今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、千葉市の温暖化対策&特別授業「タグラグビー教室」の取材リポートをお届けします。
今月12月は「地球温暖化防止月間」です。1997年12月に京都で開催された、気候変動に関する国際会議「気候変動枠組条約締約国会議(COP3)」をきっかけに、環境省が翌年から12月を「地球温暖化防止月間」と定めました。
ということで、今回は二部構成! 前半で千葉市の温暖化対策や太陽光発電への取り組みをご紹介。そして後半は、そんな太陽光発電のパネルが設置された、千葉市緑区おゆみ野にある「小谷(こやつ)小学校」で開催された特別授業「タグラグビー教室」の模様をお届けします。
※実は千葉市内でも、平均気温がこの40年で1.5度ほど上昇しているそうです。そんな千葉市ではどんな温暖化対策を進めているのか、千葉市・環境保全課の八代和徳(やしろ・かずのり)さんにうかがいました。
八代さん「地球温暖化に関する計画というのがあります。市内の総合的な温暖化対策をまとめました『千葉市地球温暖化対策実行計画』というのを、昨年の10月に改定いたしまして、温暖化対策ですとか、再生可能エネルギーの普及に啓発的に取り組むこととしております。ホームページでもそれについて公開しておりますので、ぜひご覧いただければと思っております」
●温室効果ガスが温暖化の要因となっていますが、千葉市の排出量はだいたいどのくらいあるんでしょうか?
八代さん「だいたい、年間1500万トンのCO2排出量が、毎年コンスタントに排出されている割合になっております。家庭からの排出量はだいたい130万トンというふうに言われていて、一世帯あたりとしては、約3トンになります」
●その温室効果ガスを削減する目標というのは、数値としてはどうなんですか?
八代さん「2030年度までに2013年度と比べて、市全体で13%削減するということが目標となっています。また、電気やガスといったエネルギー消費量が、どのくらい減ったかというのも見えるようにするために、エネルギー削減量の目標というのも合わせて設けております。こちらは7%の削減というのを目標にしています。
再生可能エネルギーは、太陽光発電をはじめとしまして、風力とソーラーのハイブリッド発電ですとか、風力発電、太陽熱利用、または未利用のリサイクルエネルギーなど、従来エネルギーの新利用形態といったコジェネレーションシステムも導入しております」
※千葉市では、そんな再生可能エネルギーのひとつである太陽光発電を普及させるために、こんな補助システムがあるそうです。
八代さん「補助金というのを出して事業を進めている部分と、自前で太陽光発電などを付けている部分があります。全体的な市内の再生可能エネルギーの割合としては、太陽光をメインとしまして10万キロワット程度、普及しております。これは、太陽光が強い時では小さめの火力発電所と同じくらいのレベルの発電能力を持っているということになります。
今までの実績で申し上げますと、補助件数というのは3500件を超えるもので、たくさんの申請をいただいております。太陽光発電ですとか、蓄電池、燃料電池ですとか、そういったものを対象に補助を行なっております。申請は設置前に行なう必要があるんですけれど、その他に太陽光だと、“一部の新築は対象外”ですとか、“機器の併設が必要”など、機器によって申請の要件がありますので、詳しくは千葉市の住宅供給公社さんにお問い合わせいただければと思っております」
※千葉市では一体、どれくらい太陽光発電の設備を設置しているんでしょうか?
八代さん「太陽光に関しては、市内に61カ所設置しておりまして、設置場所は日当たりのいい所や、あとは非常時に避難所になっていることなどから、学校の屋上が多いです。晴れている日は全体で約1300キロワット、一般家庭400軒分の電力を発電しています」
●そうなんですか。
八代さん「一部は蓄電もしておりますので、避難所で使えたりもできます」
●現在設置されている太陽光発電の場所がマーキングされているマップを、千葉市のホームページで拝見させていただいたんですけども、バランスよく千葉市全体にあるなと思いました。設置場所というのは、どういうふうに選定されているんですか?
八代さん「事業によっても、どこに設置するかというのは違ってくるんですけれども、例えば災害対応で設置しているような太陽光と蓄電池といったものについては、避難者が偏ってしまってはいけないので、市民の人にバランスよく供給されるように配置しています」
●設置されている場所としては学校が多いということで、すごく子どもたちにとってもいいことですよね。
八代さん「実際に、学校によっては発電量が見えるモニターなどが設置されているところもあり、授業で活用したりといった、環境教育の面で利用されている学校もあるようなので、そういうことがますます広がっていけばいいなと思っております。
蓄電池を取り入れている学校は、実際に電気が止まった災害時にも、3日間ほど電力が確保できるように、周辺の自治会などと協力して対応を行なっております。今回、対象となっている小谷小学校さんでは、避難所を運営する自治組織が積極的に太陽光や蓄電池の有効活用方法を検討しております。実際の災害を想定した宿泊訓練などを通じて、蓄電池の持ち具合や照明の明るさ、また設備の運用方法といったことを研究しております」
●他の小学校や施設については、大体どれくらいの割合で蓄電池とセットで避難所として使えるような場所になっているんですか?
八代さん「蓄電池が導入されているのは、17校の小中学校と、あとは公民館が1ケ所です。その他にも、蓄電池は入っていませんが、分電盤を切り替えることで太陽光を直接、災害時に利用できる施設もありますので、徐々にそういった施設を増やしていけるように頑張っていきたいと思います」
※次に、そんな太陽光発電の設備が設置されている「小谷小学校」で開催された特別授業「タグラグビー教室」の模様をお送りします。
まずは千葉市・スポーツ振興課の竹内祐太朗(たけうち・ゆうたろう)さんに「タグラグビー教室」の趣旨や目的についてうかがいました。
竹内さん「目的としてはですね、千葉市にはたくさんのトップ・スポーツチームのかたが活動しているということがありまして、千葉市では今、“スポーツをする人を増やそう”ということと、あとは“スポーツを観る人を増やそう”ということを政策としてやっています。
なのでトップ・スポーツ選手のこういった学校訪問を通じて、子どもたちに直接、選手の指導を受けていただいて、そういった活動を通じてより多くの市民に、こういったチームを知ってもらいたいと思っています。そして、選手の試合があった時には応援をしてもらい、それが自分でスポーツをすることにつながっていく。それが目的のひとつとしてありますし、あとはこの指導を受けた子どもたちが将来のトップアスリートになってくれると、千葉市からトップアスリートが出て、市民が応援する、そういう形になると非常にいいなと思っています。
平成25年度からいくつか始めて、こうして大々的にやるようになったのは昨年度からですね。広く小中学校に募集をしまして、昨年度は約20校、今年は約30校の実施という形になっています」
●ラグビー以外にも、他のスポーツでもやっているんですか?
竹内さん「もちろん、ホームタウンである千葉ロッテマリーンズとジェフユナイテッド市原・千葉をはじめ、フレンドリータウンでやっている千葉ジェッツや、今回のNECグリーンロケッツ、バルドラール浦安、また稲毛インターナショナル・トライアスロンクラブには、オリンピアンの上田藍選手などにもやっていただくという形です」
●本当に様々なジャンルでやっているんですね。学校側、それから生徒さんの反応というのはいかがですか?
竹内さん「(特別授業が)終わった後に、学校側からは“非常によかった!”という話を聞きますし、子どもが手紙を書いてチームに渡したりとか、そういったこともあるので、チームを認識するとともに、応援するということにもつながっているのかなと思います」
●ちなみにこのタグラグビーが、例えば小学校の授業のカリキュラムになったりとか、そういったことはあるんですか?
竹内さん「千葉市ではタグラグビーは結構もう前からありまして、おそらく今、市内の半数以上の学校ではすでに授業の中にタグラグビーが取り入れられていると聞いています」
●そうなんですね! もうすでに、結構な広がりを見せつつあるんですね。私、きょう初めてタグラグビーを見るんですけど、おもしろいんですか!?
竹内さん「これはもう、本当におもしろいと思います! チームでやるので、実際にプレーをする時にはみんなでやるんですけれど、作戦も大事なんで、事前にみんなで話し合って、誰がおとり役をやるか、誰が駆け抜けるかなど、そういった話し合いも非常に大事です。なので、非常に考えさせられる、そしてみんなが活躍できる教室だなと感じます」
※では、タグラグビーとはどんなスポーツなのか、「グリーンロケッツ」の宮島裕之(みやじま・ひろゆき)選手にお聞きしました。
宮島選手「タグラグビーは、社会人がやるラグビーの部分から、タックルやコンタクトをなくした、安全なラグビーです。腰にベルトを巻いて、タグをつけて、相手のタグをタックルの代わりに取りに行く、そういったスポーツです。ラグビーの良さである、自分を犠牲にして味方を活かしたりといった、ラグビーのいいプレーを残しつつ、かつ危険なプレーを取り除いた、安全なラグビーと考えてもらえればいいかなと思います」
●チームの人数だったり、試合の時間などについてはどうでしょうか?
宮島選手「普通のラグビーとは試合時間や人数はとても変わっていて、コートも小さくなります。公式のルールとはまた違うと思うんですけれど、NECグリーンロケッツのタグラグビー教室では、全員に楽しんでもらうためと、授業時間内で終えることを考えているので、1試合あたり5分程度、人数は1チーム5人ほどで、全員が楽しめるようにやっています。女の子も男の子も、運動が得意だったり苦手だったりがあると思うんですけれど、そういうのも関係なく、全員が楽しめるように、ラグビーのいいところもありつつ危険を取り去ったことで、全員ができるかなと思います」
●きょうは、小谷小学校の6年生のお子さんに体験をしていただくということなんですけども、具体的にはどういうふうに進めて行く予定ですか?
宮島選手「まず、“ラグビーってこういうことをするんですよ”というふうに、タグラグビーではなく、通常のラグビーはこういうものだということを見てもらうために、デモンストレーションを行なって、興味を持ってもらいます。その後に、タグをつけてちょっとしたゲームをして、ボールを使ってトライをする経験をしたり、相手を抜く練習をした後に、試合に入っていこうかなと思います。授業時間が限られているので、難しいことは教えずに、いろんなことを体験してもらいながら試合までもっていこうと思っています」
●この体験を通して、子どもたちにどんなことを感じて欲しいですか?
宮島選手「ラグビーの良さである、“みんなのために”“チームのために”ということを考えてやってもらいたいですね。どうしてもボールを持っちゃうと“僕がなんとかしてやろう”とか思うんですけど、ラグビーはそういうものではないんです。トライした人がかっこいいとかではなく、パスをつないで、タグを取られても前に出て、味方にパスをつないで、最後、みんなでつないだボールをトライする、そういった自己犠牲だとか、“みんなのために”“チームのために”ということを学んでもらえたらなと思います」
※このあと、いよいよ小谷小学校の校庭で、6年生を対象にタグラグビー教室が始まりました。まず、グリーンロケッツの選手による、大迫力のタックルや、ボールを使ってパスやキックなどのデモンストレーションもあって、トップ選手の技に、児童は大喜びしてました。
そして、児童全員がベルトを装着して、そこにタグを2枚つけ、タグ取りゲームでタグを取る練習をしたあとに、いよいよ5人ずつに分かれてタグラグビーが始まりました。
子どもたちは本当に楽しそうに、そして真剣にやっていましたよ。
特別授業終了後に、児童を代表して6年生の榎本空透(えのもと・くうと)くんにお話を聞きました。
●今日のタグラグビー教室はどうだった?
榎本くん「とても楽しかったです。協力してできました」
●どんなところが一番楽しかった?
榎本くん「タグの取り合いをするのが楽しかったです」
●大変なことはなかったですか?
榎本くん「パスする時にはボールを後ろに回す、ということが難しかったです」
●これからもこのタグラグビー、やってみたいかな?
榎本くん「はい、やってみたいです」
●実際にラグビーの選手にいろいろと教えてもらったけど、どうだった?
榎本くん「はじめは、体がデカくて強いイメージがあったけど、優しく教えてくださったので、とてもよかったです」
※続いて、小谷小学校の三代尚吾(みしろ・しょうご)先生に、今回の特別教室の感想をお聞きしました。
三代先生「子どもたちが協力して、そして楽しく活動している様子を見て、とても目新しいものですし、活き活きとした姿が見られたので、いい時間だなと感じています」
●今までも普通に体育の時間はあったと思うんですけれど、こういった、タグラグビーという競技を通して、今までとの体育との違いはありましたか?
三代先生「まず、ルールを理解することが子どもたちにとっては大変だとは思うんですが、その上で、協力することの大切さや難しさを、このチームスポーツを通して感じているんじゃないかなと思っています」
●今後も、このタグラグビーを授業としてやっていきたいですか?
三代先生「はい、とても子どもたちもやる気満々ですので、ぜひ授業に取り入れてやっていきたいと思います」
※最後に、NECグリーンロケッツの森田茂希(もりた・しげき)選手に、感想などをうかがいました。
森田選手「子どもたちが、最後は楽しくやっていて、“またやりたい!”って言ってくれたのが一番嬉しかったですね。なかなか2時間で試合までしっかりと終えるというのが、時間的に厳しいんですけれども、その中でも次につながる何かはあったのかなと思います」
●すごく盛り上がっていましたし、楽しそうでしたよね!
森田選手「そうですね。まぁ6年生だったので、物わかりの件では、こっちはちょっと楽させてもらったかなと思います(笑)」
●今後も、このタグラグビー教室は継続される予定ですか?
森田選手「そうですね。会社としても、社会貢献活動の一環ですし、今後も継続して、地道な活動ですけれども、次につながるように頑張っていきたいなと思います」
●グリーンロケッツとしては、今後の試合はどうでしょうか?
森田選手「今シーズンに限っては、あと残り4試合。それとあとは順位決定戦がありますし、まだまだ上を狙える順位ではありますので、一戦一戦チャレンジャーとして頑張っていければなと思います」
●今後は近郊でも試合が続くんですよね!
森田選手「まずは群馬のパナソニック・ワイルドナイツ戦から始まって、東京でもサントリー・サンゴリアスとNTTドコモ・レッドハリケーズの2試合があって、キヤノン・イーグルスもニッパツ(三ツ沢球場)と関東ばかりなので、ぜひ応援を! という思いもタグラグビーにはあるので、お父さんお母さんにちょっとでもご興味を持ってもらって、NECグリーンロケッツを応援していただければなと思います」
●最後に、リスナーの皆さんにメッセージをお願いします。
森田選手「ラグビーワールドカップも2年後に控えておりますが、知名度・人気度ともにサッカーにはまだまだ勝てません。当たる音だったり臨場感だったりを、我々も選手として伝えていきますので、ぜひグラウンドに足を運んでください、よろしくお願いします!」
「one for all , all for one 1人はみんなのために、みんなは1人のために」 ラグビーと同じように、地球温暖化も自分1人が良ければ良いという考えではなく、みんなが地球の仲間として協力して考えていければ良いですね。
千葉市の温暖化対策など、詳しくは千葉市のHPをご覧ください。
●NECグリーンロケッツ ジャパンラグビー・トップリーグ試合日程
12月3日(日)13:00 VS パナソニック・ワイルドナイツ 群馬・太田市運動公園陸上競技場
12月9日(土)11:30 VS サントリー・サンゴリアス 東京・秩父宮ラグビー場
12月16日(土)13:00 VS キヤノン・イーグルス 神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場
12月24日(日)11:30 VS NTTドコモ・レッドハリケーンズ 東京・秩父宮ラグビー場
NECグリーンロケッツの活動や試合情報について、詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。