2016年7月23日放送
このコーナーは、国内外で話題になっている自然環境系のニュースや出来事にフォーカス! 主に専門家や当事者の方に電話をつないで、お話をうかがっていきます。
今回は、我々日本人の祖先はどうやって日本にやってきたのかを検証する「3万年前の航海・徹底再現プロジェクト」をクローズアップ! このプロジェクトは国立科学博物館の海部陽介さんが中心となって進めています。先日7月17日から18日に沖縄で行なわれた実験航海では、6.4メートルの草船に男性6人、女性1人が乗って2艘の草船で航海に出ました。
今回クルーとして参加した、ハワイの古代式航海カヌー「ホクレア号」の世界一周航海のメンバーでもある内田沙希さんにお話をうかがいます。
●沙希さん! お久しぶりです!
「お久しぶりです」
●早速ですが、沖縄の与那国島から西表島までの約75キロの航海に草船のこぎ手として参加されましたが、どうでしたか? 大変だったんじゃないですか?
「大変でした(笑)」
●(笑)。沙希さんがいつも乗っているホクレア号は帆が付いていて、風の力を使って進むものだと思うので、勝手は違いましたか?
「そうですね。漕いで海を渡るのと、帆を使って海を渡るのとでは違いましたね。海との距離とも違うなと思いましたし・・・」
●今回乗っていた草船ですが、手作りなんですよね?
「はい。自分たちが一定期間で作り上げた船で海を渡るのって、ものすごく楽しかったです」
●昔の人も同じように自分たちで作って、その船で航海に出たと思いますが、同じような体験をして、どうでしたか?
「昔の人はすごいなと思いました。(自然との)コミュニケーションというのか、自然と話せるんじゃないかと思えるぐらい近くて、“自分たちは自然の一部で、自然の動きが分かってたんじゃないか”と思いました」
●今回すごく大変で、想定通りに進まないところもたくさんあったんですよね?
「そうですね。自分たちの予想は予想でしかすぎなかったですね」
●海流に流されてしまって、伴走船に引っ張ってもらうというところもあったんですよね?
「(沖に出て)流され始めてすぐに“結構流されている!”と、どちらの船もすぐに分かったので、南のほうに進路を変えて漕ぎました。でも(北のほうに)流されてしまいました」
●そう考えると、昔の人ってすごいですね!
「そうですね。海流は見えないから(海に)出てみないと分からないし、それをどう予測したのかが気になりました。“3万年前の人は海流のことを分かってなかったんじゃないか”という話だったんですが、もしあの海流があったとしたら、どうやって西表島に行ったのかなと・・・知っていたからどうにか回避する手段があったのか気になりますね」
●ますます謎が深まりましたね! 来年には台湾から与那国島に行く航海がありますが、そちらにも参加したいですか?
「大丈夫であれば、参加したいです!」
●次回も参加して、その謎を少しでも解き明かしてもらえたらと思います。ありがとうございました!