2018年8月18日

いきものクイズ大集合! あなたは何問、正解できますか?

 今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、学生作家・篠原かをりさんです。

 篠原さんは1995年生まれ。慶應義塾大学SFC研究所に在籍。2015年に作家デビュー。現在、テレビのクイズ番組でも活躍中です。子供の頃から昆虫が大好きで、今でも多くの昆虫や小型の哺乳類などを飼育してらっしゃいます。篠原さんには以前にもこの番組にご出演いただき、主に昆虫のお話をうかがいましたが、その膨大な知識に、そして生き物をこよなく愛する気持ちに圧倒されました。
 そんな篠原さんが、クイズの作成と解説を担当された新刊が『フムフム、がってん! いきものビックリ仰天クイズ』。この本は「動物園編」「水族館編」「昆虫編」の3つのパートに分かれていて、生き物に関するクイズがたくさん載っています。子供向けの雑学本なんですが、大人でも十分楽しめる一冊です!
 今回はその中から、選りすぐりの問題を出題します! あなたは何問、正解できますか?

ウシが好きな音楽は?

※まずは「動物園編」です。篠原さん、出題をお願いします!

「問題:次のうち、毛を剃っても白黒の動物は、どれでしょう?」

1、パンダ
2、シマウマ
3、ウシ

●ええ〜!? 全部、白黒の生き物ですよね……。本当に勘ですけど、パンダ!

「……残念!」

●残念(笑)! 正解は何ですか?

「正解は3のウシですね。パンダは毛を剃るとピンク色になるんですね。例えばパンダの赤ちゃんは、ちょっと前に話題になりましたけど、生まれたばかりの時はピンクなんです。そこから毛が生えてきて、大人になっても皮膚の色はピンクなので、毛を剃ってもピンクなんです。シマウマは白黒なんですけど、皮膚の色は灰色で(白と黒の)ちょうど中間の色。ウシだけが、模様通りなんです。例えば白黒のウシだったら、白い部分の下は白く、剃っても変わらないような模様をしています」

●逆に、パンダとかは肌がピンクなのに、あんな綺麗にツートンで毛が生えてくるのか不思議ですよね。

「そうですよね! 毛だけを管理している遺伝子を持っていると、皮膚の色と毛の色は変わるんですけど、ウシは毛の色と皮膚の色を管理している遺伝子が一緒なので、(皮膚も毛も)両方とも白黒になります」

●あ〜、なるほど、そういうことなんですね! 同じ白黒でも、ちょっとシステムが違うというか、遺伝子の持っている範囲が違うんですね。じゃあ篠原さん、次の問題をお願いします!

「問題:キリンはどんな鳴き方をするでしょう?」

●キリン!? 言われてみると、何だろう? ……キリンってむしろ、鳴くんですか? っていう感じなんですけど(笑)。

「そうなんですよ! 多分、間違いなく誰も聴いたことがないかなって思うんですけど、実はキリンも鳴き声をあげることがあるんですよ」

●どんな鳴き声ですか?

「モーって、ウシみたいな鳴き声で鳴きます」

●ウシと同じなんだ!

「そうですね、キリンはウシ科の中の動物なので、広い意味でウシと結構近い仲間なんですね」

●でもウシって、結構頻繁にモーモー鳴いているイメージですけど、キリンってどんな時に鳴くんですか?

「我慢強いのかもしれませんね(笑)。寂しい時とかによく鳴くって言われていますね。お母さんから離された子供のキリンとかが、寂しくて鳴くっていうのがよく録音されますね」

●じゃあ、もしキリンの鳴き声を聴きたいんだとしたら、ちょっと寂しそうなキリンを探すと、もしかしたら鳴くかも、みたいな感じですかね(笑)。面白いですね! 他には?

「じゃあ、ちょうど夏っぽい問題ということで……

問題:カバの汗には、人間が夏に使う“ある物”と同じ効果があります。それは何でしょう?」

●うーん、何だろう? 人間は汗をかくことで体温調節をしているので、カバも同じなんじゃないかなと思うんですけど……。

「カバの汗には、実は日焼け止めの効果があります!」

●え〜、そうなんですか!? カバは日焼け止めを塗らなくても、汗をかくだけでUVカットができるということですか?

「はい、汗をかけばかくだけ、カバは日差しに強くなっていくっていう感じです」

●それってめちゃくちゃ羨ましいですね! だって、我々は汗をかいたら日焼け止めが取れちゃって塗り直さなきゃいけないのに!

「カバはピンク色の汗をかくんですけど、日焼け止め以外にも殺菌の効果があったりして、カバの皮膚を守るための完璧な液体が出ているっていう感じなので、相当羨ましい体質ですね!」

●……なんか、カバになりたいなぁなんて、思っちゃいますね(笑)。次のクイズを、お願いします!

「問題:ウシが好きな音楽は何でしょう?」

1、クラシック
2、デスメタル
3、ヒップポップ

●ん(笑)!? そもそも、ウシの好きな音楽があるんだっていうのがビックリなんですけど!

「結構、物好きな人がいて、(その人は)ウシはどんな音楽が好きなんだろうっていう研究をして、好きな音楽をかけると生乳の量が増えるとか、ストレスが減るとかを調べていますね」

●へぇ〜、そうなんだ! なんとなく、ストレスが減るっていう意味では、やっぱりクラシックとかの方がリラックスできるのかなと思うんですけど、どうですか?

「……正解です!」

●やったぁ!

「特にモーツァルトが好きって言われていますね」

●“モー”なだけに?

「そうですね(笑)。結構、音楽を聴くのが好きな動物っていうのはイメージ通りで、鳥なんかは音楽を聴くのが好きで、鳥は逆にヒップポップとかによくノリノリになったりとか、思わぬ曲が凄くヒットするみたいですね」

●動物界でもトレンドがあるんですかね(笑)?

「猫は音楽に興味がないらしくて、猫よりはまだ、犬の方が音楽は好きらしいですね」

●そうなんだ、その辺も差があるんですね! 面白いなぁ!

トビウオは何メートル飛べる?

※続いては「水族館編」です。篠原さん、お願いします!

「問題:ウナギの体がヌルヌルしているのは、なぜ?」

●うーん……それはやっぱり、人間に捕まらないようにヌルヌルしているんじゃないですかね?

「確かに、それは役に立ちますよね。正解は、皮膚で呼吸をするためなんです」

●ウナギって皮膚で呼吸しているんですか?

「そうですね、他の魚と同じようにエラ呼吸もしているんですけど、エラよりもむしろ、皮膚で呼吸している分の方が多いんです」

●それで、ヌルヌルしていると皮膚呼吸がしやすい?

「しやすいのと、なおかつ、環境が悪くなってちょっとの間、他の場所に移動することになったときに、地上を這って移動するためにも、その間はヌルヌルの中に酸素を保ったまま移動できるんです。他の魚だとすぐに呼吸ができなくなって干からびちゃうところを、しばらく(水がないところを)移動するためにも、体がヌルヌルしています」

●化粧品の保湿ジェルみたいな感じのヌルヌルなんですかね?

「水分を保つことが目的なので、完全に保湿のためにヌルヌルしているって感じですね」

●へぇ〜、そうなんですね。では、次の問題をお願いします!

「問題:トビウオは最長でどのくらい飛ぶことができる?」

1、4メートル
2、40メートル
3、400メートル

●確かに、結構トビウオって飛んでいるイメージですけど、そうだなぁ……40メートルっていっても、25メートルのプールの、倍近い長さですから……ってことは、やっぱり4メートルですかね?

「これ、実はめちゃくちゃ凄いんですよ! 答えは400メートルなんです」

●えっ、そんなに飛ぶんですか!? ということは、その間、ずっと空中を飛んでいるっていうことですよね?

「そうなんですよ。羽ばたいているっていうわけではなくて、滑空なんですけど、水中で勢いをつけて跳ね上がって、そのままグライダーのように進んでいくっていう感じですね。途中で水面を尾ビレで蹴ったりして、跳ね上がって飛んだりもします」

●もう、そうなるとほぼ鳥ですね!

「時速60キロで、高さは1.2メートルぐらいで飛行することが可能みたいですね」

●そもそも、トビウオってなんのために飛んでいるんですか?

「下から来た天敵から逃れるために、空に逃げたんです。海を越えてさらに上に行ったっていう魚なんですね。そうすると、水の中にいる大きい魚は飛べないので、食べられることがないんですよね」

●なるほどね! 進化を遂げていくうちに、水上に出ちゃったということですね!

「そうなんですよ。ただ、できるだけ体を軽くするために、トビウオは、余計なものは全部捨てようと思って、その結果、胃がないんですよね」

●ええ!?

「胃があると、しばらく食べ物とかが溜まって体が重くなっちゃうので、食べたらすぐ栄養を摂って出すっていう感じで、短い腸しかないので、とにかく飛ぶために進化した魚ですね」

●凄いですね! じゃあ、次のクイズをお願いします!

「問題:水族館のラッコの多くは、寝るときに仲間とあることをします。それは何でしょう?」

●仲間と、ですか? 何だろう……“お休み”って言うとか?

「ちょうどお休みするときにすることですね」

●お休みのチューとか(笑)?

「可愛い(笑)。正解も結構可愛い感じですね。正解は、手を繋ぐ」

●あ〜、そうなんですか! ラッコって仰向けでプカプカ浮かびながら寝ていますよね。あの状態で、仲間と一緒に手を繋ぎながら寝ているんですか?

「そうなんですよ。もともと、野生のラッコは寝るときに、流されないように、ジャイアントケルプっていうめちゃくちゃ大きな、昆布みたいな海草を体に巻きつけて寝るんですけど、水族館だからもちろん、流されることはないんですけど、不安ゆえに自分の体をキープしようと思って、仲間と手を繋いでそのまま寝ますね」

●え〜可愛い〜!

「何をしても可愛くて! 例えばラッコの凄く可愛い仕草に、“いない、いない、ばあ”みたいな感じで、両手を目に当てるっていう仕草があるんですね。ラッコって世界一毛深い動物って言われていて、物凄く毛の密度があるんですけど、手の平だけは貝とかエビとかをうまく食べるために、毛が生えていないんですよね。だから、手が一番冷えちゃうので、目で温めるっていうことをしますね」

クモが飲むと酔う飲み物は?

※最後に、「昆虫編」です!

「問題:カブトムシやクワガタムシに与えないほうがいいエサはどれでしょう?」

1、スイカ
2、リンゴ
3、バナナ

●私、実はカブトムシを飼っていたときに、スイカとリンゴはあげたことがあるんですよ。でも、バナナはあげたことがなかったので、バナナじゃないかなと思うんですけど、どうですか?

「……残念!」

●残念!?

「実は、スイカはあげちゃいけないんですね」

●そうなんですか!? 結構、あげちゃってたんですけど!

「昔は図鑑とかにも“スイカはあげるといい”って書いてあったんですけど、最近は違うらしいっていうことなんです。スイカは水分が多過ぎて、すぐに飼っているケースが汚れちゃったりして衛生上よくないのと、あとは栄養価が少ないのが理由ですね。逆にバナナはかなり大好物で、クワガタとかカブトムシを捕まえるときに、バナナを罠として仕掛けておくと、たくさん集まりますね」

●へぇ〜、そうなんですね。なんとなく、水分が多い方がいいのかなと思っていたんですけど、それは逆なんですね。

「そうなんですよ。(水分が)多過ぎちゃうんですね。水分は他の食べ物で十分摂れるので、普通に飼うときは市販の昆虫ゼリーとかがいいですね。逆に卵を産ませるときは、産卵用にたんぱく質の多い昆虫ゼリーもあるんですけど、牛肉の脂身なんかもオススメされていたりしますね」

●えぇ〜、牛肉の脂身!?

「意外ですよね! 基本は樹液とかなんですけど、やっぱりたんぱく質は必要なので、たまに摂ったりしますね」

●夏休み中はきっとカブトムシを飼われているお子さんもいると思うので、リスナーの皆さんもぜひ参考にしていただければと思います。次の問題を、お願いします!

「問題:クモに飲ませると酔っ払う飲み物は何でしょう?」

●酔っ払うんですよね? 酔っ払うといったら、やっぱりビールとかお酒なんじゃないですか?

「実は、クモに限ってはコーヒーで酔っ払います」

●コーヒーで!? それは、カフェインが原因ですか?

「そうですね。逆に、虫は結構アルコールが好きで、寄ってくる虫が多いんですけど、なぜか自分の飼っているクモにコーヒーを飲ませた人がいて、そうするとフラついて、クモはいつも綺麗な網を張っているんですけど、それがガチャガチャになっちゃうんですよ」

●酩酊状態になっちゃって、うまく蜘蛛の巣を張れなくなっちゃうんだ(笑)! 他にも酔っ払っちゃう昆虫っているんですか?

「カフェインっていうのが、ほとんどの生き物に対して、むしろアルコールよりも有害だったりするんです。特に日本人はカフェインに強いんですけど、だいたいどの動物でもカフェインは苦手になるだろうなと思います」

●それも昆虫の特徴ということなんですね。では、最後の問題をお願いします!

「問題:コオロギは足、蝶や蛾の幼虫は体の毛、セミはお腹で感じるものは何でしょう?」

●感じるもの……暖かさとかですか?

「人間だと、これは耳で感じますね。正解は、音です」

●足とか体で音を感じることができるんですか!?

「そうなんです! それぞれの虫によってバラバラで、コオロギやセミなんかは鳴き声でコミュニケーションをとるものなので、仲間の声を足やお腹で聴いているんですけども、人間みたいにはっきり聴こえるっていうよりは、波長として、どの辺りに仲間がいるとか、どっちの方向にどんなものがあるかっていうのを確かめていたりしますね」

●じゃあ、もし足とかを、(人間が)耳を塞ぐように隠しちゃったら、音が聴こえなくなっちゃうっていうことですかね?

「それはありますね! コオロギなんかは、足の付け根を見ると鼓膜みたいな、小さい楕円形の部分があるので、そこを塞いだら確かに、振動が伝わらなくなって聴こえなくなると思います」

●音を聴くのは耳っていうイメージがあるので、面白いですね!

「全部、バラバラなんですよ! コオロギは足で音を聴いているんですけど、蝶や蛾だと足で味を感じたりしますね」

●そうなんですか!? 結構、昆虫にとって足っていうのは大事な役割があるんですね。

「そうなんです。歩く以外の役割もあるんですね」

●でも、こうやって聞いていくと、いろんな生き物がそれぞれ、特徴があって生きる工夫をしていて、面白いですよね!

「いろんな形にそれぞれ進化していて、本当に凄いなと思いますね」

一番好きな生き物は?

※あなたは何問、正解できましたか? それにしても、篠原さんの生き物に関する知識って、本当に素晴らしいですよね! 今回クイズを出題してくれた篠原さんは、一体どうやって生き物の豊富な知識を身につけたのでしょうか。

「多分、図鑑がすごく好きで、(図鑑には)雑学みたいなのがすごく載っているので、そこから興味を持って調べ出してから、自分でいろんな生き物を見ても、特徴とかどうゆう進化をしてこうなったんだろうっていうのを、気にするようになったのかなと思います」

●じゃあ、今のお子さんたちも、例えば動物園に行って、そのあとに図鑑を見たりとか、今だったらインターネットもありますから、それで調べたりとかするのはオススメですか?

「オススメですね! もう、予習・復習は凄くオススメで、予習をしたあとに図鑑で見たことある生き物が実際に動いているところを見ると“こんな感じだったんだ!”ってめちゃくちゃテンションが上がるんですよ! もちろん、実際に見て、凄い生き物だって思ってから復習するっていうのも、両方凄く役に立つと思います。
 小学生とかでも、大人が気づいてなかったような発見をする子って凄く多いんです。最近の子供の発見でいうと、蚊が凄く寄ってくる人っていうのは、昔は大きい人が狙われやすいと言われていたんですけど、実は足の裏の菌の種類によって蚊に刺されやすいかが決まっているっていうのを子供が発見しました。あとは、図鑑に使われている写真が違うことに5歳ぐらいの子が気づいたっていうのがニュースになっていましたね」

●じゃあ、意外と子供のほうがいろんな発見ができるんですかね?

「観察力がある子供のうちに、実際の生き物を見て触れ合っていくと、すごくいいと思いますね」

●なるほど。それでは最後に、前回、篠原さんに一番好きな昆虫は何ですかとうかがって、“フンコロガシ”というお答えをいただいたんですけども、今回は生き物ということで、範囲を広げまして、この地球上の生き物の中で一番好きなものは何ですか?

「はぁ、凄く迷いますね〜……凄く好きなのは、ナマケモノですね」

●それは、なぜ?

「ナマケモノは究極のエコな生き方をしていて、争わず、何も頑張らないことを頑張っているみたいなところが凄く好きですね。いつもニコニコした顔をしているんですけど、頑張ってニコニコしているわけではなくて、顔の筋肉を何も使わない結果、顔がニコニコしちゃっているっていう、そのユルい生き方が凄く好きなので、ナマケモノですね」

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 「びっくり&面白い いきものクイズ大集合」えー!?と驚く問題から、そうだったのか!!と勉強になる問題ばかりでしたね。他にも面白いクイズがたくさんあるので、ぜひ篠原さんの本チェックして下さい。

INFORMATION

『フムフム、がってん! いきものビックリ仰天クイズ』

新刊『フムフム、がってん! いきものビックリ仰天クイズ

 文藝春秋 / 税込価格1,188円

 篠原さんがクイズの作成と解説を担当。「動物園編」「水族館編」「昆虫編」の3つのパートに分かれています。えーっ!? と驚く問題から、そういうことだったのか、と勉強になる問題まで、生き物に関する面白いクイズとその解説がたくさん載っています。子供向けの雑学本ですが、大人でも十分楽しめる一冊です! 可愛いイラストも満載! 詳しくは文藝春秋のHPをご覧ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「(MEET) THE FLINTSTONES / THE B-52's」

M1. OB-LA-DI, OB-LA-DA / YOUSSOU N'DOUR

M2. EVERYTHING'S GONNA BE ALRIGHT / SWEETBOX

M3. やさしい気持ち / CHARA

M4. THE LION SLEEPS TONIGHT / THE TOKENS

M5. 小さな生き物 / スピッツ

M6. ZOO / ECHOES

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」