2006年5月28日
モンベル・トライ & キャリー2006取材レポート今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンはモンベル・トライ & キャリー2006取材レポートです。 |
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この番組ではお馴染みとなりました、アウトドア・ウェア&グッズの総合メーカー「モンベル」が毎年開催している日本最大のカヌー、カヤックの大イベント「トライ & キャリー」。カヌーやカヤックにトライしてもらって、できれば、キャリー・バック・ホームしてほしいという趣旨で行なわれているこのイベントが今年も石川県羽咋市の、モンベル流通センターと千里浜(ちりはま)海岸周辺で5月3日から5日まで開催されました。
彦いちさん:はいはい! 林家彦いちでーす! 石川県羽咋市に来ております。何しに来たって? そりゃあ、トライ & キャリーのメイン会場に来ているんですねー。年に1回の大きなイベントで特設プールがあったり、近くの砂浜にはカヌーがワーッと並んで、メイン・ステージの周りには色々なメーカーさんのブースがあるの。これが面白いんだ! エイミーさんが来れないっていうから、僕、林家彦いちがレポートしようと思っているわけですよ。何よりも、このザ・フリントストーンを今日は仕切っちゃおうということになっております。っていうか、僕がしちゃいました! というわけでこの1時間、私、林家彦いちがゆったりたっぷりどっぷりたっぷんたっぷん伝えちゃいま-す! どんな苦境に置かれても、ハッピーは目の前にある
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辰野さん「今回のテーマはチャレンジということで、風間さんもチャレンジという意味では色々と経験なさっていて、前向きでガッツのある男性なんですけど、シール・エミコさんもそんな人生を送ってこられております。病っていうものが体を蝕むものであるけれど、心まで病んではいけないということをおっしゃっているんです。これが今日のキーワード。その辺を詳しくお聞かせ願えますか?」
エミコさん「はい。11年間自転車旅行してきたんですけど、日本にも帰らないで、その旅先で体調が悪くて病院へ行きましたら、進行ガンにかかっていたんです。物凄く体調が悪くて、パキスタンで病院に行ったときは、ちょっと転移して『早く手術しないと死ぬよ』って言われて、旅を中断して緊急に日本に帰ってきたんですね。それでも、私、サイクリストなので、いつもお腹ペコペコなんですよ。それで抗ガン剤を5ヶ月していて、放射線も5週間していたんですけど、なぜかすごく食欲があったんです。それで、5年間生きられる可能性が20%って言われたんですけど、先週のちょうど一週間前にその5年を越えました」
エミコさん「ありがとうございます。やっぱり食欲ですね」
風間さん「ちゃんと足ついてるね?(笑)」
エミコさん「(笑)。それで、ガンを克服して、またインド、ネパール、パキスタンへ自転車旅行に飛び出しました。やっぱり、スタートしたからにはゴールをしたいと思うし、旅をしているときが一番自分らしいので、自転車でまた走ってきました。体は病気になったんですけど、心まで病気になりたくない、心は常に健康でいたいっていうのが私の願いで、よく笑うこと、楽しいことを見つけることが大事で、どんな苦境に置かれても、必ずハッピーなことって目の前にあるんですね。苦しいことやしんどいこともあるんだけど、自分がどれだけ何を見られるか。その考え方ひとつで人生が全く変わるので、ガンにかかって死ぬよって言われても、結局、笑っていましたね」
辰野さん「あ、もうその頃から?」
エミコさん「はい!」
辰野さん「やっぱり僕らは5年経った今だからそう言えるんじゃないかって思うじゃないですか」
エミコさん「違うんですよ。入院しているときに、最初から余命が半年もないって言われたんです。もちろん最初は泣きましたよ。お日さまが照っているときはいいんですけど、夜になると星を見ながら涙がボロボロこぼれて、『もう死ぬんやわ。あかんねん』って思ってめげちゃうんですけど、泣いていても1日は1日なんですよね。だったら、笑っていようって決めたんです。それから、自分の考え方が同じ見るものでも変わってきちゃって、失礼なんですけど、人の顔を見るだけで笑っちゃったりするんですよ(笑)」
風間さん「そうですか」
辰野さん「(風間さんを指して)特に彼の場合はね(笑)」
風間さん「いやいや、僕の顔を見ないで下さいよ。向こう(辰野さん)の顔を見て下さい(笑)」
エミコさん「(笑)。色々な楽しいことを探していくと、『人生って楽しいなぁ』って思えて、そこから感謝する気持ちがどんどん出てきて、主治医の先生は25年、ガンの方を診ているんですけど、『奇跡が起こったね』って言ってくれて、それが嬉しかったですね」
風間さん「今は完全に治っちゃっているんですか?」
エミコさん「80%以上は無理って言われていたんですけど、もう再発はないって一週間前に言われました」
風間さん「それはよかった」
辰野さん「人間の治癒力っていうのは自分の体にあるんだってね」
エミコさん「風間さんもそうですよね」
辰野さん「あなた(風間さん)だってそうだよね。俺、諦めてたからね。でも、なんとなく共通点があるよね。前向きに生きるっていうか・・・」
エミコさん「諦めないですよね」
風間さん「諦めないね」
辰野さん「じゃあ、エミコさん。今の思いと、これからの抱負みたいなものを聞かせていただけますか?」
エミコさん「はい。今の思いは『生きてる』って思ってたんですけど、『生かされている』っていうことに気付かされて、これからも感謝して色々なことにチャレンジしていきたいと思います」
風間さん「頑張ってねー!」
辰野さん「じゃあ、風間さん」
風間さん「俺も自然が大好きでしょ。で、自然の中で遊ぶこと、そこに生きることっていうのはお金では買えなくて、自分自身の足で歩いて、全ての部分で自立しないといけない。意志と体と、そのためには食べる、そのためには前向きでなくちゃ自然と対峙できないじゃん。自然は優しさもあるけど厳しいからね。そういう意味では自分が物凄くポジティブでなくちゃいけない。そういうトレーニングを常にするのには、アウトドアっていうのは最高のトレーニングだと思いますよ。だから、よかったね、みんなね」
彦いちさん:いやぁ、チャレンジするって大事な事だねぇ。エイミーさんもそう思うでしょ? 俺も、これを聴いている人も色々チャレンジしていきましょう!
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林家彦いち、ワンバーナー・クッキングにチャレンジ!彦いちさん:林家彦いちのトライ & キャリー2006取材レポート! そんなようなわけでワンバーナー・クッキングにチャレンジ! どんなものでもいいんです。最初の1歩が必要です! 僕の最初の1歩のチャレンジはこちら、クッキングでございます。シェルパ斉藤さんのワンバーナー・クッキングに参加したときの模様をお伝えしたいと思います。林家彦いちの一番最初のチャレンジだぁ! シェルパさん「去年僕、新聞の取材を頼まれて、『災害時の料理を何か出来ないか?』って言われたんですね。災害時に温かい料理があればそれでみんなが喜ぶはずだと」 彦いちさん「それをワンバーナーでやるということですね」 シェルパさん「そういうことです。僕、中越で地震があったときにボランティアに行っていたんですけど、やっぱり温かいものが食べたいんですよね。で、温かいものを食べるにはどうしたらいいのかということで、これが割と配られていたんですよ」 彦いちさん「これは何ですか?」 シェルパさん「温めるご飯です。だけど、電気が来ていないので、電子レンジとかで温められないんですよ。で、実際にこれ、バーナーとかで温められるんだけど、お湯で14分かかっちゃうの。14分間もグツグツやっていたら時間かかるし、ガスももったいないので、このご飯を使った料理を考えました」 彦いちさん「これは、よく市販されている温めるご飯ですね」 シェルパさん「そうです。で、できるだけ時間を短くするための工夫として、まず袋を開ける前にこれをもみもみして下さい」 彦いちさん「袋をもみもみする?」 シェルパさん「中のご飯をほぐしちゃいます」 彦いちさん「モミモミモミモミ、中のご飯をほぐします!」 シェルパさん「使う具材はパスタ・ソース。明太子味とたらこ味の両方用意しました。それと缶詰めのコーンです。それと、ツナ缶を使います。で、説明いたします。まず、コッヘルに先ほどほぐしたご飯を入れます」 彦いちさん「ほぐしたので中がフニャフニャの状態ですね」 シェルパさん「これを、バーナーの上に乗せまして火を点けます。一気に焦げちゃうので弱火で大丈夫です。それでかき混ぜます」 彦いちさん「今はご飯だけが入った状態ですね」 シェルパさん「深皿だとやりやすいですよ。そこに、たらこソースを全部入れます。で、さらにツナ缶をオイルごと入れます」 彦いちさん「ジュージューいいますね」 シェルパさん「そして、コーンも適当に入れます。あとはかき混ぜるだけ。そして、たらこの色がだんだん白っぽくなってきたら出来上がり。そういう簡単な料理です」 彦いちさん「ツナの油でかなりジュージューいってきましたね」 シェルパさん「お湯だとかなり温めないといけないんだけど、これならば2~3分やればもう食べられるようになります。しかも熱々が食べられるというね。14分間グツグツ待っていなくても、開けてしまって炒めちゃったり、おじやにしちゃうとあっという間に食べられます」 彦いちさん「大体、こんな感じですか?」 シェルパさん「そうですね。たらこに熱が通って白っぽくなってきたら、それでできあがりです。じゃあ、早速彦いちさんどうぞ。出来たてを食べたほうがおいしいですから」 彦いちさん「いただきます! うまい! おいしい!」 シェルパさん「甘いコーンがアクセントになって食感もいいでしょ?」 彦いちさん「おいしい! 本当にこれ、いい!」 シェルパさん「どれも缶に入っていて非常食だから保存が利くんですよ」 彦いちさん「夜、小腹がすいたときなどいいですね。この料理のポイントは最初の、ご飯をもみもみするところですね」 シェルパさん「そう! ほぐすっていうのが時間短縮になって、料理も簡単になります」 彦いちさん「名前を付けましょうか?」 シェルパさん「もう是非! まだ名前を付けていないんですよ」 彦いちさん「では、「もみもみ」を入れましょう! 『もみもみ即席チャーハン』! 『もみもみ即席チャーハン』完成ということで、以上、ワンバーナークッキングでした!」 カヌーは趣味を持ち込むと長続きする<野田知佑>彦いちさん:どうも! 林家彦いちです。今週は私がトライ & キャリー2006の取材レポートをやってまーす! 僕は今回、初めて参加したんですね。それもゲストとして招かれてやってきました。というのも、去年、シルクロードを旅したんですね。その模様をスライドでトークする。で、一緒に旅をした作家の夢枕獏さん、そして、寺田克也さん、佐藤秀明さん、三遊亭白鳥さんとまわった旅の模様でございました。西域南道というウルムチからカシュガルに行って、カシュガルからずっと東へ登っていくんですね。そして、敦煌(とんこう)、西安まで行くという珍道中でした。これが、馬鹿馬鹿しくて面白くやりました。その話はまた今度、番組に伺って話したいと思います。 |
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で、我々のシルクロードのスライドのあとに、カヌーイストの野田知佑さん、シーカヤッカーの内田正洋さん、バックパッカーのシェルパ斉藤さんが加わって、「世界を旅する」というテーマでトークショーを行ないました。それではまず、野田さんの話を聴いてみましょう。どうぞ!
野田さん「カヌーが何故、面白いかというと、魚が釣れるからなんですよ。また、川遊びをするから。潜ったり、投網を打ったり、水遊びが出来るからなんだな。山登りが好きな人っていうのはパタゴニアにウットリするけど、僕はあまり山が好きではないので、氷を見てもあまり感動しないんだな。ただ、寒いだけで。この氷をパドルでかいて、オン・ザ・ロックにするくらいだな(笑)。こういうところは水温が0℃くらいで、落ちたらすぐに死ぬんだよね。風が強くて吹き飛ばされちゃうんですよ。風があまりに強いから、木が全部斜めになっているのね。そういうところです。ユーコンくらいになると魚が釣れるからいいんだけどね。
夢枕獏さん「僕が本当に驚いたのは、野田さんは本を読み終えると本当にページを破って軽くしていくんだよね(笑)。この間、野田さんから読みかけの本をもらってまだ持っているんだけど、半分ないんだよね(笑)。後半のところしかないやつをもらって、まだとってあります」 野田さん「そう言うとカッコイイけどさ、重量減らして苦労して行っているように思うでしょ? でも実は、ビン・ビールをいっぱい積んでいるんだよね(笑)。バカみたいだよね(笑)。ユーコン川の支流にとてもいい川があって、そこが1番お薦めですね。本流は途中に60キロくらいの長い湖があって、ずっと漕ぎっぱなしの非常にしんどいところなので、支流に入るとずっと流れがあって、2週間くらいで次の村に着くのね。僕はユーコン川3000キロを6ヶ月かけたんですよ。向こうでは川が3ヶ月しか流れずに凍結しちゃうから信じられないことなんだよね。だから、7月と8月だけ行くっていうのを3年続けたんだよね。で、海に出て、天気のいい日は言うことがないね。こんなところでビールを飲みながら、ハモニカを吹いたりして、または本を読んだりして下る。ツーリング・カヌーっていうのはそういうもんなんです」 彦いちさん:いやぁ、壮大です。続いてはシェルパ斉藤さんのお話です。これまたいい話が聴けそうです。どうぞ! シェルパさん「最近、日本の山も積極的に歩くようになりまして、去年の6月に平成の大合併によりまして、我が町が高根町っていう町だったんですけど、一気に大きくなって北杜市(ほくとし)っていう町になったんです。それまで気付いていなかったんですけど、日本百名山にも数えられている瑞垣山っていう山があるんですね。それが、それまでは隣町だったのが、我が町に入ったんですよ。で、たまたま地図を見ていたら、その瑞垣山から金峰山っていうところを通って、最後に雲取山まで行くルートを辿っていったら、1度も車道がないっていうことに気付いたんですね。ということは、我が町から東京までずっとトレイルを歩いていけるって気付いたんですよ。『じゃあ、東京まで歩いていくのもかっこいいなぁ』と思いまして、東京まで1度も道路を踏まずに行ってみるということをやったら、行けたんですよ。途中、1回車道と横切るんですが、うまいことにその車道が舗装路じゃなかったんですね。砂利道で、とうとう東京の奥多摩まで1度も舗装路を踏まずに行けたんです」 彦いちさん:温かみのある話ですねぇ。それでは最後は内田さんのカナダでのこんな体験談です。よいしょ! 内田さん「(スライド写真を説明しながら)これはね、カナダの沿岸水路ですよ。大体、沿岸水路っていうのは、シアトルからアラスカまでずっとアメリカ西海岸の沿岸部をいうんですけど、要するにフィヨルドの海なんですね。で、昔ここは氷河でその氷河が後退して出来た地形が今も残っていて、熱帯雨林じゃなくて、温帯雨林っていうんですね。で、今や0.2%くらいしかなくて、温帯雨林っていう存在が陸地の0.2%くらいしかないんですね。日本も昔はこういう世界だったんですけどね。日本にはいわゆる原生林はないですから。非常に豊かでここの海は温かいんですよ。もちろん冷たいんだけど、全体的にいうと温かいんですね。それは、日本から流れてくる黒潮がここに流れ着きますから、それでここに雨を降らすんですね。だから、常に雨が降っていて、非常に豊かな森も未だに続いているんですね」 彦いちさん「(スライドの写真を見て)オッ! これはなんですか?」 内田さん「横にいるのはザトウクジラです。ここは物凄く流れが速くて、このザトウクジラ2頭がずっと潮で遊んでいる感じだったんですね。で、『おもしれー!』と思ってカヤックで近づいていったんですけど、カヤックのすぐ横にその2頭がブーッとでてきて、デカイ目で『何やってんの?』みたいな感じで出て来たわけですよ(笑)。それで、この時、俺『すいません!』って言ってるんだよね。そしたら、『おう! まぁいいや』みたいな感じで許してくれたんだけどね(笑)」 彦いちさん「(笑)。でも、おっかないですね」 内田さん「今、世界で捕鯨が批判されているけど、クジラを食料にしてクジラを捕るっていうことっていうのはとてつもないことなんですよ。この連中と格闘するわけですよ。これは、自分の命を懸けないと、絶対に捕れないですよ。だから、我々日本人とかエスキモーの人達がクジラを捕って食べていることを批判されるけど、それを捕るためにどれだけの苦労かあるかみたいなものっていうのは、クジラの恩恵を受けていない人達はあんまり気付いていないんですね。世界で捕鯨が批判されていますけど、彼らの捕鯨と俺たちが言う捕鯨っていうのは意味が違うっていうのがこういう時によく分かりますね」
彦いちさん:いやぁ、エイミーさん、これすごいね! ロマンも感じるし、でかいんだよね!
このほかのトライ&キャリー・レポートもご覧ください。
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■モンベル・トライ & キャリー2006関連情報
モンベルのHP:http://www.montbell.com/
オカリナ奏者「宗次郎」さん
・宗次郎さんのHP:http://sojiro.net/
落語家「林家彦いち」さん情報
・林家彦いちさんのHP:http://www.hikoichi.com/ |
オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」
M1. BOAT OUT ON THE WATER / 101 SOUTH
M2. I RUN FOR LIFE / MELISSA ETHRIDGE
M3. 幼き日(LIVE) / 宗次郎
ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」
油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」
M4. 四万十の春 / 東風人
M5. WALK THROUGH THE WORLD / MARC COHN
M6. OCARINA WIND FAMILY(LIVE) / 宗次郎
エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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