今週のベイエフエム/NEC presents ザ・フリントストーンのゲストは、NILOさんです。
シンガー・ソングライターのNILOさんは、10代後半はバックパッカー!2年かけて世界50カ国を一人で旅をしています。その後、ブラジルでボサノヴァ・ギターを学び、ボサノヴァ・シンガーとしてデビュー。その一方で“ふたつの輪”という自転車のフリーマガジンの編集長を務め、自転車カルチャーを広める活動も行なっていました。そんなNILOさんは現在、ドイツのミュンヘンに生活の拠点を置き、ドイツと日本を行ったり来たりしながら音楽活動を行なってらっしゃいます。今回はミュンヘンでの暮らしぶりや、ドイツの自転車事情などうかがいます。
●今回のゲストは、シンガー・ソングライターのNILOさんです。お久しぶりです!
「お久しぶりです。多分5年ぶりかと思います」
●そうなんです。前回出ていただいたのは、2010年のSEA TO SUMMITというモンベルさんのイベントに一緒に参加したときですね。NILOさんは自転車で、私は登山を担当しました。その後はどうですか?
「やっていることは相変わらず変わっていないんですが、大きく変わったのはドイツに住んでいることですね。主人がドイツ人なので、結婚がキッカケでミュンヘンに住むことにしたんですが、予想だにしなかったことでしたね。ドイツに住むなんて考えたことはなかったし、30歳でゼロからのスタートになったので、色々と鍛えられたと思います(笑)。さらに、出産を2回経験したので、それも生活においてすごく大きな変化です。その影響で一時期ライブとかができなくなったので、その間に制作とかをしていたんですが、2人の子育てにかなり比重がかかっていたので、3年間ぐらいは仕事よりもお母さん業に専念していて、今年になって子供も落ち着いてきたのと、アルバムを出したということもあって、本格的に活動を再開して、日本にも4回来ています」
●新たなスタートとして頑張っているんですね!
「かなり無理しています(笑)」
●では、そのアルバムから1曲聴いていただきましょう。
※ここで放送では、ニュー・アルバム“夏の少年”から“会いに行くよ”を聴いていただきました。
●この曲はどんな想いで作られたんですか?
「これは去年書き始めた曲なんですが、私は今ドイツに住んでいるので、日本にいるみんなになかなか会えないので“会いに行くよ”っていうのが大きなテーマとしてあったんですね。なので、まずはタイトルが決まって曲を書き始めた。“私を応援してくれたり、縁のある人みんなに会いに行くよ”という気持ちを込めて歌っています」
●アウトドアはどうですか?
「アウトドアもドイツ人の精神として当たり前にやるような感じがするので、年代性別関係なく好きな人がすごく多いんですね。私たちの子供は今年4歳と2歳になって、キャンプを初めてやってみたんですが、子供も思いのほか楽しんでくれたので、これからもう少しみんなでキャンプをしてみようと思っています。ドイツは海が遠いので、その代わりとして湖がたくさんあるんですね。なので、キャンプ場は大体湖の周りなんですよ。だから、子供を連れてみんなで行ったり、キャンプが好きな人は湖の周りを色々と回ってみたりして、キャンプしたりしていますね。自転車も自転車専用道路が充実しているので、やろうと思えば、キャンプをしながらミュンヘンからブダペストまで700キロぐらいありますが、2週間ぐらいかけて旅行することができます」
●その湖のキャンプは、どんな風に楽しむんですか?
「湖はビーチみたいになっているところが多いので泳ぐんですが、湖がすごく冷たいんですよ。中には13度ぐらいしかないところがあって、入ると痛かったりして、泳げなかったところもいくつかあるんですね。ですが、夏になると20度ぐらいのところが多いので、みんな普通に泳いでいるんですが、私は最初それでも冷たいと思っていたんですよ。でもこれが徐々に慣れていって、寒中水泳状態で入れるようになりましたね。それに、向こうは冷房が無いので、体がすごく火照っているですよ。なので、冷たい湖に入って体を冷やして、向こうは夏が短いので、太陽を思いっきり浴びて体を乾かすんですね。そうやって、自然にあるもので凌いでいる感じがするんですが、湖の水泳は慣れたらハマりますよ!」
●先ほど自転車の話が出てきましたが、NILOさんといえば自転車ですよね!
「そうですね。この番組との出会いも自転車がキッカケだったような気がします」
●今も“ふたつの輪”という自転車のフリーマガジンの編集長を務めているんですか?
「元々は“自転車に乗る環境が整えばいいな”という想いを込めて雑誌を創刊して、フリーマガジンの編集長を務めていたんですが、今はドイツに住んでいるので、向こうで自転車に乗ってみて、その乗りやすさを感じてます」
●どんなところが乗りやすいですか?
「まずは自転車専用道路が整備されていて、それをみんな理解しているところですね。歩行者は絶対にその道を歩かないし、車との共存ができているので、すごく安心です。あと、小学生の義務として、授業として指導されているんですね。この前たまたま見たんですが、警察の方が来て、車と逆走しないように乗り方の指導して、その後警察の方を先頭に10人ぐらいで実際に道路を走ってみたりするんですよ。それを講習として2、3日必ず受けないといけないんですね。それを受けたら許可証をもらえて、自転車に乗れるようになるみたいなんです」
●許可制なんですね!
「そうなんです。絶対に受けないといけなくて、小学生のときに必ず受けることになっているそうなんです」
●自転車に乗る側のモラルもしっかりされているんですね。
「しっかりレクチャーを受けていて、受けたらそれを証明する免許みたいなものが与えられるみたいです。なので、向こうでは逆走といったことがないし、みんな走るときのルールとかも分かっているし、手信号もみんなキッチリ出せるので、安全ですよね」
●NILOさんのお子さんも自転車に乗ったりするんですか?
「最近始めたところで、まだ道路では乗れないんですが、ペダルの付いた自転車で練習をしている感じですね」
●一緒に乗るのが楽しみですね!
「そうですね。もう少ししたら、自転車で一緒に旅行できるかなと思っています。嫌がられなければですけど(笑)」
●(笑)。NILOさんのお子さんだから、どんどん行っちゃうんじゃないですか?
「そうなってくれれば嬉しいですね」
●相変わらず自転車旅とかされているんですか?
「旅はしばらくできていなくて、トライアスロンも子供がまだ小さかったのと、自分も出産の影響もあってなかなかできていなかったんですね。でも今年、未だにお世話になっているトライアスロンのメンバーが日本にいて『みんなで長野で合宿しない?』ということで、久しぶりにトライアスロンを合宿という形でやりました。最初は『とてもじゃないけど、できなんじゃないか』って思ったんですが、一緒に走る仲間がいたのでクリアできました。久々に山越えをやったりしたので、キツかったですけど、達成感がすごくあって楽しかったですね」
●久しぶりに長い距離乗ってどうでしたか?
「お腹が空きましたね(笑)。食べる食べる(笑)。一人じゃ絶対に走れないなって実感しました。一緒にやる仲間がいたからこそ楽しいんだと思ったし、私は速さを競うためにトライアスロンをやっているわけではないので、いつまでも体を壊さずに一緒に走れる仲間がいて、一緒に練習をしたり大会に出たりすることができるといいなと思いました」
●それらの魅力って“仲間との繋がり”ですか?
「そうだと思います。改めてそれを実感しました」
●今後もドイツで暮らしつつ、日本で音楽活動をしていく感じですか?
「最終形はまだハッキリと決めていませんが、ドイツでも活動を始めたのは今年ぐらいからなので、私自身どんなことができるのか色々と試しているところなんですね。ドイツ人のバンドメンバーと一緒にバンド活動をしていたり、日本人のチェリストとデュオを組んで、クラシックっぽいボサノバをやってみたりしています。でも、実はドイツは日本ほどボサノバの市場は大きくないので、カントリーやブルースの要素も入れながらやっています。それはそれで面白いので、向こうではそんな感じで経験を積みながら頑張っていきたいと思っています」
●ドイツ人のバンドメンバーとやってみてどうですか?
「自己主張は結構強めなので、私も自分をかなり前に出していかないと埋もれちゃいますね(笑)。日本人は控えめで『自分はあまり前に出過ぎないようにしないと』と思って演奏する人が多いんですよ。その辺りも人それぞれで面白いんですよね」
●NILOさんの音楽に新しいエッセンスが加わりそうですね。
「そうですね。音楽面でも自分の意見を出していかないとどうしようもないので、自分のやりたいことを出していって、成長していきたいなと思います」
●今回のアルバムを聴かせていただいたんですが、NILOさんの優しい歌声に癒される部分もあるんですが、今までより強さや意志を感じ取れたんですね。
「そういうものが声に乗るようにしていきたいと思っているので、それが伝わってくれたら嬉しいです」
●最後に、このアルバムの中からもう1曲お送りしたいんですが、どのナンバーにしますか?
「今回のアルバムのタイトルにもなっている“夏の少年”をお届けしたいと思います。このアルバムの初回盤にその曲のミュージック・ビデオを収録したDVDが付いているんですね。その映像は南房総で撮影したので、海のシーンがたっぷり入っています」
●あれ、千葉なんですか!?
「全部千葉で撮影したんです。千倉でアルバムのプロデューサーの藤井さんと知り合っていますし、千倉を舞台に思い描いて曲を書いているので、その辺りを楽しんでいただけたらいいなと思います」
●すごくステキな海のシーンがたくさんあったので、「どこの海なんだろう?」って気になっていたんですよね。
「みんなからも『どこなの?』ってよく聞かれるんですが、あれは南房総なんです。なので、実は千葉色が強いアルバムとなっています!」
※ここで放送では、ニュー・アルバム“夏の少年”から“夏の少年”を聴いていただきました。
1年間で約600万人の人が自転車旅に出るというドイツ。利用者用の標識などが設置されたサイクリングロードは7万5千キロにも及ぶそうですよ。さらに“ベット&バイク”という自転車旅の方が泊まりやすい宿泊施設もあるそうです。本当に自転車での旅がしやすい環境が整っているんですね。NILOさんとお子さんも、きっと近いうちに一緒に自転車旅に出かけるんじゃないでしょうか。ぜひまた番組でもそんなお話もうかがいたいですね。
※この他のNILOさんのトークもご覧下さい。
Afd's Music Entertainment
/定価2,000円
今回お届けした曲のほか、セルフカヴァーの「中心部」等、全部で6曲収録されています。初回盤のみ、千葉県千倉で撮影した「夏の少年」のミュージック・ビデオが収録されたDVDが付いています。NILOさんのオフィシャル・サイトや全国の大手CDショップ、ネットの通販サイトでご購入できます。ぜひお買い求めください。
NILOさんの近況やアルバムの購入方法などについてはオフィシャル・サイトをご覧ください。