2018年6月16日

女子だって、山でお泊まり! ゆったり楽しむ山時間

 今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、モデルでフィールド・ナビゲーターの仲川希良さんです。

 1984年、埼玉県生まれの仲川さんは、17歳でモデル・デビュー。現在、テレビや雑誌、ラジオなど幅広いメディアで活躍中です。
 子供の頃から自然が大好きで、8年前、雑誌の取材がきっかけで山登りを始め、それ以降、自然や山に親しみ、ライフスタイルの一貫として、おしゃれにアウトドアを楽しんでいらっしゃいます。
 今回は、そんな山ガールの仲川希良さんと、女子目線の山登りトーク! オススメの山小屋や、山で挙げた結婚式のお話などうかがいます。

 また今回は、仲川さんの新刊『山でお泊まり手帳』を、仲川さんの直筆サイン入りで5名のかたにプレゼントします! 詳しくはコチラ!

初心者こそ、山でお泊まり!?

※「山でお泊まり」と聞くと、特に女性にとってはハードルが高そうに感じるかもしれませんが、実際のところは、どうなんでしょうか?

「私の友人にも、“いやいや、山小屋泊はいいや”とか、“日帰り登山で十分です”ってよく言われて、“あ〜、残念!”っていう気持ちから、まさにこの本を作ったという感じです。“山小屋”といってもいろんな場所があって、中には個室しかないような山小屋さんや、ふかふかのベッドで寝られる山小屋さんもあるんです。なので、“ちょっと私には……”とハードルを感じている方は、そういう整った、ホテルに近いような山小屋からまずはデビューしていただけたら、女性だとしても多分、何も問題はないと思うんですよね」

●希良さんご自身は、山登りを始めてどれくらいのタイミングで、山に泊まるということをされたんですか?

「実は、初めての山登りがもう、山小屋泊だったんですよ(笑)!」

●最初からいきなり(笑)!?

「でも、そこには山の先輩たちの思いが込められていて・・・山小屋泊のいいところっていうのは、泊まることによって距離をもっと奥まで延ばすことができたり、標高を上げることができたりと、やっぱり日帰りよりは、普段とは違う絶景に出合い易くなるんですよね。なので多分、山の先輩たちは“一度、絶景を見て欲しい”“標高の高い所の景色を見て欲しい”という気持ちがあったんだと思います。
 それと、山小屋泊のいいところの2つめとして、泊まることによって1日の歩く量を少なくすることができるんです。日帰りっていうと、やっぱり行って帰ってこなきゃいけないので、1日の歩く量が増えてしまうんですけど、それを一泊することによって、もっと穏やかに、1日の歩く分量を減らして山の中でしっくり過ごすことができるっていう、いい点があるんです。それで多分、初めてでも、あえての山小屋泊っていうのを計画してくださったんだと思いますね」

●そういう話を聞くと、逆に初心者ほど山小屋に泊まった方がよさそうですね。

「そうなんですよ! 本当にその通りで、私自身がそうだったので、“初心者こそ一泊!”っていうのは、ぜひお伝えしたいですね」

●初心者の方が泊まる上で、“こんな楽しみ方があるよ”とかはありますか?

「そうですね、旅行の時にホテルを選ぶってワクワクするじゃないですか。“どういうところに泊まろう?”とか“こんなお風呂があるんだぁ、こんな眺めなんだ!”とかチェックするじゃないですか。あれと本当に同じ感覚で山小屋さんのホームページも見ていただくと、“こんなケーキが出てくるの!?”とか“こんな温泉が、こんな標高で!?”とか、いろいろ素敵なところもあるので、(山小屋での)ルールと一緒に、そういう魅力いっぱいのホームページを見ていただいて、好きな山小屋を選ぶっていう時間も楽しんでいただきたいなと思います」

●じゃあ、もう山小屋目的で山に登ることもあるんじゃないですか?

「あります、あります! やっぱり、それぞれの小屋に“ウリ”っていうのがあって、場所によっては例えば、フレンチがコースで出てくるような山小屋さんもあったり、すごい標高が高いのに温泉が湧いている小屋があったりとか……。ランプの夜っていうのが不便に感じるかもしれないけど、それこそが静かな夜を提供する魅力だったりもするので、“あの山小屋に泊まってみたい!”っていう気持ちでその山を目指すのも、全然問題ないと思います」

●希良さん的に、ここがオススメっていう山小屋はありますか?

「わぁーっ! もう、いっぱいあるんですよ、本当に選びきれないくらい! でも、山にまだ登ってさえいない人でも行けるっていう目線で選ばせていただくと、“鷲が峰ひゅって”っていう、ペンションに近いですかね、そういう山小屋さんがあってですね、霧ヶ峰っていう所にあるんです。
 小屋の前まで車でアクセスすることができて、山小屋で一泊しながら、その小屋の後ろにバァーーっと広がる霧ヶ峰の湿原を散策できる、っていう所になっています。霧ヶ峰には木道が敷かれていて、初心者の人でもスニーカーで、自分の歩ける範囲だけで楽しむことができるような場所なんですね。
 なので、まだ山デビューしてないよっていう人でも、ランプが灯って自然に包まれて、静かな夜を過ごすことができるという山小屋のよさもたっぷり味わいながら、山小屋のちょっと不便だったり、ちょっとしんどいところっていうのは感じずにデビューすることができるので、すごくオススメの小屋になっています!」

●なんだか、両親を連れて行きたくなりました!

「もう本当に私も、まさにそう思っていて、いつか両親と一緒に行きたいと思っています!」

太陽ってすごい!?

※朝から晩まで山で過ごすことで、日帰り登山では味わえない魅力もたくさんありそう! そこで、山小屋に泊まっていて一番好きな時間を聞いてみました。

「そうですね……山の朝焼けを見ること、ですかね。“朝が来た!”っていうのを、山にいるともの凄く幸せに感じるんですよ!」

●普段、家にいる時よりも?

「そうですね。本当は普段からそういう風に感じられたらベストだとは思うんですけど、なかなか朝焼けを自分の家から見ることって、なくないですか?」

●確かに!

「その時間はまだ寝ていたり、もしくは早くに仕事に行かれる人だと、バタバタ準備していらっしゃる時間帯だったりとか……。なかなか“朝が来たー!”っていうことに集中できる時間って、日常では持つことができないんですけど、山は基本的に、安全面についても、暗くなったら行動せずに休んで、明るくなったら行動する、というように、動物的に凄く正しい時間割りで1日が進んでいるんですよね。
 なので、暗くなってきたらその環境に対して恐怖を感じるというか、“あ、私は今、外に行ってはいけない時間帯なんだな”っていうことを考えて、小屋やテントの中に入ってお休みする。そういう時間を一晩過ごした後に、明るい陽がパーッと昇ってくると、“あー、よかった! 朝が来た! 私が動いていい時間が来た!”っていう気持ちになるんですよね。人間として生活できる時間帯が来たという気持ちになるので、朝が来たという、そのことだけで凄く嬉しいものとして感じられるんです。山で朝を迎える瞬間っていうのは、まっさらな時間が、私の前にまた広がっている、という嬉しい気持ちになりますね」

●今までに見た中で、忘れられない朝焼けはありますか?

「全部魅力的なんですけど、ひとつ挙げるとしたら、雪山で迎えた朝日っていうのがやっぱり格別でしたね。北横岳っていう所の山頂で迎えた朝日なんですけど、山頂のすぐ下にある“北横岳ヒュッテ”っていう所で一泊したんですね。そこも美味しいお鍋がたっぷり食べられる素敵な小屋ですが、そこに一泊して、まだ夜が明ける前の青白いような森の中、しかも雪が降っていた時期だったので、森が全部、白なんですよ!

 もう、見えるもの全てが白。それが青白く染まっているような、夜が明ける前の森の中を抜けて山頂まで上がって、“あっちの方から出るかねぇ?”なんて言いながら朝日を待って、さすがに雪なのでちょっと寒くてまつげが凍ったりとかもしているんですけど、そういう寒さに耐えながら待っていると、向こうの山並みからプツっと、朝日の最初の一粒が出てきて、それがあっという間に点から線になって、遠くの方から景色をブワァーーって赤く染めて出てくるんですよ!

 もちろん、普段の山でも朝日が景色を染めていくのは凄く美しいんですけど、雪山だと真っ白な景色を赤に染めていくっていう、凄くドラマチックな展開が見ることができて、その赤い光の中に自分がバッと入る瞬間っていうのがあるんですね。“私も光の中に入った!”っていう。その瞬間に、それまで寒かったはずなのに、体がぐわぁっと熱くなって、凍っていたまつげも一瞬で溶けるんです。あと、太陽ってすごい! 美しさももちろんですけど、太陽が持っている力強さっていうのも、より一層雪山の中だと感じることができて、“あぁ、太陽があるって、ありがたいな”っていうのをしみじみと感じた朝日でしたね。北横岳の雪山での朝日っていうのは、忘れられないですね」

●凄いんですね、太陽って!

「そうなんです! 当たり前なんですけど、今こうやって街に生きていても、太陽がいなくなったら本当に困っちゃう! そうなったら私たちは多分生きていけないんですけど、それを、日常で“お天道様、ありがとう”ってなかなか思わないですよね」

●むしろ、日焼け止めクリームを塗って“照らさないで!”とか思っちゃったり(笑)!

「そう、“日差し、熱っつ〜い!”とか思ったりしますけど、本当にその存在のありがたさを、山の中だとしみじみ感じますね」

雪山で結婚式!

●最近、山で凄く素敵なことをされたそうですね!?

「1年ぐらい前になるんですけれど、山の中で結婚式を挙げさせていただきました!」

●もう、本当に素敵ですよね!

「ありがとうございます! 雪の木曽駒ケ岳ですね。あれは千畳敷カールって呼ばれている所で、ロープウェイで誰でもアクセスすることができる場所なんですけど、真っ白な山々をバックに、白い雪のチャペルを建てていただいて、そこで結婚式を挙げてきました(笑)」

●私もちょっと前に結婚したんですけど、山で挙げればよかった(笑)。

「今からでも間に合いますよ(笑)!」

●(笑)。山で結婚式ってどんな感じなんですか?

「あの場所はすごい絶景ではあるんですけど、ロープウェイで上がることができる場所なので、普段山に登っていない友達もしっかり防寒さえしてくれれば参列できるっていう、素敵なシチュエーションだったんですよね。なので、大切な人たちに見守っていただきながら、大切な瞬間を迎えることができたっていうのはすごくありがたかったですね。
 あと、お天気に本当に恵まれたんですよね。完全な快晴で無風だったんです。近くにある千畳敷カールはもちろんなんですけど、遠くの山並みまで全部見えていて、“あぁ、こういう世界を大事にしながら、これから生きていこう”っていうのをしみじみ思った瞬間だったので、本当に素敵な時間を過ごさせていただきました」

●旦那さんはどんな感想でした?

「夫もサプライズメンバーだったんですよ! 私は結婚式をするつもりが全くなくて、そういう中で周りのマネージャーさんだったり、お世話になっている『ランドネ』っていうアウトドア雑誌の編集部の皆さんだったり夫だったりが、一緒になってサプライズで企画してくれた結婚式だったんです。私が驚いている様子を見て、多分、夫は“してやったり!”っていう感じでしたね(笑)。でも、ふたりで大事にしている環境の中で、そういう時間を過ごすことができてよかったね、っていうのは今でもよく話します」

●私、個人的に、山にいる希良さんって凄く綺麗だなって思うんですよ! いつもお綺麗なんですけど、より輝いてらっしゃるから、そんな希良さんを見て旦那さん、惚れ直したんじゃないかなと思うんですけど、そういう話はしてないですか?

「いや〜、そうだと嬉しいですね! そんなことを言ってもらったことはないなぁ。聞いてみようかな(笑)」

心のスペース

※山小屋だけでなく、山でテントを張ってお泊まりもするという仲川さん。山でのテント泊にはどんな魅力があるのでしょうか?

「テントの幕、一枚越しに大自然が広がっているっていう、山と一体化できるような、そんな部分ですかね。山小屋には屋根と壁があるじゃないですか。それが安心感につがなっていてすごくありがたい部分でもあるんですけど、その屋根と壁が一枚の幕だけっていう、より自然に近い状態で一泊することで、山に流れる時間っていうのをすごくダイレクトに感じることができるんですよね。
 山の夜が意外とうるさいんだなと感じたり、意外と元気に動物たちが動き回っている音が聴こえたり、木がざわめいている音が聴こえたり、(テントから)顔をちょっと出すだけで星空が広がっていたり……。そういう山の時間がすぐそばに広がっているっていうのは、テント泊の素敵なところかなと思います」

●テントの中では何をしているんですか?

「わぁー(笑)! これね、本当にみんなそれぞれだと思うから、みんな秘密の何かがあるんじゃないかなって、いっつも思っているんですけど、私自身は日記を書いたりしていることが多いですね。いつも使っているメモ帳と鉛筆を常に持って行くんですけど、その時思ったこととか感じたことっていうのは、やっぱりなかなか街では感じ取ることができないことだったりして、それって決して山に関することじゃなかったりするんですよ。
 電波がなかなか入らなかったりする環境も多いので、普段だったらSNSを眺めているような時間も、自分自身とその周りに広がっている山だけに集中することができて、そういう中だと悩んでいることの答えがふと見つかったり、自分自身が囚われていた考えから解放されることもあるんです。

 山の中で考えることって、決して山のことではなかったりするんですよね。あっ! と気づけたことだったり、思いついたものをメモに書いているっていうことが、私は多いかもしれないですね。でも、人によってはテントの中ですごく美味しい晩餐会を繰り広げていたり、小説を読むのが好きっていう方もいらっしゃいますね。普段は読めない本を持って来て、森の中でゆっくり読んでいたりだとか。テントの中ってみんな、何しているんだろう? 私も気になりますね!」

●自分だけの秘密基地っていう感じでワクワクしますよね! 今後、行ってみたい山はありますか?

「そうですね……いっつも聞いていただく度に迷ってしまうんですよ。だって、日本の国土の7割が山ですよ! 8年間、私は毎月のようにいろんな所に行っていますけど、全然行き足りてないというか、歩いていないところばかりなので、もう歩ける所ならどこでも行ってみたいというのが、正直な気持ちですね。でも、それと同時に一度行った山にも、何度でも行きたいっていう気持ちが常にあって、実際に気に入った山だったり足を運びやすい山っていうのは、季節を変えて何度でも訪れたりしているんです。

 山に登るよさのひとつとして、自分自身のスペースが広くなるというか、心の持ち方が広くなるっていう部分があると思うんですよ。一度、足を運んだことがある山って具体的に思い描けるじゃないですか。“こういう場所だったな”とか“こういう方がいらっしゃったな”とか。それを日常でも思い返すことで、その山に向かって急に心のスペースがぶわっと広がるような気持ちになるんですよね。そのスペースをもっともっと広げていきたいっていう気持ちですね」

●では最後に、“山に行ってみたい!”“山でお泊まりしてみたい!”と思っているリスナーのみなさんにメッセージをお願いします!

「“山はすぐそこにある!”っていうことにぜひ、気づいていただきたいなと思います。皆さんが今、まさに立っているその足元も、どこかの山に必ず繋がっているんですよ。
 やっぱり、行かれたことがないっていう方は、山ってちょっと別世界のように思われていたり、自分とは関係ないっていうふうに思われていたりするかもしれないんですけれど、自分自身の家だったり自分の足元っていうのも、必ず何処かと繋がっているっていうことを考えると、その絶景っていうのはすぐそばにあるんだっていうことにも気づいていただけるかと思います。
 山小屋にしろテントにしろ、デビューしやすい場所っていうのはいくらでもあるので、まずは自分の家のすぐそばの所でもいいし、初心者を受け入れてくれやすい場所でもいいし、ハードルの低いところから山の素晴らしさっていうのをぜひ、味わってみていただきたいなと思います」

●山は、遠くないですね!

「そう! 本当にすぐそばにあります!」

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 初心者や女性にはハードルが高いと思っていた「山でのお泊まり」ですが、時間に追われることなくゆったり山を楽しめて、初心者にこそお勧めだったんですね。
 そして、希良さんは本の中で、山でお泊まりをすると「生き物として正しいことをしている」気持ちになると書かれているんです。一体どういうことなのでしょうか。ぜひ、本でチェックして下さい。

INFORMATION

『山でお泊まり手帳』

新刊『山でお泊まり手帳

 枻出版社/税込価格1,296円
 8年間の経験をもとにした山登りのノウハウが、写真と読みやすい文章で紹介されています。初心者はもちろん、女性には嬉しい、日焼け対策やスキンケア、山登りのグッズなどの情報も満載です!
 詳しくは枻(えい)出版社のHPをご覧ください。

<『山でお泊まり手帳』プレゼントの応募要項>
 仲川さんの新刊『山でお泊まり手帳』を直筆サイン入りで5名の方にプレゼントします!
 メールのタイトルに、「プレゼント希望」と明記の上、あなたの住所、氏名、年齢、職業、電話番号、そしてぜひ番組へのご意見、ご要望も添えて、flint@bayfm.co.jpまで送ってください。
 応募の締め切りは6月21日(木)。当選は発送をもって代えさせていただきます。たくさんのご応募、お待ちしています!

応募は締め切りました。たくさんのご応募、誠にありがとうございました。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「(MEET) THE FLINTSTONES / THE B-52's」

M1. これが私の生きる道 / PUFFY

M2. LONGER / DAN FOGELBERG

M3. HERE COMES THE SUN / THE BEATLES

M4. 晴れたらいいね / DREAMS COME TRUE

M5. MARRY YOU / BRUNO MARS

M6. Faraway / 平井 大

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」