今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、風間深志さんです。
この番組「ザ・フリントストーン」がこの4月から24年目に突入しました。番組のテーマは当初から“自然”と“環境”。アウトドアの楽しいことから、厳しい環境問題まで幅広く紹介しています。
番組タイトルの“フリントストーン”は火打石という意味。また、その昔日本でも放映されていたアメリカのテレビ・アニメーション「原始家族 フリントストーン」もモチーフにしていて、太古の昔は「人間は自然とともに生きていた」、そんな意味合いも含めています。
そんな番組の第1回目の放送が1992年4月4日、まさに23年前のこの日でした。その時のゲストが、今回お迎えする冒険家でNPO法人・地球元気村の大村長、風間深志さんです。いつも元気な風間さんに、きょうはどんなお話がうかがえるのでしょうか。
●今回のゲストは、冒険家そしてNPO法人・地球元気村の大村長、風間深志さんです!
「どうも! ジャジャジャジャーン!(笑) 1年ぶりだね! 4月になると僕が出てくるようになってるよね。申し訳ないね~」
●申し訳なくないです! ありがたいんです! なにしろ、この番組の第1回目のゲストが風間さんですから。まずうかがいたかったのが、去年ご出演いただいたときに「モンゴルに行った」という話をしていましたが、今年も行く予定なんですか?
「行くよ。ひとつはフブスグル湖という(最大水深が)270メートルぐらいある、世界で最も美しいといわている湖があるんだけど、周囲は100キロぐらいあって、そこに100人ぐらいのレンジャーがいるんだよ。国立公園になったのは2年ぐらい前で、レンジャーたちは馬で移動してるんだけど、とてもじゃないけど、馬を管理することができないという悩みがあるらしいのよ。
そこの環境保全をしっかりさせるために、馬だと機動性がないから、バイクを贈ろうと思って、15台寄付したんです。そして、カヌーもやりたいし、ゴビ砂漠で植林活動をやろうと思っています。いちばん東にあるサインシャンドという街で8月31日から9月9日までの日程でやるよ! JICA(独立行政法人・国際協力機構)の人たちと知事さんと交えて、今年もやる予定です。たくさんの人たちを集めて行こうと思ってます」
●そもそも、ゴビ砂漠で植林をしようと思ったキッカケは何だったんですか?
「4月になると黄砂が舞うようになるじゃない!? せっかく朝、洗車をしたのに夕方になると真っ白になってるじゃん。その黄砂の原因はゴビ砂漠が巻き上げていく砂なんだよね。“あれを元から抑えてしまおうという!”ことで“ゴビ砂漠緑化計画”が立ち上がったのね。焼け石に水と思うかもしれないけど(苦笑)、そこに住んでいる人たちもいるのよ。その人たちには生活があるし、その人たちは自分たちが住んでいる周辺に街路樹を植えて、街を緑化しようと頑張ってるんですよ。それを手伝うことがその第一歩になるんじゃないかと思って、去年からやっています。これはずっと続けていこうと思っています。
とはいえ、水がないから砂漠化しているから、木を育てる水はどうするんだっていう問題が出てくるけど、これに対しては知事さんが“300キロ先からパイプを通す!”って言ってるのよ。だから、どんどん植林していこうと思ってます。かつては恐竜がいたところだから、人間の手によって、人間のための環境づくりもできるんですよ。そういうことをやろうと思っています」
※今年も元気いっぱいに活動されている風間さんですが、これからどんなイベントを計画されているのでしょうか?
「僕は元々バイク乗りなので、今年はバイクのイベントを本気で頑張ろうと思ってます。“サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー(SSTR)”っていうのをやります。今、お金を持っている高齢者の方が日本中で増えていて、何百万円もするバイクに乗っていたりするんですが、どこに行ったか聞いてみると、温泉だったりグルメだったりするんだよ。“ライダーは夕陽に向かって走れ!”って思うんですよ。なので、太平洋のサンライズを見たら、日本海のサンセットを見に走りに行くんだけど、僕が去年やったのは石川県に千里浜海岸があって、そこに“だるま太陽”というのが沈むんですよ。その夕陽を見る、それをゴールに、夕陽に向かって走るということをやったんです。ルールはそれだけ。
第1回は一昨年にやって、120数台が走ったんですよ。去年は600台走ってくれて、今年は募集を開始して4日間で700台集まったから、1500台ぐらいまでは受け付けようかと思ってます。日本のモーターサイクルスポーツの原点はツーリングなので、ツーリングする連中に大きなステータスのひとつとして、誇りに思えるような大きなイベントを作ろうと思って作ったのがこのSSTRなんです。今回は5月30日(土)と31日(日)の2日間でやります。
そして、どうせだったら、最南端ミーティングと最北端ミーティングをやろうと思って、最南端ミーティングは9月のシルバーウィークの時期にカヌーイストの野田知佑さんも参加して、鹿児島県の佐多岬をゴールにして、そこに向かって日本全国からキャンプツーリングをやります。そこから遡ること1ヶ月前。8月1日(土)と2日(日)に北海道の宗谷岬に集まってキャンプをやります。そういう風に、今年はバイク乗りの人たちには忙しく過ごしてもらおうと思います」
※風間さんが大村長を務めるNPO法人・地球元気村は、毎年、全国各地の自然豊かな場所で様々な体験イベントを開催していますが、今年は山梨市の地球元気村ファームの畑や田んぼなどで、作物を育てる活動が多いようです。
「今はジャガイモの種まきが終わり、6月の収穫に向かってまっしぐらですが、このジャガイモが終わったらサツマイモを育てようと思ってます。それと田植えもやりますよ! そして梅の収穫もして、大根も植えて、秋には収穫コンサートをやりながら、獲って干して、たくあんにしようと思ってます。たくあん好きでしょ? 美味しいものができるんですよー! そうやって作物と付き合っていると1年が短いね。そういうものと付き合うということは、土の中の環境を考えることにもなるし、作物を通じて植物の命も考えるようになりますね。やっぱり、環境と一口に言うだけじゃなく、そういった中にいる植物や動物などの生命との付き合いを立体的に考えるようになるっていうのがいいね! やらなきゃダメだよ!」
●私も体験で何回かやったことがあるんですが、しっかりやってみたいですね!
「大根やキュウリ、トマトといったものを“これは私が作りました!”みたいに言う人がいるけど、そんなのおこがましいんですよ。彼らは自分で大きくなったわけで、その大きくなるための土の環境保全を僕たちはやっているわけですよ。土に微生物がいっぱいいて、力強い土づくりをした結果、黙って作物はできるんですよ。ここをより考えてもらいたいね。
つまり“環境保全”なんですよ。土壌の環境はどうなんだろうか、森はどうなっているんだろうか、そこに流れてくる水の源流はどうなっているんだろうか、かつてブナ林があったところは今はなくなっているけど、それによって海の植生はどうなったんだろうかって、色々なことが立体的に入ってくるんだよ。それがアウトドアの良さだね。
僕らは自然の中の一部なんだよね。最初のとっかかりとして言葉で感じるのもいいけど、そこから地球の営みや社会の中での自分の本質や命の源などを考えていくっていうのが、この番組の伝えたいことだと思うんだよね」
●まさにその通りです! ありがとうございます!(笑)
「失礼しまーす、ガハハ!(笑)」
※風間さんは地球元気村の会報誌で、環境問題の研究の第一人者で東京大学名誉教授、山本良一さんと対談されました。そこでどんなことを感じたのでしょうか?
「やっぱり、科学者は科学技術を考えてますよ。人間のための科学技術は革新していると思います。そういったことを押し進めながら、極端に言うと、僕たちのライフスタイルが昭和初期の頃に戻ったら100点満点だね。なぜなら、そこにはリサイクルや自然との循環がほどよいバランスであったんだよね。ところが、そこから人口が爆発的に増えていき、色々なものを得るために自然がどんどん疲弊していって、地球温暖化という大きな問題が立ちはだかってきたよね。
100ミリを超える集中豪雨とかデカイ台風がきたりするのって、全部この温暖化に問題があるんだよね。さらに言うと、地球の温度が平均で1~2度上がるだけで、戦争がどんどん起きるんですよ。なぜなら、干ばつや飢饉、貧困など地域差でアンバランスになるところが大きくなるので、摩擦が多くなるんだよね。だから地球変動や環境変動って他人事じゃないんだよね。僕たちが生きる上で真に迫ったテーマのひとつなんだよね。これは科学者だけに任せないで、僕らひとりひとりが考えていく必要があるよね。だから、僕らがいちばんのキーマンなんですよ。なぜなら“消費”という問題があるから。
山本先生は“エシカル(倫理的)”な消費を選ぶことが大事だと言っていたんですね。僕たちひとりひとりがスーパーマーケットに行ったときに何を買うかによって変わってくるんだよ。科学者が世の中を変えるんじゃないんだよ。生活者である僕らひとりひとりが考えていくことなんだよね。
例えば、スーパーに行ったら“3つで1000円”っていう表示をよく見るじゃない。よく考えたら異常じゃない? まもとな人がまともに1日の労働によって作られた物は、まともな対価が払われないといけないし、その素材となったものがものすごい大量生産によって作られたものっていうのはよくないんですよ。そういったものを含めて、“正しいものの選択”を僕らも学んで、高度なものにならないといけないとも言っているんですね。
昔は“自然を守れよ!”なんて平たく言っていたものが、今や僕らに求められているものが高度になってきているんだよね。そうしないと、色々な問題を越えていけないんだよね。本当の豊かな調和社会というのは、勇気や努力はもちろん、高度な知識も必要なんだよね」
●これからは“エシカル”がキーワードですね。というわけで、無事にこの番組も24年目に突入しましたので、次は25年目にお会いできればと思っています。
「1年間呼んでくれないの!? ダメよ~ダメダメ! ガハハハ!(笑)」
●次はその前にお会いできるのを楽しみにしています(笑)。とりあえず、来年は24周年になります。今年1年もよろしくお願いします!
「お互い頑張っていきましょう!」
※この他の風間深志さんのトークもご覧下さい。
毎年4月の第1週に風間さんにお話をうかがうと、本当に1年分の元気をいただくのですが、今年は例年以上にパワー全開な風間さんに、私もなぜかガッツポーズをしながらお話をうかがっていました(笑)。きっと風間さんのように「私も色々と頑張るぞ!」という気持ちの表れだったのでしょう。中でも“エシカル(倫理的)な消費”は明日から意識出来ることなので、風間さんの言葉のように“知識と勇気と努力”を持って取り組んでいきたいと思います。
風間さんが大村長を務めるNPO法人・地球元気村では、今年もイベントが目白押しです。中でも、山梨市の地球元気村ファームで行なわれる農業体験イベントの予定がたくさん組まれています。
・5月2日(土)~3日(日):
「地球元気村ファームwithフルーツパーク“グリーンフェスタ&こどもまつり”」
(屋台の出店や魚のつかみ取り、ステージパフォーマンスなどが予定されています)
・6月7日(日):「農に学べ!遊べ!お田植えと梅の収穫」
(山梨市内の小学校と合同で行なわれるイベントとなります)
地球元気村では随時、村民を募集しています。村民になると年4回、会報誌が送られてくる他、特典も用意されています。
◎登録料(年間):個人村民・2,000円、家族村民(6人まで)3,000円
風間さんの近況はオフィシャルブログをご覧ください。写真もたくさん掲載されています。