今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、HARCOさんとオグロエリさんです。
シンガー・ソングライターのHARCOさんは環境意識の高いアーティスト。また、南三陸のミシン工房を支援する活動も行なっており、以前にもこの番組にお迎えしたことがあります。
そして、デザイナー・イラストレーターのオグロエリさんは、今回初めてのご出演となりますが、HARCOさんを東南アジア・ラオスの旅に誘った人なんです。そんなおふたりをお迎えして、ラオスの旅で出会った人々や食べ物のお話などうかがいます。
●今回のゲストは、シンガー・ソングライターのHARCOさんとデザイナー・イラストレーターのオグロエリさんです。よろしくお願いします。
ふたり「よろしくお願いします」
●まず、おふたりはどういう関係なんですか?
HARCOさん「ここ1年のことなんですが、僕のデザイン関係の仕事をオグロさんに頼むようになりまして、最近では、ニュー・アルバムのジャケット・デザインを頼みました。オグロさん自身はそれ以外にカフェのロゴを作ったりして、色々な活動をしていますね」
●カフェのロゴですか!?
オグロさん「そうですね。ロゴマークやショップ・カードのデザインなどをよくやっています」
●HARCOさんはそのデザインにピンときたんですね?
HARCOさん「そうですね。イラストもデザインもすごく好きです」
●そんなおふたりが、最近ラオスに行ったそうですが、どうしてラオスに行こうと思ったんですか?
HARCOさん「先にオグロさんがラオスに3ヶ月間滞在していたんですね。僕の新しいアルバムが出来上がって、ジャケット・デザインをオグロさんに頼みたいと思っていたんです。日本とラオスの遠隔作業で進めてもよかったんですが、“それよりも僕がラオスに行って、現地で撮影して、デザインの打ち合わせもして帰ってきた方が手っ取り早いんじゃないか”と思ったのと、僕は東南アジアを旅行したことがなかったので、行ってみたいと思って行きました」
●オグロさんがキッカケでラオスに行ったんですね。なぜオグロさんはラオスに長期滞在していたんですか?
オグロさん「私の母がJICA(*)のシニアボランティアでラオスに2年間住んでいて、ちょくちょく会いに行っていたんですね。そこからドンドンとハマっていって、今では年に2回ぐらい長期滞在しています」
(*独立行政法人 国際協力機構)
●ハマっていった理由って何だったんですか?
オグロさん「ラオスは“私の心のふるさと”のような気がして、降り立った瞬間に体が軽くなるんですよ。のどかで素敵な場所なので、そこにいると心が穏やかでいられるんですよね。空気が合うんだと思います」
●“心のふるさと”ということは、どこか日本のようなものがあったりするんですか?
オグロさん「日本に似ているところもあると思います」
●HARCOさんはどうですか?
HARCOさん「東南アジアの国ってどこも海に囲まれているイメージがあると思いますが、ラオスだけ内陸にあるので、周りに海がないんですよ。開発が他の国よりも遅れた国なので、未だに貧困なところがたくさんあるんですが、その代わり開発にさらされてこなかったので、古きよきアジアがまだ残っている場所なんですね。でも、このグローバル化が進んでいる世界の流れからか、この10年で一気に変わったみたいです。僕が行ったときは車がたくさん走っていたんです。10年前は全く走っていなかったみたいで、走っていたとしても、一部の富裕層が乗っている感じだったみたいですね」
●たった10年でそこまで変わってしまったんですね。オグロさんは長期滞在していますが、住んでいる人たちにも変化はありますか?
オグロさん「私から見ると、変わっていくことが寂しかったりするんですが、特に若い人たちは変化が嬉しいみたいで、積極的に新しいものを取り入れている感じは見受けられますね」
●HARCOさんがラオスに滞在していたとき、美味しかった食べ物や印象的な出来事ってありますか?
HARCOさん「ラオスの食事は僕に合ってましたね。スープや炒め物など、どの食事にも独特の酸味があって、それがすごくよかったです」
●どんな料理が多いんですか?
HARCOさん「“ラープ”というラオス独特の味付けをした炒め物と“カオニャオ”というもち米を食べるんですが、そのもち米も“ティップカオ”という日本のお茶碗のような竹の入れ物に入ったものを手で掴んで、手のひらで親指の先ぐらいの小さなお団子を作って、ラープも一緒に掴んで食べるんですね。美味しかったのはもちろん、楽しかったですね(笑)」
●(笑)。それは現地ではポピュラーな食べ物なんですか?
オグロさん「そうですね。一番代表的な食べ物だと思います」
●そういう美味しい食べ物を調達する市場があると思いますが、今回のHARCOさんのニュー・アルバムのジャケットが市場で撮った写真なんですよね。これはラオスの市場ですよね?
HARCOさん「“サバントン市場”というところに行きました」
●なぜここで撮影して、ジャケットに使用したんですか?
HARCOさん「ラオスに行く前から“アジアといえば市場だろう!”と思っていました(笑)。人がゴミゴミしていて、肉や野菜、魚がたくさんあったので、狙って行きました」
●実際に行ってみてどうでしたか? イメージ通りでしたか?
HARCOさん「イメージ通りでした。市場なんだけど、デパートみたいな感じでした。このジャケットに写った市場よりももっと大きな市場にも行ったんですが、区画がどんどん変わっていくんですよ。市場なので薄暗くて迷路みたいになっているんです。食材だけじゃなくて洋服もあったりと、中にいると探検しているみたいですごく楽しかったですね」
●ラオスの市場って、どこもそんな感じなんですか?
オグロさん「大小色々ありますが、ごちゃごちゃしてますね」
●市場って対面して買い物をするので、現地の人とお話ができるんじゃないかというイメージを持っているんですが、実際はどうでしたか?
HARCOさん「今回のジャケットにも使われているサバントン市場はオグロさんの行きつけの市場なんです」
オグロさん「なので、みんなと仲良くなって、時にはおまけしてもらったり、ラオス語を教えてもらったりしていました」
HARCOさん「撮影しているときも、もうつーかーでしたね(笑)。時には特別な場所に入って撮影させてもらったりしました」
オグロさん「“うちの店から撮っていいよ”とか“あっちの店から撮っていいよ”といった感じで、色々なところから撮影させてもらいました」
●市場の方はお仕事中なのに、それはすごいことですよね!
HARCOさん「でも、あそこのどの店も仕事中っていう感じがあまりないですよね(笑)。子供と遊びながらお店をやっていたりしてますからね(笑)。どこの国も、発展途上国に行くと昔の日本が残っていたりするじゃないですか。でも、先進国になればなるほど、時代が進んでいきますよね。なので、ラオスには何十年前の日本が残っているんじゃないかと思います」
※HARCOさんはラオスでこんな体験もしたそうです。
HARCOさん「生まれて初めてゾウに乗りました(笑)。前日にホテルで申し込んだんです。オグロさんは撮影する義務があったので、僕だけゾウに乗って申し訳なかったですね。オグロさんはゾウに踏まれないように撮影してくれていました」
●そんな近くで撮影していたんですか?
オグロさん「そうですね。ラオスっていい意味でゆるいので、“そこは入っちゃダメ”っていうことを全然言わないので、ゾウと一緒に歩いてましたね(笑)」
●(笑)。どの辺りを歩いたんですか?
HARCOさん「森コースと川コースがあって、僕は森コースを選びました。しゃなり、しゃなりとゆっくり歩いていきました。ゾウって皮も硬いんですが、毛がサボテンみたいで一層硬くて痛いんですよね。なので、木のベンチをゾウに乗せてそれに乗りました。でも川コースの人はゾウに直接乗って、ゾウと一緒に川に入っていって、びしょ濡れになって帰ってくるみたいです(笑)」
●(笑)。それも面白そうですね!
HARCOさん「そうですよね。でも、僕着替えを持っていかなかったので、川コースにしなくてよかったと思ってます(笑)」
●(笑)。ゾウに初めて乗ってみてどうですか?
HARCOさん「のんびり片足ずつ歩く感じが“独特な生き物だ”と思いましたね。だって、人間はそんなにゆっくりと歩かないじゃないですか。なので、ゾウっていう生き物は特別だなって思いましたね」
●そういうペースで歩くことによって、自分の中で変わったことってありますか?
HARCOさん「何もないところでゾウに乗ったので、ゾウの上から見たラオスの大自然が目に焼きついてますね。その景色をいつか曲にしたいと思います」
●どんな景色だったんですか?
HARCOさん「ラオスといえばメコン川が有名ですが、その支流のナムカーン川が傍で流れていて、雄大な山もあって、素敵な青空があって、その光景は日本では見られないものでしたね」
※“ラオスには昔の日本が残っている”とHARCOさんはおっしゃっていましたが、地形的にも共通点があるそうです。
HARCOさん「ラオスは日本と似ているんですよね。大きさは本州ぐらいなんですが、都市部以外のほとんどは山岳地帯なんですよ。日本も70パーセントは森林で、“山と生きている”のは日本と同じだなって思いますね」
オグロさん「4日間という短い期間で、しかも撮影もあったのでバタバタしながら移動していたんですが、その中でこんなにもラオスを好きになっていただけてよかったです」
HARCOさん「最終日に飲んだ“ビアラオ”という“世界一美味しい”といわれているビールを飲んだんですが、それは最高でしたね!」
●どんな味なんですか?
HARCOさん「割とさっぱりしています。でも、のどごしがすごくよくて美味しいです」
オグロさん「ラオスには名物というものが特にないんですが、雄大なメコン川に落ちる夕陽が本当に美しくて、それを見ながらビアラオを飲むのが一番の醍醐味なので、それを是非味わっていただきたいです。ラオスの魅力って“豊かさ”だと思うんですね。決して裕福ではないんですが、人々の心が豊かで、その人々の豊かさと自然の豊かさがラオスの一番の魅力だと思うので、忘れていたものを思い出させてくれるラオスで心を癒してもらいたいです」
●そんなラオスの写真をアートワークにたくさん使っているニュー・アルバムの紹介をお願いします。
HARCOさん「オリジナル・フルアルバムとしては5年ぶりとなります。久々にアルバムを作りました。タイトルは『ゴマサバと夕顔と空心菜』です。日本独自の“シティポップ”というジャンルを僕なりに見つめ直して作ったアルバムです。是非聴いてください!」
※この他のHARCOさんのトークもご覧下さい。
本当に楽しそうにラオスのお話をして下さったおふたり。その表情を見ているだけでもラオスが素敵なところなんだと伝わってきました。そんなラオスでHARCOさんが自ら撮影し編集したという「ゴマサバと夕顔と空芯菜」のミュージック・ビデオ。これが旅番組風で面白いんです。ラオス人々の暮らしや美しい景色も見ることができます。ラオスに興味がわいてきたという方はぜひご覧ください。
POLYSTAR RECORDS/UVCA-3025/税込2,700円
HARCOさんの5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバム。HARCOさんらしいサウンドがたっぷりと詰まった1枚となっていて、聴いていると穏やかな気持ちになり、リラックスできます。是非聴いてみてください。ジャケットの写真にもご注目を。
HARCOさんのサウンドを堪能できるライヴが近々行なわれます。
◎会場:gris souris(グリスーリ:千葉県の稲毛にある雑貨屋さん)
◎日程:5月24日(日)午後3時30分開演
◎入場料:事前予約3,500円(お土産の焼き菓子付)
また、ニュー・アルバムのリリースを記念して、バンド編成のライヴツアーも行なわれます!
◎東京公演:吉祥寺Star Pine’s Cafe
◎開演:午後6時
◎料金:4,000円(前売り)
詳しくは、HARCOさんのオフィシャルサイトをご覧ください。