2010年3月14日

早春の公園で、春を“感じ”、春を“知る”
~ウェザーニューズ・大塚靖子さんをゲストに迎えて~

今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは、大塚靖子さんです。
大塚靖子さん

 気象予報士でもいらっしゃる、ウェザーニューズの大塚靖子さんと一緒に、春直前の「県立・幕張海浜公園」に行って、桜の木などを見たあと、公園内のベンチに座り、桜の開花時期や、天気のことわざ、観天望気のことなどうかがいました。

 

桜が咲くメカニズムとは?

●今週のゲストは、ウェザーニューズの大塚靖子さんです。よろしくお願いします。

「よろしくお願いします。」

幕張海浜公園
県立幕張海浜公園。ツインビルの左側の
27階にベイエフエムがあります。

●私の声は、いつもより弾んでおります(笑)。なぜなら、スタジオを飛び出し、いつもベイエフエムの窓の外から見ていた「県立・幕張海浜公園」に、大塚さんと一緒に来ています。ちょっと寒いですが、ベンチに座って、お話をうがかっていこうかと思います。春といえば、そろそろ気になってくるのが、桜だと思うんですが、桜が開花するメカニズムを簡単に説明していただけますか?

「桜というのは、春に咲く花なので、春になって暖かくなると、花を咲かす準備に入るのかなって思うんですけど、実は、前の年の夏から花を準備しているんですね。夏の間に、蕾の中で花の元になる“花芽”を作って、その後、寒くなってくると、一旦、蕾が眠りに入ります。それを休眠と呼んでいるんですけど、眠りに入ってから、いつ目覚めるかというと、目覚めるには寒さが必要なんですね。なので、冬の寒さで目覚めて、春になって暖かくなってくると、蕾が成長して、花が開くというメカニズムになっています。」

●一旦咲いて、桜の木が緑にあふれるぐらいから、少しずつ、翌年の花を咲かせる準備に入るということなんですね?

「そうですね。桜の季節が終わって、新緑の季節になると、翌年に咲く花の準備を始めているんですね。」

●ということは、冬の寒さが開花にとって、とても影響があるということですけど、最近の冬って、温暖化の影響があって、さほど寒くなっていないじゃないですか。

「そういう年もありますね。」

●そういうときって、開花する時期に影響があるんですか?

「そうですね。本州の冬の寒さは、桜が眠りから目覚めるのに十分な寒さなんですが、南国に行きますと、桜が目覚めるために必要な寒さが、ちょっと足りないときがあるんですね。そういうときは、桜の開花が少し遅れますね。」

幕張海浜公園
花芽が膨らんできた桜。
もうすぐ開花!


●ちなみに、今年の関東、特に千葉の開花予測は、いつなんですか?

「ウェザーニューズが定めている、桜の開花は、1本の木に桜が1輪咲くタイミングを基準にしているんですが、今年は、大体3月24日以降ですね。この時期になると、桜が徐々に咲いてくると思います。」

●それは、千葉の開花ということですね?

「そうですね。」

 

●開花時期って、同じ関東でも微妙に違うと思うんですけど、東京と千葉では、若干ずれるんですか?

「そうですね。東京は千葉よりも、もう少し早いですね。それでも2・3日の差ですが、今年の東京の場合だと、3月22日ぐらいとなります。」

●ふと考えると、東京よりも、千葉の南房総の方が、ちょっと早いのかなって思うんですけど、桜前線ってあるじゃないですか? その動きってどんな感じなんですか?

「基本的には、南の暖かいところから、桜は咲いていきますので、南から北へと、桜前線は北上していくんですね。でも、1ヶ所だけ、例外な場所がありまして、それは、南国なんですね。鹿児島の南にある、奄美地方から沖縄にかけて、桜前線は南下します。」

●南下をする!?

「はい。なぜ南下するかというと、沖縄には、冬の寒さがあまりないんですね。そうすると、桜の蕾が目覚めるのに十分な寒さがないので、奄美地方よりも、暖かい沖縄の方が開花が遅れてしまうんです。なので、北にある、奄美地方から桜が咲いてから、沖縄が咲くので、桜前線が北から南に移動するという形になります。。」

●本州は南の方から、少しずつ北上していくんですね?

「そうですね。」

●その中でも、東京のような大都市、いわゆる、ヒートアイランド現象がよく起きるような場所って、例外になりやすかったりするんですか?

「どうなんでしょう。確かに、神奈川県から東京都内が、関東の中でも、早く桜が咲きますね。」

 

季節や天気の、特徴的な雲とは?

●ちょっと風が強く吹いたり、公園に遊びに来ている子供たちの声が聞こえてきたりして、のどかではあるけれど、ちょっと寒いかなって感じで、あと少しで暖かくなるかなっていう、早春の気温を体感しながら、大塚さんからお話をうかがっているんですけど、お天気にすごく影響があって、一般的にも、みんながパッと見て、予想ができるのが“雲”だと思うんですが、春から初夏にかけての特徴的な雲ってどんな雲なんですか?

「春は、天気が周期的に変化をして、低気圧が次々に来る季節なので、低気圧が近づいているときに見える雲が、よく見る雲だと思います。どのような形なのか、ラジオでお伝えするのが難しいんですが、段になっている感じのお茶畑ってありますよね? あのお茶畑を空に持っていったような形の雲が現れるときがあります。」

●色は白いんですよね?

「白からグレーまで色々なタイプがありまして、青空の中に段々となっている雲があると、お茶畑よりも、もうちょっとスリムになって、スーパーでパック詰めされて売っているような、ししゃものような形に見えてきます。最初は、ししゃもの隙間から青空が見えるんですが、低気圧が近づいてくると、段々と、その隙間が、白い雲で埋められていって、白いお茶畑のような形になっていきます。」

●ししゃもからお茶畑になるんですか?(笑)

「はい。」

●ししゃもや、お茶畑のような雲も、空を見上げたときに見つけると「この時期の雲だな」って思えばいいんですね?

「1年中出ているんですけど、春や秋のような、低気圧が頻繁に来るときに、多く見えると思います。」

●みなさんも、朝を起きたら、まず、ししゃもやお茶畑を探してみてください(笑)。ちなみに、ししゃも雲とお茶畑雲って、専門的な名前はなんですか?

「あともう1つですね、海に打ち寄せる波の形にも似ているということで、専門的な言葉で『波状雲』と呼ばれています。ウェザーニューズでは、この雲を『なみなみ雲』と呼んでいます。」

●「なみなみ雲」の方が、可愛いですね(笑)。なんか、段々押し寄せてくるような感じもするんですけど(笑)、その雲がこの時期の特徴的な雲ということですね。あと、「こういう雲が浮かぶと、天気がこうなる」っていう特徴的な雲ってあるんですか?

「雷が起きる前ですね。雷が起きる前の雲がいくつかあって、まだ空が晴れているときだと、雲の上に、細めでツンツンとした、タワーのような角が生えてくるときがあるんですね。それは、雷雨のサインということが多いです。」

●角がでてきたら、雷様がゴロゴロ来るぞって思えばいいんですね。それって、分かりやすいですよね。

「そうですね。でも、角の段階では、雷様がくる『かも』っていう感じなんですね。その次の、第2段階がありまして、もくもくとした雲が、遠くに見えるようになります。夏の入道雲みたいな雲ですね。でも、まだその段階では大丈夫なんですけど、今度は、その雲が自分の方に近づいてきて、空に広がっている雲が真っ黒になるときがあると思います。そうなると、雷雨の可能性がでてきていますので、早めにビルの中や車の中に逃げ込んだほうがいいと思います。」

●角を出して、頭から湯気を出して、その湯気が黒く近づいてきたら、非難だと思えば、分かりやすいですね(笑)。

「そうですね(笑)」

 

観天望気の種類は?

●以前、この番組でウェザーニューズの方をお迎えして、観天望気の話をうかがっていたんですけど、春から初夏にかけての観天望気、いわゆる、天気のことわざの中で『これは覚えた方がいいよ』という、代表的なものってありますか?

「『春の霞は晴れ』ということわざがあります。朝はぼやーっと霞んでいて『パッとしないな』と思う天気でも、昼間はちゃんと晴れてくるんですね。それだけ、朝が霞むというのは、高気圧に覆われていることが多いんですね。なので、霞の出る朝は、高気圧に覆われていて、昼間、気温が上がってくると、霞が取れて、ポカポカ陽気になるという感じです。」

●朝、寝ぼけまなこで外を見て、ぼやーっとしていると「今日は晴れるぞ」っていうことですね(笑)。他には、どんなものがありますか?

「『ツバメが低く飛ぶと雨』ということわざもあります。」

●これは言葉通り、ツバメが低く飛んでいるのを見かけたら、雨が降るということですか?

「はい。実は、ツバメが低く飛ぶのは、エサになる虫も低く飛んでいるんですね。虫って小さい生き物なので、空気中に湿気が増えてくると、羽根が重たくなってきて、段々地面に近いところを飛ぶようになります。そうすると、その虫を狙っているツバメも、段々低空飛行になってくるので、湿気が増えてくる、雨の前兆のようなときは、ツバメが低く飛ぶと言われています。」

●単に、ツバメが低く飛んでいるわけではなくて、エサを求めるための行動として、低く飛ぶということなんですね。

「そうですね。」

●他には、まだありますか?

「『猫が顔を洗うと雨』ということわざもあります。」

●ありますね! あれはどうしてなんですか?

「猫は湿気がすごく嫌みたいなんです。なので、いつもより多く、手で顔を洗うんですね。」

●犬はそういう習性ってあまりないですよね。

「それがですね、千葉県の山武市に『太郎君』というワンちゃんがいるんですね。この太郎君は、ウェザーリポーターのタロママさんという方が飼っているワンちゃんなんですけど、気圧が下がると穴を掘るという特技がありまして、低気圧が近づく前に、お庭に穴を掘るんですね(笑)。そうすると、かなりの確立で雨が降るんです。」

●(笑)。これは当たる確立が高いということなんですか?

「高いですね。」

●ウェザーニューズさんも、太郎君の動向には注目しているんですね?(笑)

「はい(笑)。太郎君を映しているライヴカメラも、ウェザーニューズのホームページにありますので、是非ご覧ください。」

●なんで穴を掘るのか、知りたいですよね?

「そうですね。」

●何か分かっているんでしょうかね?

「太郎君に聞いてみないと分からないんですけど(笑)、気圧が下がる前に、穴を掘っていることが多いみたいですね。」

●これはいずれ、ザ・フリントストーンも太郎君にインタビューをしに行きたいですね(笑)。解明したら、大塚さんにもお伝えします(笑)。

「よろしくお願いします。」

●(笑)。ウェザーニューズさんでは、一般のレポーターの方がいらっしゃって、色々な方がメッセージを送ってくれるじゃないですか。それぞれの方が、マイ観天望気を含め、色々な天気の予測の仕方があると思うんですが、大塚さんが知っている中で、面白い予測の仕方ってありますか?

「頭痛や関節痛ですね。関節が痛くなったり、頭が痛くなったりすると、天気が崩れるという方が結構いらっしゃいます。」

●私も、古傷が痛みます。

「本当ですか。」

●古傷が痛みだすと、大概、すごく寒いか、雨が降るかという感じです。

「そうなんですかぁ。寒さと雨に反応するんですね。」

●反応します。骨折している人とか、怪我をしている人は、寒いときに、傷が痛みだしたりすることが多いみたいですよ。そういうことで、自分の体調と天気って関わっているんだって感じますよね。

「そうですね。」

 

今年の花粉状況は?

●今日みたいな寒い日だと、目が覚めるんですけど、春になると、すごく眠くなるじゃないですか。

「眠たいですねぇ。」

●(笑)。あれは、何故なんですか?

「体が時差ボケ状態になってしまうのが原因みたいです。春というのは、急に日照時間が長くなる時期なんですね。1年の中でも、この変動が1番大きい時期で、それに体が付いていけずに、眠たくなるんじゃないかと言われています。」

●ということは、体のためにも、春の眠くなるときには、無理をせず、お昼寝をした方がいいということなんですね。

「そうですね。あと、寝る前にコーヒーを飲むといいみたいですね。」

●寝る前に、コーヒーを飲むんですか!?

「寝る前にコーヒーを飲んで、30分後ぐらいに目を覚ますと、ちょうどカフェインが効いてくる頃になっているという話を聞いたことはあります。」

●ということは、仕事中、すごく眠くなったら、ランチタイムにまずコーヒーを飲んで、軽く食事をして、公園でちょっとお昼寝をすると、お昼休みが終わるころにはカフェインが効いてきて「午後からの仕事も頑張るぞ!」という感じになるということですね。あとは、うちのスタッフの中にも非常に多い“花粉症”ですが、既に、かなりの量の花粉が飛んでいるみたいですけど、今年の花粉の量は多いですか?

「今年は、既に症状が出ている方もいらっしゃるんですが、例年より量は少ないと予想されています。」

●花粉症の方にとって、少し楽になるんでしょうか?

「そうですね。」

●大塚さんも、花粉症ですか?

「はい。花粉症です。ですが、今年は、まだ鼻がムズムズするぐらいで、あまり酷くなっていないなって感じがします。」

●私は花粉症じゃないので、その辛さが分からなくて、スタッフから「嫌味なやつ」ってよく言われるんですね(笑)。でも、花粉症の人にとって、この時期は、本当に辛いじゃないですか。桜の開花予報は、もちろん楽しみだけど、花粉情報も非常にチェックしていると思うんですが、ウェザーニューズさんでは、桜の開花予報はもちろんのこと、花粉情報も、プロジェクトを作って、調査されているみたいですね。

「そうですね。『花粉プロジェクト』として、花粉情報をお伝えしているんですけど、花粉を測るロボットを、全国に500台設置していまして、花粉が飛んでいる状況が、リアルタイムで分かるようになっています。」

●その情報は、どうすればゲットできるんですか?

「弊社のウェブサイトを見ていただくと、花粉が飛んでいる個数や、1週間先までの花粉の予想をチェックすることができます。」

●どなたでも、見ることができるんですか?

「はい。あと、有料会員様には、自分の症状にあったカルテや、対策法を知ることができます。」

●それは便利ですよね。一概に花粉症といっても、みなさんそれぞれ症状は違うと思うので、自分にあったカルテを作ってくれるのは、嬉しいですよね。

「ウェザーニューズの携帯サイトに『マイソリューション』というものがありまして、それをクリックしていただくと、ユーザー名とパスワードを入力するページがありまして、そこで新規登録をすることで、会員になれるところがあります。」

●みなさんも是非、ウェザーニューズのホームページにアクセスして、様々な情報をゲットしていただきたいと思います。今日は、早春で、ちょっと寒い日に、外でお話をうかがうことになったんですけど、今度は、夏から秋にかけての間とか、暖かくなったら、改めて、公園でお話をうかがえればと思います。

「いいですねぇ。」

●(笑)。というわけで、今週は、ウェザーニューズの大塚靖子さんをお迎えして、お話をうかがいました。ありがとうございました。

AMY'S MONOLOGUE~エイミーのひと言~

 気象予報士でいらっしゃる大塚さんは学生の頃から天気に興味があったそうで、ウェザーニューズで働くようになって雲の見方などが変わったとおっしゃっていました。例えば、雲の下の方がキレイに並ぶときなどがあるらしいのですが、なぜそういう現象が起きるのか、きっとその理由がわかっていると更に空を楽しめるようになるのかもしれませんね。
 でも詳しくはわからないままでも、昔の人の知恵や経験が反映されている観天望気(ウェザーニューズではソラヨミと呼んでいる)を覚えておくと日常の暮らしに多いに役立ちそうです。ただ時代とともに表現方法も変わりますし、温暖化など地球の気候変動によって空の様子や現象も昔とは変わってきている可能性もあるので、そろそろ21世紀版観天望気/ソラヨミが必要かもしれませんね。

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株式会社ウェザーニューズ情報
 気象に関する様々な取り組みを行なっている世界最大の気象情報会社「株式会社ウェザーニューズ」のホームページには、天気予報はもちろん「さくらプロジェクト」や「花粉プロジェクト」のチャンネルなど、楽しいチャンネルがいっぱい!現在は「全国つぼみ調査」も実施中だということで、ぜひご協力ください。
 また「ソラマド」というアプリケーションがあり、それをダウンロードすると自分のパソコンに“空につながるソラマド”を開設することができます。そのソラマドでは24時間天気を動画で配信する「ソライヴ24」や各地の天気を伝える「ウェザーリポート」などを見ることができます。
 「ウェザーニューズ」ではもちろん携帯サイトでのサービスも行なっているのでぜひご活用ください。

 また、今回大塚さんのお話をうかがった場所は「県立幕張海浜公園」だったのですが、JR京葉線「海浜幕張駅」からすぐにある、広々とした、のどかな公園です。みなさんも一度行ってみてください。
 「県立幕張海浜公園」の詳しい情報は、ホームページをご覧ください。

幕張海浜公園幕張海浜公園
県立幕張海浜公園のBブロック入口。
ベイエフエムから見た公園Bブロック。
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オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」

M1. 色・ホワイトブレンド / 竹内まりや

M2. 桜の花、舞い上がる道を / エレファントカシマシ

M3.  春夏秋冬 / スガシカオ

ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」

M4.  花鳥風月 / レミオロメン

M5. 春よ来い / 松任谷由実

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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