2008年5月11日
かざまりんぺいさん&森沢明夫さんと作る、恥ずかしいけどおいしい「はずめし」今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンは、かざまりんぺいさん、森沢明夫さんのインタビューです。
以前、番組に出ていただいた、アソベンチャークラブ日本の代表、かざまりんぺいさんと、エッセイストでノンフィクションライターの森沢明夫さんが、「恥味研究会(ちみ・けんきゅうかい)」という会を作り、先日、チープだけど、高級料理に匹敵するほどのとびきり美味しい料理を紹介する「はずめし」という本を出されました。
「はずめし」の真骨頂とは?●かざまさん、ご無沙汰しています。 かざまさん「どうも、ご無沙汰です。恥味研究会の会長、かざまです」 ●森沢さんもご無沙汰しております。 森沢さん「こんばんは。ご無沙汰しております」 ●今回の「はずめし」という本は共著という形になっていて、かざまさんと森沢さんの繋がりっていうのが、この番組的には非常に気になるんですけど、かざまさんはアソベンチャークラブ日本の代表として、何度かザ・フリントストーンにもご出演していただいて、火がつかなかった事件とかありましたね(笑)。(2006年7月9日放送の「かざまりんぺいさんとサバイバル術実践!」の回参照) かざまさん「思い出の事件はいっぱいありますよねー(笑)」 ●そういうかざまさんとは別に、森沢さんもお1人で番組に出ていただいたんですけど、お2人はいつごろからのお知り合いなんですか? かざまさん「つき合いは古いんだよね」 森沢さん「そうなんですよねー。10年前くらいからですかね?」 かざまさん「それくらいになりますね。僕はこの本の中では森ちゃんって言っていますから、今日は森ちゃんでいきます。森ちゃんと僕とは・・・」 森沢さん「ちょっとした出会いだったんですよね」 かざまさん「そうだねー。それがこんなにこういう感じでずっと続いて、共著までいくとは思いもしなかったよね(笑)」 森沢さん「(笑)。2人ともアウトドアが好きっていうところで、最初にお会いしたときからそれでバッと盛り上がりましたからね」 かざまさん「2人で会って飲んでいる時間のほうが長いよね(笑)」 森沢さん「仕事をご一緒することはあまりないですけど、飲むことは多いですね(笑)」 かざまさん「でも、そういう仲だから、『はずめし』みたいな、『いっちょ、やってみようか!』っていうものが出てくるし、色々立ち会っていた中で、ある電機メーカーのお偉いさんと僕たちの3人というシチュエーションになったんですよ。こういうスタジオみたいな場所だったよね?」 森沢さん「そうですね。関係ない仕事でご一緒しているというのもあって・・・」 かざまさん「あのとき、急に出たんですよね?」 森沢さん「そうですね」 かざまさん「そのときに、急にその人に『最近、食べたもので思い出に残っているものってありますか?』ってきいたんですよ。そうしたら、『ラーメンの残り汁が・・・』みたいな話になったんですよね(笑)」 ●ちょっとした席での全然関係のない話から始まっているんですね。 森沢さん「そうです。それで盛り上がっちゃったんですよね(笑)」 かざまさん「それで、その人が『ラーメンの残り汁にご飯を入れるどうのこうの・・・』って話になったときに、結局、奥さんから『そんな恥ずかしいことはやめなさい』って言われるわけですよ。それがキッカケですよ。だったら、日本中にそういうのがあるんじゃないかっていうのを話して、それが本物の本がポンっと出来上がったキッカケですね」 ●タイトルの「はずめし」っていうのは、恥ずかしいめしの略ですか? かざまさん&森沢さん「そうです!」 かざまさん「他人には言えないけど、それぞれ思い出深い食べ物が絶対にあるはずだと。恥ずかしいめしではないわけですよ。簡単にちょっと作っちゃって、世間で言う簡単料理みたいな形の恥ずかしいご飯ではないんですよね。そこに思い出がたっぷり詰まっていないと、『はずめし』と言えないよね」 ●ネーミングでいう「はずめし」っていうと、「えーっ!? そんなの食べているの?」って言われるから恥ずかしいっていう意味での「はずめし」ではないんですね。今回、かざまさんは「恥味研究会」の会長ということで、森沢さんはそこの会員なんですか? 森沢さん「僕は平会員ですね(笑)」 ●(笑)。これはどういう会なんですか? かざまさん「はじめは何の気なしに始めたわけですよ。それは『ただ単の空論かな』って思っていたら、色々な人に聞いてみると、やっぱりそういうものがあるんですよね。だったらこれは学問じゃないかと(笑)。だったら、研究学会みたいなものを作っちゃおうってことで盛り上がりまして(笑)、また、どこかで飲んで盛り上がったんだよね?」 森沢さん「そうですね(笑)」 ●今回のこの本は、基本的に恥味研究会の会員の方達が投稿したものがメニューとして紹介されていて、それを実際に作って、食べて、感想を言いつつ、それに合う酒も紹介すると。で、それぞれの料理には会長からの「人に話したくなるうんちく」というのもあって、色々な楽しみ方が出来る本なんですけど、私も読ませていただいて「これ、本当かな!?」っていうレシピもいくつかあるので、今日はこのあと実際に作っていただきながら、実際にみんなで食べてみようと思います。 森沢さん「きっと、ビックリしますよ!」 かざまさん「告白のところでは、悲しい音楽でもかけていただきながらね(笑)」 ●そっか! それぞれの「はずめし」には、涙なしでは語れない思いが込められているんですもんね。 森沢さん「そうなんですよ。投稿者がいらっしゃるので、その投稿者の方の人生まで味わうのが『はずめし』の真骨頂なんですよね」 ●そういう色々な思いが込められた「はずめし」をこのあと、調理していただきます! ちくわで作る「うなじゆう」●では、これから実際に「はずめし」の調理に取り掛かっていただきたいと思います。会長自らですか? かざまさん「ええ。包丁1本、さらしを巻いてやらせていただきます(笑)」 ●(笑)。何を作ってくださるんですか? かざまさん「『うなじゆう』という料理です。森ちゃん、ちょっと紹介してくれる?」 森沢さん「はい。『“うな重”と呼んでもいいじゃないか。自由だよ』という意味で『うなじゆう』になったんですけど、これは読者の投稿にすごくわびしいものがありまして、ちょっと貧しい家庭に育った読者の方に、お母さんが『これはうな重よ』って言って作ってくれていたのが、実はちくわの蒲焼だったっていうもので、それを高校生くらいまで気がつかなかったんですよね。で、あるとき、うなぎ屋さんに行ったときに彼がうなぎを食べて『これ、本当にうなぎなの!?』って言ってしまったという恥ずかしいエピソードがあるんですね。で、そこから会長と『これはお母さんの愛情がこもっていて、泣かせるね』って話をしたんですね」 かざまさん「本当だよねー。これを、単なる『ちくわ丼』とかにしないで、自由にうなぎと呼ばせてあげようということで『うなじゆう』にしたんですね。それともう1つ、これは面白いなぁと思ったのが、我々は汁で食べているなって感じたんですよ。意外と、食べ物の本体で食べているんじゃなくて、汁を感じると頭がピピッと反応して『うなぎじゃないかな』とか、感じるみたいですね。僕はこれを作っていてしみじみ感じましたね」 ●「はずめし」が完成したら、実際に確認してみたいと思います。今は「うなじゆう」のちくわを開いて、切れ目を入れて、丸まらないようにしていますね。 かざまさん「ちくわもまた色々ありまして、鯛のすり身が入ったのとかね」 森沢さん「鯛のすり身が入ったやつはうまいんですよ」 (フライパンでちくわを焼き始めるかざまさん) 森沢さん「とても蒲焼を作っているとは思えない音ですね(笑)」 ●(笑)。開いた面から焼き始めるんですね。 森沢さん「ちなみにちくわ選びにもコツがあって、皮の焼き目が全面にあるちくわのほうが、よりうなぎっぽく見えます」 ●なるほど! かざまさん「頭を完全にうなぎモードにしちゃうわけですよね。こうして見てみると、だんだんうなぎっぽく見えてきませんか?」 森沢さん「うなぎの白焼きに見えますね」 ●それから、先ほどお話にあったタレを入れるんですね。これはうなぎですよ! 森沢さん「タレをかけて調理すると本当にうなぎですよね」 ●いい香り! かざまさん「これが『はずめし』です。エイミーさん、ちょっと食べてみて!」 ●実は今回、ザ・フリントストーンは恥味研究会の「はずめし」試食家を呼んでいます。酒飲みマーシーが一緒に感想を述べてくれます。いただきまーす! かざまさん「山椒が大事ですよ」 酒飲みマーシー「おいしいですね! 歯ごたえのあるうなぎですね」 ●見た目はうなぎだもんね。 酒飲みマーシー「でも、やっぱりキーは山椒ですね」 かざまさん「僕らもいかに山椒とタレで『これはうなぎだ』って思わされているかってことですよね」 酒飲みマーシー「なるほどねー」 ●これ、見事です。 かざまさん「これ、偽装していませんからね。これをうな丼だって言っていないですからね」 ●「うなじゆう」ですもんね。マーシーさん、これを「うなじゆう」と呼んでも大丈夫ですか? 酒飲みマーシー「OKです!」 ●マーシーからもOKが出ましたが、私は本当のうなぎよりも「うなじゆう」のほうが好きです。 かざまさん「ありがとうございます」 ●では、次にいってみたいと思います。 千枚漬けならぬ、八百漬け!?●続きまして、今、私はツナにも似たようなものをひたすら混ぜているんですが、これは何でしょうか? かざまさん「さんまのかば焼きです」 森沢さん「できれば、ちょうしたがいいですね」 かざまさん「最近、マルハ大洋も頑張っているよ。それからあと、長ネギ1本とマヨネーズ」 森沢さん「もしあれば、ミキサーに全部入れて、ちょうしたの場合、汁だくなので汁も全部入れて、ウィーンってやるとトロトロのペースト状になるんですね。今はみじん切りで刻んでやっていますけど、ちょっと味見してみてください」 ●これは何ていう料理なんですか? かざまさん&森沢さん「これは『さんかばソース』!」 ●これは、ソースなんですね! 森沢さん「さんまのかば焼き缶を使ったソースなんです」 ●こちらの投稿者は千葉の方ですね。では、悲しい投稿を読ませていただきます。 <小生、元山岳部バツイチ男です。亡き母の形見のすり鉢1つ持って、女房の家から追い出されました。独り身になって以来、このすり鉢で、ご飯もラーメンも汁物も何でも食べています。さて、すり鉢を使ったはずめし『さんかばソース』があります。学生時代に編み出した絶品です。さんまのかば焼き缶詰(ちょうしたが一番!)と長ネギのみじん切りとマヨネーズを混ぜて、すりこぎでぞりぞりぞりとやったペーストです。どうやって食べてもおいしいので、是非、やってみてください> ●ということで、ミキサーがあればなお、楽ですけど、この方にとってはすり鉢でやるっていう調理の段階で思いが込もるわけですね。そんな「さんかばソース」につける食材、キュウリと大根を用意していただきました。 森沢さん「野菜スティックですね。それと、ブラックペッパー使用の『さんかばソース』も用意しました。洋風の味になるんですよ。パンにのせて、オーブントースターで焼いてもおいしいです。ご飯にのせても食べられます」 酒飲みマーシー「これ、絶品ですね! ビールに合いますね」 かざまさん「あと、とっておきの漬けてきた『八百漬け』。これも本の中にある『はずめし』です」 ●大根と都こんぶですね。 森沢さん「順番に敷き詰めて、重ねていって、一晩冷蔵庫で寝かすというものです。 <我が家に代々伝わる京風漬物です・・・汗。数年前、彼と同棲しているときに考案したレシピで、要するに『都こんぶ』とスライスした大根を重ねただけの『千枚漬けもどき』です。実はこの料理、彼の母上が突然やってきたときに重宝しました。京女を吹聴していた私は『我が家に代々伝わる京風漬け物です』とホラを吹き、小皿に盛ってお茶請けにして出したのです。それを食べた母上は『さすが京女!』を連発。晴れて私はお嫁さん候補として認められたのでした。でも後日、彼に嘘つき呼ばわりされてフラれました。そして、今でも独身です。しくしく・・・。とってもおいしくて哀しいはずめしです。是非、試してみてくださいね> ●という都こんぶと大根の『八百漬け』。マーシーさん、いかがですか? いい音していますね。 酒飲みマーシー「都こんぶってすごいですね!」 (一同爆笑) 森沢さん「すごくうまいですよね!」 ●この八百漬けもお酒に合いますか? かざまさん「ビールでも日本酒でもバッチリです」 森沢さん「都こんぶで作ったとは思えないですよね」 ●都こんぶってすごいですね!(笑) 森沢さん「(笑)。この間、会長と言っていたのが、昆布を細かく刻んじゃって、生野菜と一緒に袋に入れちゃうんです。で、グチャグチャって混ぜると浅漬けが出来ちゃうんですよ」 ●おいしそう! 森沢さん「ゆずの皮なんかをちょちょっと入れたら、逸品が出来上がっちゃうんですよ」 ●アウトドアのときにも重宝しそうですね! 現地の農家の方に野菜をいただいたりして、漬け物が作れちゃいますね。これだけあれば、調味料が要らないんですもんね」 かざまさん「本を読んでいただければ分かるんですけど、今までしたたかにずっと生き残っている商品のすごさっていうのかな。都こんぶ恐るべしっていうのが、書いてあるんですけど、それも読んでいただきたいですね」 ●そのへんは各レシピの後ろに「会長のヒトに話したくなるウンチク」というところに載っていますので、そちらのほうも全部、読んでいただきたいと思います。いやぁ、おいしかった! かざまさん「おいしかったでしょ?」 酒飲みマーシー「ビックリです!」 かざまさん「『はずめし』はおいしくなきゃダメなんですよ。やっぱりまずいっていうのは恥ずかしいご飯で、思い出と共に頭の中に残っているのは、うまいものなんですよ。今日はそれを実感していただけたかなと」 「はずめし」の極意とは?●実際に「はずめし」を作っていただいてご馳走になったわけなんですが、面白いですよね!
かざまさん「そうでしょ? 面白いし、おいしいし。で、作る工程を見てもらったので、すごくよく分かっていただいたと思うんですけど、簡単なのに作るほうもすごく面白いんですよね。例えば、『うなじゆう』だと『なぜ、ちくわをそんなに開くの?』とか。でも、それを焼いていく過程を見ていくと、途中からうなぎみたいになっていくんですよね」 ●多分、「はずめし」に投稿なさった方たちには、ちょっとほろ苦い思い出があったり、感動した思いなど色々な思いがあるでしょうけど、こうやって改めてそのレシピを作る際には、もっと深く掘っていって、奥深いところで「どうすればもっとうなぎっぽくなるのか」とか・・・。 森沢さん「そこが研究会たる所以なんですよね」 ●なるほどね! かざまさん「今の若い人にはファースト・フードが流行っていて、涙を流して食べるような料理があるのかなぁって心配なんですけど、そういう話を若い人と話すときに、『今から自分で作っちゃいなよ』って言っているんですよ。これから僕は『はずめし』にいくぞっていうのを決めて、青春時代の『はずめし』はこれだったっていうのを作るきっかけにしてもらうと、その人にとって一生懸命作った『はずめし』を、何十年か経って『あんなことあったよね』っていうのが食として自分の中に残るかもしれないので、若い人にはそういうふうに読んでほしいなと思いますね。
●食で遊ぶのではなく、食で楽しむっていうのが「はずめし」の極意なのかなって気がしました。そんな恥味研究会で繋がっているかざまさんと森沢さんですが、それぞれの普段の活動は違うじゃないですか? かざまさん&森沢さん「そうですね」 ●そんな中でも新たな「はずめし」ができたら教えていただければと思います。第2弾を楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。 このほかのかざまりんぺいさんのインタビューもご覧ください。
このほかの森沢明夫さんのインタビューもご覧ください。
|
AMY'S MONOLOGUE~エイミーのひと言~
「はずめし」は投稿者の人生を味わうごはんだとかざまさんはおっしゃっていましたが、それぞれのレシピの裏に秘められた涙と笑いのエピソードを除くと、単純においしい、斬新かつ感動的なごはん。皆さんもぜひ食べてみて下さいね!
|
『はずめし』情報かざまりんぺいさんと森沢明夫さんの共著 はずめしブログ:
http://52830329.blog102.fc2.com
森沢明夫さん公式ブログ:http://blogs.yahoo.co.jp/osakana920 |
オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」
M1. I NEED SOMETHING / NEWTON FAULKNER
M2. SAD SONGS / ELTON JOHN
M3. FREEDOM / WHAM!
ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」
油井昌由樹ライフスタイル・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」
M4. TICKET TO RIDE / THE BEATLES
M5. IT'S A SHAME / SPINNERS
M6. DO YOU REMEMBER? / PHIL COLLINS
エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
|