2011年7月2日
今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、和田由貴さんです。
節約アドバイザーの和田由貴(わだ・ゆうき)さんは、 “節約は無理をしないで楽しく”をモットーに、お財布にも地球にも優しい節約生活を提唱されています。
今回はそんな和田さんに、ご家庭で出来る節電対策とそのコツをアドバイスしていただきます。
※“お財布にも地球にも優しい節約生活”を提唱されている和田さんに、ご家庭で出来る節電対策とそのコツについてうかがっていきますが、まず、家庭の節電でどんなところに着目していけばいいか、お聞きしました。
「家庭の中で使用されている消費電力の割合が多い家電製品と、瞬間的にかかる消費電力が高い家電製品に気をつけることが大事だと思います。消費電力の割合が多い家電製品というのは、エアコン・冷蔵庫・照明器具・テレビの4つです。この4つの家電だけで、家庭の消費電力の7割ぐらいを占めているんですね。」
●そんなに占めているんですか!?
「そうなんです。そこを見直さないと、節電はうまくいきません。それと今、国が節電を訴えかけているのは、全体的な消費量を減らすだけじゃなくて、電気消費量のピーク時の時間帯である昼間、特に夏場の昼間の時間帯は消費電力の割合がすごく大きくて、需要が供給を上回ってしまう状況になるんですね。なので、『消費電力が大きい家電製品は、できるだけ日中には使わないように』と言われています。
瞬間的にかかる消費電力が高い家電製品というのは、ドライヤー・電子レンジ・炊飯器などのような家電製品です。そういったものに対しても気をつけていかないといけないですね。」
●まず、エアコンからうかがっていきたいんですけど、エアコンはどのようにすれば、消費電力を抑えることができるんですか?
「エアコンって、コンプレッサーが動いているときに一番消費電力が大きくなるんですね。なので、できるだけコンプレッサーが動く時間を短くしてあげることで、消費電力を少なくすることができるんですよ。そのためには、設定温度が一番影響してくるんですね。大体、1度変えると、消費電力が10パーセントぐらい変わってくるんですね。その中で、今言われているのが“28度以上”だと思いますが、恐らく、28度で設定していると、涼しいっていう感じはしないと思うんですね。なので、エアコンだけじゃなく、扇風機を併用して体感温度を下げるとか、よしずや簾、グリーンカーテンなども今流行っていますので、それらを使って、直射日光を部屋に当てないようにして、室温を上げないようにして、エアコンの設定温度を控えめにするといったような工夫が必要になってきます。」
●次は冷蔵庫なんですけど、これはどういった工夫ができますか?
「冷蔵庫の基本的なこととして“物をたくさん詰め込まない”ことです。物をたくさん詰め込んでしまうと、冷気の循環が悪くなるので、それが原因で余計な消費電力がかかってしまうんです。また、物がたくさん入っていると、奥の方に入っている物を取り出すのに時間がかかったり、開け閉めを繰り返したりしますよね。そういうことがないように、中をキチンと整理をして、冷気の循環をよくすることが大事なんです。
それに対して、冷凍庫は物がたくさん入っている方が消費電力は低くなるといわれていますので、冷凍庫で保存できるようなものは、冷凍庫で保存する方がいいですね。特に夏場は食品が傷みやすいので、冷凍保存を上手に活用することをオススメします。」
●冷蔵庫にカーテンみたいなものを付けている人がよくいらっしゃいますが、あれは効果があるんでしょうか?
「そのご家庭によると思います。冷蔵庫カーテンを付けることによって、ドアポケット側に冷気が循環しなくなりますよね? なので、冷蔵庫カーテンを付ける場合には、ドアポケット側に牛乳や卵など、傷みやすい物は入れないようにしていただいた方がいいと思います。
例えば、何度も開け閉めをするようなお子さんがいたりすると、冷蔵庫カーテンを付けることによって、冷気が逃げにくくなると思いますが、そうじゃない場合であれば、冷蔵庫カーテンを付いていることによって、中に入っているものを取り出すのに時間がかかってしまったりするという弊害がでてくると思うんですね。それによって、開けている時間が長くなってしまったりすると、あまり効果がないと考えられますので、それぞれの家庭の家族構成だったり、ライフスタイルに合わせて、付けるか付けないかを考えていただいた方がいいんじゃないかと思います。」
●冷蔵庫や冷凍庫って、温度を調節するところがあるじゃないですか。あれも季節によって調整した方がいいんですか?
「そうですね。季節によって調整した方がいいですね。いくら節電とはいえ、夏に『弱』で設定しておいて、中の物が傷んだりしたら困りますので、キチンと整理した状態であれば、『中』で十分冷えると思いますので、冷蔵庫の中を整理した状態で『中』の設定をしていただければと思います。冬であれば『弱』で十分だと思います。あまり冷やしすぎると、奥の物が凍ったりして、困ってしまうじゃないですか。そういう無駄がないように、季節に合わせて温度調整をしていただくといいですね。」
※続いて、照明器具の節電について教えていただきました。
「照明器具は、使わないところでは消しておくのが基本なんですけど、使っているランプの種類によって、消費電力がすごく変わってしまうんですね。例えば、白熱電球と比較した場合、蛍光灯は約5分の1ぐらいで、LEDの場合だと、約8~10分の1ぐらいの消費電力なんですね。そのぐらい変わってしまいます。それと、寿命も違っていて、蛍光灯は白熱電球の6~10倍ぐらい長持ちしますし、LEDだと40倍ぐらい長持ちします。
なので、LEDだと、一日10時間ぐらい使用していても10年ぐらいもったりするんですよね。消費電力も低いし、長寿命なので、ちょっとお値段が高くなってしまうんですけど、長時間使用するような場所であれば、確実にお得です。」
●具体的には、どういった場所にどういったものを使うのがいいんですか?
「リビングなど、メインとなる場所の照明器具は、もちろんLED照明を使った方がいいと思います。また、最近ではリビングなどに、ダウンライトなど、間接照明を付ける家庭が増えてきていると思うんですけど、こちらも比較的長時間使用すると思うので、今では、ダウンライトに対応したLED電球が市販されていますので、それを使っていただいたらいいんじゃないかと思います。
逆に、玄関など、一日にトータルしても5分付けているかどうかぐらいの短いところであれば、すぐに節電タイプの電球に変える必要性はないと思いますので、長時間使用するような場所をまず、見直していただけたらと思います。」
●次はテレビなんですけど、今色々な種類のものが出ていて、どういったものがいいのか迷ってしまうんですが、どうしたらいいでしょうか?
「今まではプラズマテレビが一番消費電力が大きくて、次にブラウン管で、その次に液晶って言われていたんですけど、今では、プラズマもかなり節電が進んでいるので、同じぐらいのサイズのテレビであれば、テレビの違いでの差がなくなってきているんですね。それよりも、サイズによる消費電力の差が大きいんですよね。テレビを買い換えるときって、『大きなテレビを買いたいな』って思うじゃないですか。」
●そうなんですよね! 電気屋さんで見ると、あまり大きく見えないんですよね!
「そうですよね! いざ、買ってみると、意外と大きかったりするんですよね(笑)。なので、部屋のサイズに合わせて、あまりにも大きなテレビを選ばないようにするということも必要だと思います。そして、日常的な使い方としては、バックライトの明るさですね。液晶テレビの場合、必ずバックライトの明るさを調節できるようになっています。大抵、購入したばかりで何もいじっていない状態であれば、かなり明るい状態になっていると思います。それを、見るのに支障がない程度まで下げていただくと、かなり消費電力が変わるんですね。
また最近のテレビだと、明るさセンサーが付いていて、お部屋の明るさに合わせてバックライトの明るさを調整する機能が付いているものもありますので、家のテレビにそういった機能が付いていれば、それをONの状態にして使用していただくと、省エネに一番適した状態で使うことができます。テレビのメニューの中に“画面設定”といったところで設定できますので、一度チェックしていただくといいかと思います。」
●他に、家電製品でオススメする商品や、使い方ってありますか?
「例えば、キッチン家電でいうと、電気ポットとか炊飯器など、食べ物を温めるために使っている家電がすごく多いと思うんですけど、そういったものというのは、長時間保温をしておくことで、かなりの無駄な電力を使っているんですね。なので、できるだけ保温機能は使わないようにすることと、電気ポットでお湯を沸かすときの消費電力もかなり大きいので、電力需要の割合が大きい夏場の昼間の時間帯は、そういった機能をできるだけ使わないで過ごしていただきたいと思います。例えば、炊飯器だったら、昼間にご飯を炊くのではなくて、朝早くにタイマー機能を使って炊いておいて、炊き上がったら、保温をしないで、ご飯を食べるときに、その都度温めるようにした方がいいと思いますね。」
※最後は、長澤が気になっていた「待機電力」についてお聞きしました。
「家庭の中で待機電力の割合が一番大きいのが、ガスの給湯器なんです。ガスの給湯器って、お湯を使うとき以外は必要ないですし、夏場ってそれほど使わないと思うんですね。なので、完全に電力をなくすのは難しいですが、コントロールパネルの表示の電力はカットできますので、使わないときは消しておくことが大事ですね。
あと、長期間使わない家電製品は、安全面を考えて、プラグを抜いた方がいいですね。それから、パソコンの周辺機器も、色々な機器が集まっているところがあると思うんですが、そういったところでも、スイッチ付きのコンセントタップにプラグをまとめて管理をしておけば、簡単に待機電力がカットできると思うんですね。そういった工夫をしておくのもいいと思います。また、パソコンの周辺機器ってACアダプタが付いているものがあるじゃないですか。あれって、プラグを差しっぱなしにしていると、触ったら、使ってないのに熱いときがあるじゃないですか。ああいうものの待機電力って、大抵かなりかかっているんですね。なので、使っていないのに、触って熱いものは要注意です。」
●そういったものはコンセントタップの電源を一度オフにするか、プラグを抜いた方がいいということですね。今“家庭での電力量を15パーセント削減”って言われていますけど、これって実現可能な数字なんですか?
「無理がない数字だと思います。ただ、元から節約や節電をがんばってやっていたという人にとっては相当ハードルが高いと思いますが、去年までほぼ何も考えてなかった方であれば、ちょっと気をつけるだけで15パーセントぐらい、すぐ節電できると思います。
特に15パーセントといっても、一日中15パーセントを維持するのではなくて、ピークの時間帯に15パーセント削減すればいいので、普段、昼間に使っていた家電製品を、夜中に使うようにしたりするだけで、かなりの効果がありますので、無理なくできるんじゃないかと思います。」
●みんなが電気を使っていた時間を分散するだけでも、随分違うんですね。
「随分違いますね。」
●これからどんどん暑くなってきて、節電に対して、心が折れてくると思うんですね。そこで、みんなが頑張れるようなアドバイスをお願いします。
「エアコンの節電とかは、とにかく“楽しみながらできることを見つけていく”ことが大切かなと思います。例えば、小さいお子さんがいらっしゃる家庭であれば、水遊びをさせてあげるとか、夕方の打ち水って、部屋の温度を下げるのに効果的だといわれているので、打ち水を水遊びがてらやらせてあげるのはいいんじゃないかと思います。また、今ってグリーンカーテンが流行っていますけど、それらの栽培をしつつ、ゴーヤを収穫したりするなど、そういう楽しみを見つけていただいて、節電に繋げていければと思うんですよね。
でも、どうしても夏の日中の消費電力を抑えるのってエアコンなので、そこは完全に完全にカットすることはできないと思うんです。そこで、うまく工夫をしつつ、それ以外の家電製品はピークの時間帯をずらして使用していって、無理のない範囲で頑張っていただければと思います。
やはり、無理をすると、長続きしないと思うんですよ。今は、節電の重要性が訴えられていますので、気にされている方も多いかと思うんですが、これって今だけの問題ではなく、相当長く続くと思うんですね。原発の事故の影響もありますし、この電力不足は長く続くと思いますし、また、電気代が上がることも予測されますので、そういうことを考えても、細く・長く・キチンと続けていける節電が非常に重要だと思うんですね。なので、ストイックになって、頑張りすぎて疲れてしまうのではなくて、無理なくできることをずっと続けていくという風に考えていただいた方がいいかなと思います。」
今回、和田さんに教えて頂いた節電方法は、どれも参考になるものばかりでした。そして、電力のピークをずらす事、これはぜひ実践したいです。ただ、和田さんもおっしゃっていたように、無理をして体調など崩しては元も子もないので、無理はせず、自分のライフスタイルに合った節電方法を、取り入れていきたいですね。
NHK出版/定価600円
“節約は無理をしないで楽しく”をモットーに、お財布にも地球にも優しい節約生活を提唱している節約アドバイザー・和田由貴さんならではの節約術が満載のこの本。節電が求められるこの夏、この本を読んで、一度家庭の電気を見直してはいかがでしょうか。
あさ出版/定価1,260円
昨年11月に出版されたこの本にも、この本にも節電のコツが載っていますし、主婦ならではのコツやアイデアが満載です。主婦の方は必見の本となっています。
和田由貴さんのこれまでの著書やWebでのコラムなど、活動内容や、和田さんのことをもっとよく知りたいという方は、和田さんの公式サイトをご覧ください。