長「服部津貴子(つきこ)」さんの「食育」(「食」を通しての教育)についての基調講演からスタート。
また、日本の子どもたちは世界一、テレビやビデオに接している時間が長く、そのため、体力や運動能力が下がっている。小学校にあがるまえに、体も脳もがたがたになっているというショッキングなお話もありました。
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●SAVE KIDS!キャンペーン2005の実行委員長、清水國明さんにお越しいただきました。今、子供達のすごい声と「コトーン!」という音が聞こえていますが、この音は何ですか? 清水さん「これは餅をついてる音なんです、ってウソですよ(笑)。シーソーで出来た橋を子供達に渡っていただいております」 ●あとでそのキッズランドをじっくり案内していただきたいと思いますが、今回のキャンペーンの会場で期間中、フォーラムが行なわれていたんですが、そちらで講演をされていた日本環境教育フォーラムの理事、岡島成行さんにもお越しいただいております。清水さんのほうから簡単にご説明していただけますか? 清水さん「僕らのボスと言っていいと思います。我々のこういう自然体験の組織を束ねていらっしゃる方で、前々からこういったことに関わっていらっしゃって、色々とご指導いただいているんです。色々とお叱りも受けつつ、今日に至ったということで、この人の前ではハッタリもウソもつけないというお方でございます。今日はよろしくお願いします」 岡島さん「よろしくお願いします」 ●岡島さん、色々と会場で見てらっしゃったと思うんですけど、今回のこのキャンペーンはどうですか? 岡島さん「今、フォーラムが終わって外を見たら、(キッズランドに並ぶ)子供達が3重くらいの列になっていて、こんなにたくさんのお子さんが来るとは夢にも思っていなかったので大変驚きました」 ●本来は自然の中でしか味わえないアウトドア体験が、都会のど真ん中の池袋サンシャインシティで行なわれているっていうのも不思議な感じがしますね。 清水さん「そういう意味では『これ、アウトドアじゃないじゃん』って思う方もいるかもしれませんけど、まずこういうところから入ってもらわなければ、今、自然と人間社会というのは非常に遠ざかって溝が出来ちゃったので、その橋渡しのつもりでやっていますが、岡島さん、このやり方っていうのは非難を受けるやり方でしょうか?」 岡島さん「いやいや、今の子は外で遊ぶ機会っていうのがほとんどないものですから、どうしていいか分からないんですね。お父さんやお母さんも分からない。そういうご家庭が多くなっていますので、いきなり大きな自然に入っていっても怪我するばかりで危ないんですね。今回、こういうビルの中ですけど、入り口にちょっと触れて『もっとやってみたいなぁ』と思っていただくことが大事だと思うんですね」 ●いわゆるまず、プールで泳ぎを覚えてから海に行くようなものですね。 岡島さん「そういう感じです。今の子供の遊びは50代以上の方から見ると別世界なんですよ。テレビ・ゲームとかパソコンとかね。体を全く動かしてないんですね。そう考えると、入り口のところでうまく持っていってあげないと、転んで顔面をぶつけちゃったりして全然違うんですね。ですから、そういう意味でこういうところでお父さんお母さんも一緒になって楽しんでもらって、次のステップに入っていくのがいいと思うんです。昔でいうと、次のステップが入門なんですけど、今は入門の前のことをやらないとダメなんですよ」 ●いわゆる準備体操みたいなものですね。 岡島さん「そうです」 清水さん「今は一手間増えちゃってんだよね。けっこう時間がかかったんだけど、ここにあるのは全部僕らの手作りの遊具ばかりだし、ログハウスとか本物の丸太を切ったり張ったりして造ったものばかりなのね。だからこれに触れてもらうだけで、スイッチが入るんじゃないかなぁという期待感もあるんだけどね」 岡島さん「見てみてもそれほど難しいわけじゃないんだけど、逆に言うとこれだけの遊びにこれだけたくさんの人が来ているっていうことは、家の周りで出来ないっていうことなんですよ」 清水さん「初日に三つのそういう会社とか組織から、『これをウチでやってくれませんか?』っていう申し出が早速あったんですよ」 岡島さん「今、社員教育で自然体験をしたいっていう会社がものすごく増えているんです。それで充分食べている人もいますしね。段々そういう自然の中で遊ぶっていうことが、もはや必要になってきたんじゃないですかね」 ●その必要になってきている理由っていうのは何なのでしょう? 岡島さん「行き着くところまでいっているんだと思うんです。時間の関係で詳しくはお話しできませんけど、ほとんど自然体験しなくなっちゃったんです。これが大きいですね。ですから情緒面とか知恵を鍛練することとか、体力も落ちてきちゃっているから、学力論争ばかりやっているんですけど、子供達はかなり厳しい状況に追い込まれてきていて、親が直感的に分かっているわけです」 清水さん「よく、『今の子供達にはこんなものが欠けている』とか、『こんなものだ』っていわれるんです。そんなときに僕は逆に自然の中にずっといる人間だから、自然の中にはそれがあるのになぁって思うんです。都会の中にないものが自然の中にはあるということが結構あって、それをメッセージとして伝える術がなかったところもあるので、必要とする人と提供したい僕らが歩み寄って、池袋のサンシャインシティでお見合いしているといった感じですかね」 岡島さん「そうですね。渋谷でも新宿でも同じですけど、池袋のこの場所がいいと思いますよ。みなさんが来やすくて。そして、こういうところに来る人っていうのはちょっとやってみたい人なんですね。ちょっとやってみたい人がちょっと出来る場所が必要なんですね。すごくやってみたい人は自分でやるんですよ。だけど、ちょっとやってみたい人が90%ですからね。そういう人達に場所を提供するっていうことが大事だと思います」 今後の自然学校の課題とは!?●岡島さんは「自然学校を作ろう~あなたも自然体験活動のリーダーになれる」という本を出されていますけど、やはりリーダーを育てることが一番大切なんですか? 岡島さん「ここで言うリーダーは昔のガキ大将レベルなんですね。ですから、そこからワン・ステップ、もうワン・ステップと全部で5段階くらいありまして、それを全国の250団体くらい、ボーイ・スカウトとかガール・スカウトとか野鳥の会とかがみんな集まって整備をし終わったところです。この整備をすると『ボーイ・スカウトの指導員と野鳥の会の指導員とどこが違うの?』『どっちがすごいの?』というのが分かるようになります。みんな一緒になりましたから。リーダー制度というのを作ったものですから、一般の人がどの団体へ行っても『この人はこのくらいのレベルの人だな』というのが分かるわけです。なので、非常にやりやすくなると思います」 ●ウチの番組でも毎年定点観測でお世話になっているゲストの方で清水國明さんという方がいらっしゃいまして・・・(笑)。 岡島さん「時々、お聞きしますね(笑)」 清水さん「(笑い)」 ●その清水さんが河口湖に自然樂校を造っていらっしゃるんですが、あの自然樂校はいかがですか? 岡島さん「いいと思います。問題点はただ1点、経営ですね(笑)。清水さんがあちこちで稼いだお金を入れているという噂を聞きますけど(笑)、そこで儲かるか、最悪でもプラスマイナスゼロにならないと意味がありませんよね。基本的にはそこで経営が成り立たないと周りにしわ寄せが来るから、その辺は私も気にして見させていただいているんですけど、清水さんのことだから大丈夫だと思います」 清水さん「ビジネスというところで成立して、社会にも認めてもらわないといけませんよね。安全とか自然体験はタダだという日本の風潮、安くてサービスしてもらって当然という意識がみなさんの中にあると思うんです。僕なんかはちょっと目立つのでそういう風潮を変えていかないと、いいことが続かないと思うんです。持続させるには収益性も考えていかないと、誰かが犠牲になってやり続けることではないと思うんです。岡島さん、どうですか?」 岡島さん「私が心配しているのは、2007年くらいで大量定年が出てきますよね。あのあたりから年寄りの中でこういうことをやりたいという人が増えてくると思うんです。色々とブームになってくると思うんですよ。その時に学校とか指導者側でそういうことを受け入れる体制が出来ていないんですね。今、金がなくてお客も来ないで大変だけど、もう5、6年経つと今度は粗製乱造になってそっちのほうが問題になると思います。だから、それに備えて今から色々と準備をしなければいけないので、清水さん達が私財をなげうってなさっているんですけど、それは国とか色々なシステムでサポートする体制を作らなきゃいけないと思っていますので、及ばずながら私も国会議員とか国の役所に働き掛けまして、少しずつこちら側に向いてきてくれるような状況になっています。だから清水さんの苦労もあと2、3年だと思います」 ●じゃあ、これから自然学校はまだまだ変わっていくんですね。 岡島さん「欧米の自然学校で遊んでいる人達の数を考えれば、日本は1億2600万人もいてこれだけの人しか自然で遊べないわけですから、これからはもっともっとみんなが遊びたくなるし、それに合うようなきちんとした体制を、清水さんを含め我々は今から準備して整えておかなきゃいけないという状況だと思います」 ●次の世代の後継者を励ますためにも我々おじさんおばさんが頑張らなきゃいけませんね。 清水さん「ちょっとおせっかいなおじさんだけども(笑)、頑張らなきゃいけないなと思いますね」 ●SAVE KIDSキャンペーン“2005”とついておりますが、これは今後もこういう形で続けるということなのでしょうか? 清水さん「やります。全国でも展開していこうと思っているし、どうなるかなぁと思って手探りで始めた池袋サンシャインシティでのSAVE KIDS ! キャンペーンが、いいスタートを切れたのでね」 岡島さん「子供達まだ並んでいますよ。これを見たらやめるわけにはいかないでしょう。サンシャインも頑張ってやりますよ」 ●このあと、清水さんにじっくり案内していただこうと思います。岡島さんどうもありがとうございました。 今度は自然樂校で体験しよう!●今、キッズランドの入り口のところに来ています。スタート地点なんですが、大盛況です。説明をしていただきながら軽く流れを見たいと思いますが、スタート地点のゲートをくぐると子供達はみんな、清水さんやスタッフの方々が作ってくれた木の丸太などを渡っていかなければいけないんですね。丸太がまずあって、ベンチの上を通って、これはなんて言えばいいんですか? 清水さん「ジャングルジムみたいなもんだね。タカオニって知ってる? 高いところに登るとOKで下に落ちたらダメみたいな遊び。ここのスペースは下に落ちたらダメでやり直しなんですよ。スタートに戻って次のセクションに行けないんだけど、そのルールもうやめ(笑)。そんなことして戻ってたら、ただでさえ渋滞してるのに、落ちてもいいから次行って下さいみたいな(笑)」 ●今、全く進んでいないですからね(笑)。それくらい子供達がたくさんいます。そのジャングルジムみたいなところを通って、柱の脇を通って、これはイヌですか? 清水さん「うん。チェーンソー・カービングで作ったイヌさんとかブタさんの彫刻に、ホームセンターで買ったローラーをつけたものです」 ●まるでカメさんに乗るように、子供達はその上に乗ってロープを引いて前に進んでいくんですね。 清水さん「そう。自分でロープを引っ張って、ここを渡っていくわけですよ」 ●それをスタッフの人達が汗だくになって手伝っています(笑)。 清水さん「(笑)。本当は子供達の力を合わせて集団で引っ張ろうって言ってたんだけど、間に合わないからスタッフが『おりゃー!』って引っ張ってます(笑)。それでも渋滞しちゃってるの(笑)」 ●誰よりもスタッフのいい運動になっていますね(笑)。それを越えますと、これはシーソーですか? 清水さん「そうですね。渡っていくと前が『ゴトン』と下がって進んでいけるんですけど、これ、メチャクチャシンプルでしょ?」 ●はい。板が敷いてあって。 清水さん「体重で『ゴトン』とやるだけ。それで進んでいくと、ここですわ」 ●これが面白いんですよね。丸太が縦に並んでいて、それに板が横向きに何カ所かに付いています。 清水さん「フリー・クライミングをイメージして作ったんですよ。木切れを全部ビスで止めてあるので、それにつかまりながら横歩きをするんです。フリー・クライミングは上に登りますけど、これは横に渡っていきます。これ、見ているとクライミングの基本の3カ所は必ずつかまっていなさいっていう、3点保持をみんな完全に守っているんですよね。本能的に」 ●実際にこういう場に来れば、あんなに小さい子でも自然と出来るんですね。続いては河口湖の自然樂校にもあったターザンの・・・。 清水さん「滑車ロープですね。滑車のついているロープにつかまって、乗っかってビューンと滑っていきます」 ●それを通りすぎますと、今度はなんですか? 清水さん「つり橋なんだけど、グニョグニョと揺れるんです」 ●波打つんですね。 清水さん「たったこれだけなんだけど、これで体のどこかにスイッチが入る。安定して安全なところだけじゃなくて、この不安定さがスイッチを入れてくれるんじゃないかなと思いますね」 ●そのあとに横歩きのカニ・ウォークがあって・・・。 清水さん「そうそう。バランスをとるっていうちょっとした高さの不安定さが目覚めさせちゃうっていうことなんだと思いますね」 ●こうやって見ていると子供達はワクワクした顔で何度も並んでいますし、先ほどのフォーラムでも子供達の目に光がないという話がありましたけど、キッズランドを終えた子供達の目に光が戻ってきているなって気がするんですね。 清水さん「それが目的なんですよ。どういうスイッチの入り方をするのかは分からないけど、ここをキッカケにして本物の自然の中に入っていくちょっとした刺激になればいいなと思ってますね。シェイクすることによってどこかに火が点いてくれるんじゃないかなっていうささやかな願いがあったんですけど、さらにワイルドな自然の中に、例えて言うと河口湖の自然樂校とか森と湖の楽園にこれと同じものがたくさん置いてありますよ(笑)」 ●このまんまですからね(笑)。 清水さん「というか、あそこから持ってきたものだから、これをあそこへ戻すので、ここで遊んだ人達が河口湖の自然樂校へ来ると、『なんだ、あの時のものがあるじゃん』てなもんで、これを自然の中でやったらまた効果絶大。森がいっぱいあって、鳥がいるところで自分が体を使うっていうこと。今日はビルの中で体験したことを、今度は本物の自然の中で体験出来る。その違いをお父さんもお母さんも子供達も気が付いてくれるんじゃないかと思うけどね」 ●もっともっと色々な場でやって私達にも声をかけて下さいね。 清水さん「ありがとうございます。しつこくまた来て下さい(笑)」 ●しつこくまた来たいと思います(笑)。今日はどうもありがとうございました。 ■このほかの清水國明さんのインタビューもご覧ください。
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■「自然暮らしの会」代表「清水國明」さんプロデュースの
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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」
M1. YOUNG BOY / PAUL McCARTNEY
M2. HOT CHILD IN THE CITY / NICK GILDER
M3. FUN DAY / STEVIE WONDER
ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」
M4. WHEN TOMORROW COMES / EURYTHMICS
油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」
M5. WONDERLAND / SIMPLY RED
M6. MOTHER NATURE'S SON / SHERYL CROW
M7. SWEET, SWEET SMILE / CARPENTERS
エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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