今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、シンガー・ソングライターのナオト・インティライミさんです。
ナオトさんは千葉県野田市育ち。世界一周66カ国をひとりで渡り歩き、各地でライヴを行ない、サッカーと音楽を通して、世界のカルチャーや伝統、そして自然を体感されてらっしゃいます。
2010年にメジャー・デビュー、2012年にはNHK紅白歌合戦に初出場。コンスタントにアルバムを発表し、全国ツアーも行なっていて、子供から大人まで幅広い世代に人気のアーティストです。そして、12月12日におよそ2年半ぶりに7枚目のアルバム「7(なな)」をリリースされました。
今回は、そんなナオトさんに旅と音楽、そして忘れられない絶景について語っていただきます。
「千葉県野田市立南部小学校、野田市立南部中学校卒業のナオト・インティライミです! よろしくお願いします!」
●(笑)。bayfmではおなじみのナオトさんですけども、実はこの番組のキャッチフレーズが、地球と遊び……。
「地球に学ぶ、じゃないですか?」
●なんで知ってるんですか(笑)!?
「もちろんですよ! なんで(今まで)僕を呼んでくれなかったのかなと!」
●いやもう、本当にナオトさんにぴったりですよね!
「そうなんですよ! 地球としか遊んでないですから!」
●それでは、地球と遊んでいるナオトさんに旅や音楽のお話をたっぷりとうかがっていきたいなと思うんですけども、まずはナオトさんがなぜ、世界一周の旅に出ることになったのかを教えていただけますか?
「世界一周の旅の前に、ちょいちょい一ヶ月間の旅はしていたんですよ。アフリカ、ケニアに行き、ブラジルに行き……みたいな、一ヶ月のバックパックの旅はしていたんです。それで大学4年の時にデビューが決まるわけですね。
デビューするものの、まぁ鳴かず飛ばずで、8ヶ月引きこもる。“このままじゃさすがにいけないよな……”と思って、自分の夢をもう一度見返してみたところ、“ワールドツアーをしたい!”と。じゃあ、その夢のために今、何をすべきなのか、何ができるのか……。“よっしゃ、下見に行こうじゃないか! ロケハンに行こうじゃないか!”ということで、全財産を握りしめて7ヶ月のつもりで日本を出発したら、うっかり1年半、地球と遊んで来ちゃった、そして地球に学んで来ちゃったという(笑)」
●そうだったんですね(笑)。最初はワールドツアーの下見だったんですね!
「まだ下見は続いていますけどね(笑)。15年経ってもまだまだ下見中です」
●どうでした、下見に実際に行ってみて? 自分の中でいろいろなことが変わりましたか?
「ちょっと一回、思い返してみていいですか? ちょっと覚えていないんですよね、もう15年も前のことだから。覚えているだけでいいですか?」
●ええ、もちろん!
「香港でしょ。タイにインド・・・トルコ・・・シリア・・・レバノン・・・ヨルダン、パレスチナ、イスラエル、エジプト、スペイン、ポルトガル、モロッコ、フランス、イギリス、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ボリビア、ペルー、エクアドル、コロンビア、ベネズエラ、キューバ、ジャマイカ、メキシコなど……28カ国かな」
●凄い!
「覚えているだけで言うとね! うーん、あの旅がどうだったのか……。(パレスチナの)アラファト議長の前で歌を歌ったり、エジプトでプロサッカー選手のスカウトを受けたり、コロンビアでデビューしそうになったりっていう、目玉のトピックはさておき、あの旅が変えてくれたこと……」
●ナオトさんの中でどんな変化があったのかなっていうのが気になるんですけど……?
「“何を得ましたか?”みたいな質問はよくされるんですけど、自分の中でいろいろと考えてみると、得たものよりも捨てたものの方が大きいような気がするというか……。なんかね、無駄なものを全部捨ててきた感じですかね。自分が何か見栄を張ったりだとか、ちょっとカッコつけたりだとか、そういう無駄なこと、無駄な装備みたいなものをしていると、人と出会ってからの仲よくなるスピードが圧倒的に遅い、あるいはその繋がりが浅くなる。自分が開いていれば、もうむき出しでスッポンポンでいれば、人と出会った時のそのスピード感と深さは圧倒的に違うなっていうのを(感じましたね)」
※旅先のコロンビアで、ひょんなことから3万人の前で歌うことになったそうです!
「コロンビアのアーティストになんか認められて、“一緒にイベントに出よう!”なんて言ってくださって、そしたらその1万人を沸かせちゃったもんだから、“俺のツアーを一緒に回ろう!”なんて言って、2〜3万人の規模のツアーを3、4箇所ぐらい、コロンビア中を回っていたね」
●凄い……!
「だから、自分のアリーナツアーだったりドームとかをやる前に、先にコロンビアでその規模のお客さんの体感を知っているみたいな。あんまり(こういう人って)いないよね。“順番(逆じゃない)!?”って思いますけど(笑)」
●いや〜、もちろんナオトさんの音楽の魅力っていうのもあるんでしょうけど、ナオトさんの人柄っていうんですか、いきなり他国のミュージシャンと“一緒にツアーを回ろうよ!”って言われるぐらい仲よくなれる、その秘訣って何なのかなって、凄く気になるんですけど?
「秘訣は……“懐に飛び込んでいく”っていうやつですよね。“土足で踏み入る”みたいな。入って行くんだけど、後から拭いていく、みたいな感じかな。足跡を拭いていくみたいな(笑)」
●とりあえずお邪魔しちゃったけど、拭けばいいと(笑)。
「“あ、ごめんごめん! 靴、脱いでく、脱いでく!?”みたいに、途中で靴を脱ぎ、後で拭いていく。特に海外は自分で主張していかないと何も起こらないし、主張していけばなんかいろいろ起きていくっていうことも体験しているからかな」
●なるほど。そしてナオトさんといえばサッカーですけど、例えば旅先で現地の子供たちとサッカーをしたりとかもあるんですか?
「ほぼ毎日やっていたんじゃないですかね」
●ほぼ毎日!? それってやっぱり、言葉が通じなくてもサッカーが出来れば、みんなもう友達になれる、みたいなところがあるんですかね?
「サッカーが本当に凄いのは、一緒に蹴るだけで100の情報を飛び越えられる、というところだと思っているんだよね。これは凄い魔法ですね」
●ナオトさんと子供たちで一緒にサッカーをやって、子供達はどんな感想ですか?
「もう、(僕は)ガチでやるから!」
●そこは本気なんですか(笑)!
「全然、大人気ないから。“大人が本気を出したらどれぐらい強いか思い知らせてやる!”(笑)って言ってサッカーやりますからね。たまに負けるときももちろん、ありますけどね」
●じゃあ、子供たちは悔しくて“もっと、もっと!”ってなりますよね。
「そうなんです! それがやっぱり、楽しいんだろうね。手を抜いて勝たしてあげても面白くないから。やっぱりガチでやらないとドラマは生まれないからね」
●他にも、やっぱり音楽はどの世界に行っても共通言語になりますか?
「そうだねぇ……まあ、自分の思う2大コミュニケーションツールはやっぱり、音楽とサッカーかなぁ、まぁ、音楽とスポーツだと思うんだけど。
まあ音楽は、自分がやるだけじゃなくて、“見る・聴く”っていう意味で言ったら、世界中どこにでもあるし、その国の伝統音楽にはどういったものがあるのか、見たり聴いたりしに行く。そして、じゃあ今の最新ベスト20はどうなのよ? っていう、その国のトラディショナルと最新を体に入れて、“トラディショナルからこんな影響が今のポップシーンに入っているんだな”っていう研究を重ねてきましたね。オタクです!」
●じゃあ、ぜひそういう要素が入っているようなナンバーをリスナーの皆さんにも1曲、聴いていただきたいなと思うので、アルバムから1曲、オススメの曲を紹介していただけますか?
「すげぇハードル上がったけどね、今! さぞかし、あなたの66カ国を旅してきた経験の全てが詰まっている、そんな一曲を! っていう凄く高いハードルを感じましたね!」
●うーん、ごめんなさい、期待しちゃっているんです!
「いいんです、いいんです! 今、ちょうどパッと浮かんだのが、3日前にリリースしたばかりの、2年半ぶりの私のニュー・アルバムの中に『ハイビスカス』という曲があるんですよ。これは、今の世界のトレンドの音プラス、アフリカのリズム、あとアフリカの楽器で“ムビラ”というものも入っている、でも歌詞とメロディはJ-POPという、3次元で感じていただけたら嬉しいです! 聴いてください、私、ナオト・インティライミで、『ハイビスカス』!」
*ここで、番組では『ハイビスカス』をOAしました。
※ナオトさんには、旅先で出会った忘れられない夕陽があるそうです。
「そうだなぁ、いろいろあるなぁ……ジュラシック・パークのモデルにもなった、南米ベネズエラにあるギアナ高地もよかったし、モロッコのサハラ砂漠もめちゃいいよね。今回は、タンザニアのザンジバル島の夕陽が、異常だったね!」
●異常なぐらい、綺麗だった?
「うん! 夕陽が沈んでいくのってみんな、好きじゃないですか。それでみんな、見るじゃないですか。見ていると、最後は結構(夕陽が)うやむやにならないですか?」
●わかるっ!
「(夕陽が)雲間にウニョウニョってなりますよね?」
●最後、“もやもや〜”ってなりますよね!
「それが、タンザニアのザンジバル島で見て、しかも“これは綺麗!”と思って船の上から翌日に見たのね。もうね、その海の、水平線に、あの煌々(こうこう)と光るオレンジの太陽が、丸のまま、そのまま沈んでいくっていう体験が、僕にとって人生初だったのよ! “アフリカ、すげぇ!”って思ったね」
●それは羨ましい……。もう、ピシィっとしたまま(水平線へと)沈んでいくわけですもんね。
「もう、めちゃくちゃ綺麗な円のまま! あれは感動したなぁ……ちょーど、去年でしたね」
●そんな夕陽を見たら、どんなことを思うんですか?
「“地球っ!!”って思ったね。“地球、すげぇ!!”って思ったね。素敵な世界がこの地球にはたくさん広がっているのに、我々、現代人はなんと下を向いて生きていることか! 素敵な景色に出会うたびに、そう感じますね」
●そうですよね。あとはナオトさんが(ご自身の)本の中で、“夕陽が沈むと、どこかの次の朝日につながる”みたいなことも書かれていますけど……。
「あれっ、こんなところに本が!? なんか凄く僕の旅のことを知ってくださっているなと思ったら、ええっ!?」
●もちろん、読ませていただきました!
「『旅歌ダイアリー2』の旅日記じゃないですか!」
●そうなんですよ! 凄くいい本なので、思わず買っちゃったんですけど、“夕陽が沈む。またどこかの国を照らすための準備をするのかな”って書かれていますね。
「な〜にくせぇこと言ってんだ、こいつは本当に……」
●誰が書いたんでしょうね〜(笑)。でも、この言葉も凄くわかるというか、素敵な言葉だなと思いました。
「朝日も好きだし夕陽も好きでよく見ているんだけど、“ああ、今日も太陽が沈んでいった……いやいや、ちょっと待て、と。太陽が動いているんじゃねぇ、俺らが回ってるんだ”みたいなことはよく感じますね。“俺らが沈んでいっているんだし”って思いますね」
●太陽は確かに、そこにずっとありますもんね。
「そこにずっといてくれるわけだからね。そういう、考え方とか角度、尺度はやっぱり、旅に出ると変わっていくという、そういった心の革命がたくさん起きるというのは、旅ならではかな」
※最後に、最新アルバム「7(なな)」に込められた想いをうかがいました。
「7枚目(のアルバム)ということで、シンプルに“7”としたんですけど、ナオトの7であり、ラッキーセブンの7であり、(僕が通っていた)南部小学校の出席番号がずっと7番だったというのもあり……。あとは、みなさんの7日間という1週間を彩れたらな、という7であり、あるいはドレミファソラシという7音階の無限を探りたい、という7であり、あるいは7色といえばレインボーカラーでしょ。ただ、アフリカとかは3色だったり、アメリカだったら6色だったり、7色に見えているっていう自覚があるのは、日本人の色彩感覚なんですよ。
“藍色”っていうものがある、つまり、青と紫の間の色である藍色を感じられる色彩感覚っていうのは素敵だなと思っていて、音楽もやっぱり、海外の人たちといろいろ曲を作っているけど、日本人にしか出せないメロディだったり……。だから、日本人ならではの音楽っていうのに自覚を持ち始めた7であり、そして7つの海をこれから渡って行くぞという、決意の7でもあり……。“どんだけ詰まってんの!?”“どんだけ込められているの!?”っていう(笑)」
●いろんな思いが込められた、7!
「“な〜ななな〜な〜”って1曲目でみんな歌っていますけど、そういうハミングの7でもあるという」
●なるほど、そうだったんですね! やっぱり、世界を旅することによって日本に対する思いみたいなのって変わったりしました?
「全然違うよね。あと、日本人のメロディセンスっていうのは圧倒的に世界一だなって思いますね。日本にいるだけだとわからないでしょ? でもやっぱり、海外の人たちと一緒に曲を作っていると、海外の人たちは海外の人たち同士、その辺でメロディを作るんだよね。日本人の僕なんかがメロディを何回もアプローチすると、5種類ぐらい違う変化のメロディができるんです」
●それが、さっきおっしゃっていた藍色というか、より繊細に感じる力が私たち日本人にはあるんですかね?
「そうそう! そうだと思うよ」
●今回のアルバムには、そういったエッセンスもあるんですね。
「本当に今、LAとかマイアミにずっと、去年なんかは1ヶ月の半分は通って、世界への挑戦を始めた年だったので、20カ国を旅したのも大きいし、世界の活動を始めたのも大きい。だから、向こうの人たちと一緒に作ることで、世界のトレンド、あるいはラテン・マーケットのトレンドみたいなものを、聴くだけじゃなくて実際に体感しているっていうのが大きくて……。
でもJ-POPerの誇りがあるから、J-POPの中にそういったトレンドもちょっと織り込みつつ、日本人にしか絶対に作れない音楽だし、逆に向こうでやっていないと作れない音楽という、そのバランスというか、いいところを組み込んだ、そんなアルバムになりましたね」
●今年2018年の12月29日には、ナゴヤドームでライヴもされるそうですね!
「でましたっ! もう、いよいよ残り2週間に迫っておりますけれど、これも挑戦だね。普通ドームって、ドーム(公演)ができる人がやろうとするんだけど、そんな動員がないのにやろうとしている。単純に無茶だよね」
●そうですか〜(笑)?
「なかなか業界でも、“こんな奴いない”って言うぐらい、僕ぐらいのやつがドームをやるっていうのは多分、ないんだよね。でも! やっぱり挑戦したいね」
●ナオトさんのライヴといえばいろんな仕掛けがあって、誰でも楽しめる、そんなライヴですよね!
「そうですね! 本当に最近は子供や、中高年の50〜60代のご夫婦とかも凄く多いし! だからキッズや若者はもちろんのこと、中高年の皆様、そしてファンの方はもちろんのこと、ナオト・インティライミの曲を1曲も知らないよという方も楽しんでいただけるようなエンタメにしたいなと思っております。
2018年、みんないろんなことが、それぞれあったと思うんです。そういったものを全部背負って、詰め込んで遊びに来ていただけたら、一時的にでもそういったものから解放していただけるような、そんな時間・空間を準備してお待ちしております」
●最後に、ナオトさんの旅はまだまだ続きますか?
「いいとも〜……あ、これは違うな。何だっけ……続きますとも〜!」
●(笑)。じゃあ最後に1曲、リスナーの皆さんにお届けしてお別れしたいなと思います。
「はい! 3日前にリリースしたばかりの、私、ナオト・インティライミのニュー・アルバム「7」の中から、あのMr. Childrenの桜井和寿さんと一緒に曲を作り、一緒に歌っていただき、なんとPVにも出演していただいた、そんな曲です。聴いてください! 私、ナオト・インティライミwith桜井和寿で、『Amor y sol(アモール イ ソル)』」
*ここで番組では、『Amor y sol』をOAしました。
何かに悩んだり挫けそうになった時、日常から少し離れて旅に出て「心の革命」を起こす事でまた新しい道が開けてくる。
二回の世界一周旅行をしたナオトさんのキラキラとした瞳と前向きなトークを聞いていると、それは間違いないと確信しました。
新作はとてもナオトさんらしい、きらきらしたポップ・ソングが満載です!
そして今年2018年12月29日には、ナゴヤドームでコンサートが行なわれます。この日は開演が午後3時となっていますので、千葉や東京など首都圏から行っても、十分に日帰りも可能です。ニュー・アルバムをしっかり聴いて、ぜひナゴヤドームで今年ラストの“オマットゥリ”を楽しみましょう!
詳しくはナオトさんのオフィシャル・サイト、twitter、Instagramをご覧ください。
また、ナオトさんのメディア等の出演情報につきましては、下記のURLよりご覧ください。