2008年10月19日
13の月の暦、コズミック・ダイアリーでのライフスタイル ~フリーライター/星空準案内人の景山えりかさんを迎えて~
今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンは景山えりかさんのインタビューです。
フリーライターで星空準案内人の景山えりかさんをお迎えし、ロハスとの出会いや、お月さまを意識したライフスタイルのことなどうかがいます。
広い捉え方ができる「ロハス」
●はじめまして。よろしくお願いします。景山さんはもともとプロ・ダンサーだったそうですね。
「そうです」
●それが、ロハスと出会ったことが転機となって、フリーライターになられたんですか?
「実はライター業にもともと興味があって、ダンスとマスコミの業界のどっちを選ぼうかなって思ったときに、体が動くのは若いうちということで、ダンスのほうを頑張ったんですね。で、30歳を過ぎてから、そろそろ体も動かなくなってきたし(笑)、前の夢だった文章を書くっていうことを仕事にしてみたいなと思って、特に資格もいらないので『今日から私はフリーライター』ということで、売込みを始めたんです。で、最初のうちはいただいたお仕事を何でも引き受けて一生懸命頑張ってやっていたんですけど、ライティングする分野が色々ありますよね。女性にウケる内容であったり、ウエディングであったり、グルメであったりとか、巷の流行のものであったりとか、分野を色々やっているうちに『自分は一体、何が書きたいんだろう!?』とか、これからライターを長くやっていく中で、何かテーマが欲しいなと思うようになって、それで色々探しているうちに、たまたまインターネットに一般の方が書いているブログでロハスっていう言葉と、コンセプトの紹介を見つけて、『これっていいかもしれない』って思って、そこにフォーカスしていくようになったんですね」
●それは日本にロハスっていう言葉が今ほど広まっていないときだったんですか?
「日本ではまだ浸透する前だと思います」
●それを機に、またゼロから勉強して実践しながら、それを書いていくっていう感じだったんですね。
「はい。ただ、すごくラッキーだったのはロハスっていうのをやってみたいなって思ったときに、たまたま女性向けのロハス系雑誌が創刊になったばかりで、人材を募集していたんですね。それを見て『作品を送ってみよう』と思って、それまで色々やっていた仕事をお送りしたら、『是非、一緒にやりましょう』とお話がトントンと進んで、その雑誌でメインで書かせていただくことになって、色々取材をしながら自分も勉強しつつという形でロハスに関わるようになっていったんですね」
●ロハスって今ではよく耳にするようになりましたけど、景山さんが勉強し始めたときに、実践していく中で、難しかったこととか、「あ、こういうことなんだ」って感じたこととかってありますか?
「今でこそ、ロハス=地球を考えるとか、エコのほうに偏りがちなんですけど、ロハスってもっと広い捉え方ができるもので、自分自身に関心を持つこともロハスであったりとか、環境以外に健康に意識を向けることもロハスであるし、それから経済、お金がどういうふうにまわっていくかっていうのもロハスであったりとか、あとは西洋医学に頼らない代替医療っていうのも、実はロハスのカテゴリーの中に入ってくるんですね。だから、エコとか環境問題だけではなくて、実はすごく身近なんですね。
で、英語で綴るとロハス(LOHAS)のLって、LIFESTYLESなんですよ。複数形になっていて、ロハスのライフスタイルっていうのは1つじゃなくて、『これです!』っていう決まりはないんですね。だからこそ、自分のレベル、今の環境に合ったロハスっていうのを自分で見つけていけるっていうところが、すごくいいなぁと思って自分も実践できるっていう確信がもてたと思うんですね」
●ロハスなライフスタイルを送りながらも、ロハスという言葉が意味している部分っていうのが、広く深くライフスタイルの中に入ってきている感じなんですね。
「はい、そうです。ただ、もともとダンサーをやっていたときから、体のことにはすごく気を使うタイプだったんですね。で、今でこそコンビニで色々な国の色々なミネラルウォーターが売っているんですけど、私がダンスをやっていた10代後半から20代の頃っていうのは、色々な種類のミネラルウォーターが気軽に買えるという時代ではなかったんですよ。でも、その中でもミネラル分がすごく豊富な水を日頃から飲みたいなっていう意識があって、わざわざ取り寄せてみたりとか、それが時を経ていくとペットボトルを持ち歩いたりとか、その空のペットボトルを捨てるっていうことが『これってすごくゴミだよなぁ』って思うようになって、それをマイボトルに入れ替えるようになったりとか、サーバーを家に置くようになったりとか、そういう変化があるので、ロハスも自分の中で進化していっている感じですよね」
13の月の暦、コズミック・ダイアリー
●ロハスなライフスタイルを送りつつ、景山さんはコズミック・ダイアリーの公式講師もなさっていらっしゃるということなんですが、コズミック・ダイアリーってどういうものなのかをご説明いただけますか?
「はい。これは、マヤ暦がベースになっている暦でして、編み出されたのはマヤ暦研究の第一人者であるホゼ・アグエイアス博士という方が1980年代の後半に編み出した新しい暦です。その仕組みは、ひと月を28日として、かける13カ月で、これだと364日しかないので、どの月にも所属しない時間を外した日というのを1日プラスするということで、1年365日を構成している暦なんです。私たちが今使っている西暦っていうのは、1年12カ月で1月は31日、2月は28日で、また3月になると31日っていう、何を規則としているのか分からないですよね。でも、それを生まれたときから使っているので、何も疑問に思わず今まで使っていたんですけど、こういう暦があるんだよって友達に教えてもらったときに、『なんだこれは! 1年が13ヵ月もあるし、毎月28日と規則正しくなっていて、面白いな』っていうところがキッカケだったんですね」
●ダイアリーですから、日記というか暦ですよね。
「そうですね。手帳としてお使いいただいてもいいし、日々思ったことを書き留める日記帳としてでもいいし、使い方は自由なんですけど、毎日使うっていうことを実践することで、ひと月が28日であったりとか、1年は13カ月っていうリズムを自分の意識の中にインプットできるというような感じですね」
●では、規則正しく1月からいきましょう。1月は西暦だと31日あるものが、コズミック・ダイアリー的にいうと、28日しかないわけですよね。
「そうなんです」
●そうすると、1月29日は2月1日になるわけですか?
「実は、そこがまた難しいところで、13の月の暦を書籍化して分かりやすく持ち歩けるようにしたものが『コズミック・ダイアリー2009』という本なんですけど、必ず西暦の7月26日がコズミック・ダイアリーでいう1月1日なんですよ。だから、夏から始まるダイアリーなんですよ。そこから28日ずつ区切っていくんです」
●今、頭の中で足し算ができなくなっています(笑)。
「(笑)。私が13の月の暦に出会って、どこに引っかかったかというと、先ほどいったように月なんですよね。月を見直してみようっていうところに意識が向いて、実際使っているんですけど、1年間に13回月が巡っているっていうところに意識が向いて、それまでってライターとして忙しく仕事をしていて、ロハスっていう健康的で、自分に意識を向けてとか、環境に意識を向けたライフスタイルっていうのをやりながらも、生活のリズム自体がバタバタのガタガタだったので(笑)、月を眺めるだけでも気持ちって不思議と落ち着くじゃないですか。月を見てイライラする人なんているのかなっていう気持ちにもなるし、月が人間に与える影響ってすごく大きいんじゃないかって意識が変わっていったんですね。で、13の月の暦、コズミック・ダイアリーを使いつつも、『今まで私が使っていた旧暦ってどんなものだったのかな?』ってまず目がいって、昔から日本には月を愛でる文化があるので、そこで月に着目していくことで、ライフスタイルだったり、自分の精神面だったり、そういうところにいい影響っていうのがもたらされるんじゃないかなというふうに変わっていったんですよね」
●確かに日々忙しくして、カレンダーに○月○日って書き込むのであれば、誰が決めたか分からないような西暦にとらわれるよりは、ふと月を見て、満月だったら、「今日が月初めだ」とか、自然のそういうものを見ることによって、忙しい中でも「月を見よう」という行為自体が、もしかしたら心のゆとりにも繋がるのかもしれませんね。
「そうだと思います」
●景山さんはコズミック・ダイアリーでの生活をし始めて、何が一番変わりましたか?
「まず焦らなくなりましたね。時間がないとか、あわてたりっていうことがほとんどなくなりました。時間は目安でしかなくて、宇宙とか地球のリズムによって時間は生まれているんだっていうのに気がついた瞬間に、私がどうあがいてもしょうがないことなんだというふうに思い始めたら、ある意味、吹っ切れたんですね。だからといって生活にルーズになるとか、約束を破るとかっていうことではなくて、気持ちの問題で、リラックスして、いい意味でのマイペースで生活できるようになったなと思いますね」
コズミック・ダイアリーを使うことで、自分のサイクルに気がつく
●景山さんはこの度、星空準案内人、星のソムリエの資格をとられたそうですね。
「ええ。正確には正規の星空案内人になると、星のソムリエと名乗れるわけで、私はそこに行く一歩手前の準案内人なんです」
●準ソムリエなんですね。
「そうなるんでしょうかね(笑)」
●ソムリエまであと一歩なんですね。これは、具体的にはどういった資格なんですか?
「ワインのソムリエを想像していただくと分かりやすいと思うんですけど、豊富な知識と経験から、シチュエーションやその人の好みに合わせて、素敵なワインを選んでくれるソムリエのように、色々な場面に合わせて色々な人たちに対して、宇宙や星の素晴らしさを教えてあげるというのが、星のソムリエという資格なんです」
●例えば、今くらいの時期だと・・・。
「そうですね、お月見の時季ですので、月の神話の話であったり、月の文化のお話ができるのも星のソムリエの1つですし、あとは天体としての月がどういったものなのかを教えてあげたりとか、あとは今だと夏から秋にかけての星座を教えてあげたりとか、そういったことが星のソムリエの役割になってくるかなと思います」
●そういう意味で言うと、コズミック・ダイアリーの13の月の暦で生活されたり、お月様のことを色々と勉強された景山さんにはピッタリの資格ですね。
「そうですね。実は1年くらい前までは、星座が季節によって見え方が違うことも知らず(笑)、本当に天体音痴というか、まったく興味がなくて、このダイアリーに出会って宇宙や星のことに興味を持ち始めて、自分で独学で色々勉強するようになって興味が湧いてきたんです。で、ダイアリーのことを友達に教えてあげたりとか、色々な職場の方に『教えて』って言われて話すときに、自分の知識だけでは足りない部分、特に天体の部分できちんと教えていただかないといけないんじゃないかという気持ちが湧いてきまして、そのときにインターネットで調べていたら、たまたま一般の方でも勉強すれば取得できる資格ということで、星空案内人というのを見つけて、トライしてみようと思ったんですよ」
●私は今、景山さんからお話をうかがっただけなので、まだピンと来ていない部分っていうのもあるんですけど、13の月の暦のサイクルで、実際に生活をし始めて、どれくらい経つと体のリズムが馴染んでくるんですか?
「すごくいいご質問だと思います(笑)。私の場合は最初、猜疑心から入ったといいますか、あまり期待はしていなかったんですね。ただ、せっかく新しいものに出会ったので使ってみようと、毎日自分の思ったことやスケジュールを記入して、その日のキーワードと名称はチェックしていたんです。そうしたら、3カ月くらい経ったときに、『自分なりのサイクルってこういう感じなのかな』って分かるようになってきたんですよ」
●それっていうのは早いほうなんですか?
「どうでしょうかねー。コズミック・ダイアリーを見て直感的に分かる方のほうが少ないんじゃないかと思うんですね。なので、実際に使い始めてみて納得するっていうと、やはり数週間から数カ月かかると思います。私の知っている方だと、何年かかかったという方もいらっしゃいます。でも、その方は何年かかってもそのサイクルを知りたかったんでしょうね」
●景山さんのように毎日記入して、それを照らし合わせて、「知らず知らずにこうなっていた」って気がついたときに、本人が自覚していないだけで、すでに体はそういうサイクルで動いていたっていうことなんでしょうね。
「そういうことだと思います。私たちって、時間を捉えるときに直線的に捉えていると思うんですよ。定規のメモリのような感じで、過去から未来に向かって直線的に来ている感じがあると思うんですけど、本当の時間って実は直線じゃなくて、すごく周期性があるものじゃないかって感じているんですね。時計やカレンダーがない昔の人たちは、周期の中で暮らしていたと思うんですね。それこそ、月の満ち欠けを見て、ひと月というものを感じたり、陽が東から昇って西へ沈んで、また東から昇ってくるというのを1日と感じて、その周期の繰り返しを時間というふうに捉えていたと思うので、コズミック・ダイアリーを使うことによって、時間というものがカレンダーだったり、直線的な時間ではないっていうところに気付き始めると、自分の中のサイクルというものにも気付き始めるんじゃないかと思うんですよ」
●また月を見上げることによって、夜の場合はその周りに輝く星たちにも目がいきますし、自然とその月を照らしている太陽のことも考えますし、宇宙のことを考えると、今抱えている問題の小ささっていうのも見えてきますよね。
「意外と小さなことでくよくよしていたということに気付くかもしれないですよね」
2009年は世界天文年
●景山さんは今後も星や空、お月様を通して、人々にそういうメッセージを届けていかれるんですね。
「そうですね。今、そのことを考えるのには非常にいい時期に来ているんですよ。というのは、イタリアの科学者でガリレオってご存知ですよね。ガリレオが初めて望遠鏡を宇宙に向けて、来年が400年目の節目の年なんです」
●西暦の来年でよろしいんですよね?(笑)
「はい(笑)。ガリレオが宇宙に向かって初めて望遠鏡を向けたのが1609年なんですね。で、来年2009年は400年目の節目の年でして、国連とユネスコ、それから国際天文学連合が来年を世界天文年というふうに定めて、1年間100カ国以上になると思うんですが、色々な国で天文のイベントとか天文の企画が実施されることになっているんですよ。だから、来年の世界天文年というのもキーワードに置いて、宇宙の中の地球を感じてもらったりとか、地球上に住んでいる私たち人間を含めた生命を感じてもらったり、私たちが地球人であるということを改めて認識してもらうことで、小さなことでもいいので何か気付きを得ていただけたらいいなと考えているんですね」
●そういう大きなスケールの中で見ると、今、人間が抱えている様々な問題は自分たちがやってしまっていることなのだから、青い地球を保つためにどうすべきかということも見えてくるかもしれませんね。
「そうですね。天文学的には地球の寿命っていうのは、まだ何十億年もあるわけなんですよね。だから、極端な話でいえば北極の氷が全部解けてしまおうが、天体としての地球は多分、これから何十億年も生き続けることができると思うんです。だけど、今のように緑が豊かで、水に溢れた美しい地球として何十億年も生きられるかというと、そこはクエスチョン・マークであったり、地球上に生きている生命が何十億年も先も変わらぬ姿で生きていられるかというと、それもクエスチョン・マークだと思うんです。実は地球のためといいつつも、本当はそうではなくて、私たち人間とそこに関係している色々な生命であったり、環境が非常に問題になっているというところでも、宇宙を知ることで改めて認識できるんじゃないかなと思うんですね」
●お月様はその変化をずっと見続けてきているわけですもんね。私もたまに月を見ていると、見透かされているような気分になるんですね。
「私もそういう感覚に陥りますね」
●今後、私たちも景山さんの著書や、ワークショップでお話をうかがえることを楽しみにしています。今度は是非、お月様の下でお話をうかがいたいと思いますので、そのときはよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。
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