今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、タレントのルー大柴さんです。
ルー大柴さんは1954年、東京・新宿区生まれ。高校卒業後、ヨーロッパやアメリカをヒッチハイクの旅。帰国後、俳優を志し、関根勤の「カンコンキンシアター」で脚光を浴びます。その後は、英語と日本語を混ぜた「ルー語」を駆使し、独自の芸風で活躍中。
2007年にNHK「みんなのうた」で披露した「MOTTAINAI〜もったいない〜」をきっかけに、マイ箸マイバッグを使うようになり、また富士山や地域の清掃に参加するなど、環境活動にも積極的に取り組んでらっしゃいます。
そんなルーさんが、最近すっかりハマってしまっているのが、ドジョウ!
そこで今回は、ドジョウを愛してやまないルーさんに、ドジョウの魅力についてたっぷりうかがっていきます!
※一体なぜ、ドジョウにハマってしまったのか。実はこんなことがキッカケだったそうです。
「40代の頃ね、まだセカンド・サンが…あ、次男がですね、自然が大好きで、小学校低学年の時に自然教室みたいなところに通っていたんですよ。私もその時期は暇だったんで、一緒に行ったんですよね。そしたら、うちの近所なんですけど、田んぼがあって、U字溝みたいなところにアミを入れたら、ドジョウやメダカ、ザリガニなんかが獲れたんですよ! それで、“すごいね!”って息子とトゥギャザーで喜んで、“じゃあ、少し持って帰ろうか”ってことになったんですね。
僕はその時の喜びがずっと引きずられてあったんですよ。一方、息子はだんだんとグローアップするわけですよ。だから、“今度また行こうか!”って言うと、“お父さん、僕忙しいんだ”って言われてね。“ビジーなのか、しょうがない”ということで、アローン、つまり一人で川に行ってディスカバーしながらやってたんですね」
●そうなんですね。U字溝にも結構たくさん生き物がいるんですね!
「ええ、特に田んぼにはいますね。でも、U字溝ばっかじゃ面白くないんで、多摩リバー、あ、多摩川にちょっと朝がたに行ってみると、まだカメとかが歩いていたりして、すごく面白いんですよ。人がいないとカメなんかは結構、陸に上がってくるんですよね。それから、もちろんドジョウとかもいっぱいいますね」
●セカンド・サンと一緒に捕まえたドジョウたちは結局、飼ったんですか?
「ええ、飼ったんです。ウォータータンクって言うんですか、水槽に入れて今でも飼ってますよ! 今は15匹ぐらいいます」
●そんなにいるんですか!?
「結構大きい、60センチの水槽なんですよ。あともうひとつ、小っちゃい水槽もありますけどね」
●ドジョウを飼う人って、なかなかいらっしゃらないので、何を食べて、どんな世話をすればいいのか、気になります。
「非常にドジョウってたくましいんで、水替えもそんなにマメにやらなくても済むわけなんですよ。だから、ちょっと濁っているぐらいのほうがドジョウは好きで、あんまり綺麗すぎると、“ちょっと綺麗すぎるよ、ルー・パパ!”ってドジョウに言われるわけよ。ドジョウは丈夫なんですよ。エサは、ペットショップとかに川魚のエサがあるんですけど、それを水槽にちょちょっと入れてあげると、パクパク食べていますね。毎日エサをやる必要もないんですよ」
●そうなんですか!? そうやって一緒に生活していると、“いや〜、こんな姿が愛らしいな!”とか、観察していて面白かったこととかありますか?
「こっちが口をパクパクすると、ドジョウも口をパクパクさせる時もあるし、それから非常にシャイな部分もあって、話しかけてもときどき石に隠れちゃったりしますね。あと、水槽には何匹もいるから、そうすると石の隙間に3匹ぐらいが潜って、その3匹が顔だけ出してパクパクやってる時もあるんですよ! それを見たらカメラのシャッター、切りますよね! その写真、何枚かありますよ。だってそんなものってさ、今まで見たことないじゃない。水槽で飼ってるから見られるんですよね。そういうのが面白いですね」
●なんか、“だんご三兄弟”みたいですね!
「あ、そう、そう!」
●そんな可愛らしいこともドジョウはするんですね! ……正直な話、ドジョウって可愛いんですか?
「可愛いですよ、僕にとっては」
●まだ私、ドジョウに対して“可愛い”って感覚がつかめないんですけど、どのあたりが可愛いんですか?
「あのね、顔をじっくり見ていると、ドジョウの顔って一匹ずつ、全部違うんですよ。種類によってヒゲの本数も違うし、もちろん色も違うし。おしゃべりもできるしね」
●ドジョウと、おしゃべり?
「なんかね、“パクパクッ”と口でやると、ドジョウも“パクパクッ”てやるんですよ」
●本当ですか(笑)?
「なので、“僕とトゥギャザーでしゃべりたいのかな?”とか、そう思うわけなんですよ。僕の趣味はクラシックを聴きながらドジョウとコンバーセイション、つまり会話をしながら、ポテト焼酎…あ、芋焼酎を飲むのがすごく好きなんですよね。それがリラックス・タイムなんですよ」
●(笑)。ドジョウもクラシック音楽を楽しんでいるような雰囲気を感じられますか?
「そうですね、聴くとなんだか踊ってますね」
※実はドジョウ以外にもこんな生き物を可愛がっているそうです。
「ドジョウだけが入っているわけじゃないんですよね。ヌマエビだとか、小っちゃいエビがいるんですよ。種類はヌマエビなんだけど、黒色だったり、それからちょっと透き通ったシュリンプもいるわけ。そういうのを見ているだけでね、もうチキンスキンですよね。ドジョウは水槽の中では子どもを産まないんですよ」
●そうなんですか!
「何年も飼ってたんだけど、子どもが孵ることはないですね。ただシュリンプの場合は、孵ります」
●じゃあ、実際に子どもを孵化させたこともあるんですね!
「孵化したばかりだと本当に小っちゃいんで、“もしかしたらドジョウに食べられるかな?”と思って、ペットショップにベビー用のアミがあるんで、その中に入れるんですね。そうすると大丈夫です。2ヶ月とかそこに入れていると、少しずつ大きくなるんで、そしたらまた水槽の中に入れ直すんですよ。するとそのシュリンプが水草の中に隠れながら、“ルー・パパ、ありがとう!”って言ってくれるのが、すごい嬉しいですね」
●その声が聴こえてくるんですね!?
「あと、一匹のエビから40匹ぐらいの赤ちゃんが産まれるんですよ。まあ、その中でしっかり育つのはリトルなんですけれど」
●もう、可愛いんじゃないですか、赤ちゃんから育てたシュリンプなんて!
「ただ、数が多くて名前は付けられないですけどね」
●ドジョウには名前を付けているんですか?
「いや〜、全部には付けられないんですけど、ペットショップで売られている、人間がDNAを掛け合わせてつくった、“ヒドジョウ”っていう、肌色をしたドジョウがいるんですけど、これを約13年間飼ったことがあるんです。そのドジョウは2、3年前にダイ、つまり死んじゃったんですけど、最初は3センチぐらいだったのが、最後には13センチぐらいになったんですね。それには名前を付けてました!」
●なんて名前ですか?
「じゃあ、ここで問題です! 3択です。3つ言いますから、名前を当ててください。1番、オードリー。2番、チャッピー。3番、よしえ」
●(笑)。なんか、明らかに3番だけ毛色が違がうので、3番は気になっちゃうんですけど…でもドジョウのあのフォルムを考えると…なんとなく“チャッピー”のような名前を付けるような気がするんですよね…。
「2番、チャッピー。ファイナルアンサー?」
●ファイナルアンサーで!
「……正解です!」
●やったーっ!!(笑)本当に私、この情報を知らなかったんですよ!
「知らないでしょうね。普段、あんまり言ってませんから。なんかね(ドジョウが)小さい時に“このドジョウ、可愛いな”と思って名前を付けようと思ったんですよ。普通の茶色いドジョウとはまた違うじゃないですか。だから、“アイドル的な名前にしよう”と思って、そしたら頭の中に“チャッピー”が浮かんできたんですよ」
●なんとなく、可愛い感じの名前かなと思ったんですが、合ってました! ちなみに、“よしえ”さんはどこからきたんですか(笑)?
「“よしえ”は、今飼っているヒドジョウですね。クイズを講演とかでするんですよ。その時に“よしえ”って言ったら結構ウケたんで、それから必ず選択肢に入れてるんです」
●そうだったんですね。
「チャッピーが亡くなって、新しいヒドジョウを入れたんですが、それが“よしえ”です。まぁ、ですから“よしえ”でも正解なんです。1番のオードリーだけは不正解です」
●それだけ可愛がっていた子が亡くなったときは、悲しかったんじゃないですか?
「ちょっとティアーが流れてね、あ、涙が流れましたけどね。図鑑とかを読むと、ドジョウって寿命がだいたい5、6年らしいですよ」
●そうなんですか!?
「それが13年間も生きたわけだから、もう十分だったんじゃないかな」
●確かに。きっと幸せだったと思います。
「ハッピーだったのかもしれないですね。そして、私にもハッピーな気持ちを与えてくれた、ヒドジョウのチャッピー。近くの土に入れて“バイビー”って言いました」
●じゃあ、今はお空を泳いでいるかもしれないですね!
「あ、上手いこと言いますね! そうかもしれない!」
※千葉の川でもドジョウを捕まえたことはあるのでしょうか。
「千葉の川って綺麗じゃないですか。“ホトケドジョウ”っていうのは綺麗な川じゃないと生息しないんですが、千葉に行った時に、なんて言う名前の川かは忘れちゃったんだけど、結構いっぱいいましたよ! 大きい川じゃなくて、小川みたいなところにホトケドジョウはいますね。なかなか獲るのは難しいですけど。
ところで今、“ホトケドジョウ”って聞いて“えっ?”って思ったかもしれませんが、ドジョウっていっぱい種類があるんですよ」
●そうなんですか!? じゃあここで、簡単にドジョウの種類を教えていただけますか?
「日本で何種類ぐらいいると思います?」
●そんなに種類はいないと思うんですけど……5種類くらい?
「もうちょっとあるんですよ。じゃあちょっと言いましょうか。“マドジョウ”っていうのは、どこにでもいる王道のドジョウですね。それから今、言った“ホトケドジョウ”。このホトケドジョウにも3種類あって、“ホトケドジョウ”と、“エゾホトケドジョウ”、それから“ナガレホトケドジョウ”。本当に仏様みたいな顔をしていて、それがすごく可愛い。
それから北海道にだけしかいない、“フクドジョウ”っていうのがいます。中部地方だったら、“イシドジョウ”っていうのがいて、あとは“アジメドジョウ”っていうのもいます。そして、ストライプ・ローチ! “シマドジョウ”のことですね。これは多摩川にもいるし、千葉にもいましたね。これで8種類でしょ。さらに“タイリクシマドジョウ”っていうのもいるんです。それから“スジシマドジョウ”っていうのもいるんですよ」
●わあ、わかりづらい(笑)!
「スジシマドジョウは、お腹のところがストライプになっているドジョウなんですよ。僕の知っている限りでは、だいたい、この10種類くらいかな」
●ちなみに、ルーさんの水槽には何種類くらいのドジョウがいるんですか?
「3種類くらいかな。ホトケドジョウとスジシマドジョウ、それからストライプ・ローチ」
●それぞれのドジョウは喧嘩したりとか、生態が違うことによって起きる問題とかはあるんですか?
「ああ、それはある。マドジョウとかシマドジョウは割と穏やかなんだけど、ホトケドジョウはちょっとやんちゃなんですよ。だから、つついたりするんです。固形になってるエサを細かくして、指を使ってエサをあげるんですけど、そうすると、ホトケドジョウが僕のフィンガーにキスするわけ。本当につつくの! 僕の指の皮が好きなのかなんなのか知らないけど。すごいのよ!」
●ドクターフィッシュみたいですね!
「そう、そう! だから可愛くてしょうがないの!」
●懐いてくるんですね(笑)。
「だからね、みんな個性があるの。水槽の水替えなんかをするじゃない。するとだんだん水が少なくなってくるでしょ。そうするとドジョウも驚くわけよ。ギリギリまで水替えをするんですね。もう本当に、リトルビット、1センチかそこら辺まで水槽の水を抜くわけ。そうするとみんなね、“おいルー、どうしたんだよ!”“どうしてくれるんだよ! 俺、身動きがとれないじゃないか!”って言って砂利の中で駄駄をこねるわけだよ。あるドジョウなんかティアー流してるからね、“助けてくれよ〜”って! だから僕は“ウェイト! ちょっと待ってくれよ!”って言って水を入れると、“もう〜、早くやってくれよ、それ〜!”って感じで、悠々と綺麗な水の中を気持ちよさそうに泳いでますね」
●ルーさんのドジョウたちはだいぶ“ルー語”を理解していますね(笑)。
「オフコースですよ! だって、僕が帰ってきて水槽を眺めると、“おかえり!”って言うんだもん! ちょっと一杯やってると。“どうだったんだよ、今日の仕事は?”とか、そんなことまでこっちに向かってつついてくるから、“今日はまあまあだったかな”とか、“今日は本当に最高だったよ!”とか、“今日は失敗しちゃったんだ”とか言いながら、ドジョウと会話していますね」
※それでは最後に、ルー大柴さんがライフワークとして進めているゴミ拾い活動のお話をうかがっていきます。
「最初にゴミ拾いを始めたのは“富士山クラブ”ってところでボランティアを集めていて、そこのひとりとして僕もジョインしてみたんですね。それで富士山の近辺のゴミを拾ったんですね。その頃はもう、本当に不法投棄の時代で、確かに今でも冷蔵庫とかを不法に捨てているっていう環境もあるんだけども、それをみなさんと一緒にトゥギャザーで拾っていったんですね。それで、“綺麗になったなぁ。いいなぁ”と、初めてゴミ拾いに参加した時に感じたんですよ。
そうやってみんなでボランティアやるのもいいんだけど、“じゃあ、なんか自分でできることはないか?”と考えて、うちの自宅マンションの近くを、ワンステーションなんですけど、2ヶ月に一回くらい、どのくらいゴミが出るのかっていうことで、ゴミ袋に入れながら拾ってます。そうすると、缶やビンとかが落ちていますよね。そういうのを見るとやっぱり“嫌だなぁ”と思いますね。家庭用のゴミ袋の半分くらいのゴミを、1時間ぐらいかな、かけて拾っています」
●ずっとその活動はされているんですか?
「活動というか、ひとりでやってますけどね。まぁ、ちょっとキザな言い方だけど、自分磨きみたいな感じでやっていますね。でも、街もずいぶん綺麗になっていますよね。昔はやっぱり、タバコの吸殻だとかがいっぱいあったじゃないですか。それがだいぶ綺麗になってるなと、最近思いますね」
●街の人がたまたま、ルーさんがゴミ拾いをしているところを見かけたら、びっくりされるんじゃないですか?
「いやいや、長澤さんはそう思うかもしれないけど、帽子をかぶってメガネをしていると、気がつきませんよ」
●“あれっ、ルー大柴さんがゴミ拾いをしてる!”とはならないんですか!?
「それはないですね。僕がやっていて“ルーさん!!”って言われたことはないですよ。みんな僕のこと、知らないのかもしれない(笑)」
●そんなことないと思いますけど(笑)、それだけ街に溶け込んで一生懸命やっていらっしゃるんですね。
「でも、昔は環境だとか騒がれてたけど、僕は『MOTTAINAI〜もったいない〜』っていう歌を、“みんなのうた”で歌ってたんですけど、それが2007年だったかな。その時よりも全然、環境だとか“もったいないの精神”っていうのは広がって、ずいぶん変わりましたよね。そう思いません?」
●それは私も思います。子どもの頃と全然違いますよね。
「だから街を歩いていても“ああ、綺麗だな”と思いますよ」
●昔よりも綺麗になったけど、さらにその街を綺麗にするために、まずは自分の身の回りからやっていらっしゃる、ということなんですね。
「そうですね。自分のできる範囲でいいと、僕は思いますけどね」
●ではルーさん、最後にリスナーの皆さんにぜひ、“ルー語”でメッセージをお願いできますか!?
「いや〜。サドンリー、突然、藪からスティックに言われてもねぇ。何を言っていいのか、ちょっと今、寝耳にウォーターだったんで」
●うわー、連発っ(笑)!!
「きょう、みなさんリッスンしてくれて本当にありがとうございました。10年ぶりの出演なんですけども、久しぶりに出て、非常にエンジョイしてます。最後までリッスンしていただいて、トゥギャザーしてくれて、サンクス!! ありがとうございます、感謝してます」
●こちらこそ、トゥギャザーしていただいて、サンクスでした! またぜひ、近いうちにトゥギャザーさせて下さい!
「オフコース! コールしてください!」
まさかドジョウとコミニケーションが取れるとは驚きでした。でもルーさんのように、どんな生き物でも愛情を持って育てて、じっと観察すればその生き物の発しているメッセージをキャッチして、トゥギャザーする事が出来るのかもしれませんね。
ルー大柴さんの近況については、ぜひオフィシャル・ブログをご覧ください。