2005年4月10日
フリントストーン流、アウトドア・サバイバル術に挑戦!以前番組(2月20日放送)にお迎えした「アソベンチャー・クラブ日本」の代表「かざまりんぺい」さんの著書『完全図解冒険図鑑~生き残るための!大冒険術』で紹介されているサバイバル術に、アウトドアの初心者であるベイエフエムの番組スタッフが挑戦! 番組のタイトルでもあるフリントストーン(火打ち石)での火起こし、新聞紙と空き缶でご飯焚き、サラダ・オイルでランタン作り、そしてロープ・ワークに挑戦します。 フリントストーン(火打ち石)で火付けに挑戦! の巻●私たちは江東区にある都立夢の島公園に来ているのですが、アソベンチャー・クラブ日本の代表「かざまりんぺい」さんの『完全図解冒険図鑑~生き残るための!大冒険術』という本をもとに、災害時にも役立つサバイバル術を実践してみたいと思います。今日、実践してくれるのは、ベイエフエムの制作スタッフで、蛾がいなければアウトドアは大好きという「越かずま」ディレクターと、この番組のアシスタント・ディレクターで大きなおにぎりを2個いつも持ち歩いている「高橋りょうた」のふたり。 かずま&りょうた「よろしくお願いします!」 ●元気がない!(笑) まずは火を起こしてみたいと思います。虫眼鏡を使ったやり方とか色々ありますが、今日は残念ながらお天道さまが出ていないので、番組のタイトル通りフリントストーン(火打ち石)を使って火をつけていただきたいと思います。ここに麻ヒモがありますので、麻ヒモを3センチの長さに切ってほぐして小さな鳥の巣のようなものを作り、そこに火花を燃え移らせて火を付けるという感じですね。 かずま「分かりました。やってみましょう!」 ●風向きや火の取り扱いに気を付けてね。 りょうた「火打ちをします」 (かちかちと火打ちをするりょうた)
●音はいいね。 りょうた「これは難しいかもしれないですね」 かずま「(見かねて)マッチ擦ってるんじゃないんだからさ(笑)」 ●(見かねて)りょうた君、カチャカチャ当ててるのはいいんだけど、火花を飛ばさないとダメだからね。じゃあ、かずま君やってみよう! りょうた「お願いします」 (カチッカチッと火打ちをするかずま)
●あっ! 火花が散りましたね。さぁ、下の麻ヒモにつくでしょうか? りょうた「火花がちょっとずつ飛んでいるんですけどね」 この後延々火打ち石に挑戦した2人ですが、かずま君はかろうじて火花はつくれるものの、火を起こすまではいかず、りょうた君に至っては火花すらつくれませんでした。そこで2人は、板と枝を持ち出し、それをこすりつけることによって火を起こそうと、新たな挑戦を開始しましたが、こちらは摩擦による焦げをつくることもできませんでした。こんな2人に『大冒険術』の著者である、かざまりんぺい先生から、こんな喝も飛びました。 かざまさん「根性が足りないんじゃないかな!(笑)」 というわけで、一喝されてしまいましたが、確かに火をつけるのは難しい! かざまさんによると、レンズで火をつける場合、レンズを持つ手が震えて焦点が定まらずに火がつかないというケースも多くあるそうです。そこで結論。マッチという文明の利器を使いましょう。その際の注意点としては、マッチが湿って火がつかないということや、周りに火がつきやすいものが少ないことなどを考慮して、マッチと新聞紙や麻ヒモなど火種になりそうなものをビニールを二重にするなどしっかりと防水対策をした上で持ち歩くのがいいようです。実際に山で暮らすマタギの人などは、こういう対策をしていますし、かざまさんの本『大冒険術』には、防水マッチの作り方も載っていますので参考にしてください。 新聞紙と空き缶で米を炊く! の巻●腹が減ると元気が出ないりょうた君がいるので(笑)、空き缶を使ってご飯を炊いていただきたいんですけど、材料を言いますよ。まず、空き缶ふたつ。これは飯ごうの代わりにするものがひとつで、味がうつることもあるのでお茶の缶がベストだそうです。もうひとつはかまど用です。これを2個組み合わせて作るわけですけど、そのほかに必要なものを言います。薪の代わりということで新聞紙、朝刊1日分。お米が350ミリリットルの缶に対して1合。あとは、サバイバルにおいて万能といわれるアルミ・ホイル。これは飯ごうのふたがわりですね。で、その上に載せる小石。かまどの缶を切り抜くのに必要なカッター・ナイフ、きり。それから軍手。火をつけるマッチ。あと、切り抜く際に印をつけるフェルトペン。これらを使ってご飯を炊いてもらおうじゃないか! かずま「まかせてください」 りょうた「がんばります」 かずま「俺らに任せておけばおいしいご飯が食べられるということで。まず、2個の缶の上蓋を缶切りで開け、切り取っておく」 りょうた「缶切りで開けます。お釜の方のふたが開きました。缶の上部に3カ所くらい空気穴を目打ちであけます」 ●それは飯ごうの缶じゃないか?(笑) かずま「それはかまどに使うから・・・(笑)」 りょうた「これは開けなくていいですね(笑)」 かずま「お前、こっちに穴をあけちゃダメじゃないか!(笑)」 りょうた「すいません!(笑)」 かずま「じゃあ、俺は新聞で薪を作ろう。新聞の片面を8分の1に細く棒状にねじって、小さな新聞紙の薪を作るんですが、これは大体朝刊1日分で大量にできます。今から切って薪にしていきたいと思います」 ~数分後~
かずま「薪が出来上がった! 高橋、さっきさぁ、ご飯炊き用の缶に穴を開けたけど・・・(笑)、まぁいいか。せっかくだし、それで作ってみよう。次はかまど用の缶の上にご飯炊き用の缶を載せる。重ねて・・・」 ●なんか不安定だね。穴を開ける段階で缶の周りがベコベコになっちゃってるね(笑)。 りょうた「俺ですね(笑)」 かずま「(笑)。で、ご飯炊き用の缶に水を300cc入れます」 りょうた「缶が350ccでお米が入っていることを考えると、結構いっぱいまで入れていいですね」 かずま「お前さぁ、お前が空けた穴から水がこぼれていっちゃうんだけど(笑)」 こうしてりょうた君が最初に空けてしまった穴がネックになりながらも、その穴をガムで塞ぐなどの工夫をして、ようやく新聞紙の薪に火をつけるところまでこぎ着けた2人でしたが、薪がうまく燃えてくれません。その原因を探っていた2人、かまど側に開けた穴がかざまさんの本に比べると小さいことに気がつき、改良を重ね、再び火をつけました。 かずま「分かった! かまどの空気用の穴が小さすぎるんじゃないの? 空気が逃げていかないからじゃないかなぁ」 りょうた「酸素も入ってこないから中で燃えないのかもしれないですね」 (空気穴をハサミで広げるりょうた)
かずま「あっ! さっきよりいいんじゃない」 ●大丈夫そうかな? かずま&りょうた「大丈夫そうです」 かずま「分かった! さっきは火をつけたら薪を置いたままで中に入れなかったから火が弱かったんだ。燃やしたらかまどの中に入れなきゃダメなんだよ」 ●このままいけそうかな? りょうた「いけそうです」 かずま「大丈夫でしょう」 ●これからあと約30分。「始めちょろちょろ中ぱっぱ」でやっていくので、録音スタッフはご飯を食べてきますので頑張って下さい(笑)。よろしくー! かずま&りょうた「頑張りまーす!」 かずま「頑張ろう」 この後スタッフがおいしいお弁当を食べている間もひたすら新聞紙の薪をくべ続けた2人でしたが、思った以上に火の管理が難しく、残念ながら30分経ってもご飯は炊き上がりませんでした。45分間奮闘した結果、半分ほどの米は炊けていましたが、残る半分は芯がある状態でした。サバイバルの場面で、この炊飯術を生かすには、火の加減など、日ごろからキャンプ場などで遊びながら、この方法をマスターしておく必要がありそうです。 空き缶でランタンを作る! の巻●ご飯は失敗に終わりましたが、きっぱり忘れて次にいきましょう。陽がだんだん落ちてきました。寒くなります。必要なのは? かずま&りょうた「火ですね」 ●明かりですね。すなわちランタンを作りましょう! 買うと高いですが、なんと空き缶とサラダ・オイルで出来ちゃうんです。空き缶をランタンにして、サラダ・オイルをオイルランプでいうオイルにします。芯の部分はティッシュ・ペーパーです。あとは、フェルトペンで印をつけてカッター・ナイフで切ります。簡単です! これは成功してもらいたい。 かずま&りょうた「成功させます」 ●じゃあ、やってみよう! かずま&りょうた「了解です」 かずま「穴開け今度、俺がやる(笑)」 りょうた「お願いします(笑)」 ●かざまさんの本を参考にして下さいね。今回は上蓋の部分を切らずに、側面を何型っていうのかな? かずま「卵型で、蚊取り線香を載せる台のような形を残して切り抜きます」 ●要領としては缶を切り抜いて、ティッシュ・ペーパーをハサミで5センチ幅に切り、直径6ミリくらいの棒状に丸める。それをアルミ・ホイルで、真ん中の部分だけ巻きます。アスパラベーコンのような感じですね。暗くなる前には完成させたいですね。 ~数分後~
●ランタンの型抜きが終わりましたね。 かずま「続いてM字型になっている部分を内側に折り曲げます」 ●蚊取り線香の要領ですね。 かずま「そうですね。で、先ほど作ったティッシュ・ペーパーの芯を挟み込む。これ、ちょっと細いかなぁ」 りょうた「太くしたほうがいいかもしれないですね」 ●落っこちちゃったら意味ないからね。 かずま「挟まらないと意味が無いんだよね。もうちょっと太くしよう。ほら、いい感じで、油を注いで・・・、よし!」 ●ОKですか? かずま&りょうた「完成です!」 ●では、芯に油がしみ込むまで、我々録音班はお茶でも飲んで待っていましょう(笑)。 ~数十分後~
●そろそろランタンに火を付けて大丈夫ですか? かずま「結構しみ込んできているので大丈夫です」 ●じゃあ、火を付けてみましょう! かずま&りょうた「火を付けまーす!」 ●当然、一番上の部分は紙なので燃えます。アルミ・ホイルの部分まで来ても、そのまま燃え続けてくれるのでしょうか? かずま「ほら! ほら!」 りょうた「火が力強くなってきたんじゃないですか?」 かずま「ほら!」 ●いい感じになって来ましたね! りょうた「油のところまで到達したんじゃないですか!」 かずま「これ、いい感じじゃないですか?」 ●これは成功です! 見事安定した炎がついています。 かずま「消えないですよね」 ●おめでとう! かずま&りょうた「やったー!」 かずま「嬉しいねぇ!」 りょうた「つきましたー!」 こうしてランタン作りは見事に成功。このコツは、やはりティッシュ・ペーパーによる芯作りにありそうです。しっかりと巻くことと、燃料になるサラダ・オイルがちゃんとアルミ箔の上につき出したティッシュの部分までしみ込むまで待つこと。つまり芯の長さによっては油が浸透するまで、大変な時間がかかってしまうということなんです。かざまさんによれば、このランタン、うまく作れば3つか4つを集めて、煮炊きもできるし、暖房器具にもなるということでした。 ロープ・ワーク! の巻●次はロープ・ワークです。ロープをピンと張る方法。ロープをピンと張ってそれにぶら下がってみたいと思います。これは3本の木を使ってやります。木A、B、Cとして、まず、ロープを木Aに固定し、途中によろい結びで輪を作り木Bに回し、さらによろい結びの輪に通す。数人でとにかく思いっきり引っ張って作ります。これはよろい結びとまき結びを使います。これは公園の木なので、傷をつけないように木に新聞を巻いて行ないたいと思います。さぁ、やってみよう! かずま&りょうた「頑張ります!」 かざまさんの本を参考にしながら、2人は慣れないロープ・ワークの挑戦を始めました。このロープ・ワークは熟練するとサヴァイヴァルの場面では大きな力になります。2人が挑戦した「よろい結び」や「まき結び」の他にも、ロープに大きなコブを作ることで縄ばしごができる「8の字結び」、結び目を移動させることができる「自在結び」、ロープに輪を作ることで人やものを持ち上げるときに便利な「もやい結び」など、いろいろな局面で使えるロープ・ワーク、ぜひ皆さんもマスターしてください。さて、かずま・りょうたのふたり、ロープをピンと張れたでしょうか? りょうた「あれ? これ、いいんじゃないですか?」 かずま「いいんだ! できたできた!」 ●出来ましたか? じゃあ、ぶら下がってもらいましょう! りょうた「ぶら下がれます!」 かずま「いいんじゃない!」 かずま&りょうた「成功だ! やったー!」
●おめでとう! かずま「申し訳なさそうに(笑)」 りょうた「食べられないことはないですね」 ●あと一歩という感じでしたね。今日使ったものは身の回りのものばかりです。かざまさんの『大冒険術!』の中には、さらに色々なものが載っていて、身の回りにあるものがこんなに使えるんだということが分かったと思うので、今後は自分達の応用で色々と試していただき、第2弾サバイバル術といきたいと思います。そのときはおいしい御飯食べさせてね。 かずま&りょうた「了解です」 |
■「アソベンチャー・クラブ日本」代表「かざま りんぺい」さん
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『完全図解冒険図鑑~生き残るための!大冒険術』
誠文堂新光社/定価1,470円
番組でサバイバル術の参考にさせていただいた本。
遊びながら身につく、生き残るための知恵や技術を「えびな みつる」さんの絵とともに、マンガ・タッチで分かりやすく解説。災害時にも役立つ1冊。
オープニング・テーマ曲
「ACOUSTIC HIGHWAY / CRAIG CHAQUICO」
M1. THE SURVIVORS / PET SHOP BOYS
M2. FIRE AND RAIN / JAMES TAYLOR
M3. TRY AGAIN / WESTLIFE
ザ・フリントストーン・インフォメーション・テーマ曲
「THE CARRIAGE ROAD / JIM CHAPPELL」
M4. I'LL BE WAITING FOR YOU / P.M.DAWN
油井昌由樹アウトドアライフ・コラム・テーマ曲
「FLASHES / RY COODER」
M5. STARS / SIMPLY RED
M6. THE LIGHT IS ON / CHRISTOPHER CROSS
M7. WOULD YOU BE HAPPIER? / THE CORRS
エンディング・テーマ曲
「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
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