今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、のぐちやすおさんです。
サイクリストの「のぐちやすお」さんは、これまでに地球を2周している自転車旅のスペシャリスト! 現在も、お仕事の傍ら、世界一周の第3ラウンドにチャレンジ中なんです。そんなのぐちさんが先日『自転車旅のすすめ』という本を出されました。今回は国内の旅のノウハウやオススメのツーリングコースなどうかがいます。
●今回のゲストは、サイクリストの「のぐちやすお」さんです。よろしくお願いします。
「よろしくお願いします」
●のぐちさんは普段は看護師の仕事をされていますが、その傍ら、自転車で世界一周を2回されていて、今3回目にチャレンジ中なんですよね。そもそも、のぐちさんが自転車の旅をしようと思ったキッカケってなんだったんですか?
「19歳のときに“遠くに行ってみたい”という若者特有の願望が私にもありまして、北海道まで行ってみたいと思っていました。行くには交通手段が必要なんですが、たまたま手元に自転車があって、一番安上がりな手段が自転車だと思ったので行きました。はじめは行けるとは思っていませんでした。“どこまで行けるかな?”という気持ちで北に向かっていったら、着いてしまったんです」
●どのくらいかかったんですか?
「夏休み全部使ったので、40日弱ですね。宗谷岬に着いたのが13日目でした」
●そこからは道内を走ったんですか?
「そうですね。残りが数日あったんで、ついでに回ってきました」
●初めて自転車旅をして、どうでしたか?
「初めは“遠いから無理だろうから、行けなかったら行けなかったでいいや”って思っていたんですが、結果的に着いてしまったので、“日本は狭い。次は海外だ”って思いましたね」
※のぐちさんの新刊は、今まで出された本とは違った大人向けのポイントがあるそうです。
「今まで何冊か出してはいるんですが、そのほとんどが“大学生が夏休みを使って行く旅”というものでした。それが“大人”となると、方針が変わってくるんですね。無茶もできないし、時間もないわけではないんですが、長期間で一気に行くということができなくなるので、何度かに分けて行くことを念頭に置いて書きました」
●スタートからゴールまでを何区間かに分けて、その都度スタート地点を変えるんですね。
「そうですね。今回の本にも書いてありますが、“東海道五十三次を行ってみる”となったら、少なくても10日欲しくなってきます。かといって、10日間一気に行くのは少し辛いかなと思うので、1泊2日を5回ぐらいに分けて行くという感じにしています」
●そうなると、ハードルが下がりますか?
「下がりますね。日本人にとって一番のネックはやっぱり“時間”なんですよね」
●長期間休みが取れなくても、これで自転車旅がより身近になりますね。では、実際に自転車旅に出るためには、何を準備すればいいんですか?
「もちろん自転車が必要ですね。そして乗る本人ですね。これだけでいいんです!」
●それだけでいいんですか!? リュックに色々と入れたりしなくていいんですか?
「それが日本人の欠点なんです。“全てが揃わないと動けない”というのがダメで、そんなことはありません。“やろう!”と思ったときに、手元にある自転車でなんとかして行くことが大事です」
●旅用の自転車じゃなくてもいいんですか?
「“まずは”ですね。確かに長距離になってくると、欲しくはなってきますが、まず長距離を走ったことがない人に100キロ行ってこいといっても無理ですね。なので、今手元にある自転車で身近なところから行ってみて、何を変えるかを考えてほしいです」
●全てを揃えてからではなく、まずは今ある自転車でやってみて、それで何が必要なのかを選ぶのがいいということですね。
「まずは5キロぐらいの距離を行ってみることです。そのぐらいの距離なら、今ある自転車でも行けます。初めての道を自分の足でこぎ出して風を切ったところから、自転車旅が始まります!」
※自転車旅を実現するには欠かせない、ある技術をのぐちさんに教えていただきました。
「“輪行(りんこう)”という技術を知らないと、200キロ移動して到着したとしても、帰りをどうするのかということになってしまいますので、輪行という技術は知っておかないといけないですね。これは、自転車を分解して袋に入れれば、電車に乗せてくれるというものです」
●最近、大きな袋を持っている人が多くなりましたよね。
「これができないと辛くなります。なので、輪行は必要ですね」
●あれって簡単にできるものなんですか?
「ママチャリだと大変ですが、私たちが持っているようなロードバイクであれば、丁寧にやっても10分ぐらいでできますね。しかも、工具もいらずに手だけでできます」
●これからの季節は、自転車旅にピッタリだと思いますが、もしベイエフエムがある海浜幕張から自転車旅に出るとしたら、オススメのコースってありますか?
「まずは江戸川に出ます。江戸川沿いにサイクリングロードがありますので、野田関宿に上がります。そこから鳥川沿いのサイクリングロードに出て、高崎まで行きます。そこからはサイクリングロードは消えてしまいますが、渋川の手前に富岡製糸場がありますので、それを見ながら旧峠を通って、軽井沢に着きます。これがベストだと思います」
●それは1日で行けるんですか?
「さすがに1日では厳しいですね。途中泊まるのであれば、渡良瀬遊水地から館林あたりが100キロぐらいになりますので、そこですね。ただ、問題点としては、この方向だと向かい風になりますので、逆に軽井沢をスタート地点として、家に帰るといった方がいいかと思います」
●行きは輪行で軽井沢に行って、先ほどのコースを逆に行くというのがいいということですね。
「そうすると静かに追い風を受けながら、のんびりと帰るのがいいと思います。帰りであれば1日でも可能だと思います」
●女性でも、そのコースは大丈夫ですか?
「むしろ、今は女性の方が元気ですね(笑)」
●(笑)。では最後に、改めて自転車旅の魅力を教えてください。
「なんといっても、自分の力で、自分の意志で進めるところです」
※この他ののぐちやすおさんのトークもご覧下さい。
自転車旅と聞くと、専用のリュックに必要なものを詰め込んで、ウェアやシューズを揃えるという、入念な準備が必要なのかと思っていましたが、それよりもまずペダルをこいで出かけてみることが、自転車旅への近道だったんですね。今回お話をうかがって、自転車旅がぐっと身近になった気がします。
体育とスポーツ出版社/定価1,728円(税込)
自転車で旅に出てみたいと思った方は、ぜひこの本を読んでください。副題に~「やってみたい」を実現するための方法~とあるように、経験に基づいたノウハウやアドバイスなどが満載です!