2009年10月18日

環境イベント「SEA TO SUMMIT」取材レポート・第2弾

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンは、環境イベント「SEA TO SUMMIT」取材レポート・第2弾です。

 

エイミー(以下:エ)今週も先週に引き続き、先ごろ鳥取県で開催された環境イベント、「SEA TO SUMMIT」の取材レポート第2弾をお送りします。さっそく今回の取材に行ってくれたレポーターの長澤ゆきさんをご紹介しましょう。ゆきちゃん、今週もよろしくお願いします。

長澤ゆき(以下:ゆ)こちらこそ、よろしくお願いします。ではレポートに入る前に、「SEA TO SUMMIT」とはどんな環境イベントなのか、簡単におさらいしておきましょう。

 イベントの発案者は今回の実行委員長でもいらっしゃるモンベルの会長、辰野勇さんです。海から山の頂上へという意味の「SEA TO SUMMIT」は鳥取県西部の、美しい海岸線のある皆生の海から、素敵な田園風景のある里、そして大山という標高1709メートルの山の頂上を目指すことで、自然のつながりや循環を、体で感じようという趣旨で開催されました。
 先週はイベントの初日、9月19日に皆生海浜公園で行なわれた、辰野さんの進行による環境シンポジウムの模様をメインに、作家のC.W.ニコルさんや、海洋ジャーナリストの内田正洋さん、そして、鳥取県知事の平井伸治さんのコメントをお送りしましたが、今週はイベントの2日目、9月20日に開催されたレース大会の模様をお届けします。このレースはカヤック6キロ、自転車が19キロ、そしてハイク(登山)が3.5キロということなんですけど、今回、レースには、環境への負荷をなるべく少なくするために、およそ100組の参加者に限定されました。その中にモンベルの社員も数名出場されましたが、番組取材班はモンベル社長の真崎文明(まさき・ふみあき)さん率いる「EXモンベル」チームに密着することにしました。風は強めながら、とても良いお天気になったイベント2日目の朝、スタート地点の西原ビーチで辰野会長をつかまえて、コース説明をお願いしました。

レポーター長澤ゆきちゃんと辰野会長。
レポーター長澤ゆきちゃんと辰野会長。

(ゆ)辰野会長、おはようございます。

辰野さん「おはようございます。」

(ゆ)今日のコースの説明をお願いします。

辰野さん「はい。本当は皆生温泉の海岸からスタートして、海上を6キロ、淀江っていうところまで漕ぐつもりだったんですけど、あいにくの台風の接近で海がかなり荒れていますので、急遽、今日はレースそのもののが淀江からバイクでスタートすることになりました。バイクは約19キロなんですけど、アップヒル。この海岸線、海抜0メートルから標高750メートルまで一気にアップヒルで登っていきます。この区間を3つのセクションに割っていまして、もちろん1人で3つの区間を漕ぎあげるのもOKですけど、家族で参加したり、お友達と参加したりして、3つのセクションをリレーしていくというのもOKです。
 標高750メートルの地点に大山の登山口、博労座(ばくろうざ)という広場があるんですけど、そこまで登ってもらいます。そこで、自転車を乗り捨てて、そこからはハイク。元気な人は早足で登っていくんだと思いますけど、頂上を目指すと。頂上までは約3キロくらい。大山の頂上が1709メートルなので、約1000メートル弱、登っていただきます。そこで私が待っているという絵柄でいきたいと思っています(笑)。とはいえ、今日は全国から、そして韓国からも選手の方が参加されているので、せっかくカヌーを持ってきて、水を前にして乗らない手はないだろうということで、幸い消波ブロックが並んでいますので、その消波ブロックの内側の比較的波が緩やかなところで、せっかくの世界初の『SEA TO SUMMIT』ですので、みなさんにカヌーも体験していただきたいということで希望者を募っています。何艇参加されるか分かりませんけど、みんなで楽しく、短い距離ですけど、約500メートルくらい水の上を漕いで、みんなで盛り上がりたいと思っています。」

SEA TO SUMMITの模様SEA TO SUMMITの模様

(ゆ)これからそのカヤックが出るという海なんですけど、キレイな海ですね。

辰野さん「そうでしょ? 今、弓ヶ浜の海岸がずっと見えていますよね。その突先まで島根半島が見えていますけど、これがまた、向こう側からこっちを振り返って見ると、素晴らしいんですよ。奥に大山がドーンとあって、その手前に弓ヶ浜のキレイな海が広がっていますからね。本当に素晴らしいところですよ。」

(ゆ)今日の参加者の方にはそういった景色も楽しみながら、レースに参加していただきたいですね。

辰野さん「そうですね。我々のコンセプトは、タイムを競う競技志向のレースというよりも、どちらかというと参加型で、海と里と山を繋ぐ自然の循環を、景色を楽しみながらいい汗を流していただきたいなと思っています。」

★        ★        ★

(エ)今週は、レポーターに長澤ゆきさんを迎え、先ごろ鳥取県の皆生・大山で開催された環境イベント、「SEA TO SUMMIT」の取材レポート第2弾をお送りしているんですが、ゆきちゃん、次はなんでしょう?

(ゆ)はい、続いてはレース大会の開会式の模様です。実行委員長、辰野勇会長のご挨拶、そしてモンベルの真崎文明社長の選手宣誓の模様をどうぞ。

SEA TO SUMMITの模様SEA TO SUMMITの模様
2日目の朝、いよいよレース!
辰野会長の開会宣言!?
選手宣誓はモンベルの真崎文明社長。

辰野さん「みなさん、おはようございます! 今日は非常に天気はいいんですけど、若干波が高くなっているので、当局からのお達しで『あまり無理をするな』ということで、今年、初っ端からあまり色々と問題を起こすとこの次に響きますので、みなさんのご協力をいただければと思います。『こんな波なら全然問題なくいけるよ!』と思っている人も大勢いると思いますけど、今日はせっかくカヤックを持ってきていただいたので、自信のある方、あくまでアウトドア・スポーツというのは自己責任ですので、コケてウダウダ言うなっていう世界ですから(笑)、『自己責任で行くぞ!』っていう方は、ここからスタートしてもらいます。」

モンベルの社員・佐藤さんによるアナウンス「それでは、選手を代表しまして、チーム・モンベルEX真崎社長に選手宣誓をしていただきます!」

真崎さん「宣誓!我々、第1回『SEA TO SUMMIT』選手一同はその趣旨である海、里、山の関係を理解し、大山の頂上まで思いっきり楽しみながら頑張ります!」

(一同大歓声)

真崎さん「平成21年9月20日、選手代表・真崎文明!」

(選手たちから拍手が巻き起こる)

 

(エ)コケてグダグダ言うなと!(笑) 会長らしいですね(笑)。

(ゆ)そうなんですよ(笑)。今回、ちょっと風が強くて残念ながらカヤックはできなかったんですけど、選手宣誓のあと、希望者によるカヤックのトライアルを経て、自転車部門からレースがスタートしますが、スタート前に私たち取材班が密着することにした「EXモンベル」チームに意気込みを聞きました。

今回、番組取材班が密着したモンベルの精鋭
今回、番組取材班が密着したモンベルの精鋭!?
(左から)井波士郎さん、真崎文明社長、花井悟さん、田中道子さん。

(ゆ)まず、チームのメンバー紹介をお願いします。

真崎さん「私、リーダーの真崎です。カヌー/カヤック担当の井波君。カヤック担当の田中さん。ラン担当の花井君の4名です。」

(ゆ)ちなみに、なぜこの4名だったんですか?

真崎さん「みなさん、モンベルで一番優れたところがあるので・・・、というよりたまたま集まった(笑)」

(ゆ)いやいや、最強のメンバーですよね?(笑) 今日のチームのコンディションはどうですか?

真崎さん「昨日、車の中で寝て、蚊に刺されて寝られなかった人もいるらしいんですけど(笑)、まぁ、80パーセントくらいの出来じゃないでしょうか。」

(ゆ)なるほど。ズバリ今日の目標は?

真崎さん「1位! 楽しむことが1位!(笑) 一番楽しむという意味で1位です。」

(ゆ)なるほど。では、最後にチームのみなさん全員で意気込みを聞かせてください!

「モンベルEX」チーム「エイエイオー!!」

 

(エ)楽しむこと1位になるため、真崎社長はじめ、みなさん、やる気満々でしたね。

(ゆ)いやぁ、でも本音はレースでも1位を狙っていましたよ!(笑) モンベル・チームは真崎社長が自転車、井波士郎さんと田中道子さんがシーカヤック、そしてハイク(登山)が花井悟さんというチーム構成でした。
 さあ、このあと、いよいよ自転車のスタートです。このゼッケン・ナンバーの順に、順次スタートしました。私たちは「EXモンベル」チームのスタートを見届けてから、車でチェックポイントに先回りして、「EXモンベル」チームに密着しました。

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(ゆ)今、ゼッケンナンバー80番、『EXモンベル』チームがスタートしました。真崎社長が自転車に乗ってスタート地点から出発をしました。今日は『EXモンベル』チームを追いかけてレポートしていきたいと思います。社長、頑張ってくださーい!

SEA TO SUMMITの模様
自転車のスタート地点。
カードを読み取り機に通してスタート。
SEA TO SUMMITの模様SEA TO SUMMITの模様
自転車のコース。稲穂が金色に輝き、見事!
チェックポイント。まだみなさん余裕!?

 

自転車の第1チェック・ポイントで、真崎社長を待って、コメントをいただきました。

(ゆ)社長、お疲れさまです!

真崎さん「はい、どうも!」

(ゆ)上り坂がきつかったんじゃないですか?

真崎さん「これからじゃないですか。これから100メートルで12パーセントの上り坂ですから、かなりきついですよ。ここを下りずに頑張っていきたいと思います。」

(ゆ)応援しています!

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(ゆ)自転車のチェックポイントを経て、いよいよ自転車からハイク(登山)に切り替わる標高740メートルの大山国立公園駐車場・博労座で、モンベルの真崎社長の到着を待っていたら、意外に早く、きつい上り坂をラストスパートする真崎社長の姿が見えてきました。そしてハイク担当の花井悟さんも気合いが入っていましたよ!

 

SEA TO SUMMITの模様
SEA TO SUMMITの模様
自転車からハイク(登山)に
切り替わる大山国立公園駐車場(博労座)の手前。
ラストスパートする真崎社長!
 
SEA TO SUMMITの模様
真崎社長からハイクの
花井悟さんにバトンタッチ!?
 
SEA TO SUMMITの模様
走り終えてインタビュー。真崎社長、
まったく息があがってませんでした。凄い!
 

花井さん「ファイトー! 社長、もうすぐでーす!」

(ゆ)こちらはバイクとハイクの中継地点になります博労座におります。今、社長が戻ってきました! 社長お疲れ様です! 今、自転車部門の時間が出ます。

真崎さん「1位や! モンベル・グループでは1位や!(笑)」

(ゆ)(笑)。そして、次に登場するのはハイクの花井さんです! 

花井さん「では、行ってきます!」

真崎さん「あわてないようにな。頑張れよ!」

花井さん「当たり前っすよ! 頑張ります!」

真崎さん「無理するなよー!」

(ゆ)頑張ってくださーい! そして、社長、お疲れ様でしたー!

真崎さん「予定では最後の1キロでゴボウ抜きの予定だったんですけど、ゴボウ抜きされました(笑)」

(ゆ)(笑)。最後はかなりきつい上り坂でしたもんねー。今回のコースはどうでしたか?

真崎さん「面白いです。景色もよかったし、咲いている花もきれいでした。余裕を持って走ることができました。」

(ゆ)私たち、途中で社長のことを応援させてもらってたんですけど、全然、余裕でしたね!

真崎さん「あれでちょっと遅れてしまったね(笑)」

(ゆ)すみません!(笑) 息も全然上がっていませんね!

真崎さん「大丈夫です。普段、トレーニングしていますから。」

(ゆ)失礼ですけど、社長、おいくつなんですか?

真崎さん「58歳です。」

(ゆ)見えないですねー! 本当にお疲れ様でした!

真崎さん「ありがとうございます。」

SEA TO SUMMITの模様

(エ)さすがアウトドアズマンって感じでしたね。

(ゆ)そうなんですよ。真崎社長は日頃もトレーニングされているっておっしゃっていたんですけど、実はモンベルの鳥取県・大山店から、なんと大阪まで自転車で帰っちゃうらしいですよ(笑)。

(エ)モンベルにはそういう超人的な方がたくさんいらっしゃるので・・・(笑)。でも、普通から考えたらすごい人ですね!

SEA TO SUMMITの模様
真崎社長の自転車を借りて記念ショット。
 
SEA TO SUMMITの模様
自転車からハイク(登山)のチェックポイント。
表彰式などの会場にもなった。

(ゆ)本当にビックリさせられっぱなしでした! さあ、そして、このあと、1709メートルの大山頂上のゴールの模様を! と言いたいところなんですが、エイミーさん、ごめんなさい。ほかの取材もいろいろあって、残念ながら頂上には行ってないんですよ。

(エ)えっ!? ウソー(笑)。

(ゆ)すみませーん! その分、他の楽しい取材もあるので、そちらも聞いてください。で、気になる「EXモンベル」チームの成績なんですが、自転車とハイクのトータルで2時間18分10秒でした。これは、他のチームが3時間台、4時間台っていうチームが結構いましたので、かなり優秀な成績なんじゃないかなと思います。
 そして、「EXモンベル」チームの成績の内訳ですが、真崎社長担当の自転車19キロが1時間29分30秒。これは、男子の区間記録が55分36秒なので、区間記録に近いほうだったんじゃないかなと思います。そして、注目すべきは花井さん担当のハイク3.5キロ/標高差およそ1000メートルが、なんと48分40秒ということで、これはハイク全参加者の中で1位だったんです!

(エ)すごいですねー!

(ゆ)これは、個人参加で自転車とハイクをひとりでやった方もいらっしゃるので、あくまで参考記録ですが、ハイクの中で1位ということでした。

(エ)楽しみも大いにナンバーワンを取ったわけですね。

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(エ)ゆきちゃん、続いてのレポートは?

(ゆ)はい、今回レース大会のゴールとなった標高1709メートルの大山、その登山口にもあたる標高750メートルの大山国立公園駐車場・博労座には鳥取県立・大山自然歴史館があるんですが、そこにお邪魔して、館長の「矢田貝繁明(やたがい・しげあき)」さんに主に「大山」という山の特徴などうかがいました。

大山のことなら何でも知っている矢田貝繁明館長と。
大山のことなら何でも知っている矢田貝繁明館長と。

(ゆ)まずはこちらの素晴らしい大山の自然についてお伺いしたいんですけど、どんな特徴がある場所ですか?

矢田貝さん「大山は火山でできた山で、非常にもろい山ですね。日本海からすぐ近くにある独立で、非常に気象条件が厳しいために山頂のほうは木が成長できなくて、草地の崩壊によって裸地化が進んでおりますが、1400メートルくらいから下のほうは非常に豊かなブナとミズナラの森林が広がっております。歴史的なこともあって伐開(ばっかい)されなかったり、国立公園に指定されたために保護されたりして守られてきた山で、山自体は火山の灰と礫でできた山。それからブナ林が非常に発達しているために、林床に落ち葉とか枯れ枝がたくさんあって、降った雨がすぐ流れない。全て雨が地下に浸透してしまって、それがゆっくり時間をかけて下流の麓のほうで湧き水となって出ております。そういう湧き水のたくさんあるところです。その流れ出た水がやがて日野川とか佐田川という川に集まり、それから日本海・美保湾のほうに注いでおります。それともうひとつ、大山は非常にもろくて崩壊がどんどん進んでいまして、今から30年前までは縦走ができていたんですが、今は北壁、南壁の両側が崩れて、縦走路は靴の幅くらいしかありませんので、非常に危険で、今は縦走は禁止されております。ですから、決して危ないところに行ったり、無理をしないようにしていただきたいと思います。」

(ゆ)荒れてしまったというお話だったんですけど、今はかなり自然が豊かなように見られたんですけど、そこは何か努力をされたからなんですか?

矢田貝さん「そうですね。昭和50年代までは登山の方がたくさん上がって、草地を踏み荒らしたために頂上が裸地化してしまいまして、それではいけないということで昭和60年から頂上を保護する会という、大山を愛する方々がボランティアで会を結成されて、山頂に石を持って上がって、一木一石(いちぼく・いっせき)運動という登る人が石を持って上がったり、あるいは苗木を持って上がったり、筵(むしろ)を持って上がったりして、それを溜めておいて活動の日に石を土のうに詰めて、崩壊の進んだ溝の中に詰めて、崩壊が進まないようにしたり、裸地化した部分に筵を張って、そこにヤマヤナギの挿し木とか、菰伏せ(こもぶせ)をして緑化に務めてきております。で、その成果が表れまして、現在では山頂部はほぼ緑化してきております。ただ、まだまだ緑化が必要なので、毎年、作業は行なっています。それからもうひとつ、山頂部分を特別天然記念物のキャラボクの樹林とかがありますので、そういうところを踏み荒らさないように、県のほうが登山道の八合目から上は木道を整備しまして、登山の方は木道を歩いてもらう。そうして自然を傷めないようにという努力をしております。」

SEA TO SUMMITの模様
大山国立公園駐車場(博労座)にある
鳥取県立大山自然歴史館。
大山の自然、歴史、文化などを知ることができる。
SEA TO SUMMITの模様
 
今回のレースでは参加者が「一木一石運動」に協力、
拳ほどの大きさの石を持って頂上を目指した。
SEA TO SUMMITの模様SEA TO SUMMITの模様
大山寺に向かう参道。
ふもとの登山道は石の階段。
 

 

(エ)たくさん努力していらっしゃいますね。

(ゆ)はい、そうなんです。矢田貝館長のお話の中に出てきた、ひとつの木、ひとつの石と書く「一木一石運動」、実は今回の「SEA TO SUMMIT」のレースでも、参加者が握りこぶし大の石を受けとって、頂上に持っていくことになっていました。つまり参加者が「一木一石運動」に協力したことになるんです。

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(エ)今週は、先ごろ鳥取県で開催された環境イベント「SEA TO SUMMIT」の取材レポート第2弾をお送りしているんですが、ゆきちゃん、レポートを続けてください。

(ゆ)はい。「SEA TO SUMMIT」の2日目、レース大会も終了し、大山国立公園駐車場・博労座の特設会場で表彰式とライヴが行なわれました。表彰式のあと、シングル女子の部門で総合1位、そして、ハイクの区間賞も受賞された、世界を転戦されているトレイルランナー、鈴木博子さんにお話をうかがうことができました。

世界を転戦しているトレイルランナー鈴木博子さんと。
世界を転戦しているトレイルランナー鈴木博子さんと。

(ゆ)今回のこの「SEA TO SUMMIT」は初めての開催だったわけですが、いかがでしたか?

鈴木さん「すごく素晴らしいと思いました。大山自体、初めて来たんですけど素敵ですね。キレイですね。単独峰ですからね。遠くから見ても大山って分かるし、海から見たときに『あそこに行くんだな』って目で見て分かるので、あそこまで行くんだっていう実感と、ゴールに着いたときの達成感と、振り返って『あそこから来たんだ』ていうのが分かって素敵だと思いました。」

SEA TO SUMMITの模様
シングル男子と女子の覇者。
平野得益さんと鈴木博子さん。
 
SEA TO SUMMITの模様

(ゆ)景色や植物など、他の地域と比べてみてどうでしたか?

鈴木さん「海がすごく近く見えるので、それはすごいなと思いました。1709メートルあって、あんなに海が近く見えるというのは、あんまりないんじゃないかなっていうのと、あと、いつも太平洋側を見ているので、日本海側の海が見られてすごく感動しましたね。」

(ゆ)世界のコースト比べてみてどうでしたか?

鈴木さん「やっぱり日本は独特の山の植物だったり、山の形があるんですね。やっぱりこの大山っていうのは日本っぽいですよ。例えば、アメリカとかだともっと広大な感じというか、見える限り人工物がない山が多いんですね。なので、また違う。あとは高い木があまりないんですけど、ここは途中まで高い木が結構あるので、その辺は違いますし、ヨーロッパの山とも違うんですよね。どっちがいいっていうわけではなくて、感じは違いますね。」

(ゆ)それぞれに良さがあるって感じなんですね。

鈴木さん「そうですね、はい。」

 

(ゆ)さあ、環境イベント「SEA TO SUMMIT」の締めくくりは、発案者であり、実行委員長でもある、モンベルの会長、辰野勇さんにお願いしましょう。2日間にわたって行なわれた世界初のイベントを振り返っていただきました。

SEA TO SUMMITの模様
表彰式では、もちろん
辰野会長のライヴがありました。
ギターはリピート山中さん。
 

(ゆ)改めてお疲れ様でした。

辰野さん「ありがとうございました。本当にみなさん、楽しんでいただいたみたいで、スタッフの連中も満足だと思います。」

(ゆ)私たちもとっても楽しかったです。

辰野さん「それはよかった!」

(ゆ)では、昨日の環境シンポジウムから今日のレースまで全ての行程を終えられて、振り返ってみていかがですか?

辰野さん「昨日のシンポジウムが非常に濃い内容で、まさに今日の『SEA TO SUMMIT』のプレ・イベントとしては本当にピッタリだったと思います。そして、参加された方々もみなさん口々に『よかった』、『非常に勉強になった』とおっしゃっていただけたので、まさに今日のイベント『SEA TO SUMMIT』の趣旨っていうか、『なぜこれをやりたいかっていうことに対する意味合いがよく分かった』とおっしゃっていただきました。本当によかったと思います。
 それで、今日の朝は風がちょっと強くて、波が高かったので残念ながらカヤックのセクションっていうのは中止になってしまいましたけど、でも30人くらいの腕に自身のある方々が1キロくらい漕ぐことができたので、それなりに満足されたと思います。遠方からカヤックをわざわざ持ってこられたので、水を見ながらカヤックに乗れないというのはフラストレーションも溜まると思いますので、ちょっとでも乗ることができて喜んでいただけたかなと思っています。みなさん状況は十分理解されていますしね。

 それから、自転車のコースはさすがトライアスロンで腕を磨いている方々ですね。圧倒的に強かったですね。ビックリしました。1時間ちょっとで海抜0メートルから、標高750メートルの博労座まで上がってきたわけですからね。ビックリしましたね。それから田園風景がすごくキレイでしたよね。
 博労座から上の登山コースが西日本で一番大きなブナの原生林なんですね。で、それを背景にしながら、この山は数え切れないくらい登っているけど、頂上が見えたのは数えるほどしかないんですよ。今日は本当に素晴らしい。今もまだ頂上見えていますよね。こういうことはめったにないんですよ。本当によかったと思います。
 他府県からもこういうイベントをやりたいというお話があるので、こういったものが日本国中に広がっていけばすごくいいと思うんですね。ただし、競争じゃなくて、海、里、山の環境をもう一度考え直して、みんなで楽しみながらいい汗かくっていうイベントに賛同してくれるみなさんと輪が広がっていけばいいですね。」

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SEA TO SUMMITの模様
三徳山(みとくさん)の中腹から
撮った写真。素晴らしい森。
 
SEA TO SUMMITの模様
修験道の山、三徳山。
断崖絶壁にあるお堂
「投入堂(なげいれどう)」
 

(エ)ゆきちゃん、ここで鳥取県の観光情報をお願いします。

(ゆ)まず、お勧めしたいのが、西日本随一の紅葉の名所といわれる大山です。これから見ごろを迎えます。先ほどご紹介した大山自然歴史館に寄って、紅葉スポットを聞いてから行くのもいいかも知れません。また、10月20日から11月5日まで大山寺ほかで「大山紅葉まつり」が開催されます。ちなみに、大山、冬はウィンタースポーツも楽しめます。
 今回、大山の頂上には行けなかったのですが、鳥取県の中部にある三徳山(みとくさん)という山の中腹まで登ってきました。この山は全域が国の史跡・名勝に指定されていて、特に標高520メートルにある鳥取県唯一の国宝建造物「投入堂(なげいれどう)」は断崖絶壁にお堂が建てられていて、本当にビックリしました。またそこまで登るのが物凄くハードで、修験道(しゅげんどう)の山だと実感しました。

 

SEA TO SUMMITの模様
境港駅前にあるオブジェ。
水木しげるロードは大人気!
 
 そして、全国的に有名になった、境港にある「水木しげるロード」にも行ってきました。およそ800メートルの通りに、120体ほどの妖怪ブロンズ像もあって、ご家族連れのお客さんで大変な賑わいを見せていました。
 ほかにもたくさんご紹介したいことはあるんですが、見どころ、いっぱいの鳥取県にぜひお出掛けください。
詳しくは「鳥取県観光情報」のホームページをご覧ください。

 

(エ)ゆきちゃん、今回の取材を改めて振り返っていていかがでしたか?

(ゆ)一番印象的だったのは、参加された選手のみなさんの表情ですね。目がキラキラしていて、実際かなりハードなコースだったと思うんですけど、みなさん自然を体感されることで非常に楽しくできたんじゃないかなというふうに感じました。辰野会長からも『是非、来年はフリント・チームで参加したら?』って言われたので、どうですかエイミーさん?(笑)

(エ)それは今回、大山の頂上まで行かなかった罰として長澤ゆき率いるフリント・ヤング・チームに任せようかな(笑)。そのときは是非、行って下さい!(笑)

(ゆ)かしこまりました!(笑)

(エ)今回はどうもありがとうございました。

 

このほかの環境イベント「SEA TO SUMMIT」取材レポートもご覧ください。

 

AMY'S MONOLOGUE~エイミーのひと言~

 今回のイベントのいいところはレース大会の前に、シンポジウムという形で自然についての話があったことではないでしょうか。ニコルさんたちのお話を聞いてから実際に自然の中に入ることで、イベントの趣旨を理解し、海と山の繋がりなどをより意識することができたのではないかと思います。
 SEA TO SUMMIT~海から山の頂上へという名前が付けられたこの環境イベント。今回のレースはまるでシャケの気持ちを味わうレースのような感じですね(笑)。頑張って山の頂上のゴールを目指し、レースを終えたあとは新たな気持ちで山を下りてそれぞれの海へと戻っていく・・・。そしてきっと今回イベントに参加された方々は来年もまたシャケが生まれ故郷に戻るようにSEA TO SUMMITというイベントに戻って行くのではないかと思います。

 最後に、今回現地へ行き、更には2週に渡って番組でレポートして下さった長澤ゆきさんにお礼を申し上げます。楽しいレポート、本当にありがとうございました。またヨロシクね。

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SEA TO SUMMITの模様

鳥取県観光情報

 「SEA TO SUMMIT」の舞台となった大山のほか、鳥取砂丘などの観光地や自然、また食、歴史、温泉など、様々な観点から鳥取県の観光情報が盛りだくさんのサイト。是非、ご覧下さい。

株式会社モンベル内「SEA TO SUMMIT」のサイト

 実行委員長を務めた辰野勇さんが会長を務める株式会社モンベルのホームページ内にある「SEA TO SUMMIT」のページ。当日のコースや大会規定のほか、協議の結果などもアップされています。

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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. COME ON OVER / SHANIA TWAIN

M2. GOOD DAY SUNSHINE / THE BEATLES

M3. HAVE A NICE DAY / STEREOPHONICS

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

M4. WONDERFUL / BRIAN WILSON

M5. BICYCLE RACE / QUEEN

M6. そよかぜのLOVE SONG(LIVE) / リピート山中

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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