2006年8月27日

アテネ五輪の水中花・武田美保さんの新しい挑戦

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは武田美保さんです。
武田美保さん

 シンクロナイズド・スイミングの日本代表として、3つのオリンピックに出場したメダリスト、シンクロ・スイマーの「武田美保」さんをゲストに、ハワイの自転車イベント「センチュリーライド」のことや、ピラティスというエクササイズのことなどうかがいます。

初めて景色を楽しめたスポーツ

●私も小さい頃、シンクロナイズド・スイミングの華麗な動きに憧れたんですけど、そんなシンクロ選手の武田さんが去年「ホノルル・センチュリーライド」という自転車の大イベントに参加されました。「ファンライド」とも言うそうですが、100マイル、160キロというとても楽しいとは思えない長距離で(笑)、かなりしんどかったんじゃないですか?

「そうですね。私にとってはすごい挑戦になりましたね。私も実は全然結びつかなかったんですよ。小さい頃からシンクロ以外のスポーツはほぼしたことがなくて、陸上に上がればどん臭いほうだったと思うんです。でも、キッカケとしては声をかけていただいたっていうのがシンプルな理由なんですけど、最初はマイルが選べると聞いていたので、『じゃあ、挑戦してみよう!』と決めたんですね。でも、練習をしていくうちに『やっぱりスポーツ選手だったし、中途半端にやるんだったら最長距離に挑戦してみようかなぁ』っていう変に負けず嫌いの根性が出てしまって(笑)、最終的には・・・」

●メダリストの意地をかけて挑戦したんですね(笑)。

「そうなんです(笑)。でも、すごく新鮮で楽しかったです」

●一番長いコースが160キロで、休息とかも入れて8時間55分かかって、実走が6時間半だったそうですが、これは早い方なんですか?

「そうですね。走っている間中はペースをほぼ同じくらいの速度にキープして走れていたので、『最初の割には早い方じゃないか』って言っていただきました。その代わり、たっぷり休みを取って走りました。だからこそキープができたと思うんですけど、私一人だけではなくて、一緒に走って元気をもらいながら、声をかけてもらいながら完走できたファン・ライドでした」

●ハワイって観光のイメージで、ビキニ姿がまぶしいビーチ・サイドっていうイメージがあるんですけど、武田さんはハワイには何度か行かれていたんですか?

「実は昨年のセンチュリーライドで初めてハワイに行ったんです。選手のときは海外遠征はたくさん行きましたけど、目的は試合に出るためだけで、自分の競技のときに『景色を見る=自分のポジションの確認』だったりとか、自分がどの方向に進んでいるとか、壁に対して角度が真っ直ぐか歪んでいるかという見方だったんですよね。でも、スポーツをしながら景色を楽しむっていうのが初めてだったので、結構、感動的でしたね。同じポジションをキープしながらずっとペダルをこいでいて、背中とか肩とか辛くなってくるんですけど、それに没頭しているときに『景色を見てごらん』っていう声が聞こえて、パッと見た瞬間の景色が素晴らしかったんです。ブルーの海が開けていて、ビックリしたんですね。確かにすごく疲労感はありましたけど、それを超えるくらいの達成感があって、正直『挑戦してよかったなぁ』って思いましたね」

水中のスポーツから陸上のスポーツへ

●去年、参加されましたホノルル・センチュリーライドが今年も9月24日に開催されるということで、今年も参加するそうですね。

「はい。参加しちゃいます!(笑)」

●これは、やはり去年参加したときの楽しさが残っているからですか?

「そうですね。楽しい印象だけが残ったっていうくらい、私の中では大きな出来事で、それこそ今年の抱負としては昨年より陸上での活動がすごく多くなったんですよ。だから、陸上での体力がついたかなぁっていうのがあって、去年よりタイムを縮められたらいいなぁとか考えながら挑戦しようと思っています」

●私はずっと陸上競技だったので、陸の上の競技の負担っていうのがあまりピンとこなかったんですが、あるインタビューに武田さんが答えているのを読んだんですが、「1時間立っているくらいだったら、3時間水の中にいるほうがいい」とおっしゃっていて(笑)、それを聞いたときに「そんなに違うものなのかな?」って思ったんですね。実際にそんなに違うんですか?

「本当に辛かったんですよ。選手を終えて3か月くらいずっと偏頭痛があったり、立っていたらすぐ貧血気味になってしまったり、足はむくむし、代謝は悪いし、常に倦怠感があって、『これって何だろう?』って思っていたんですね。前から、急にやめてしまうと体によくないと聞いていたので、泳ぎに行ったりすると、それが解き放たれるように疲れが取れたり、ほぐれるんですよね。で、だんだん気がついてきて、『私の体は陸仕様じゃなかったんだ』って思って(笑)。さすがにそれからはちょっとずつ慣れてきて、去年のセンチュリーライドに出たんですね。それで、陸上での体力にも自信がついたなぁと思って、それからさらに私の活動もどんどん幅が広がって、今、ちょうどミュージカルのお仕事を楽しくさせていただいているんですけど、そこでジャンプしたりとか、かなり陸の動きを頑張っているんですよ」

●マッスル・ミュージカルだから筋肉使いまくりでしょ?(笑)

「そうなんですよ(笑)。実は今、この夏で2度目の公演なんですね。春と夏では演目が変わっていくんですよ。春公演のときのリハーサルは辛かったですよ。一日中リハーサルに参加していたら、座ることなんて休憩の5分間以外ないんですね。ずっと立って、反復のステップを踏んだりとかなんですよ。で、一日中立っている自分がすごく不思議で(笑)。『私、立ててる!』みたいな(笑)」

●「浮いていない!」みたいな(笑)。

「そう(笑)。立って過ごせているっていうのが私にとって喜びだったりするんですよね。息を止めるテストとかも以前にしたことがあるんですけど、普通の陸上での空間で息を止めると、頭に血が上って血管が切れそうになるんですよね。でも、同じ状態で息を止めて水の中に潜って耐えるんだったら、その方が全然楽なんですよ」

●不思議ですね。

「水の中では4分弱、息を止められるんですよ」

●これは、不思議ですね(笑)。ということは今、マッスル・ミュージカルに出演しながら、今年のホノルル・センチュリーライドに向けての万全なトレーニングをしている感じですね(笑)。

「そうですね(笑)。自転車のトレーニングはまだ余り時間が取れていないんですけど、基礎体力という面では、自然と毎日の活動がそれに繋がっているかなと勝手に解釈しています」

●体力的には余裕ができて、去年よりももっと周りの景色を見ながらいけそうですか?

「いけるんじゃないかなぁと思っています」

●そういう部分が楽しみだったりしますか?

「去年のしんどさとかも結構リアルに覚えているんですよ。今年はどうかなぁとすごく楽しみに9月を待っています」

ピラティスで体の内側からキレイになろう!

「武田美保のPILATES LIFE」

●本当に色々なチャレンジをしている武田さんなんですが、「武田美保のPILATES LIFE」という本も出されていらっしゃいます。武田さんはピラティスのインストラクターでもいらっしゃるそうなんですが、そもそもピラティスというのはどういうものなんですか?

「まとめて言えば、コア・トレーニング、インナー・マッスル・トレーニングということになるんですけど、コアというのは体の一番奥深くにある、背骨とか骨盤とか体の要になっているところで、そこの筋肉を鍛えるトレーニングなんですね。人間っていつの間にか生活習慣で片方ばかり足を組んでいたり、片方の肩にばかり荷物をかけていたりとか、単純にその癖だけで体って少しずつ歪んでしまうんですね。そうすると代謝が悪くなったり、肩こりの原因になったり、女性だと冷え性とかむくみの原因になったりするんですけど、内側をしっかりと自分で見つめて、元の正しい位置にどんどん戻していくんですよ。そうして姿勢とかも良くなっていくと、代謝が上がってきて、すごくリラックスできるんです。女性に一番オススメなのが、細く長くてしなやかに程よい筋肉がついてくれるので、柔軟性も高まって足の運びとかもスムーズになるんですね。足の運びがしなやかだと、所作がきれいになりますよね。健康的な女性のある程度お肉がついていてっていう理想のボディが手に入ります」

●これはヨガとは違うんですか?

「はい。でも、基本的な体の内側に目を向けるというのは同じで、どちらも独特の呼吸法を取り入れています。でも、ピラティスの場合は鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐きます。肺がストレスなくだんだん大きく使えるようになってくるので、鍛えられもしますし、すごくリラックスして集中力が増します」

●ピラティスをやっている間は自分と向き合うことができるというのはいいですね。

「本当にその通りだと思います。私、体がつらいときほど、寝る前とかにピラティスをするんですね。すると、本当にほぐれてくるんですよ。背骨とか骨のパーツがだんだんベッドに吸い込まれていくみたいに疲れが取り除かれているみたいなイメージを持っていくと、本当に自分の体が動いたなぁって分かるんですね。『骨と骨の隙間が開いてくれた』とか(笑)。そうすると眠りにも入っていきやすいし、『感じよう!』って思うのって、心と体って直結しているからだと思うんですよね。敏感になれるときって、感性がすごく研ぎ澄まされていて、それが終わってからの仕事ってすごく効率よく進むんですよ。詰め込みで、寝ていなくて、忙しいから休みも取らなくてって追い込む方向も、時と場合によっては必要かもしれないんですけど、そういうときほど5分間でいいのでピラティスをすると効率が上がると思います」

●ましてや、ホノルル・センチュリーライドみたいな自然の中での競技をやっているときって、そんなところで深呼吸をするだけでも、違ったエネルギーを得られて、さらに元気になって次のことができるんじゃないかなって思いました。

「そうですね」

●今年、武田さんも参加されるセンチュリーライド、まだまだ参加したい方は間に合うそうなので、160キロコースはともかく(笑)、一緒に走りたいという方にメッセージはありますか?

「参加される方って景色を楽しみたいなとか、運動を楽しんでみようかなっていうのが純粋にあると思うんですよ。本当にそれに100パーセント没頭してもらうと、いろいろな発見があると思うので、私自身もそういうふうに臨もうと思っているんですね。色々な邪念とか、あまり乗り気じゃないのに連れてこられたとか(笑)、本当にいろいろな方がいらっしゃると思うんですけど、私は不安だったけど、やろうと思って決めたら、思いっきりそれに没頭したいっていうのが自分の性格なんですね。それですごく楽しかったので、思いっきり楽しむっていうふうに決めて、臨んでもらったら一番楽しめると思います。絶対、いつもとは違う達成感って人間の感情にとってすごく必要だと思うんですよ。『生きてる!』って思いますよ。ドキドキするし、汗かくし、喉は渇くし、体のどこかがつらいんですけど、それって生きていないと感じられないものなので、それを是非、一緒に楽しみながら走りましょう!」

●何よりも武田さんご自身も9月のセンチュリーライド頑張ってくださいね。

「160キロ頑張ります!(笑)」

●長いですよねー(笑)。

「またお尻とか痛いと思うんですけど、タイムを縮めますよ」

●去年が6時間半ですからね。

「もうちょっと頑張って、苦手の坂道を攻略します」

●結果は是非、報告させていただきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。


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■シンクロ・スイマー「武田美保」さん情報

『武田美保のPILATES LIFE』
テレビ朝日コンテンツ事業部/定価1,575円
 今、若い女性に大人気のエクササイズ「ピラティス」。インストラクターの資格を持つ「武田」さんによる、基本がわかるDVD付きピラティスブック。
 また、ピラティスに関するDVDも3枚(『STANDARD STYLE』、『SMART STYLE』、『RELAXATION STYLE』)、発売されています。また、それらをまとめたDVD BOXも発売中。
 尚、「武田」さんがインストラクターを務めるピラティスの教室については9月1日から専用のホームページ(http://cocorocoa-bs.com/)でお知らせできるそうです。

『STANDARD STYLE』
『STANDARD STYLE』
『SMART STYLE』
『SMART STYLE』
『RELAXATION STYLE』
『RELAXATION STYLE』
『STYLE-BOX』
『STYLE-BOX』

 現在、『マッスル・ミュージカル』に出演中の「武田美保」さん。そんな「武田」さんが今年も参加するハワイの自転車イベント『ホノルル・センチュリーライド2006』では参加者を募集中! 開催は、9月24日(日)。コースは、20マイル(32キロ)から「武田」さんが出場する100マイル(160キロ)までの6コース。皆さんも「武田」さんと一緒に、ホノルルの風を楽しみながら自転車で走ってみてはいかがでしょうか。
 尚、『マッスル・ミュージカル』、および、『ホノルル・センチュリーライド2006』に関するインフォメーションは「武田美保」さんのホームページをご覧下さい。

「武田美保」さんのHP:http://www.mihotakeda.net/

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. SUMMER SUNSHINE / THE CORRS

M2. SEVEN SEAS / ECHO & THE BUNNYMEN

M3. PACIFIC OASIS / NALEO

M4. JOYRIDE / THE ROXETTE

油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」

M5. HAVING A PARTY / SAM COOKE

M6. HONOLULU CITY LIGHTS / CARPENTERS

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

M7. NATURE ANTHEM / GRANDADDY

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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