2010年8月15日
今週のベイエフエム/ザ・フリントストーンのゲストは、西野淑子さんです。 |
※高尾山: 東京都八王子市にある、標高599メートルの山。登山道が整備されていて、年間約260万人が訪れます。2007年には、富士山と並び、ミシュラン・ガイドの最高ランク“三ツ星”の観光地に指定されています。 |
(高尾山のふもとにあるケーブルカーに乗るところから始まります)
●私たちは今、高尾山のふもとにあるケーブルカー乗り場にいるんですが、ケーブルカーに乗ってしまっていいんですか?
「早速乗っちゃいましょう!」
●そうですよね! “ゆる~く”ですよね!
「そうですね。ケーブルカーで景色を楽しみながら、登っていこうと思います。」
(ケーブルカーが発車します)
●いよいよ、ケーブルカーで清滝駅から高尾山駅を目指します。
(ケーブルカーで登っています)
●トンネルを通るのって、別世界にワープしたような感じでいいですね!
「そうですよね。このトンネルを抜けたところから、傾斜が急になっているのが分かりますよね。」
●そうですね! ジェットコースターで登るような、かなりの急勾配ですね!
「そうですよね。でも、これを下りたくはないですね(笑)」
●怖いですよね(笑)。でも、ケーブルカーはいいですね。かなりのショートカットになりますね。
「両側に見える木は紅葉の木なんですね。だから、新緑の時期や紅葉の時期に乗ると、すごくキレイなんですよ。」
●いいですね! 今は夏なので、青々としていますけど、これからどんどんキレイになっていくんですね。匂いも山の匂いがしてきましたね。
(ケーブルカーは最も急勾配のところを通ります)
●すごいですね、この急な坂! かなりの重力を感じます。
「日本一の急勾配31度18分ですからね。スキーでいうと、上級のコブ斜面って感じですね(笑)」
●そうですね(笑)。オリンピック選手じゃないと危険な角度ですよね(笑)。
(もうすぐ高尾山駅に着きます)
●もうすぐ高尾山駅に着きそうですね!
「着きましたね。」
●あっという間でしたね。
●ケーブルカーを使って、中腹にある、高尾山駅に来ました。西野さん、私はこれからどうすればいいですか?
「ここから山頂を目指すんですけど、登山者の方が1番多く歩いている、1号路を通ります。大体、1時間ぐらいで山頂に着きます。その途中に薬王院というお寺があって、そこには売店などがありますので、そこでゆっくりしようと思っています。帰りは、同じところを通っても面白くないので、6号路という、沢の音が聞こえる、気持ちのいい道を通ろうと思います。1時間半ぐらい歩いて、ケーブルカーの清滝駅の前まで戻ろうと思っています。」
●今日、私、カメラを持ってきたんですけど、途中で写真を撮ってもいいですか?
「もちろん、バンバン撮ってください! 私もカメラを持ってきていますので、色々なものを撮りながら、ゆっくり歩いていこうと思います。」
●そうですね。駅には売店もありますしね。あ、あそこに天狗焼きが売っていますね! あれを食べながら行きましょう!
「天狗焼きって、おいしいんですよ!」
●本当ですか!? 行きましょう!!
(天狗焼きを買い、早速食べています)
●いきなりゆるゆるですけど、食べながら行きましょう! これ、皮がパリパリですね!
(順調に1号路を進んでいます)
●登山道っていうと、道なき道を通るのかなって思っていたんですけど、この道は舗装されているんですね。
「そうですね。この1号路は、薬王院までは舗装された道路みたいな感じになっているんですね。なので、歩きやすいので、お年寄りの方が杖をつきながら歩いていたり、小さい子供連れの家族がご両親が子供と手を繋いで歩いていたりとかしていますね。」
●それなら、私でも行けそうです(笑)。
「大丈夫です! 問題ないです! なので、周りの木とか花などを見ながら、ゆっくり歩いていけばいいと思います。少しよそ見をしても、道を踏み外すこともないし、危ない突起物もないので、ゆっくりまったり登ればいいと思います。」
●ちょっと登っただけでも、結構涼しいんですね。
「そうですね。今ちょっと風が吹いてきましたね。」
●今日は曇りなので、ふもともそれほど暑くはなかったですけど、やっぱり上に登ってくると、風が気持ちいいですね。
「そうですね。今日は曇りなので、そこまで感じないと思いますが、樹林帯の中って、夏の暑いときだと、木陰に入ると涼しさを感じるんですよね。」
●木陰のありがたみが分かりますね!
「そうですよね。」
(道が二つに分岐するところに来ました)
●道が二つに分かれていますね。
「見ていただくと分かる通り、左側に行くと、108段ぐらいある階段を登っていきます。右側に行くと、ゆっくり登っていける道になっています。どちらを選んでも、時間的には変わらないです。」
●どっちの方がゆるいですか?
「ゆるいのは、階段じゃない方だと思います。」
●それじゃあ、階段じゃない方でお願いします(笑)。
(右側の道を進んでいます)
「今、若い人たちの中で、登山がブームになってきていて、自然もいっぱいだし、人もいっぱいいるので『まずは高尾山から登ってみようかな』っていう方が多いと思います。人がいっぱいいるというのがいいのかどうかというのは、人によって考え方が違うと思うんですが、私としては、人がいっぱいいるというのは、安全・安心だということだと思うので、そういう意味では初めて行く山として、高尾山はオススメかなと思います。」
●そうですよね! 今日は西野さんと一緒なのですごく安心なんですけど、もし女性一人で来ても、他に人がたくさんいるから、安心して登れそうですよね。
「そうですね。」
(絶景ポイントを発見しました)
●今、木のすき間から、下の街の景色が見えますね。今、結構高いところにいるんですね!
「本当だー! すごいですねー!」
●いい景色ですねー!
「こういうのって、ゆっくり歩いていないと気付かないんですよ。前ばかり見ていると、見落としてしまうんですね。ここからこういう景色が見えるなんて知らなかったです。」
●私もキョロキョロしながら歩いていたので、気付きました。
「今歩いているスピードって、普段街を歩いているスピードの半分ぐらいだと思うんですけど、登山だと、このぐらいのスピードで十分なんですよね。今は平坦な道ですが、坂になってきたときでも、このぐらいのゆっくりなスピードだと、話しながら歩いていても、それほど疲れないんです。そのぐらいのスピードが登山ではいいスピードだと思います。」
●登山っていうと、ガツガツ登るものだと思っていたんですけど、そんなことはないんですね。
「そうなんですよね。ガツガツ登るのも、その人の自由なのでいいんですけどね。登山用の地図で『ここからここまで○分』って書いてあったりするんですけど、それって、今ぐらいの、ゆっくりなスピードでの時間なんです。初めて登山をする方って、街を歩く感覚と同じ感覚で歩いてしまうので、すぐ疲れてしまうんですよね。なので、山頂に行くまでに燃え尽きてしまうんですよね(笑)」
(薬王院が見えてきました)
「薬王院が見えてきましたね。」
●ここが薬王院なんですね! 結構大きなお寺なんですね
●薬王院の本殿を抜けて、奥にある、急な階段を登っていきます。
「ここだけ少し気合いを入れていきましょう!」
●はい、分かりました!
(階段を登っています)
●他の山にも、階段というのはあるんですか?
「そうですね。ここは、舗装された道路だったり、石段だったりするんですが、他の山では、丸太で作ったような階段だったり、木造の階段があったりします。」
●これから登山をするなら、階段にも慣れておいた方がいいんですか?
「いや、そこまでは気にしないでいいですよ。」
●あまり意識しないでいいですか(笑)
「大丈夫です(笑)。今回のように、登山道の途中にお寺とかあると、急な石段があったりして気が滅入るときがありますね。でも、この階段はまだ優しくていいですね。」
●これでまだ優しい方なんですね。
「もっと、上まであるような階段があるところもありますし、登ったと思ったら、右にまだ続いていたりすることもありますね(笑)」
●(笑)。本堂が見えてきましたね。
「ゆるくといっても、やっぱり息が切れてきますね。」
●そうですね。さすがにきついですね。あー、着きましたー!
「少しお参りしていきますか。」
(本堂をお参り後、薬王院を抜けていきます)
●ここから薬王院を抜けて、いよいよ本格的な登山道に入っていくんですね?
「そうですね。本格的とはいえ、ゆるいですよ(笑)」
●それは安心しました(笑)。
「いきなり木の階段ですので、ゆるい感じですね。」
(木の階段を登っています)
●今までより木が近くなった気がします。
「そうですね。セミの声も、しみじみとした感じで聞こえてきますね。」
●そうですね。あー、風がぬけていきますねー! 気持ちいいー!
「ひんやりとした風で、気持ちいいですね。」
●ぐっと気温が下がって、涼しくなってきましたね。
「そうですね。」
(階段を登りきり、山頂に向けて、歩いていきます)
●西野さん、山頂が見えてきましたよね!?
「そうですね。山頂ですね!」
●そこまで歩かずに、着きましたね。
「そうですよね。きつかったのは階段ぐらいでしたよね?」
●そうですね。最初の階段を登ったときに「大丈夫かな?」って思ったんですけど、その後は、木々の中を気持ちよく歩いていたら、着きました。
「そういえば、山頂には茶店がいっぱいありますし、ソフトクリームとか、おいしそうなものがたくさんあるんですよ。」
●それは、最後に元気が出てきますね!
「このまま舗装された道を登っていくと、山頂に到着します。」
●楽しみながら歩いていたら、あっという間でした。
「そうですよね。1号路は寄り道をして、楽しんでいるうちに着いてしまうという感じで、いいですよね。」
●そうですよね。ゆる登山にはピッタリですね。
「そう思います。」
●そんな話をしているうちに、頂上に着きましたー!
「お疲れ様でーす!」
●ここが高尾山の頂上なんですね!
●ちょっとお腹がすいてきたので、お昼にしませんか?
「そうですね。」
●私たち、今日はおにぎりを持ってきました。
「いつも山に行くときは、気合いを入れて、お弁当とかおにぎりを作ってきたりするんですが、今日は手抜きをして、コンビニのおにぎりにしてしまいました(笑)」
●(笑)。でも、こういう自然の中だと、いつも食べるおにぎりも味が違う気がしますね。
「そうですね。やっぱり自然の中で食べたり、空気を感じながら食べると、よりおいしく感じますよね。私の仲間で、カップラーメンが好きな人がいるんです。山頂に着いて、自分でお湯を沸かして、いつものカップラーメンを食べるんですが、それがおいしそうに見えるし、実際に食べたらおいしいんですよね。」
●お湯が沸かせるんですね!
「携帯用コンロを持ってきて、お湯を沸かすことができますね。」
●お腹がすいたので、食べちゃってもいいですか?
「どうぞどうぞ(笑)。長澤さん、コーヒー飲みますか?」
●飲みたいです!
「じゃあ、準備をしますね。」
●いたれりつくせりですみません(笑)。
「とんでもないです(笑)」
(昼食をとりながら、携帯コンロでお湯を沸かしています)
●今、携帯コンロでお湯を沸かして、コーヒーを入れてもらいます。
「いつも仲間と登山やハイキングに行くときに、携帯コンロを持っていって、お湯を沸かして、お茶をしたり、気前のいい人は、少し豪華なご飯を作ってくれたりしますね。あと、秋や冬のように寒い時期だと、少し大きな鍋を持ってきて、みんなでお味噌汁を作ったり、キムチ鍋を作ったりしますね。」
●山頂では、そういう楽しみ方もできるんですね。
「そうですね。山頂って色々あって、狭いところもあるし、割と広くてゆっくりできるところもあるんですが、ゆるくまったりで、時間の余裕のあるハイキングで、見晴らしがよかったり、広いところでご飯を食べるときに、ちょっとしたサプライズとして、そういうことをすることがありますね。私はサプライズをするのが好きなので、黙ってこっそり持っていって、頂上で驚かすのが好きなんですね(笑)」
●(笑)。でも、それをされると嬉しいですね!
「みんなが何を持ってくるのか考えながら、『これを持って来たから、鍋をしようか』といった感じで鍋をしたりしますね。だから、ゆる登山って“疲れた方がいい”とか“いっぱい歩いた方がいい”とかではなくて、お楽しみを考えたりするのもいいと思うんですね。と話している間にお湯が沸きましたね。」
●そうですね、沸きましたね。
(西野さんにコーヒーを入れていただきました)
●さっそくいただきたいと思います。
「熱いので、気をつけてくださいね。」
●いい香りがしますね。いただきます! んー! おいしいです!
「よかったです。」
●山頂で涼しい風を感じながら飲む温かいコーヒーは最高ですね!
「持ってきた甲斐がありました。よかったです。」
●ありがとうございます!
※ 高尾山豆知識: 高尾山は「明治の森・高尾国定公園」に指定されていて、キャンプやバーベキューなどはもちろん、植物の採取や鳥などの捕獲も禁止されています。 高尾山の森林は「冷温帯」と「暖温帯」の境にあり、カシなどの常緑広葉樹、ブナ・ナラ・ホウノキなどの落葉広葉樹、そしてモミ・ツガなどの針葉樹と、多彩な樹木で形成されています。また、もともとは修験道の霊場(れいじょう)であり、お寺のある場所ということで森が守られ、薬王院の境内を中心に樹齢が700年とも1000年ともいわれるスギの巨木が何本も残っているほか、ブナも樹齢が200年を超える大木ばかり。植物もおよそ1300種もあり、高尾山特有の野草も65種に達しているなど、日本でもトップクラスの豊かな植生を誇っています。 また、大型の哺乳類はいませんが、ムササビをはじめとする28種の動物ほか、年間を通して、いろいろな野鳥を観察できます。そして、これはあまり知られていないのですが、高尾山はおよそ300種のクモがいる“日本一クモの種類が多い山”といわれています。 |
●山頂でおいしいおにぎりをいただいて、おいしいコーヒーをいれていただいて、ありがとうございます。
「どういたしまして。」
●ずいぶん山頂を満喫しました。
「本当満喫しましたね。」
●疲れもとれましたね。これから下山しますけど、頑張れそうです。
「そうですね。頑張りましょう!」
●下りはどんなコースになっているんですか?
「下りは6号路を通って、戻ろうと思います。6号路は沢沿いの登山道になります。1号路に比べると、道幅が少し狭くなりますし、本格的な登山道っぽくなります。登ってきたけど、あまり疲れていないように感じているかもしれないですが、それなりに疲れているので、少し足元に注意をしながら歩いていきましょう。
山で怪我をしたり、事故が起きたりするのって、登りより下りの方が多いんですね。なので、ゆる登山ですが、下りのときは少し気をひきしめつつ、景色を楽しみながら、疲れないように歩いていこうと思います。」
●分かりました! それでは行きましょう!
(6号路を順調に下山します。途中“びわ滝”というところに立ち寄ります)
●西野さん、かなり下りてきましたね。
「そうですね。大体1時間ぐらいかけて下りてきました。あと30分ぐらいですね。」
●今、目の前に滝が見えるんですけど、あの滝はなんという名前なんですか?
「あれは“びわ滝”といいます。修行者が実際に滝に打たれて、修行をする場だそうです。」
●6号路は、私がイメージしていたような、道が細くなった山道で、登りとは景色が全然違いましたね。
「そうですよね。人も多くなくて、静かな山歩きが楽しめますよね。」
●人がいなくなって静かになると、風が木を揺らす音とか、川沿いを歩いてきたので、川の音が聞こえてきたりして、自然の音を感じれて、気持ちいいですね。
「そうですね。静かに歩きながら、物の音を聞いたり、風で木が揺れるのを感じたりできるのは、山ならではだと思います。」
●私も、やみつきになりそうです(笑)。
「本当ですか!? 嬉しいです(笑)」
●ふもとまで、あと30分ぐらいですか?
「そうですね。もう一息です。最後なので、足も疲れてきていますので、あと少しなんですけど、少しだけ気合いを入れていきましょう。」
●そうですね。私も膝が笑い始めてきていますので、気をひきしめていきましょう!
「最後まで安全にゆっくりいきましょう。」
(30分後、ふもとに到着しました)
●というわけで、朝9時45分のケーブルカーに乗って、約4時間かけて、高尾山のふもとに戻ってきました。
「お疲れ様でした。」
●ゆる登山ということで、今日はゆる~く登らせていただきましたけど、とっても楽しかったです!
「それはよかったです!」
●今回は、スペシャリストの西野淑子さんと一緒に登りましたけど、1つうかがいたいのは、西野さんは歩くとき、私より歩幅が狭いように感じたんですが、それには理由があるんですか?
「山歩きって、長い距離を時間をかけて歩くので、なるべく疲れないように歩くことがポイントなんですね。疲れないためのポイントの1つとして、歩幅を狭くして歩くというところがあります。大股で歩くと、距離が稼げるように思えるんですけど、筋力を使うので、すぐ疲れてしまうんですね。なので、小刻みに足を動かすことが大事ですね。段差があるところも、一気に上がるのではなく、小さく上がっていくようにします。その積み重ねで、疲れずに気持ちよく歩くことができますね。」
●高尾山とはいえ「これは持ってきた方がいい」という持ち物があるかと思うんですが、何がありますか?
「今日、実際に歩いてみて分かったかと思うんですが、高尾山って、装備に関してそれほど気を使わないでいいんですよね。例えばスニーカーでも十分歩けたと思いますし、ジーパンで歩いてきている人も結構いたかと思うんですね。なので、それほど細かく気を使うことはないと思うんですが、強いていえば、急に雨が降ってきたときのために、雨具は用意したほうがいいですね。山用の雨具でなく、コンビニで売っている、ビニールの雨具でもいいですし、折りたたみ傘を持っているだけでもいいと思います。高尾山もそうですが、山って天気が変わりやすいので、雨が降ってきて濡れてしまうと、寒くて冷たいですし、風邪もひいてしまいますので、一応雨が降ってきたときのための雨具は持ってきておいた方がいいかなと思います。あとは、リュックサックとスニーカー、歩きやすい服装で、気持ちよく歩いてもらえればいいと思います。」
●服装がラフな感じでいけるので、高尾山は、ゆる登山にピッタリな山ですね。
「そうですね。」
YUKI'S MONOLOGUE ~ゆきちゃんのひと言~
今週はライターの西野淑子さんと一緒に高尾山にゆる登山に行ってきました! |
西野淑子さん情報 本「 東京近郊ゆる登山 」 |