今週から、新パーソナリティとして小尾渚沙(おび・なぎさ)さんが、ベイエフエム/ ザ・フリントストーンを担当します!
今週のベイエフエム/ ザ・フリントストーンのゲストは、山岳旅行家の半田久(はんだ・ひさし)さんです。
半田さんは1953年、岐阜県・飛騨白川郷(ひだしらかわごう)生まれ。子供の頃から自然に親しみ、高校生の時に北アルプスの3,000メートル級を踏破。社会人になってからは、国内の山のみならず、海外へも遠征。国内外の山を登り尽くしてらっしゃいます。現在は植木屋さんになるべく、庭づくりを学んでいるそうですよ。
そんな半田さんの新刊が『誰でも登れる47サミッツ〜都道府県最高峰登頂ガイド』。今回は、らくらく山頂まで登れちゃう!?そんなお話や、おすすめの紅葉スポットについてうかがいます!
※まずは、50年以上、登山にハマっている半田さんに、山の魅力についてうかがいました。
「天気が悪いことを含めても、まぁ自然ですね。やっぱり、夏に行けば涼しい。冬に行けば寒すぎる。ですけど、高山には低山にはない魅力がある。逆に、低山には高山にない魅力がある。ヒマラヤといっても、ヒマラヤはもちろん、(標高が)高いことでみなさん、“凄いね!”って言うんだけど、ヒマラヤにも当然、高いところと低いところがあるのでね。低いところにもいいところがあるしね。それを含めて、山登りというよりは、自分は山岳旅行家と名乗っているんですけど、山頂だけでなく、下の麓(ふもと)の面白さなんかも含めると、なかなか飽きないですね!」
●頂上に立つことだけが目標ではないということですね!
「そうですね。本当に若い時から思っているんですが、頂上は登ったら降りなきゃいけないんですよ。だから、あんまり楽しくないというか、要するに山登りっていうのは、降りてきて初めて山登りになるので、降りるまでが山登りじゃないですか。そうするとね、山頂にいること自体があんまり楽しくないんですね。
それよりは、途中の沢で魚を釣ったり、難しい滝を登ったり、今の季節だったら栗を拾ったり、トチの実も拾うし、クルミも拾うし、帰ったら干して割って食べようかな、とか……。そういうことのほうがかなり楽しいので、“山頂に立ったー!”って言って喜んだことは、あんまり記憶にないですね」
●山=登山=山頂、というイメージだったんですけど、いろんな楽しみ方があるんですね!
「春だったら山菜があるし……もちろん今もあるけどね。花も綺麗だし……」
●半田さんの本のタイトルに、“誰でも登れる”っていうふうにあるんですけど、本当に私のような全くの初心者でも登れるんですか?
「はい、多分行けると思います」
●山って、すっごく苦しい思いをして登る、というイメージがどうしてもあったんですけど、大丈夫なんですかね?
「休めばいいじゃないですか」
●(笑)。
「よくテレビの映像で、高所登山で“ハァ、ハァ、ゼェ、ゼェ……”って言っているのを見ると、“お前、そんなに息したら、喉枯れちゃうだろ!”と思うんですね。風邪引いちゃうんですよ! なので、はぁはぁぜぇぜぇ言うような登山はしないです」
●半田さんの本の中で、“出来るだけ楽をして頂上に立つ”という言葉が凄く印象的だったんですけど、楽して行けるのかなって思ったんですが……?
「うん、行ける、行ける! あのね、みんな勘違いしているよね。凄いとか厳しいとか、辛いとか危ないとか……。“誰が決めました?”って感じだよね!」
●そんな“辛い、大変だ!”っていうイメージが強いので、どうしても登れなかったんです。
「雨が降ったら傘をさせばいいし、風が吹いてきて傘をさせないんだったら、雨具を着ればいい。お腹すいたら食べればいいし……。何にも普段と変わらないというか、テレビを見ているよりは本物の体験だったり、知らない鳥も多分でてくるかもしれない。知らない風景とかも、やっぱり初めて登る登山にはある。初めてだから不安だけど、不安だったら誰かに聞けばいいし、スマホを持っていればGPSで現在地が分かるし……。だから、危ないという感覚はあんまりないですけどね」
※続いて、初心者でも登れる関東のオススメの山を教えていただきました。
「簡単な山というか、47都道府県の中で唯一、車で登れる山というのが、茨城県の最高峰です」
●何という山なんですか?
「八溝山(やみぞさん)です。標高は1,022mあります」
●車で登るんですか?
「もちろん、足で歩いて登ってもいいんですよ(笑)。それこそ、ヤマトタケルノミコトが開いたという八溝嶺神社がありますので、昔は当然、下から歩いて登っていくのが一般的だったんでしょう。けど、なぜか今、頂上まで車で行けますので、これは初心者とかいうんじゃなくて、一般の人でも、ドライブで行って、頂上の駐車場に車を止めてパッと覗けば、そこに頂上が映ります」
●あははっ(笑)! それならもう、誰でも登れますね!
「はい! お花見に来る人とか、今の季節なら紅葉を見に来る人とか……。車で行ける、とは言いますけど、茨城県一高いわけですからね!」
●それこそ、見晴らしもいいですしね!
「さらに、その頂上に見晴らし台を作っているんですよ!」
●ええーっ!?
「高さが3階建てぐらいですかね、20m以上のやぐらを組んでいますので」
●じゃあ、景色はもう素晴らしいですね!
「写真を撮る人とかもいますし、やっぱり茨城県は広いですからね、千葉も広いですけど! 茨城と千葉を合わせた関東平野の東端の一番高いところなんです。それこそ晴れた日には、遠くの富士山も(見えますね)」
●そこに車で登れるということは、山登りの格好じゃなくても行けますね!
「サンダル履きで僕は行きました」
●ええ〜、サンダルで山に!?
「“登りました”じゃないですよ、“行きました”ですよ(笑)!」
●(笑)。半田さん、関東にあるオススメの山でもうひとつ、何かありませんか?
「でしたら、埼玉県の三宝山(さんぽうざん)! 標高2,483mですね」
●おお〜、結構高いですね!
「そうですね。僕も都道府県の山頂巡りをやるまでは知らなかったというか……。見たことはあったんですね。なぜならば、隣が甲武信岳(こぶしがたけ)という、百名山に入っている山で、かなり有名なところなんですね。僕ももちろん、春も夏も秋も甲武信岳には登ったことがあったんです。
この三宝山の何がいいかというと、アクセスが東京都からも長野県からも、もちろん埼玉県からも山梨県からも、三方以上から登ることが出来る。だけど、一番楽なのは長野県側からかな。それだったら日帰りが出来ます。ただし、百名山の甲武信岳が隣にあるので、駐車場がいっぱいになるかもしれない(笑)。
特にいいのは、最初から標高の高い1,500mぐらいの駐車場から歩けるので、針葉樹の森……シラビソの森とか、そういうところからスタートできるし、千曲川(ちくまがわ)、要するに信濃川の源流ですね、その源流点で水を汲んで頂上に行ける!」
●わぁ、いいですね!
「さらに、富士山の眺望がめちゃくちゃいい! 何がいいかっていうと、人工建造物が一切ない! 三宝山から見る富士山、まぁ三宝山の頂上からは見えなくて、そこまで行く途中に見られるんだけど、三宝山自体が残念なことに、百名山の本には“眺望がいい”って書いてあるんだけど、初めて登ったら、360度全部、針葉樹! どこも見えない! ところが、ちょっと脇にずれるとか、頂上じゃないところのポイントからだと、かなりいい! “埼玉県の最高峰って、こんなにいい場所なんだ!”と思いましたね。結構、みんな知らないと思うよ!」
●はい、初めて聞きました!
※ところで、日本一高い山は富士山で、3,776メートル。これはご存知だと思いますが、では、日本で2番目に高い山は、知っていますか? 答えは、南アルプスにある北岳(きただけ)、3,193メートル。実は、北岳がある南アルプスの北部には、3,000メートルを超える山が4座あるんです。
では、日本には3,000メートルを超える山はいくつあるでしょうか? 答えは、21座! 意外と多い印象を持たれた人もいるのではないでしょうか。
それでは、半田さんのインタビューに戻りましょう。これから紅葉が美しいシーズンになりますよね! そこで、日本の山に精通している半田さんに、オススメの紅葉スポットを教えていただきました。
「まず紅葉の美しいポイントは、広葉樹ですよね。針葉樹は紅葉しませんので。となると、広葉樹が多い山域っていうと、やっぱり東北がいいと思います。
中部山岳地帯は標高が高いので、当然、上は針葉樹。例えばハイマツってみなさんご存知でしょうけど、ハイマツは紅葉しません。そうなると雪と紅葉と緑っていう楽しさがあるんですけど、本当に葉っぱが綺麗っていうのが、例えば福島県の尾瀬だったり、岩手県の岩手山。
それから、特に青森も八甲田山(はっこうださん)の周辺は、針葉樹も多いんですけど、麓がかなり自然豊富なので、十和田湖(とわだこ)とかは、いい大人でも涙を流すくらい感激する!」
●半田さん自身が一番綺麗だなと思った紅葉スポットはどこですか?
「多分、十和田湖辺り! “自然が豊富”っていう言葉が、単純なんですけど、湖も大きいし、紅葉も見事ですね」
●いつ頃がいいんですかね?
「10月ですね。山の場所によっても違うんですけど、10月の前半から始まってくるし、10月の20日ぐらいまでは全然楽しめる! まぁ、その年によって違うので、そこは何とも言えないんだけどね。ちなみに関東の高尾山だと(紅葉の見頃は)11月に入っちゃいますよね」
●そうですよね。では、これから登山を始めようとしている人に、また初心者の人に向けてメッセージ、アドバイスをお願いします!
「みんな、気楽にいきましょう〜(笑)。そんなに山って危ないものでもないし、辛いものでもない。辛ければ休めばいいし、喉が渇いたら飲めばいい。そんな感じで、特別視しないで出かけてみたら、意外と誰でも、どこでも行けると思います」
今回は、番組新パーソナリティ 小尾渚沙さんにちなみ、日本の渚についてご紹介します!
日本の海岸線を全て足した長さは、海上保安庁のデータでおよそ3万4,000キロ、世界第6位の長さなんだそうです。地球一周の長さがおよそ4万キロですから、いかに長いか、わかりますよね。
千葉県は三方を海に囲まれているので、まさに「渚の宝庫」。鴨川市の前原・横渚海岸、銚子市の犬吠埼・君ヶ浜海岸、そして外房に広がる九十九里浜は、日本の森・滝・渚全国協議会による「日本の渚100選」に認定されています。
船橋市在住の人気作家で、この番組にも何度か登場されている森沢明夫さんは、かつて雑誌の連載で、日本全国の渚を歩く「渚の旅人」という企画にチャレンジしてらっしゃいました。
ところで、太平洋側の東北4県をつなぐ『みちのく潮風トレイル』というロングトレイルがあること、ご存じですか?
青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸をつなぐ、総延長1000キロの自然歩道で、東日本大震災からの復興支援を目的に環境省が整備しました。
最大の魅力は、海の景観をダイナミックに感じられるスポットの豊富さで、日本一美しい断崖や、リアス式海岸ならではの風景、世界有数の豊かな漁場などを、のんびりと巡ることができます。オフィシャルサイトには、歩く距離やルート、立ち寄りスポットなどが詳しく紹介してある、日帰りや一泊二日で歩けるオススメのモデルコースも掲載されています。ぜひサイトをご覧ください。
◎みちのく潮風トレイルのHP:http://tohoku.env.go.jp/mct/
山と渓谷社 / 税込価格1,650円
47都道府県のいちばん高い山への登山ルートや、アクセス方法などが細かく載っています。
半田さんは、「気楽に」いきましょうとアドバイスしてくださいましたが、事前にウエアや持ち物などをしっかり準備して、はじめて「気楽に」行けますよね。この本には、そのために欠かせない靴やリュックサックの選び方、歩く時にあると疲れが軽減するトレッキング・ポール、ヘッドランプ、レインウエアなどについての解説も載っていますよ!
詳しくは山と渓谷社のサイトをご覧ください。