2009年2月15日
ポジティヴな生き方のすすめ ~「ライフ・イズ・グッド」の社長、バート・ジェイコブスさんと、 ボサノバ・シンガー小泉ニロさんを迎えて~
今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンは、“ポジティヴ”をテーマに、アメリカで人気のブランド「ライフ・イズ・グッド」の社長、バート・ジェイコブスさんと、ボサノバ・シンガー小泉ニロさんを迎え、生き方のヒントなどうかがいます。
楽観的な考えはパワフルである<バート・ジェイコブス>
最初にご登場いただくのは、アメリカのボストンで誕生した人気ブランド、「ライフ・イズ・グッド」の社長バート・ジェイコブスさんです。まずは、「ライフ・イズ・グッド」が誕生したいきさつやコンセプトについて聞いてみましょう。
バートさん「1989年に、弟のジョンと一緒にT-シャツを作り始めた。僕たちが最初の『ライフ・イズ・グッドT-シャツ』を作ったのは、5年後の1994年。ブランドのコンセプトは“ハピネス”。世の中のネガティヴな部分ではなく、ポジティヴな部分にフォーカスを当てているんだ」
そんな「ライフ・イズ・グッド」のメイン・キャラクターは、帽子にサングラス、満面の笑みを浮かべる「ジェイク」。アーティストであるジョンさんが考案したこのキャラクターが、“ライフ・イズ・グッド”という言葉とともにブランドの顔となったいきさつを聞いてみました。
バートさん「ある時、僕たち兄弟は自宅でパーティーを開いたんだけど、当時、二人が住んでいたアパートはあまりキレイではなかったから、壁に飾られたアートワークの周りに、誰でも自由に、好きなことを書き込んでいいようにしてあったんだよ。そしたら、「ジェイク」の顔が描かれた絵の周りには、特にたくさん書かれていて、ある女のコは「ジェイク」に矢印をつけて、『彼は“人生とはなにか”をわかっている』という言葉を書き込んでいたんだ。その友人が書いたフレーズがヒントとなって『ライフ・イズ・グッド』が誕生したんだよ。
右が社長のバート、 左は副社長のスコット |
そんな「ライフ・イズ・グッド」の商品には、「ジェイク」や愛犬「ロケット」がアウトドア・スポーツを楽しむ姿などとともに、ブランドの合言葉でもある“DO WHAT YOU LIKE. LIKE WHAT YOU DO~好きなことをしよう。自分がしていることを好きになろう”、“LEND A HAND WHERE YOU CAN~自分に出来る範囲で手を貸そう”。
また、“THINK OUTSIDE THE BOX”、つまり“視野を広げて考えよう”など、様々なメッセージが添えられているんですが、それらのメッセージについてバートさんはこんな風に話してくれました。
バートさん「『ライフ・イズ・グッド』というブランドは“楽観的な考えはパワフルである”というメッセージを世の中に広めるために存在している」
そう語るバートさん。このメッセージはバートさん兄弟の経験からくる、とてもパーソナルなものでもあるんだそうです。お金もビジネスのノウハウもなく、周りからは、ちゃんとした仕事についた方がいいとアドバイスを受けながらも“きっとうまくいく”という、自分たちの直感を信じて、これまでやってきたという彼ら。『ある意味、僕らはジェイクに似ているんだよね』と話していました。
そんなバートさんによると、“ビジネスが大成功して、ライフ・イズ・グッド/いい人生だろ?”って言う人がたくさんいるそうなんですが、『その考えはちょっとズレている。だってお金が全くなく、ストリートでT-シャツを売っていたときもいい人生だったよ』と話してくれました。
「ライフ・イズ・グッド」は、日本ではこの番組でもお馴染みのアウトドア・メーカー、「モンベル」とライセンス契約を結んでいるんですが、バートさんによると、両社の方向性はとても似ているということです。
バートさん「『ライフ・イズ・グッド』も『モンベル』も企業がビジネスとして、利益を得るためだけに存在するのではなく、社員や地域をちゃんとケアし、更に、ビジネスを通して、自分たちのコミュニティーの外にいる人たちにも手を差し伸べることができる、そういった考えを持っている。
また、“仕事は楽しいもの”という考え方に関しても、両社は似ていると思う。『ライフ・イズ・グッド』も『モンベル』も楽しんで働ける場所だと思うよ」
と話していました。
温暖化は人間がコントロールできる問題ではない気がする <バート・ジェイコブス>
今週は「ポジティヴ」をテーマにお送りしているザ・フリントストーン。アメリカの人気ブランド「ライフ・イズ・グッド」の社長バート・ジェイコブスさんは、キャラクターの「ジェイク」と同じように、大自然の中で色々なアウトドア・スポーツを楽しんでいるそうですが、自然からどんなことを感じるのか、うかがいました。
右が社長のバート、 左は副社長のスコット | バートさん「ときに、我々の文化は複雑で、情報過多になりすぎることがある。自然の中に身を置くことは身体にとってもいいし、心や意識が解放されて開いてくるんだ。残念ながら多くの人は人間を自然から切り離し、食物連鎖のトップに置いているけど、それは間違いだと思うんだ。人間もすべての生きものと繋がっているし、地球には我々よりもっと洗練された生きものがいて、彼らは僕たちが昆虫をみるのと同じような感じで人間を見ていると思う。
そして、昆虫たちが人間を理解する感性を持っていないのと同じように、我々人間もそういった洗練された生きものを認識できる感性を持っていないのだと思う」
と、話していました。そんなバートさんに地球温暖化についても聞いてみました。
バートさん「人類が温暖化に影響を及ぼしているのは確かだし、我々が劇的な変化を遂げなければならないとも思っているよ。とはいえ、地球温暖化が100パーセント、人間の行動のしわざだとは思えない。宇宙ではもっと大きな何かが働いているような気がするんだ。もちろん、我々は自らの行動を改めなければならないけど、人間が完ぺきにコントロールできるような問題ではないような気がするよ」
人との出会いに成長させてもらった<小泉ニロ>
「ポジティヴ」をテーマにお送りしている今回のザ・フリントストーン。ふたり目のゲストは、先月、カヴァー・アルバム『ボッサ@ニロ~グッディーズ~』をリリースしたボサノバ・シンガー、小泉ニロさんです。
小泉さんは、10代後半にバックパッカーとして、アメリカの縦断を皮切りに、アジア、ヨーロッパなど、2年間でおよそ50ヶ国をひとりで旅をした経験を持ってらっしゃるんですが、そんな小泉さんに旅から学んだことは何か聞いてみました。
小泉さん「得たことは語り尽くせないんですけど、西洋に行くと、自分がアジア人であることをすごく自覚するんですね。やっぱり、人種の違いみたいなものをすごく感じるし、アングロ・サクソン的な文化の中で、歴史はすごく意識させられましたね。アジアは逆に人種がすごく近いから、何に関してもすごく近くなれるんですよ。食べ物とかもそうだし、人の顔の作りとかだけでもそうなんですけど、でも私は現地の国の人たちからしたら外人なので、そこがすごく楽だったりもして、日本を出た瞬間に急に匿名の存在になれるじゃないですか。わけの分からない外国人で済むので(笑)、日常を過ごすにはすごく気楽だった部分もあるし、その分やっぱり、それにばっかり甘えて過ごしていると、自分のアイデンティティを保つのが難しいなぁと感じましたね。
私は海外に行って思ったのは、どこに行っても自分は自分だなぁっていうことだったんですね。だから、なんとなく憧れだけで行ったらいいかなぁって思っているんだったら、日本でも同じことが実現できると思うんですね。でも、1回違うところから日本を見てみたいという気持ちがあるんだったら、恐れる前に絶対自分の目と耳で確かめるべきだなぁっていうことはすごくたくさんあるので、どんな目的でもいいと思うんですけど、1度自分のアイデンティティとか日本という国をきちんと見るっていう意味では、どこの国でもいいので、自分の力で行くっていうのは、後々全然予期しないタイミングで自分のためになったなぁって感じることがあるんじゃないかなぁって思いますね」
●学校教育とは違う別の意味で自分を成長させてくれるのが旅の魅力なのかしら?
小泉さん「絶対そうですね。自分でプランニングしていくしかないし、起こったことに対しても自分で対処していくしかないので、常に考えていなきゃいけない状況に自分を置くっていうことが、一番鍛えられますね」
●旅をするモチベーションっていうか、「また行きたい!」って思わせるのは何だったんですか?
小泉さん「単なる好奇心なんですけど、知らないものがあると、やっぱり自分の目と耳で確かめないとっていう気持ちですよね。私が一番思うのが、匂いって絶対自分で行かないと分からないじゃないですか。今、インターネットがあるから、どんな国のことも、地球のことはインターネットで簡単だけど、匂いは伝わらないと思うんですよ。だから、『匂いを嗅ぎたい!』みたいな動物的好奇心からですかね(笑)。そんな感じがいつも自分の中で強いので、そのためだったらがんばっていくみたいな(笑)」
●(笑)。今はボサノバのアーティストとして活動している小泉さんですけど、アーティストとして音楽に携わっていて、クリエイティブなことって当然必要とされますが、これまで色々なところを旅して、いろいろな人と出会った経験っていうのは、音楽をやっていく上でも役立っていると感じますか?
小泉さん「それは絶対ありますね。人生で一番大事にしていることは、常に人との出会いなんですよ。やっぱり、人との出会いで色々なことを教えてもらって、自分が成長させてもらったと思っているから、音楽に対してもそれが一番出るので、誰と出会ったかがそこに全部出ちゃうみたいな(笑)。それぐらい旅も影響していますね」
いいことばかり想像するようにしている<小泉ニロ>
「ポジティヴ」をテーマにお送りしている今週のザ・フリントストーン。ふたり目のゲスト、ボサノバ・シンガーの小泉ニロさんは、普段からこんなことを心掛けているそうです。
小泉さん「自分もそうなんですけど、限りなく自然に過ごしたいと思っているんですよ。人との付き合いとかもそうだし、仕事もそうだし、ストレスを感じながら不自然なこととかして生きていくのがおかしいと思っているから、あるがまま、眠くなったので寝ますみたいな(笑)。朝なので起きますみたいな(笑)。そういう感じで過ごしていくことが最終目標ですね」
●お話をうかがっていても、小泉ニロさんってすごく明るくて、すごくおおらかですよね。もちろん生きている限り、嫌なこともあれば、ストレスになることもあるでしょうし、落ち込むこともあるでしょうけれど、そういうのを感じさせない方ですよね。
小泉さん「『ほぼ悩みないでしょう』みたいに言われますね(笑)」
●(笑)。でも、生きている限りはありますよね。
小泉さん「そうですね。あるある」
●そういう時ってどうやって発散させたりしているんですか?
小泉さん「スポーツは単純に、体を動かしてっていう発散方法が大きいんですけど、精神面としては、あんまりくよくよしないことにしているので、悩んだところでせいぜい一晩くらいにしようって自分に約束事をしているんですよ。でも、常に寝る前とか、起きたときとかに心がけているのは、いいことばかり考えようとする。そういうふうにすると、すごく幸せになれるんですよ。他人のこととかもいいところばかり感じるようにすると、みんなのいいところが分かるから他人のこともよく見えるし、そうすると全てが前向きに考えられるようになるので、1日1回は人のいいところを考えたり、自分の前向きな将来をイメージしたりみたいに、いいことばっかり想像するようにしてますね」
悪いことではなく、いいことを想像するってとても大事なことですよね。最後に、「ライフ・イズ・グッド」の社長バート・ジェイコブスさんから、リスナーの皆さんにあてたメッセージをお聞き下さい。
バートさん「楽観的な考えはあなたを自由にする。誰もが『ジェイク』に成り得るんだよ。お水が半分入ったグラスを見て“半分しか入っていない”と言う人もいれば、“半分も入っている”と言う人もいる。もしグラスを見て“半分も入っている”と思えるのなら、君は『ジェイク』だよ」
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