2003年11月9日<電話インタビュー>
オーシャン・セイラー/海洋冒険家の白石康次郎さん
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この番組ではお馴染みのオーシャン・セイラー、そして海洋冒険家の白石康次郎さん。白石さんはたったひとりで世界を一周する、世界で最も過酷なヨット・レース「アラウンド・アローン」に出場、今年5月に無事にゴールに到着、約8ヶ月に及ぶレースを終えました。その間、この番組でも定期的にご本人に電話で近況を伝えていただいたり、帰国されてからはスタジオにお迎えし、2週にわたってじっくりとレースを振り返る放送をお届けしたんですが、そんな白石さんが先頃「僕たちに夢と勇気を・・・冒険者」という本を出されたのでお電話で近況も含めうかがいました。
●先頃『僕たちに夢と勇気を・・・冒険者』という本を出されたんですが、全部振り仮名が振ってあるので凄く分かり易いし、読みやすいですよね。
「そうですね。まずとにかく応援してくれた子供達にも読めるようにと全部仮名を振って、内容的には子供っぽくは書いていないんですけども、ヴィジュアルでも写真があったりで、とても楽しい本に仕上がりましたね」
●そうですね。読んでいると白石康次郎さんとはどういう人かというのがよく分かるし、レースやヨットのことも「あ、こういうものなんだ」って文章&ヴィジュアルでよく分かったりしました。
「そうですね。今まではヨットのことを主にお話したんですが、今作はヨットだけではなく小さい頃のこととかアドベンチャー・レースのこととか、今回のヨット・レースのことも書きました。『冒険者』と難しいようなタイトルですけども、僕が世界中で遊ばせてもらったものを分かりやすくまとめた本なので、言ってしまえば地球の遊び方ですね」
●私が中でもとても気に入っているのが「ヨット&海、素朴な疑問」というコーナーがあって、子供達からの色々な素朴な疑問「トイレはヨットでするの? それとも海でするんですか?」とか「どんな格好で寝ているんですか?」とか、そういうものをヴィジュアルも含めて白石さんがすごい格好で説明をしていて、「『ふんばる前にふんばる』ああ、なるほどな」とか納得しながら読んでいたんですが、本の最後ではスピリット・オブ・ユーコー号を作れるようになっているんですね。
「そうなんですよ。これが画期的でただ読んで、ただ見るだけではなくて最後にペーパー・クラフトがあって、切り取って組み立てるとヨットが出来上がるんです。これはホントによく出来ていますよ」
●あっ、私まだ作っていないんですよ。
「ペーパー・クラフトの方に頼んだのですが、ヨットの美しい形が果たして1枚の紙で表現できるか最初は私も心配だったんですよ。でも出来上がってみたら物凄い形状ですよね。見事に仕上がっているんですよ。ホントにカッコよく出来上がっています。カラーコピーをすれば何枚でもマイ『スピリット・オブ・ユーコー』が出来ますので、それがいいかもしれないですね。硬めの紙でA3位に伸ばせば非常に大きなものも出来るし、失敗を怖がらずできますからね。ちょっと難しいのでお子さんはお父さんと一緒に作ったりして楽しまれてはいかがでしょうか。凄く面白いです」
●お子さんがコピーの方を使ってお父さんが本の方を使ってキレイなのを作って『こんな風になるんだよ』っていう、そこからヨットや海への夢が子供達の中にもどんどん膨れ上がってくるかなって思いますね。
「そうですね。読んで、見て、作れるっていう今までになかった楽しい本になっています。チャレンジだ、冒険だ、夢だと難しいことを考えずにまず、お手にしていただいて世界の素晴らしい景色と、書かれているのは仲間と一生懸命やったという友情の物語ですよね。最後は自分でヨットを作って夢馳せていただければと思っています」
●大人になればなるほど夢って小難しく色々なことを考えちゃうじゃないですか。その夢の手前の部分を考えちゃう。でも夢って分かりやすくシンプルで大きくても小さくてもいいからドーンとあるっていう形がいいですよね。
「そうですね。夢ってハッキリ言って子供の頃の遊びの延長なんですよね。裏庭で遊んで、学校の仲間達と遊んで、自分の町を飛びだして世界に出て、今度は地球全土で遊ぶと。やっていることが子供の裏庭から地球全土に広がったということで、楽しくみんなで1つのことをやっていこうよと。すぐ難しく『夢』とか『志』とか言うんですけど、ハッキリ言ってそんなことよりも見て楽しければそれが一番のエネルギーですからね。そして一番純粋ですしね。これを読んでくれた子供達がもっともっと純粋に、楽しく、難しくなく考えていただけたらと思っています」
●それが先日出た「僕たちに夢と勇気を・・・冒険者」なんですね。確か白石さん今「アラウンド・アローン」を振り返ったドキュメントの本も書いていらっしゃるんですよね。
「書いていますね。もう締め切りはとうに過ぎているんですけども(笑)。誰しも弱点はありますね」
●なるほどね。弱点を突いてしまいましたね(笑)。
「いやいやいや(笑)」
●これは気持ち的にはいつぐらいに出版される予定なんですか?
「これはですね、出版社が文藝春秋という非常に真面目な出版社さんで来年の春を目標に向こうは出す気満々なんですけど、僕が書かないと出せないので(笑)」
●(笑)。タイトルとかは決まっているんですか?
「いや、まだですね。この本は外国のスキッパー(舵を握って艇を操縦する人)と僕達仲間達との友情物語になると思うんですよ」
●早く読みたいなあー(笑)。
「エイミーさん、またそんなことを言っちゃって(笑)」
●それは一応来年の春に見られるということで楽しみにしています。ありがとうございました。
「来年の春目標で頑張りますのでみなさん読んで下さいね。どうもありがとうございました」
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白石康次郎さんの公式ホームページ:http://www.kojiro.jp/