気温は高い傾向!? ひつじ雲は要注意!?
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、気象予報士・竹下愛実(めぐみ)さんです。
竹下さんは、名古屋育ち。三重テレビやNHK仙台放送局で活躍後、現在はチバテレの気象キャスターを担当。また、小学生などを対象としたお天気教室や出前環境授業も行なっていらっしゃいます。そして、気象予報士のほかに、防災士、野菜ソムリエなどの資格も持つ才女なんです!
実は、パーソナリティの小尾さんは、千葉テレビ放送(チバテレ)朝の情報番組「シャキット!」で竹下さんと共演しています。
今回はそんな竹下さんに、暖冬の原因、3ヶ月予報と花粉情報、子供向けのお天気教室、そして知っておくと役立つ、雲の変化の天気予報のお話などうかがいます。
今年の暖冬は、なぜ?
※まずはこの質問! 暖冬はこのまま続くのでしょうか?
「続くと思いますね。“暖冬”っていう言葉自体は、冬の3ヶ月間、気象庁でいうところの12月、1月、2月の3ヶ月間を全部平均してみて、暖冬と言える基準になるくらい平年より高いかどうか。なので、今はまだ、この冬が暖冬になるかの結果は出ていないところです。
けれども、もう2月残り後半がどれだけ寒かろうが、間違いなく暖冬だったと、2月が終わった時に言われるというぐらい、確実に気温は高いですね。
1月の間、気温が高くて、先日の立春を過ぎたあたりから急に寒くなってきましたけれども、ただ、その後また気温が上がってきていますので、今後、2月終わりにかけてもやはり、全体としては暖かい日のほうが多いということになりますね」
●何で暖かいんですか?
「単純に言えば、北から冷たい空気が降りて来にくいし、南からは暖かい空気が入りやすくなっているっていうことですね。
南からの空気は、これはまたちょっと日本から離れて、インド洋とか南のほうの海での事情がいつもと違うので、南からの暖かい空気は入りやすいです。
北のほうに関しては、北極からの冷たい空気っていうのは毎年、日本付近まで降りてきやすい時期と降りてきにくい時期っていうのがあって、降りてきたり降りてこなかったりなんですけど、今年はその北極の周りの空気が全然日本付近まで南下してこない! 降りてきにくい時期、北極に冷気が溜め込まれてしまう期間っていうのが、いつもの冬より長くなっていますね。
出てきたり出てこなかったりと、本当はシーソーみたいに上手い具合になっている、バランスが取れているはずが、ぐーっと北極付近に溜め込まれてしまう。その期間が異常に長くなっているっていうことですね」
●じゃあ、世界中でちょっと気象が変というか、おかしな状況になっているっていうことですか!?
「そうですね。日本の気候だけがおかしいっていうことは基本的にはあり得ないですから、日本で何かがおかしいよっていう時には、全部、空気はつながっていますから、地球全体でいつもと違うことが起きているっていうことなんですよね」
●スキー場も雪不足だとか、いろいろ言われていますけれども……。
「う〜ん、そうですよね。立春を過ぎてからの寒気でだいぶ回復はしたみたいで、全面滑走可能っていうスキー場は増えてきているんですけれども、やっぱりスキー場の人ももう死活問題ですしね。
そして山に雪が降らないと、山の雪っていうのは自然のダムになりますから、もしこのまま雪が降らない状態が続いてしまうと、例えば春先、雪解け水が少なくなってしまって、田植えをするのに大変になってしまったりとか、実は冬に何かおかしいことが起きると、その話は冬だけでは終わらないんですよね」
●繋がっていってしまうんですね。
3ヶ月予報!?
※やっぱり気になるのは、3月以降の春から夏にかけての気候ですよね!? 一体どんな感じになるのでしょうか。
「それは……わからないです(笑)」
●そうなんですね(笑)。
「気象庁からは“3ヶ月予報”っていうのが、一番長い予報として出ていますから、今は2月なので、例えば25日にまた最新のものが出ますけれども、25日に出たとすると、それは3〜5月までの3ヶ月分の、大まかな天気と気温の傾向が出る。
これ、毎月25日……土日が25日の場合は、その前の平日だったりしますけど、毎月25日に最新の3ヶ月分が出ますので、誰よりも早く3ヶ月後の天気と気温の傾向が知りたい場合は、毎月25日の午後2時半ぐらいに気象庁のHPを見るとチェック出来ます(笑)!」
●かしこまりました、チェックさせていただきます(笑)!
「ちなみに今出ている最新の3ヶ月予報でも、気温は春にかけて高い傾向になりそうで、その確率はかなり高いという予想が出ていますね」
●花粉がますます早くなっちゃいそうですよね!
「そうですね、まぁもう飛び始めているんですけれども(笑)、東京都が花粉の飛散が始まりましたよって発表していまして、過去10年の平均より2週間ほど早いっていう発表になっています。今シーズンに関しては、始まりが早い分、終わりもちょっと早そうだっていう、まぁ朗報なのか、不幸中の幸いなのか、予想が出ていますけれどもね。
花粉の時期が前倒しになったり、あるいは桜の咲く時期が前倒しになったり、いわゆる天気そのもの、気温そのものじゃなくって、私たちにとっての季節の出来事、風物詩に近いようなものが、年々時期がずれていく、早まっていくっていうことがあるんでしょうね」
<梅知識>
「春の到来」を梅の花で感じる人も多いのではないでしょうか?
首都圏でも、各地で梅の花が見ごろを迎えていて、茨城県水戸市の偕楽園(かいらくえん)では、今年2020年は2月15日から『第124回水戸の梅まつり』が開催されています。
「梅は香りに、桜は花」という言葉があるほど、香りがいいことでも知られていますよね。また、梅は実も昔から重宝されていて、「外見が美しいだけでなく中身も充実していること」を表すことわざ「花も実もある」は梅が由来という説もあります。梅干しに梅酒、梅シロップなど、いろいろ楽しめますね。
ヒツジ雲は、要注意?
※続いて、知っていると役立つ、お天気予報ワン・ポイントです!
「いわし雲とか、うろこ雲ってあるじゃないですか。秋とか、春にもよく出ますけど、“あ、きょううろこ雲出てるなぁ、空に細かいうろこがいっぱいあるなぁ”って、例えば朝とかにそう思うじゃないですか。
昼とか夕方にもう一回空を見て、“なんか、ひつじになってきたなぁ”っていう時、ありますよね。うろこ雲じゃなくて、もうちょっとモコモコが大きくなって、ひつじ雲になった、みたいな。っていう時は、だいたい天気は下り坂ですね」
●へぇ〜! うろこからひつじに変わると、天気が悪くなる……。
「そう! うろこ雲だけだと、1回出てすぐ消えて……って、全然天気が崩れないこともあるんですけど、だんだん“あ、ひつじになってきたなぁ”って思って、半日後ぐらいにもう一回見ると、“あら、なんだかちょっと、空が灰色だな”ってなって、さらに半日後ぐらいには、“あ、雨が降ってきたな”っていう感じになると思いますね。
それは前線が近づいてきている兆しなので、うろこがひつじになってきたら、動物が変わったらちょっと注意! っていうことですね(笑)」
2100年の天気は?
※竹下さんは子供向けにお天気教室なども行なってらっしゃいます。どんな内容の教室なんでしょうか。
「ほとんどが小学生で、ときどき中学生の授業もしますね。防災一般、あるいはお天気の不思議っていうお話をするときもあれば、環境省からの委託で、地球温暖化の話をすることもあります」
●具体的にどんなことをされるんですか?
「例えば、小学生に温暖化の話をするときは、まずは未来、2100年の天気予報から! “もし、2100年のある日、お家に帰ってテレビをつけたら、こ〜んな天気予報がやっているかも!”っていうのを、実際にやってみせるんです、もう本物のテレビみたいに!
それを見せて、“どうだった?”って聞いてみるんですよ。“明日の東京の予想最高気温、さっき画面で何度だった?”って聞くと、“44度!!”って、みんな記憶力がいいから覚えているんですよ。“ねぇ! 台風はなんか、中心気圧が895ヘクトパスカルって言っていたけど、凄かったね! でもこれ、デタラメじゃないんだよ。研究者の人がちゃんと計算をして、今のペースで温暖化が進んだら、実際にこうなるはずだっていう、その数字が入っているんだよ”って私が言います。
それで、じゃあ、なぜそういうことが起きているのか、そしてこの先、何が起きそうなのかっていうのを、小学生が対象ですので、イラストとかを使いながら説明していきますね」
●お子さんたちの反応はいかがですか?
「こっちの想定をはるかに超えて理解して、興味を持ってくるんですよ! “これ、ちょっと難しいかな?”とか、“ここまでは興味ないよね”と思って通り過ぎようと思っていたような話でも、彼らのアンテナに引っかかるんですよね! しっかり興味を持って、こっちの予想を上回る、一歩先を行く質問をしてきて、こっちが毎回刺激を受けてますね(笑)」
●お子さんたちから逆に学ぶことも多いですか?
「そうですね。例えば、温暖化を防止するためにこんな技術がありますよって紹介したりすると、“ねぇ先生、その技術はわかったけど、やるためにどのくらいエネルギー使っちゃうの?”って聞いてきたりして、“あ、そんなふうに考えることが、もうこの子たちは出来るんだ!?”っていう、感動に近い驚きがありますね」
●お子さん以外の講演、例えば大人向けの講演などもあるんですか?
「はい、いろんな地域に行って防災の話をして、例えばこの地域にどんな危険があって、いざたくさん雨が降ったらどうすればいいのか。それは地域ごとに全く違ってケースバイケースですので、そういった話をしたり……。
あとは、食材の話をすることがあります。私、出身は愛知県で、しばらく宮城県で仕事をしていたんですが、東京に出てくると、明らかに普段食べているものに関心がないんだなっていうことにショックを受けるんですよね。自分がきょう食べたピーマンが何県産かって考えずに食べていたりとか……。
なんか、それが私にとっては衝撃だったので、講演の時に、“さあ、きょう日朝ごはん何食べましたか?”とか、“みなさんが食べている物に、一体どんな嬉しい栄養素があって、どんな気をつけなきゃいけないことがありますか?”っていうのを、野菜ソムリエとして講演したりしていますね」
INFORMATION
千葉テレビ放送(チバテレ)朝の情報番組「シャキット!」
竹下さんと、パーソナリティの小尾さんが出演しているこの番組は、月曜日〜金曜日、朝6時45分から放送中です!
竹下さんは水・木・金曜日、小尾さんは水曜日に出演しています。朝7時30分からは、tvk(テレビ神奈川)、テレビ埼玉でもご覧いただけます。
「シャキット!」について詳しくは、公式HPをご覧ください。
- 「シャキット!」のHP:
https://www.chiba-tv.com/program/detail/1016