今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、清水国明さんです。
芸能界きってのアウトドアズマン清水国明さんには毎年4月にご出演いただき、そのとき、どんなことに夢中になっているのかをお聞きする“定点観測”を行なっています。実は今回で20回目なんです!
前回は“ありが島”と名付けた瀬戸内海の無人島で家族やお友達と一緒に、キャンプや釣りなど、楽しいことをたくさんやっている、そんなお話をしていただきましたが、無人島通いは続いていて、ますます面白いことになっているようです。
今年の定点観測も、思いっきり前向きに元気に活動している清水さんに、無人島の最新情報などうかがいます。
※去年から清水さんが夢中になっている、“ありが島”と名付けた無人島は、瀬戸内海の周防大島の先に浮かぶ島で、周防大島の“油宇(ゆう)”という港から船で10分ほど。衛星写真で見るとタツノオトシゴのように見える周囲3キロほどの小さな島だそうです。切り立った崖に囲まれているということですが、崖の前には白い砂浜がいくつかあって、まさにプライベート・ビーチなんだそうです。
そんなありが島をベースに“無人島クラブ”を立ち上げた清水さんには、こんな思いがありました。
「かなり前ですが、家族と一緒にカナダをキャンピングカーで移動していたときがあったんですが、キャンプ場などのアウトドアのフィールドに若者がいなかったんですよ。年寄りが多かったので、隣のキャンピングカーにいた人に聞いたら“息子たちは都会で働いていて、私たちは旅している。これをするために働いてきたんだ”って話してくれたんですよ。それを聞いて“年を取ってから本当に楽しい時期が来るこの国はいいな!”って思ったんですね。
日本は逆じゃないですか。キャンプ場に若い家族が来て、お年寄りは家でお留守番。これは違うなぁって思いましたね。やっぱり、人生の後半は自然の中で、寒いとか暑いとか臭いとか、そんなことを感じつつ、四季を感じながら生きるのが一番だと思うんですよね。それの究極を求めていくと、無人島になるんですよ。不便とか厳しさはありますが、だからこそ、より感動するんですよ。なので、その無人島はすごく気にいってるんです」
●今はどんな感じになっているんですか?
「不便や厳しい自然を体感すると言いつつ、やっぱりトイレは欲しいと思ったんですね(笑)。それに、そこで暮らすとなると、お風呂が欲しくなってきますし、水も欲しくなるじゃないですか。だから、インフラというものを整えないといけないなと思い、でっかいログハウスを建てたんです。そのログハウスは島で一から建てたんじゃなく、こっちで仮組みをしてから、それを運びましたよ」
●材木は持ってきたんですね?
「そうなんです。材は千葉県の勝浦に行って、杉の丸太をもらって、北軽井沢に運んで、仲間に集まってもらって、そこで仮組みをしてから解体し、トレーラーなどに乗せて島まで運んで、ログハウスを建てたんですよ。そこで電気が欲しくなって、“自分で太陽光発電ができるセット”があって、それで家3軒分ぐらいの電気を作れるようになってますよ」
●その電気は1日分なんですか?
「そうです。普通、太陽光発電で作った電気って売電するんですが、ここの電気は送電線がないから売れないんですよ。なので、作った分はその日のうちに使い切ります。そして、水も欲しくなったから、井戸を掘りました。井戸から水をくみ上げるポンプに使う電気もその太陽光発電の電気を使うので、光熱費がかからないから、精神衛生上いいですよね!」
※“ありが島”ではどんな風に過ごしているのでしょうか?
「野生のヤギが40頭以上いるんですね。そいつらを捕まえて乳を搾ってチーズを作ろうとしているんですが、なかなか捕まらないんですよね(笑)。ニワトリが7羽いて、こいつらがよく卵を産むんですよ(笑)。引き潮になって水辺を歩くと、イワガキやサザエやアワビが、落ち穂拾いのようにたくさん獲れるのでそれを食べたり、魚釣りに行ってハマチやブリを釣ったりするという生活をしています」
●食べるものまで、なんでもあるんですね!?
「“自給自足”を目指していた時期があったんです。今では“必要なものは自分で作って、自分で作れないものはそれを必要としない生活を送ろう”ということで、作れないものは必要ないものだと思い込んで、自分で作れるものだけで生活していこうと決めて、生活しています。その中で唯一悔しいことは“お米を買ってこないといけない”ことですね。
野菜は河口湖で作っているからいいんですが、お米は作っていないので、お米を無人島で作ろうと思っています。というのも、島には真水の池があるんですよ。最初の計画ではその池を海と繋いで人工の入り江を作って、迷い込んだ魚を大きくできるようにしようと思ったんですが、実はあの辺りの無人島で池があるのはうちだけなんですよ。だったらそれを使った田んぼを作れば、完全無農薬のお米ができると思ったので、(田んぼを)作りました」
●それは楽しみですね!
「しんどいですね(笑)。でも、面白いですよ」
●ヤギのお乳で作ったチーズはどんな味がするんですか?
「臭いですね(笑)。うまくいかないことのほうが多いんですが、設備が徐々に整ってくるじゃないですか。最初は原始生活をしようと思っていたんですね。でも、太陽光発電のセットを提供してくれたメーカーに勤めている友人と2人で、島で焚き火をしていたら“ここの生活、最高ですけど、砂の上にテントだけだと、女の子が来ても、喜ぶかもしれませんが、オープンな気持ちにはなりませんよ”って言うわけですよ。“そんなのあかんやないか! 何の楽しみもないやないか!!”ってことで、不純な動機でログハウスを建てることにしました。そういうキッカケだから、(いろいろな設備を)1年で作りました。上陸した瞬間脱ぎたくなるような、ヌーディスト・ビーチになるぐらいの素晴らしいものができました(笑)。プライベート・ビーチがたくさんあるので、それぞれそこにゲストを送り届けて、“1日好きなことをしてください。見てるのはヤギぐらいですわ”みたいな感じで使ってもらえたらと思ってます(笑)」
●女性に対する男性の欲望のパワーってすごいですね!(笑)
「そういうところで、原点に帰ってやる気になってもらわないといけないなと思うんですよね。そういう意味では、いい出会いの場になるんじゃないかと思っています。今の島には“ありが島”と名付けましたが、隣にも島があるので、そこでは婚活とか出会いが生まれるような“おめで島”っていう島にしようかと思って、触手を伸ばそうとしています(苦笑)」
●私、行きたいです!
「魚を釣ったり、自分で色々できるたくましい人がたくさんいたらいいじゃないですか」
●夢がどんどん広がりますね!
※清水さんには国太郎君という可愛い息子さんがいるんですが、その国太郎君は最近どんな様子なのかうかがってみました。
「小学校から300メートルぐらいのところにトレーラーハウスを停めてるんですが、そこで生きてます(笑)。いやぁ、親はいなくても育つもんですね(笑)。もう小学2年生ですよ。英語ペラッペラですわ。そこは保育園・幼稚園・小学校とあるんですが、全部英語で教育するところなんですよ」
●すごく珍しいスタイルの学校に通っているんですね?
「フィンランド式の教育をしているところで、英語で教えてくれるところなんですよ。子供たち同士では日本語で話したりするそうなんですが、先生は英語で話すので、今では先生が話していることは全部分かるみたいです。(国太郎は)僕のことを“ダディ”って呼んでますよ(笑)」
●似合うかもしれないです(笑)。そこの教育方針も特別なんですよね?
「“自ら学ぶ”ということで、わざわざ教えないという方針なんですよ。3年生になるまでは好きなことを見つけることを第一に、それを一生懸命にやることが大事だという考え方なんですが、僕も大賛成なんです」
※清水さんは現在、教育委員会などでも活躍されています。子供たちの教育について、どんなことを伝えようとしているのでしょうか?
「僕は“子供にもっと自然を!”ということばっかり言っているんです。そうやって世の中に一石を投じることができればいいなと思っています」
●一番伝えたいことは“子供を自然の中に”ということですか?
「そうですね。自然ほど人間のバランスを保ってくれるものはないんですよ。人間が今不自然なことになっているのは、自然を遠ざけたり遠ざかっていることによって、毎日ニュースを賑わすようなことが起きているんだと思うんですね。ましてや、子供にとって一番大事な栄養素は自然だと思うんですよ。なんとかの一つ覚えみたいにそれしか言いませんが、自然の中に連れ出すことが一手間かかる時代になったなと思っています」
●そういう場を作っていきたいんですね。
「そうですね。そういうところで喜んでくれる人がいたら、その人の顔を見て嬉しくなるんですよ。だから、自分が自然の中にいて楽しいというのではなく、誰かを連れていって、その人の喜ぶ顔を見て、僕が喜ぶという生き方に変わってきましたね」
●清水さんご自身は、何かしたいとかどこかに行きたいという気持ちはなくなったんですか?
「誰かを喜ばせる場所があればどこにでも行きますよ。それこそ、今では地域おこしといった地域活性化のために色々なところに行っているんです。“ここに人を呼べば、みんな喜ぶぞ!”とか“ここをこうすれば人が来るな!”といったことをやることに関わってます」
※清水さんが夢中になっている“ありが島”では、どんなことができるのでしょうか?
「(ありが島は)キャンプ場なんですよ。そこに行って勝手に遊んでください。万が一のときにはログハウスの管理棟があって、そこにスタッフがいるので、フォローをします。なので、先ほども話しましたが、無人島のアクティビティは最高ですよ! 日本一ワクワクできるキャンプ場!そういう風に呼びかけているので、その辺のキャンプ場へ遊びに行くつもりで来ていただきたいと思います。
ただ、ここは会員制なんですよ。誰でも入ってきてほしいし、会員制にしなくてもよかったんですが、“無人島クラブ”に所属した人だけがそこで遊べるシステムにしています。でも、このクラブは入会金ゼロだし、“入りたい”と言ってくれれば、それで入れるようなものなので、是非入会していただければと思います。
ゴールデンウィーク中は利用料金3,000円なんです。安くないですか? しかも、船で僕が迎えにいきますから」
●周防大島まで行けば、(ありが島で)3,000円で好きに遊べるんですね?
「そうです。無人島クラブに入ると、スケジュールや行き方、無人島でどんなことができるのかといった案内や、ご飯を食べたいけど、魚が釣れなかったときのこととか、有料ですが鍋や釜、テントのレンタルなどといったシステムが整っていますので、多くの人に使ってもらいたいと思っています」
●ちなみに“3つのルール”があるそうですが、それはどんなルールなんですか?
「まずは“自己責任”。河口湖のキャンプ場もそうだし、アウトドアでの鉄則だと思いますが、これは大事です。2つ目は“自他自由”。あなたも自由だけど、他の人も自由なので、人に迷惑をかけないようにしてくださいということですね。3つ目は“自修自得”。これは“自分で楽しんでください”ということです。“清水さん来たよ! 楽しませてくれ! 何ができるの!?”って言われても“知らんがな”っていうことになるんですよ。
無人島ではあなたが楽しもうと思えば楽しめるけど、楽しませてもらおうと思うと、これほど退屈なところはないですよ。そう思うなら、遊園地に行っていただいたほうがいいですね。なので、“人のせいにしない”“人に迷惑をかけない”“自分で楽しむ”というのが、この無人島でのベーシックなルールですね」
●最後の“自修自得”は私がそうなりそうでした。聞いておいてよかったです! 行っても「何をすればいいの?」ってなってしまいそうでした。
「そういうときは、もとからインプットされている本能みたいなものを、誰でも持っていると思うので、3時間ぐらい砂浜でボーっとしていると、体が震えるぐらい退屈のエネルギーが溜まってくるんですよ。そうすると、砂浜を歩いているカニが面白かったり、海に石を投げてみたり、砂で何か作ったり、夜光虫を見たり、釣りをしてみようっていう気持ちになるんですよ。その退屈のエネルギーが溜まる前に、人にリードされると“やった”と言うより“やらされた”という感じがするので、そういう意味では河口湖も無人島もほったらかしですね。それが感動の一番のもとになると思います」
※この他の清水国明さんのトークもご覧下さい。
「“誰かに教えてもらうのではなく、自分で楽しむ”。これが感動のもと」だと清水さんはおっしゃっていましたが、そういえば子供の頃は誰に教わるでもなく、創意工夫をしながら自分だけの遊びを作り出して楽しんでいたことを思い出しました。無人島“ありが島”にはそんな遊びの原点があるのかもしれませんね。
瀬戸内海の無人島“ありが島”を利用したい方は、“無人島クラブ”に会員登録してください。入会費も会費も無料となっています。入会希望の方は「無人島クラブ ありが島」のオフィシャルサイトにあるお問い合わせの件名に「入会希望」と書いて、必要事項をご記入の上、送信するだけ。会員になると、イベント情報やキャンプ場の予約状況などを知らせてくれるそうです。
清水さんプロデュースのコンサート。出演は武田鉄矢さん率いる海援隊、あべ静江さん、 総合司会は“あのねのね”の原田伸郎さんです。
◎日時:6月28日(日)15時開演
◎会場:埼玉県・戸田市文化会館・大ホール
◎チケット:3,000円(発売中)
その他、清水さんがプロデュースする河口湖の“森と湖の楽園”のホームページ、清水さんのブログもご覧ください。