2009年9月27日
島系環境ライター・有川美紀子さん
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●有川さーん!
「はーい。お久しぶりです。」
●今月はどんなことをレポートしてくださるんでしょうか?
「今回は、まさに今、シーズン真っ只中のマッコウクジラ・ウォッチングについてお話したいと思います。」
●お願いしまーす!
「大体8月末くらいから、このウォッチングはスタートしますけど、海が穏やかになる秋のシーズンがベストなんですね。というのは、沿岸ではなくて、陸から30キロくらい離れた沖に棲んでいるクジラなので、海が穏やかな秋でないとウォッチングすることが出来ないという感じなんですね。で、マッコウクジラは深海に潜って、ダイオウイカとか巨大なイカのを食べているハクジラの仲間です。で、オスは大きいと17メートルにもなり、メスでも12メートルあるので、実際に見ると非常に巨大です。」
●目の前に島のようにあるって感じでしょうね!
「はい。大体、10月の末くらいまでがベスト・シーズンなんですけど、もし島に来ていただけたら、まず、小笠原ホエール・ウォッチング協会という組織がありますので、そちらを訪ねていただくと、色々とツアーの案内とかクジラの情報を得ることができます。
ザトウクジラは魚を巨大にしたような流線型の形をしていますが、マッコウクジラはすごくナスに似ていて(笑)、ナスを17メートルにして(笑)、頭の部分が全体の三分の一で、しかも角ばっているんですね。で、説明が難しいんですけど、そのカクッとなった角のところに噴気孔がありますので、ザトウクジラは真っ直ぐにブロウ、噴気が上がりますけど、マッコウクジラの場合は斜め45度に噴気が上がるのが特徴です。」
●そんな違いがあったんですね。
「で、何回か浅い呼吸をしてプラプラしていて、あるときに深い呼吸をして一気に1000メートルくらいまで潜っていくんですけど、そのときには高く尻尾を上げますので、尾びれがくっきり見えてとても美しいです。」
●扇形の、絵になる尾びれですね。
「そうです。尾びれの形はザトウクジラほど大きくはないんですけど、ただ、潜ると40分くらい潜ったまま1000メートルくらいまで行きますので、それは見ることができませんけど、そういった迫力のあるクジラでして、たまにアクティブになるときもあって、数年前に私が見たときは、ブリーチングをしていました。ブリーチングというのはジャンプですね。ジャンプして二度目には、上がったときに何か赤いものがバッと出て、『何だろう!?』と思ったら、実はそれはウンチでした(笑)。そんなこともあるんです(笑)」
●有川さん、回を重ねる毎に面白くなっていきますね(笑)。
「(笑)」
●そんなウンチ・ブロウも見られるかもしれないというマッコウクジラ・ウォッチング(笑)、是非、見ていただきたいと思います。10月末からは格安のツアーもあるそうですね。
「そうですね。これは小笠原海運の主催でして、海運のホームページに詳しい情報が出ています。元々は旧島民の方のための帰島できない方が里帰りするためのツアーだったので、格安に設定されているんですね。今はどなたでも参加できます。」
●その前に巨大なナスこと(笑)、マッコウクジラのウォッチングに出かけていただければと思います。
「そうですね。このナスは(笑)、っていうかマッコウクジラは休んでいるときは頭を上にして縦になってボーっと浮いているそうなんですね。それは昨年、研究者の方がデータをとっている中で発見した事実だそうですが、それを想像するのもなかなか楽しんじゃないかと思います(笑)」
●想像しながらお出かけになって、実際に見られたらラッキーかなって感じですね。
「そうですね。」
●有川さん、ありがとうございました。来月もよろしくお願いします。
有川さんのお話にも出てきた小笠原ホエール・ウォッチング協会のHP。イルカやクジラのことだけでなく、小笠原の自然の魅力や、気候のことが細かくアップされたブログへのリンクも貼ってあります。
・小笠原ホエール・ウォッチング協会HP:http://www.ogasawara.or.jp/owa/
小笠原海運主催の格安ツアーついての詳しくはこちらのホームページをどうぞ。
http://www.ogasawarakaiun.co.jp/tour/tour20091030.html