3月9日の放送で、東北海岸トレイルを一人で歩いて調査している、早稲田大学3年生の後藤駿介さんに出演していただき、被災地の状況や、海岸沿いの自然景観のお話をうかがいました。この東北海岸トレイルとは、環境省が進めている復興支援計画の一つで、青森県八戸市の蕪島から福島県相馬市の松川浦までを結ぶ、約700キロのロング・トレイル。後藤さんは去年12月1日に八戸の蕪島をスタートし、海岸沿いに南下。そしてついに先週、3月16日に相馬市の松川浦に到達。4ヶ月半におよぶ旅が終わりました。そんな後藤さんに電話をつなぎ、今どんな気持ちなのか、お話をうかがいましょう。
●後藤さーん!
「お久しぶりです。」
●無事、3月16日にゴールしたということですが、700キロにも及ぶ東北海岸トレイルを歩き終えて、今どんな気持ちですか?
「まずは、終わった気がしないですね。明日、また東北に行くんじゃないかという気がします。」
●福島県相馬市の松川浦に到着したとき、こみ上げてくるものってありましたか?
「ゴールのとき、相馬市の人たちがゴールテープを用意して待っていてくれたんですよ。そのゴールテープを見たとき、青森・岩手・宮城・福島のそれぞれで出会った人のことを思い出してきて、『本当、すごくいい出会いしてきたな。また会いたいし、このゴールテープを切りたくない!』って思いましたね。」
●そういった出会いもあり、色々なことを経験してきた旅になったかと思いますが、自分の中で「ここが変わったな」っていうところはありますか?
「旅の途中から“縁を大事にしよう”って思うようになりましたね。このトレイルの魅力って、東北の人たちと繋がることができるのが一番の魅力だと思っていて、これから先も一緒に助け合っていける人たちと出会えたので、この縁を一生大事にしたいと思いました。」
●その縁を繋いで、色々な活動をしていくと思いますが、今、計画とか目標みたいなものってありますか?
「今は、“もう一回トレイルを歩こう”と思っています。もう一回、東北の人たちに会いにいって、お礼もしたいし、縁を繋いでいきたいなと思っていますし、また新しい出会いもしていって、東北の人とさらに繋がっていくことで、東北のために一緒に何かできればいいなと思っています。」
●後藤さんは今、大学3年生ですが、これから先はどうしていくんですか?
「今、太陽光について勉強しているんですよ。この前も、福島県の浪江町のギリギリまで行ってきたんですけど、あそこの問題って、なかなか家に帰れない状況にあるんですね。それって、岩手や宮城とは違った問題だと思うので、その状況を理系という立場から改善できるところがあればやっていきたいと思っています。
あと、旅をしていて、農業をやっている方とたくさん出会ってきたんですけど、みんな熱い気持ちでやっているんですよ。歩いていても、田んぼや海で働いてる人を見ていると『これが日本だな。これを絶やしちゃいけない』って感じたので、それに対しての活動とかもして、東北のために何か手伝えないかなって思いました。」
●これからも、たくさんの活動をしていって、また番組でもお話を聞かせてください! 今日はありがとうございました!