2019年4月20日

自然遊びには仕事に役立つ哲学がある!
〜ウルトラ“アウトドアズ”マン つるの剛士 登場!〜

 今週の、ベイエフエム/ ザ・フリントストーンのゲストは、タレントで歌手、そして俳優の、つるの剛士さんです。

 つるのさんは、1975年5月生まれ、北九州市出身。「ウルトラマンダイナ」でアスカ隊員役を熱演。その後、男性3人組のユニット「羞恥心」を経て、ソロでカヴァー・アルバムを発表し、ブレイク! 現在は音楽活動のほか、鉄道CGアニメ「チャギントン」のナビゲーターとして子供達にも大人気。また、サーフィン、釣り、野菜づくりなど幅広い趣味にも全力活動中。さらに5人の子供を持つ父親として、子育てにも奮闘中です。
 今回はそんなつるの剛士さんに、仕事に役立つ山登りやサーフィン、そして屋上ライフのお話などうかがいます。

息子は本格派アウトドアズマン!?

※この番組にご出演いただくのは、今回で2回目!

●この番組に5年4ヶ月ぶりにいらしていただきました、つるの剛士さんです!

「どうもご無沙汰しております、つるの剛士です!」

●お久しぶりです!

「5年4ヶ月ですからね、子どもが ひとり増えてます(笑)」

●そうですよね、前回お会いした時にはお子さんは4人でしたもんね。

「本当は6人くらい、いきたいんですけどね(笑)」

●前回のお話では、息子さんとご自宅の屋上に登って、そこから見える山をひとつずつ制覇していこうよ、なんてお話をしていただいて、それが凄く印象に残っているんですよ!

「懐かしいですね! うちの息子はもう、“本物”になっちゃいまして、今は高校生で、カナダに留学しちゃいました!」

●えっ、そうなんですか!?

「自然が大好きになっちゃって! カナダのバンクーバーとかじゃなくて、もうウィスラーの近くのど田舎に行っちゃいましたね!」

●それは、山登りがしたくて行ったんですか?

「“自然の中で生きたい、森の中に行きたい!”みたいな感じで(笑)。日本でも、僕なんかが追いつかないレベルでいろんな所に行って、アイスクライミングもしたり、それこそ富士山の樹海で5日間ぐらいキャンプして、そこから0合目からまた登って帰ってきたりとか……。そんなことをしていたら、“もう勉強なんかいいから自然に行きたい!”みたいな感じになってきたんですよ」

●それは、つるのさん的にはどうなんですか?

「“行きたいなら行きな!”みたいな感じですね。犬の散歩をしていても2時間ぐらい帰ってこないんですよ! 裏山に行っちゃうの! 犬のほうがヘトヘトになって帰ってくるっていう(笑)」

●へぇ〜、たくましい!

「そうそう! だから、幼い頃にやったキャンプとか山登りとか、いろんなことをやっていたことが、だんだん本人の中でそういった感じで芽生えてきたんですね」

●前回のお話の時は、“最終的には富士山に登るのが目標だ”っておっしゃっていたんですけど、富士山は登ったんですか?

「富士山はもう、単独でひとりずつ行っていますね。うちの息子も3回ぐらい登っているし、僕ももう2、3回登っているんですが、ふたりではまだ登ってないんですよね。なので(息子が)帰ってきたら(一緒に)登りたいなと思っていますけどね」

●お子さんと一緒に登ることで、また違った景色とかも見えてくるんですかね?

「もう全然違いますよ、子どもたちと登るとね! 感動を共有できるし、あの時一緒に登った風景なんていうのは、一緒に登った人たちにしかわかりませんからね。それはサーフィンとかもそうですけど、あの時の、あの瞬間に波に乗っていた人たちで共有できるっていうのは、もう一生覚えているし、やっぱり子供たちとも、山でもそうですし、アウトドア全般そうですけどね。あの時の空気と、あの時の風と……みたいなことが共有できる、辛いことも一緒に経験するわけだし、嬉しいことも一緒に共有できるわけですからね。子供たちも一生、心の中に残っているんじゃないかなぁと思うんですけどね」

自然遊びには哲学がある!?

※つるのさんのSNSを拝見すると、本当にいつでもアウトドアを楽しんでいるのが伝わってきます。中でも、サーフィンや釣りの写真をよく載せていらっしゃるんですが、サーフィンには一体いつ頃ハマったんでしょうか?

「昔、東京に住んでいた頃にバリ島に行った時、波に乗っているサーファーの人たちを見て凄く羨ましいなと思って、それで家に帰ってきてウエットスーツを作りに行ったんですよ」

●え、いきなりウエットスーツを(笑)!?

「そうそう! ウエットスーツを作って、それからもう何年も行っていなくて、釣りばっかりしていたんですけど。それから湘南に引っ越してきて、(そこで)釣りもやっていたんですけど、育児休業を取る時に、それが今から9年前かな、僕がやっていたラジオのディレクターがサーファーで、“つるの、行こうよ!”って言ってくれたんですね。それでようやく、満を辞してサーフィンやったんですけど、それでハマっちゃって、もう次の日には自分の板を作りにサーフショップに行っていたんです」

●そんなに、もう1日でハマっちゃうぐらい魅力的でした?

「ハマっちゃいましたね!」

●どんなところが魅力的だったんですか?

「家から近いっていうのもあるんですけど。いつもは岸から沖を見ていたんですけど、沖から岸を見る景色とか、あとはなんかこう、別世界なんですよね。沖にいる人たちの目線というか、いつもはいない場所から眺める風景に凄く心を打たれたんです。陸ではないところで、みんなとしゃべっている感じとか、ボードの上に浮きながらいつもと違うところでしゃべっている感じとか。“あ、こういうコミュニティが海にあるんだ!”と思って、そういう世界に惚れ込んだという感じでしょうかね。
 まぁ、それからはもう普通にサーフィンの、ゲームとしての遊び方もそうですし、あとは仕事に役立つ哲学がたくさんあって、僕はいろんなことに興味があっていろいろとやるんですけど、結局続いているものって自然遊びが多いんですよ。例えば登山だったり釣りだったり、波乗りやキャンプもそうですし、将棋とか音楽はもちろんあるんですけど、なんですかね……自然のものってやっぱり、計算できないから、答えがないじゃないですか。ある程度、だんだん答えが見えてくると面白くなくなっちゃうんですよね。だから、将棋もそうなんですけど。
 (自然には)答えがないから、ずーっと勉強しなきゃいけないし、サーフィンなんかで波に乗って遊んでいると、突然天気とか関係ないところから、うねりが来たりとか、ああいうのって芸能界の波と凄く似ているんですよ」

●おぉ〜!

「だから、“波が来て、その時に乗れた!”はいいけど、乗りっぱなしだと今度は岸に着いちゃって、沖に行く体力がなかったりとか、やっぱり降りなきゃいけないタイミングとかもあるじゃないですか。そういうのも全部、サーフィンが教えてくれたんですよね。乗り続けちゃいけない、みたいな!」

●乗り続けちゃいけない!?

「止めるタイミングも必要だね」

●あぁ、そうなんだ〜! なんか波に乗ったら、乗り続けたいと思っちゃうんですけど、それじゃよくない?

「よくないし、あとは体力とかボードとかも、それなりにちゃんと自分に合ったものを持っていないと、(波に)巻かれちゃうじゃないですか。その辺のスキルを持った人しか、この波には乗れないとか、その波に乗れるためにはちゃんと用意や準備もしなきゃいけない。
 芸能界の波でいうと、いきなり1年目で売れちゃって、そのあとなんか巻かれて終わっちゃうとかじゃなくて、やっぱりちゃんとそれなりのポテンシャルも持ちながら、その波に乗って、タイミングよく降りる、とかね。なんかね、今、仕事をやってて、哲学が全部入っているんですよね」

●では、釣りからはどんな哲学を学ばれたんですか?

「釣りってなんか、みなさんに“ボーッとしてていいですね”とか言われるんですよ。あれね、ボーッとしているんじゃなくてずっと攻めてて、あの水の中の見えない世界を自分の中で計算して、いろいろ探っているわけです。全身をアンテナにして、例えば風向きもそうだし、潮の満ち引きや気温もそうだし、全部を体で判断して釣りをしているんです。そこで釣った魚っていうのは、凄く価値が大きいんですよ! 狙った魚を釣る、そのためには全部を読み取らなきゃいけないっていう。哲学なんですよね」

屋上“つるの山”でキャンプ!?

※つるの剛士さんはアウトドア・アクティビティを楽しむだけでなく、こんなこともやっているそうですよ。

●つるのさんは農園もされているんですよね!

「はい!」

●前回、お話をうかがった時にもお芋とかいろいろ作っているっておっしゃっていましたが、最近は何を育てているんですか?

「今はね、パクチーがいっぱい植わっています!」

●いいですね〜、私も育てていました! 結構、パクチーって強いんですよね(笑)。

「そうそう、どんどん(芽が)出てくるから! でも美味しいんですよ、うちのパクチー! もちろん無農薬だし、自然栽培で作っているんで味も濃くて、ちょっと葉が大きいんですよ。だから近くのレストランとかに卸したりとかもしています」

●そうなんですか!? じゃあ、もう農家としてもやっているんですね(笑)。

「農家というか、遊び半分でね(笑)」

●そういうふうに、自分で食べるものを育てることによって変わったことってありますか?

「うーん……まあ、当たり前ですけど、テーブルに座って出てくるものっていうのは全部、やっぱり命あるものだし、自然からできたものだから……。子供たちだってスーパーに行ったら魚が釣れると思っている子もいて、魚って切り身だったと思っている人もいるんで。嘘のような話ですけど。(自分で育てることによって)心の底から“いただきます”って言えますよね」

●お子さんたちも一緒に畑仕事をしているんですか?

「全然!」

●あ、そうなんですか!? 前回のお話では、息子さんが虫取りを楽しんでいるっておっしゃっていましたが(笑)。

「もう大きいから、全然付き合ってくれないんですよ(笑)」

●そうでしたか(笑)。あと、前回のお話の時に、家の屋上にテントを立ててキャンプをしているっておっしゃっていましたよね。

「“つるの山”ですね!」

●つるの山で、今でもキャンプを?

「つるの山に、僕のセット一式が置いてありまして、朝、つるの山に行くと富士山が綺麗に見えるんで、毎朝そこで富士山をチェックしているっていうのが僕の日課なんですけど、そこでコーヒーを飲んだりパンを焼いたりとかするのが、僕の朝ごはんです」

●キャンプがなかなかできない人には、それって凄くいいなと思ったんですよ。ちょっとスペースがあれば、誰でもできちゃうわけですもんね!

「そうですね。僕は屋上でテントを張ったりもしますよ。最近は全然子供は付き合ってくれないですけど(笑)。三女が優しいんで付き合ってくれるぐらいですけどね。まあ、別にわざわざどこかに行かなくても、家でもいろんなことができるんで、ベランダでもいつもと違う環境で焼肉を焼いたりとかも、立派なアウトドアだと思いますけどね。
 僕は近所の犬の散歩の最中に小枝を拾って来て、それで焚き火をしたりとか、昔はこの番組名じゃないですけど、火打ちで、ひねり式で火起こしをしたりとかして、奥さんに隠し撮りをされてそのままブログにアップされたこともありましたけど(笑)。屋上が僕の、ひとつのアウトドア・スペースかもしれないですね。ほぼ、僕はあそこにいますからね。真冬でも、家に帰ったらそこに行きますからね」

●それはやっぱり、屋上が一番落ち着くんですか?

「星も綺麗ですしね。なんか、あそこに行くと落ち着きますね」

●あ、そうそう、ブログで拝見しましたよ! 本当に星が綺麗で、びっくりしました! 首都圏でも、屋上から見るとこんなに星空って綺麗に見えるんだなって思いました。そして、この番組名でもある“フリントストーン”、火打石で火を起こしていただいていたとは!

「最近はやっていないですけどね。もうなんか、どうしても火を起こしたくて、火打石を一時期、使っていましたからね、僕! 火口(ほくち)もポケットの中に入れていましたから」

●へぇ! 私もつい先日、ブッシュクラフトの先生に話を聞いて、自分で火打石でパチパチってやってみたんですよ。なんか凄い、“新しい力を手に入れた!”みたいな気持ちになりますよね!

「原点ですからね。火を起こせればどこでも何とかなるんで。火打ちができるお父さん、カッコいいじゃん!」

●カッコいいですよ〜! 頼りになる感じがします!

「昔はキャンプに行った時も、炭に火もつけられなかったんですけどね」

●今ではフリントストーンから火を起こしているんですね!

「いや、毎日起こしているわけじゃないですけどね(笑)!」

「はやぶさ2」の応援ソング!?

※最後に、先日発売されたアルバム『つるの剛士 ベスト』、どんなアルバムに仕上がったのか、その思いをうかがいました。

「今年でありがたいことに芸能生活が25周年で、歌手活動が10周年になるんですけど、気づいたら。将来歌手になりたいとか、歌活動しようとか、これっぽっちも思っていなかったし、なんなら親から反対されていたので、そんな僕がなんだか勘違いから始まったこの“歌手”というひとつのジャンルが10年続いているっていうことが、まず驚きというか、ありがたいなと思うんです。
 今回、選曲をしていて改めて思ったんですけど、10年で凄くいろんな曲を歌わせてもらっていたんだなということを感じさせてもらって、凄く選曲するのも大変でしたし、オリジナルももちろん、カヴァーももちろん、全32曲! 今回は新曲もたくさん収録されているので、新たなアルバムとして是非、僕の10年の軌跡を感じ取っていただけたらな……なんてことをカッコつけて言っています(笑)」

●(笑)。でも、本当にいろんなタイプの曲があって、聴きごたえがありますよね!

「僕にとっても、凄く感慨深い一枚ですね」

●実は、この番組で以前、小惑星探査機「はやぶさ2」を特集したことがありました。今回のベスト・アルバムを見て、「はやぶさ」と「はやぶさ2」という曲が入っていて、びっくりしました!

「そうです、そうです! この間、“はやぶさ2”がタッチダウンしたじゃないですか。最初の“はやぶさ”が帰ってきた時に、凄く感動して“はやぶさ”という曲を作ったんですね。それで、“はやぶさ2”が飛び立った時に、“応援ソング作らなきゃ!”と思って、それでできたのがこの曲だったんですけど、“はやぶさ2”がタッチダウンする3日前にレコーディングしたんですよ。その2日後にトラックダウンが上がってきて、“明日、はやぶさ2がタッチダウンする! 今しかない!!”と思って、レコード会社の人たちに相談せずに、勝手にインスタグラムに出しちゃったっていう(笑)」

●(笑)。

「“こんなの、作ってみました!”って感じで。でもJAXAの皆さん、全然食いついてきてくれないんですよ……」

●(笑)。あ、でもNECの宇宙開発担当の方が、つるのさんがずっと「はやぶさ2」の生中継を見ていてくださっているのを知っていましたよ!

「本当!? 本当!?!?」

●“つるのさん好きなんだよね、はやぶさ!”っておっしゃっていました!

「いや〜、是非とも公式応援ソングとして取り上げて欲しいんですけどね! こんなに“はやぶさ”をガッツリ押している人はいないと思うんですけどね〜! まあ、個人的に僕が勝手に作ったんですけど」

●どうしてそんな、「はやぶさ」に惹かれているんですか?

「あー、ちょっと話すと長くなりますよ!? これ、何時間番組でしたっけ?」

●1時間番組なんですよ〜。

「でしょ! あ〜、残念!! “はやぶさ”のような口があれば、いっぱいしゃべれるんですけどね」

●(笑)。でも、歌詞の中に“夢のカケラを集めて”とかもありますけど、未来に向かっている感じがいいんですかね?

「“はやぶさ”は人工的な探査機ですけど、ただの探査機じゃなくて、人類の挑戦というか、もうひとつの生物みたいな感じで僕には映るんですね、毎回! 今回の“はやぶさ2”も凄く感動するし、あと1年半後に帰ってくるんで、東京オリンピックは終わってますけど、本当にいい形で迎えてあげたいなと思っています。
 帰ってくる時に、また盛り上がると思うんですけどね。その時は公式応援ソングになっていると思いますので、bayfmのお力を是非とも、宜しくお願いします! バンバン、新曲“はやぶさ2”をかけてください!」

*ここで番組では、「はやぶさ2」をオンエアしました。

YUKI'S MONOLOGUE 〜ゆきちゃんのひと言〜

 つるのさんにとって、「アウトドア」は特別なことではなく、「日常」や「仕事」と同じフィールドにあって、それぞれがお互いにいい刺激を与え合っているんですね。私もアウトドアをもっと身近に楽しんでみたくなりました。

INFORMATION

『つるの剛士 ベスト』

最新アルバム『つるの剛士 ベスト』

 歌手デビュー10周年の集大成ともいえるベスト・アルバム! Jポップの名曲カヴァーほか、新曲「はやぶさ2」など、オリジナルの代表曲が収録された2枚組ベストです。
 そして芸能生活25周年を記念したライヴ・ツアーが7月12日に名古屋からスタートします!
 いずれも詳しくは、つるの剛士さんのオフィシャル・サイトをご覧ください。

 そのほか近況などは、つるのさんのブログやインスタグラムをご覧ください。

今週のオンエア・ソング

オープニング・テーマ曲
「(MEET) THE FLINTSTONES / THE B-52's」

M1. GLORIA / つるの剛士

M2. BABY, I LOVE YOUR WAY / BIG MOUNTAIN

M3. UPSIDE DOWN / JACK JOHNSON

M4. M / つるの剛士

M5. EVERY MORNING / SUGAR RAY

M6. はやぶさ2 / つるの剛士

エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」